草を貪っていると、訪問者。そういえば俺、明日の飯とかそう言うのは考えたことないよな。季節の変わり目は風邪をひきやすい。体調不良には気をつけていようね、と言う魔理沙からの勧告かもしれない。開けてみたらいたのは緑髪の女。チェック柄のカーディガンかな。スカートも同じ柄だ。…そして、おっぱいがでかい。しかし、アリスが言うにはここは妖怪も来ない場所で、さらに言えばアリスと魔理沙、あと俺の3人しか居ないと聞いているのだが。何しに来たんだろう。
「…そうね。まず私が聞きたいのは…貴方、いつからここに?」
「俺の名前は須磨元ね。えーっと…ほら、この前の異変。なんか空が赤くなった奴」
「あぁ、あれね。」
「その少し前かな」
「…となると、私がここを離れた少し後ってことね」
「…えっと」
「自己紹介が遅れたわ。この家の持ち主、風見幽香。」
良かった。おっぱいとか言わなくて良かった。言ってたら多分殴り殺されて木に吊るされてたな。怖いよお前。さてお話としては、家はどうでも良い。冬の間だけ家を貸し出せとのこと。…ごめんなさい死ぬので勘弁してください。本当に許してください。家を出ていく以外はなんでもするんで。交渉の結果、なんとか居て良いことに。不快に思ったら殺すらしい。…題名をつけるなら、ドキドキ生死をかけた同棲生活ってところかな。魔理沙に冬の間だけでも匿ってもらえるように頼むか。
「じゃあ早速。さっきからチラチラ私の胸見てたでしょ」
「えっ」
「不快」
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「…避けた」
「あっづ…」
「でも足は削れたみたいね。」
もう一度魔法陣が出ると思えば、日傘を捨てた。…あ、まさかですよね。えっと、あの、まさかね。胸の張りからそれが間違いないと分かる。腕が伸びきっていない。しかし胸は伸びている。脇腹も。俺の胸に関する探究がこのような形で絶望に変わるとは。美鈴師匠直伝、力の出る呼吸法。ドンと大きく地面を叩いて扉に体当たり。こいつ自分の家破壊してるけど良いのか。胸が大きいから許される?そりゃそうだ。胸の大きさは世界からその個人に対する寛大さを示すからね。世界の理、これ大事ね。
「いった…い!」
「久しぶりに人間を食べるのも良いわね。」
「っ…!」
地面を叩いて風見幽香に突撃。あわよくば胸に当たって欲しかったが、それは無理だった。左肩が膝に当たる程度。姿勢も崩れてない。でも、削れた足の痛みを無視できるようになってきた。ちゃんと直立できる。見失うな、風見幽香の胸。出来る限りの力で生き残るんだ。後少しでもすれば魔理沙か誰か来るだろう。…来て。巫女だって、バランサーやってんなら森をぶち壊しまくってる風見幽香を見逃さないはずだ。俺は胸を見逃さないけどね!…まあ、避けるのに精一杯で俺は何もできないんだけど。
「うっ」
「随分と動き回るのね。それなら私もやらせてもらうわ」
地面を踏み抜かれる。するとどうだろう。胸が大きく揺れるほどの足踏み。地面が割れ、俺の立っていた地面を巻き込んで地盤沈下。液状化も起きてないはずなのに、何故?考えるまでもないな。目の前の巨乳が、怪力の持ち主ってだけだ。…ついでに、多分だけど逃げ場を奪われた。逃げたいよなぁ。でも逃げられない。風見幽香の胸を見ながら避けるのはかなり難しい。それ以上に難しいのはこの狭い空間で胸を見続けること。胸の見える位置、角度。横乳は論外。正面から斜め正面にしか立ちたくない。
「随分と脂肪に執着するのね」
「…脂肪…?」
脂肪ではない。脂肪だと言うのなら、その感触は腹にも与えられるべきだ。二の腕の弾力なんて屁でもない。俺が執着しているのは胸に詰められた脂肪ではない。その脂肪と、皮膚と、一部変色している皮膚、ブラジャー。ノーブラでも可。それが俺の見た限りのこの世における最高の物なんだ。ただの脂肪ではない。怒りと意志を詰めた力で風見幽香の腹を叩く。効果なし。傷つくね、これ。しかし衝撃で揺れた胸は見れた。最高だぜおっぱい。蹴った足の勢いそのままに風見幽香から距離をとる。
「…っ」
「頭を随分と使うのね。鼻血、出てるわよ」
「おっぱい見過ぎた…」
そんで持って、おっぱいを見るのに集中できなくなった。何ならさっきの蹴りとかで足の痛みも再発。…鼻血。脳みそを使いすぎると鼻血が出るのか。すげえなぁ。んなわけねえだろ頭馬鹿か。偶然だ。全て偶然。顔を叩いて気を取り戻し、おっぱいを見る。目を見開け。…明鏡止水に入らない。目が痛い。鼻血も止まらない。急な痛みに脱力してしまう。訳がわからない。
「ようやく終わりね。私の家ももう一度作らないと」
「ぁ、あ?」
魔法陣。まずい。眩しい。胸は。
風見幽香。でかい。絶対でかい。どう考えてもでかい。そんで化け物。これが常識だよね。