誠斗視点
霊夢に背負われながら飛ぶこと十数分、俺の視界に周りより一際デカい山が映った。
何故か心が躍った。
俺に少年心って、まだあったんだな。
「着いたわよ。あれが妖怪の山」
「デカいな」
「幻想郷で一番高い山だからな」
なるほど、道理で周りよりデカいわけだ。
富士山よりもデカいんじゃないか?
「それで霊夢、行き先は守矢神社なの?」
「そうよ。妖怪の山で誠斗を連れてくとこなんて、そこ以外あるの?」
「まあ、文のやつは勝手に寄ってきそうだし他の妖怪は排他的、守矢以外ないよな〜」
排他的……か。
まあレミリア様だって、昔は俺とあの人以外の人間と関わろうとしてなかったし、
割と友好的な紫とか幽々子の方が珍しいのだろう。
「取り敢えず降りましょ。白狼天狗が寄ってくるかもだけど」
「その時はその時だぜ」
「一気に不安になったんだが」
「大丈夫よ、お兄ちゃん」
咲夜の言葉遣いが霊夢や魔理沙相手の時のものになってるな。
慣れたか?
にしても白狼天狗か。
哨戒役なんだろうが…………捕まったらどうなるんだ?
見つからないといいが。
俺はその時、背筋に冷たいものが走った感じがした。
嫌な予感がする。
「それで、守矢神社にようがあるんですね?」
「だ〜か〜ら〜、そうだって言ってんじゃないの!」
嫌な予感とは本当に的中するらしい。
あの会話から数分で哨戒に捕まった。
哨戒の白狼天狗……天狗って聞いたから鼻が長いイメージだがそんな事はなく。
見た目は狼の耳と尻尾、全体的に白い。
まさに白狼。
彼女は霊夢達三人には特に警戒をする事なく接してた。
だが、俺にだけ警戒の目を向けていた。
初対面なんだから当然だが。
むしろ哨戒が初対面で警戒してない方がおかしいだろうし。
「ハア、次からは正規の道を使ってくださいね」
「はいは〜い」
「微妙に信用出来ない返事ですね……」
そう言って白狼天狗は飛び去っていった。
ここに来て初めて俺の事を聞かれなかったかもしれない。
「なあ霊夢、ここから歩きか?」
「いや飛ぶけど?」
「………マジか」
「何?私に運ばれるのが不満なの?」
「俺の尊厳は?」
「歩いている時に倒れられて頭打つよりはマシよ」
ご尤もで。
すると、フワリと風を感じる。
飛んだな。
「守矢神社はどっちの方角だ?」
「あっちに湖が見えるでしょ?あそこにあるよ」
俺の質問に咲夜が答えてくれた。
霊夢がなぜかムスッとしてるが………
自分が答えたかったのか?
「と、取り敢えず、守矢に行こうぜ?」
「魔理沙の言う通りだ。行くぞ霊夢」
「はいはい。行きますよ」
「…………わかった」
「二人とも拗ねんなよ」
そんな二人を宥めながら、湖の方へ飛んでいった。
湖に近付くと、神社が見えてきた。
湖の上にポツンと建っているあの神社が守矢神社だろう。
「よいしょっと」
「サンキュー霊夢」
「お兄ちゃん、次は私が運ぼうか?」
「咲夜は引っ込んでなさいよ」
「喧嘩するなって」
「なあ魔理沙、二人はいつもこうなのか?」
「いやぁ〜、どうだろ?」
「知らないのかよ」
何故かいがみ合う二人。
理由は十中八九俺を運ぶ件だろうが。
どうしてそんな些細な事で喧嘩するんだ……
出来れば迷惑はかけたくないんだが………
「あ、霊夢さんに魔理沙さん。それに咲夜さんも」
「よっす、早苗。久しぶりだな」
「お久しぶりです。そちらの男性は?」
「こいつは十六夜誠斗。外来人で、咲夜の兄貴だ」
魔理沙は二人の事を華麗にスルーして、出てきた巫女服の少女に俺を紹介し始めた。
せめて自分でさせて欲しい。
「咲夜さんのお兄さん!?
初めまして、東風谷早苗と言います。この守矢神社で風祝をしています」
「ちなみにこいつも外の世界出身だぜ」
「自己紹介どうも。それはそれとして………
あれは止めなくていいのか?」
俺は霊夢達を指差した。
霊夢はお祓い棒とお札を構え、咲夜はナイフを取り出している。
あれか?弾幕ごっこというやつか?
今やるのか?
「あの二人は放っておこうぜ」
「いや、放置したらそれはそれで……」
「いいからいいから。早苗〜こいつから聞きたいことってあるか?」
「ああ、ありますあります!最近の外の事とか……」
俺は魔理沙に神社の中へ引っ張られていった。
中では早苗から質問攻めを喰らった。
東風谷早苗
種族:人間
年齢:18歳
能力:奇跡を起こす程度の能力
二つ名:祀られる風の人間
守矢神社の風祝の少女。なお、他からの認識は大抵巫女。
外の世界出身。元は女子高生だった。感覚や常識も現代より。
だが、段々と幻想郷に染まってるらしい。
姉がいる(オリジナル設定)。
白狼天狗
今回、誠斗達を見つけた哨戒天狗。
椛ではない、モブ天狗である。
もしかしたら名前付くかも。