東方直葬録 作:ピーヒャラ
はい、東方に転生したと知って絶望中の鬼のお姉さんだよ〜。いや、まだ諦めるとかではない。ワンチャン江戸時代くらいの可能性がある。そうなれば幻想郷作られたのが文明開花より遅かったはずだから…いやまず幻想郷に巻き込まれるかだよなそこは。
というか妖精ちゃん倒れちゃった。たしか昔って鬼は恐怖の対象だったりしたんだっけ?でも妖精って死という概念が確かないんだし恐ろしいとか思うのかな?う〜ん、おけ。考えても仕方ないわこれ。我がIQ52万の目をもってしても。
その場に置いておくのもなんなので近くにある太めの木に背中を預ける状態で妖精ちゃんを置いておく。獣とかはなんかどっか行ったから食われるってことはないだろう。てかさっきの毛玉、妖怪なのか。となるとあれかな、妖力的なやつあるのかな。試してみよ。
思ったが吉日、木に背をかけるとそのまま目を閉じて自分の中、腹の部分に意識を向ける。呪術◯戦とかの呪力は腹からだったはずだからなんとなく。並行して今のうちに今後の計画を考えてる。
(東方の世界に飛んでしまったことはおそらく確実。たしか鬼は途中で人間に見切りをつけて地底に潜ったんだったか。流石に地上にいる最後の鬼とか嫌だぞ。*1だが明確な時代とかは明かされちゃいないはずだ。だがまだ潜っていないのなら噂にはなってるはず。やっぱり情報だな。あわよくばこの妖精ちゃんから聞こうと思ったんだけど気を失ってるから無理だったし。)
そんなことを思っていると腹の奥深くから何かが猛烈に湧き出る感覚を覚えた。そうすると体に力が湧く感じがする。衝動のままに目を瞑ったまま右腕を思い切り横に振り抜くと空気を押し出す感覚の後、木が軋む音がして、木が勢いよく倒れる音がした。
(空気…え、もしかしてあれ?斬撃を飛ばすやつの腕バージョンやっちゃった?うっわ、鬼のスペックぱねぇ。転生ガチャあたりか?いや、東方な時点でアウトだな)
瞑想を解き、しっかり確認してみると木が一本と奥の木に亀裂が入ってる。あらやだ奥さん、怖いわ〜。では次、妖力を抑えて程度の力があるのかを確認する。でもこれに限っては自分じゃ自覚できないと思う。だって妖夢ちゃんなんて剣術を扱う程度の能力やぞ。どうやって認識しろと?なんか天啓的なやつがあって欲しいんだけどな〜。
「街か何か探すか〜」
そう考えて湖を突っ切って歩いて行った。鬼なんだもの。天上天下唯我独尊。大体これなんだから。
なに?考えてばっかで口にしないねだって?あのね〜、東方二次創作には二つの壁があるんだよ。覗き見の紫、心読みのさとり。この2人が厄介なんすわ。ゆかりんはいつからこっち見てきてるかわからんから不用意な発言するとアウトなんですよ。今まではノーカン。さとりは普通に原作知識バレね。ほんとに怖いわ〜。
にしても握り拳作ると爪が刺さって痛いんだよな〜。どうにかならんかな〜。と爪何色にするか迷ってる女子高生みたいに爪をいじっていると爪がひとりでに縮み、握っても痛くないくらいになった。…………ん?
爪がひとりでに縮み?
あれこれデフォじゃないよね。爪の伸び縮み元々はないよね?再生しても縮むのは普通無くない?試しに爪よ伸びろと念じる。
伸びたぁ。
Ok,ok.一旦落ち着こう餅つこう。これが仮に程度の力なのだとして、他にできることあるよね?爪を操作する程度の能力とかだったら泣くよ?爪は確かタンパク質だったはずだからだったら……筋肉もいけるか?いや筋肉だけ動かせてもドロドロになるだけだから骨もワンチャン?骨はカルシウムだよな。何が出るかな♬何が出るかな♬
なんか斧の刃の先端みたいなの出てきたんですけど?*2
あれ〜?なんかいい感じの指先が全部尖るくらいに思ってたのになんかすっごい物騒なもんできたんやけんど?手首らへんから筋肉剥き出しになって扇状にでかくなって端が骨でできてるなんか殺意高いやつになっちった。道中の血管の数やばたにえん。てかデカさの割に軽いな。横薙ぎして試し……だめだ、さっきよりやばい斬撃が飛ぶ気しかしない。
そう思い振り下ろしかけた腕を下ろす。ふむ、自分の爪、肉、骨を操れることはわかった。髪も頑張ればいけるかな。なんか極端だけど操れはする。暴れ馬みたいなとこあるけど。でもこれ他人のやつ操れるのかな?う〜〜〜〜ん、動物とか毛玉とかみんな走ってっちゃったし、あの妖精ちゃん可愛いから間違って半身化け物にしたら可哀想。*3
は!これ使えば腕に目出せるんじゃね!?いやグロいな。じゃあ…………
い い こ と か ん が え た
鬼のお姉さんの30秒クッキング〜!!はいまずは左手に意識を込めます。指一本一本の意識を込められたらグッドです。そして指達を燕にするように能力を使います。そしたら指が鳥になるのでそれらを飛ばしましょう!そして妖力を回して指を生やせば〜〜〜、ちょっとグロいけど視覚共有のできる鳥の完成で〜す。やばい、これめっちゃ疲れる。ソースはゴールドエ◯スペリエンス。*4
飛ばす前にこの鳥たちが自分のとこに戻れるか確認しよ。親指から出てきた子に帰還命令して………うお、手から入ってった。あと少し元気になったかも。生命を生み出すとまじで疲れるけど戻ったら回復。鳥たちに自我はなく命令を受け入れるだけの傀儡。うん、かなり禁忌に触れてる気がするからあまり使わんとこ、やって索敵。そーら、鳥たちよ、東西南北に飛んでゆけ〜。
こういう能力ってここら辺に腕植えたら多分瞬間移動紛いができるかも?一応埋めとこ〜。自分の体質量保存守んないっぽいし。あと痛みないのが地味にありがたいわ。少し違和感くらいは残ってるから何かやられたかはわかるし何より体変える時普通クッっっっっっそ痛いだろうし。てかこんなこと平気で考えてるあたり思考が鬼になってきてんな。
「これでよし」
腕を地面に埋めて筋肉や骨を操作しながら再生させる。能力を使いながら再生すると妖力の消費が少なくて助かる〜。能力名何にしようかな。なんかセンスあるやつに…………。う〜〜〜〜ん?この視界は…北に向かわせたやつだな。北北西に狼…いや、狼の形した妖怪か。数は5。狩りの最中か?陣形を持って動いてる。狩られてるのは…………。
ひゃっほーーい!!村人A発見!
人間を見つけたので急いで向かう。ちなみに燕から自分を生やして向かおうと思ったが無理だった。生命作ってから自分に戻すまでがワンセットで逆は無理みたいだな。できたらがちチートだったな〜。てか鬼の脚力ぱないっすわ。周りの木を蹴りながら行くとま〜じで速い。お、オオカミ見えてきた。視力いいのも助かるな。←生前視力0.08
距離100mほどで地面を蹴って空を飛ぶ。前回転を加えながら右のふくらはぎをさっき出した斧みたいなやつにする。そのまま人を噛もうとしている二匹の狼の首を勢いよく切断。切ったことによる砂埃で周りが見えないうちに先に捕捉していた後方の狼二匹を踏み込んで頭蓋を掴みそのまま砕く。あとは遊撃だったもう一匹砂埃を盾にこちらの首を後ろから噛み切ろうとするが態勢を前に倒して噛みつきを避け、体を横回転させる勢いそのままに裏拳を打ち込んで頭蓋を砕く。さっきの毛玉みたいに爆発しないのを見るに毛玉よりは強いようだ。
全員を討った後、砂埃が消え、人、おそらく30半ばほどの男が姿を現す。しかしどこか様子が変だった。こちらを見てすぐに膝から崩れ落ち頭を抱え、小さく笑い始めた。いや、逃げてよ。そこから村特定しておじゃまんぼうするんだから。笑うしかないってか。すると顔をあげこちらを見てくる。その目はこちらをみているようで何も見ていなかった。
「はっ、ははは。ハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」
次の瞬間煩わしいと思わざる負えないほど大きな声で笑い始めた。思わず耳を塞ぐがそれでもなお男は笑い続けていた。正気を失ってしまったが如く。何があったかわからない。だが一つ、ただ一つだけやったほうがいいことがわかった。これはおそらく鬼としての本能と人間だった頃の優しさの名残でなってしまったのだろう。
「おそらく自分のせいだろう。すまんな」
「はははクゥ」
腕を斧に変形させ首を断つ。あんな人間としての生き方を失った状態でいるのは鬼としての矜持が許さなかった。静かに眠っておくれ。
にしてもこの男のおかげでおおむね時代がわかった。服装が
死体が荒らされぬよう体を土に埋め、頭を持ってその中に入れようとした時、体が一瞬硬直した。一体なんだと思うと
頭に自分の指が刺さっていた。いや、それだけならばまだいい。なぜ、なぜ自分の肉がこの男の脳の中に広がっている。
その瞬間頭を叩かれたような感触がした。すると頭の中に流れ込んできたのは存在しない記憶。薬売りの店に生まれ、幼馴染の女に一目惚れし、その女と結ばれたと同時の親との死別。結婚相手の家の家業である酒作りを手伝い、薬屋も嫁とこなし、子が生まれ、裕福になってきた途端に狼の妖怪に襲われてしまったこと。そして、その狼どもを叩きのめした女を見た瞬間、この男がどれほどまでに恐怖し、どのように壊れていったか。
それらを一般に見せられてしまった。この男の喜怒哀楽を見てしまった。そして、その未来を潰えさせてしまったのはじぶんであること。それを思い知らされた。
そうか、自分はそう見られているんだな。自分は、何気無いことで人を壊せてしまうんだな。さっきの妖精の、あの異常なほどの恐れはそういう意味だったのか。人は狂い、妖怪をも恐怖させ、狂わす可能性のある存在。それが自分であるのだな。
それから私はあの男の持っていた所持品を持って男の家に向かう。そして物品を置いたらすぐに森の中に帰る。私を見てしまえば、立ち所に狂ってしまうから。強者であれば大丈夫かもしれない。しかし、人は、脆い。
だから関わらない。なにも最初から期待などしない。いいんだ。全て全て、知らぬうちに人に依存する妖怪。そんなものはいい。一人で生きていけばいい。
私がいてもいいことなんて、ない。
骨肉を操る程度の納涼
文字通り自分の骨や爪、肉などを思うがままに変化させる能力。他人に使用もできるが加減をあまり知らないため爆発させる可能性大。相手の脳を操れば死にたてホヤホヤならば記憶が読み取れる。生き物にしか効かないが、植物にも効く。
???????
転生ギフト。見たものを恐怖させ、狂わせ、発狂させる能力。一定以上の妖怪でなければ直視することすらできずに発狂してしまう。ちなみに初めの妖精は意外と強めだったから生きた。
イメージはロボトミの【規制済み】と【何もない】ががっちゃんして外付け美女鬼になった感じ。地獄かな。
イメージSAN値 10 ←地獄すぎひん?
(存在しない)次回予告 お酒の良さを知る、八雲クリニック、恐ろしいが名をもつ。お楽しみに〜