霊夢視点
「えーっと……本当にそれに私物が?」
「(コク)」
「……その腕輪に?」
「(コク)」
「……ごめん!」
私は直ぐに謝った。
当然、土下座で。
「大丈夫、気にしてないから……」
「気にしてるわよね?!声震えてるし、その顔で気にしてないは無理あるわよ?!」
誠斗の顔から、半分生気が無くなってた。
本当にそれで気にしてないは無理がある。
「あちゃー。これ完全にイカれてるね」
「これは……精密機械か。腕輪にこれだけのものを入れるとはね」
「霊夢、誠斗。こりゃ河童に持ってった方がいいぜ」
「本っ当にごめん!」
「だから大丈夫だって……」
だからその顔で気にしてないは無理があるのよ。
……私が悪いんだけど。
「河童?」
「妖怪の山に住んでる妖怪だぜ」
「幻想郷で技術者って言うと、大抵河童を指すわね」
誠斗の疑問に魔理沙と咲夜が答えていた。
……私が答えるべきだったかなぁ。
「じゃあ河童のとこに行くか。にとりなら直せるだろ」
「あっ、じゃあ案内しますね」
「早苗が案内しなくても、場所は分かるわよ?」
「ついでにその腕輪がどんな物か知りたいんです!」
私と誠斗が入る間もなく、話はトントン拍子に進んでた。
早過ぎるのよ。
神奈子視点
「それでは神奈子様、諏訪子様。行ってきます」
「夕飯までには帰っておいで〜」
「誠斗達も、また」
「あぁ、また」
誠斗達が玄武の沢にある河童のアジトに向かって飛んでいった。
私と諏訪子は見送りだ。
ふと、隣に立っている諏訪子に目を向ける。
諏訪子は何かを考えているようだった。
「どうした諏訪子。神妙な顔をして」
「ねぇ神奈子。誠斗の事、どう思ってる?」
「誠斗を?それはどう言う意味でだ?」
「単純だよ。あの子はどっち側の人間?」
どっち側……裏か表か。それとも……
体制か、反体制かという事か?
「……裏側の人間だろう。体制側の」
「へぇ〜根拠は?」
「誠斗が持っていた腕輪だ。あれは腕輪の形をした精密機械だ。
それに、私物を入れていた。魔力は感じなかったから、純粋な科学技術。
あんな物を、反体制派の連中が作れるか?」
「無理だろうね〜」
「だろう?なら体制側は確定だ」
「じゃあ、裏側なのは?」
「諏訪子、表の体制の人間なら、なぜここにいるんだ?」
「……それが根拠?」
「ああ」
「じゃあ、あの子はどこと繋がってたのかなぁ?」
諏訪子が踏み込んだ考えを要求してくる。
それも、答えは分かりきっていた。
「あんな物を作れる組織は、私は一つしか知らない」
「奇遇だね。私もだよ」
「「地球連邦管理調停政府」」
私と諏訪子は、同時にその名を言った。
誠斗視点
河童に会いに、俺達は玄武の沢という所を目指していた。
今回も霊夢に運ばれている。
物凄い気まずい雰囲気だが……
「見えてきた。あそこが玄武の沢よ」
霊夢が指差す方を見ると、沢が見えた。
結構な量の洞穴も見える。
あそこに河童がいるのか。
「さてと、降りてにとりを探すか」
「他の河童も探しましょう。もしかしたら何処にいるか知ってるかも」
「にとりの特徴は?」
「全身水色で、緑の帽子を被ってるわ」
「OK……探すか」
そんな感じで、にとりと言う河童の捜索が始まった。
と言ったはいいが……
当の探し人はあっさり見つかった。
と言うのも、降りた先に偶々いた。
「よっすにとり。元気か?」
「おっ、魔理沙じゃないか……どうしたんだそんな大所帯で?」
「ちょっくら頼みたい事があってな。
そこの誠斗の腕輪を直してほしいんだ」
「大所帯の理由になってないんだが……まあいっか。
その腕輪見せて」
「あ、ああ」
俺が壊れた腕輪を渡すと、にとりはそれをマジマジと見つめる。
見終えたのか、顔を上げて言葉を発する。
「精密機械みたいだけど……手持ちだけじゃ直せそうにない」
「どうするんだ?」
「一度工房に持って行こう。あそこなら道具は揃ってる」
にとりの提案に俺は頷いて、一緒に工房へ向かう事になった。
他の面子も一緒だからな?
にとりの工房は、色々な工具が置かれていた。
洞穴の中にこんな場所がある……まるで秘密基地だ。
俺に少年心が残っt……待て、さっきも同じ事を思ったな。
にとりが作業していると、突然俺に言葉を飛ばしてきた。
「……これはどういう機械なんだ?腕輪に精密機械なんて聞いた事ない」
「直せないのか?」
「原理を理解しなきゃ分からない。だから教えて欲しいんだが」
なるほど……原理が分かれば直せる可能性があるのか。
……機密でもないし言って構わないか。
「拡張領域って言う収納機械だ。
無機物を粒子レベルで分解して、腕輪に保管。
元の状態も保存されるから、取り出す時にキッチリ元通りになる。
カタログにはそうあったな」
「……少し落ち着かせてくれ。私の目の前に物凄い発明品がある気がするんだ」
にとりが頭を抱え始めた。
霊夢と魔理沙は首を傾げているが、早苗は口をあんぐりと開けていた。
咲夜は……どういう反応だあれ?
「せ、誠斗さん?それ市販品じゃないですよね?」
「ああ、支給品だ」
「何処で手に入るんですかそれ?!」
早苗が大声で叫んだ。
まあ、俺ですら何で貰えたのか分かってない。
クライアントがくれたが……
「誠斗、保存するって事はメモリがあるんだろ?」
「どこにあるかは分からんぞ」
「じゃあ分解するしかないか……取り敢えずこれは預かるよ。
何処に届ければいい?」
「紅魔館に頼む。色々と世話をかけるな……」
「いいって事よ。それにこれを分解出来るなんて……技術者魂が燃え上がりそうだ」
にとりがそう言ってやる気を出していた。
目がメラメラ燃えているってのは、こう言うのを言うんだな。
その後、もう日も暮れかけていたので、その場で早苗とにとりと別れた。
魔理沙も、家が近いらしく直ぐに別れた。
最後も霊夢に背負われたが……
さっさと飛行魔法を覚えよう。
河城にとり
種族:河童
能力:水を操る程度の能力
二つ名:超妖怪弾頭
玄武の沢で暮らす河童。
幻想郷でも珍しい科学方面のキャラ。その為神奈子と結構仲が良い。