東方直葬録 作:ピーヒャラ
は〜〜、ゆかりんまじかわよだったんだけど。まじさいこ〜。そう考えながら今日も酒を作ってます。
昨日の紫との酒盛り。それはもうすごいよかった。横に美人がいるだけでいくらでも酒が進む進む。この鬼の体になってからは満月がとても綺麗に見える。妖怪になった影響だろうか。それもあいまってかなりの数を飲んだ。
あと紫は酒豪でした。いい飲みっぷりでしたよ。
ふと腕を見ると、金属で作られた手枷と10cmほど伸びた鎖が目に入る。なんでもこの中に紫の『スキマ』の能力がこめられているらしく私の体を『スキマ』で呪いだけは通さないようになっている。しかし真の私を見ているわけではなく、なんというか磨硝子ごしにみてるような感じらしい。見えているのに見えていないみたいな。(?)
それのおかげで毛玉が!こっちみても!逃げるだけなんです!!!!いやこれめちゃくちゃ進歩よ!?前までいきなり横に回転し始めて地面を掘ってく奴もいれば、目があちこちとびながら逃げてって木の根で転んでもそれに気づかずに進み続けようとしたりなんだったり。それがただ逃げるだけ!?楽しく追いかけっこできるね!やったね!
紫にお酒を提供、そして紫のピンチに駆けつける代わりに、色々雑学教えてもらったりお酒の材料提供してくれるって言われてすごい嬉しい。
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「ふ〜む、この酒は…いい感じに甘くなってるな。やっぱ果物でかなり味が変わってくるな。似た味でも品種とかでかなり変わってくるな…」
上弦の月、その光が地上を照らす時、私は酒造りに熱心になっていた。果物酒の種類も紫の提供のおかげでかなり多くなってきている。酒を卸すのは紫に任せてる。価値の暴落的なのは紫だしないだろうから心配していないけど………。あぁ、心配だ。ゆかりんが言ってたお得意様方が遊び()にくる可能性がかなり高い。あぁ、くるなよ。絶対来るなよ。フリじゃねーから!!
調整を軽く終え、椅子に座って腕を後ろに伸ばす。
「面倒ごとになったら呪うぞ、ゆか…………ハァ…」
フラグ回収がクソほど早かった件について。
今現在私は自分の肉を分けて監視役のやつらを放っている。それらは全員アブノーマリティ、またの名は幻想体。前世の記憶の中でまともに残っている物の一つであるロボトミーコーポレーションというゲームのキャラである。単なる鳥より攻撃性能や索敵性能も高いため重宝している。単なる人なら『知恵を欲する案山子』でも出しとけばよし。大体ビビって逃げる。捕まえちゃったら案山子ごしにしかたないから殺して記憶を見ることも可能なのである。
そんでなんでため息が出たかというと理由は二つ。
一つは地中に潜れるチョウチンアンコウみたいなことする『肉の灯篭』、並びにランタンを持った複数の目がある丸い鳥『大鳥』が殺されたこと。これは、まだいい。まだ、いい、
もう一つは、二体の最後に見た視覚を確認すると…『肉の灯篭』は地中から掘り起こされたときに見えた、黄色い星がある赤い角が、『大鳥』はいきなり目の前に霧が固まるように出てきた、横に長い角と三つの鎖分銅のようなものが。
はいーーーーー。星熊勇儀と伊吹萃香さんですね。対戦ありがとうございました。あと『大鳥』の方は死ぬ間際に他にも鬼がかなりいることを確認してくれました。さすが『大鳥』、巡回はお手のものですか。ちなみに死んだら私の元に帰ってきます。霞となって。
さて、どうしましょうかね?勝てる気がまったくしないのですわ。ですけれど無様に降伏したら勇儀さんあたりに「お前それでも鬼か?鬼なら戦おうぜ!」になる。おそらくきっと、maybe。あと好き勝手略奪される可能性も大。設備破壊は許しません。
しかし『大鳥』があんな簡単にやられると少しまずい。ロボトミーコーポレーションでは幻想体の大体の強さは下から《ZAYIN》《TETH》《HE》《WAW》《ALEPH》となっていて『大鳥』は《WAW》。つまり上から2番目、それが簡単にやられると、止められない。自分で原作よりかは強化こそしてるはずなんだが。*1自分で出なくちゃいけなくなるだろう。
ただでさえ属性的にも特性的にも使えない幻想体もいるのにあの二人に使える幻想体の基準はおそらく《ALEPH》以上。普通の鬼でもおそらく《WAW》相当だろう。追い返す。それは確定だとすると戦力はガチで集めなければいけないだろう。初の厳戒態勢。
「おもしれぇ、やってやるさ」
鬼の血が、疼いて止まらない。
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月夜に紛れ、森の中にその二人はいた。一人は黄色い星が描かれた赤い角を持つ、上は体操着、下は赤と青のロングスカートを履いた背の高い金髪赤目の鬼。
一人は隣の鬼とは打って変わって背が低く、薄い茶色のロングヘアーをたなびかせ、同じく薄い茶色で横に向かって伸びている2本の角。服装は白のノースリーブに紫のロングスカート、頭に赤の大きなリボンをつけ、左の角にも青のリボンを巻いている、鬼。
そしてその背後には様々な色をした角をもった鬼が群衆をなしていた。それらの目的は一つ、とあるスキマ妖怪から融通して、手に入るようになった酒の製造主が鬼という話を聞いて赴いてきたのである。全く傍迷惑なものである。 ちなみに酒は好評でした。それはそれ。
「なぁ、勇儀。ほんとにこの奥にあの酒を作った鬼があるのか?てか鬼なのか?鬼が酒作ってるなんて聞いたことないぞ?」
「まぁ、言ったってあのスキマ妖怪だからな。デマのことはあるかもだが、さっきの妖怪どもからして合ってるんじゃないのか?萃香」
「ま、ずっと山にいるのもいいが、またには遠出したかったからな〜」
どうやら1本角の鬼は勇儀、2本角の鬼は萃香と呼ばれているようであった。どうやら最初はデマであると考えていたようだが幻想体とぶつかったことで確信を持ってしまったようだった。やっちまったな〜‼︎‼︎
しかしどうやら2本角、萃香は少し晴れない顔をしていた。手を顎に当てながら首を傾げながら話す。
「なんというかなー、さっきのやつら似たような気配してた気がするんだよ。もしかしたらあれは噂のやつが作ったりしたのかもな」
「あればっかりなら少し残念だが、ま、殴り甲斐はありそうだったな。っともしかしてあれか?」
勇儀が指差した方向には森がいきなり途絶えている箇所があり、その奥にはいくつもの巨木が絡み合った木がそこにあった。そしてその木の前には奇怪な妖怪がいた。
1番目立つのはその巨躯だろうか。3mはあるような身長、そして筋肉がむき出しかのように体表全て赤色となっており人形のようである。いや、胸板や肩で目がギョロギョロと周りを見渡し、右腕をモーニングスターのようにし、うわごとのように「おハヨう」「かナシいなァ」と口から漏らし、頭頂部から鷹の足のようなものが生え、腹から腸が垂れ落ちている姿を、人形としてみて良いのだろうか。その姿はまるで…
「なんだいあれは。まるで人になり損なったなにかみたいじゃないか」
「あれを作ったやつは悪趣味なもんだね。なにをどう考えたらあんなもんを」
鬼である二人もその造形に眉を顰め、後ろの鬼からはさきほどまで賑やかに騒いでいたのが、一瞬でその妖怪の戦う順番の言い合いになっていた。結局騒いでる*2
その声に気づいたのか、戯言が急に止まり、先ほどからギョロギョロとせわしなく動いていた目が一瞬で止まりゆっくりと焦点が前方を、鬼の集団に合わさっていく。
風が流れる。風によって木の葉が揺れる音がする。それ以外の音は全て排除され、緊張が辺りを包む。
「ア」
ポッポーー!!!!!
その赤い巨人がなにか言おうとした途端、目の前に列車、前方に目玉を植え付けたようなものが先ほどの赤い巨人の前を通過する。電車の出ている部分と先を見てみるとオレンジ色に空間が空いており、鬼たちは「なんかスキマに似てるなー、けど少し違いそう」と考えていた。のんき
電車の長さも無限ではない。五秒ほど通過した後、その電車は謎の空間へと消えていった。そしてそこに残されたのは、赤い巨人、ではなく黒い軍服を見に纏い、腕を後ろに組み、帽子を被った白髪の鬼だった。電車が通過するまであの巨人があの鬼になったと気付いたものは誰もいなかった。かの山の四天王である二人をもってしても。
その鬼の足元には大量の血が、まるで血の池のようになっていた。血の池はまだ足らないとばかりに広くなっていく。月明かりが池に反射し、鬼の顔を写す。色白な肌、かすかに切れ目になった目をこちらをしっかりと捉えていた。しかしもっとも目を引くはその蒼い目。その蒼はとても透き通っていた。とてもとても、異常なほどに。しかしそれだけだった。紫の手枷がよく作動している。それが鬼の二人に違和感を覚えさせる。
(…?あの手枷、紫のやつの能力があるな…。なんか見てて幻みたいに感じるのはそのせいか?)
鬼の二人はその鬼の妖力にも驚いたが、最初に来たのはその鬼がつけている手枷。そこから紫の能力、『スキマ』の気配がすることに気づいていた。萃香は自分を霧にしたりする関係上、その鬼のその場にいるのになぜかよく見えていないような感覚に自分と同じ雰囲気を感じていた。能力だと。ちな勇儀は直感。
すると後ろから一人の鬼が抑えきれなかったように、背後から飛び出す。まあいい、これで少し小手調べをしよう。そう考え、そして自分たちが驚愕するとは夢にも思っていなかった。
鬼がその白髪の鬼に飛びつこうと血の池に着地するとさらに強く踏み込もうとする。
「かぷん」
が、足に力を入れたその瞬間、血の池から巨大な口が、オオカミの口が生えその鬼を包み、そして飲み込んだ。そのまま出てきたのは紺色の毛色をし、身体中に傷がついた状態の青い目のオオカミだった。とてもではないがその姿からあのシマリのない音が出るとは思えなかったのだろう。みながその場は静寂が包まれた。そしてその静寂を破ったのは勇儀と萃香だった。
「あんたがそのオオカミの主人かい?なかなかいいやつを持ってるじゃないか。まずは自己紹介からだね、私の名前は星熊勇儀っていうんだ。しってるかい?」
「私は伊吹萃香な〜」
その問いに白髪の鬼は口を開いた。
「知っている。もとより紫からよく買ってくれる者として教えてもらったことがある。山の四天王、そう呼ばれていることもな。ではまず聞こう。このような場所に何用だ」
はっきりとした声で答えた鬼だがその声には微かに苛立ちが感じられた。それはそうだろう。酒買ってくれてるお得意様がいきなり大人数でカチコミしてきたのだ。なお鬼たちにそんな配慮はない。*3
質問に勇儀と萃香は互いに一度横目で頷き合い、同時に答えを返した。
「「いい酒を作ってると評判の鬼とやり合ってみたいだけさ!!」」
それはそれは清々しいほどの笑顔で。その顔を見て白髪の鬼もそれはそれは苦虫煎餅を百個食べたかのような顔をしていた。これが対比か。
「それで弱けりゃ酒だけぶんどって置いてく。強けりゃ山に連れ帰って酒作りと喧嘩をやってもらおうかと思ってね」
「これなら得しかないな!よし!」*4
「こちらは損しかしてないぞ、それは。はぁ……(´・Д・)」
思わず顔に手を当てて顔文字が出てくるくらい疲労を感じさせるため息をする。そして決心するように目を伏せると横にいたオオカミの横腹を優しく撫でた。そしてそこから手を引くとその手には、
骨によって刃先を、肉で峰を、肉と皮で柄が作られた、刀。鞘も鍔もない骨肉から作られた刀。なんの肉体を素材に使ったか、それはすぐにわかった。
その刀には妖力があった。自ら湧き上がるように。オオカミの腹から出てきた、骨肉で作られた妖刀。そして、先ほどオオカミに丸呑みにされたのも……………同じく、妖力で作られた肉と骨で構成された、鬼。
「!……それは、さっきのやつから作ったものか」
「正解だ、しかしまだ工程はある」
そういうとその刀を切先から地面に、すなわち血の池に強く押し付けた。すると刀からは妖力が萎みだし、血の池は脈動するように何箇所かから波紋が出始める。それらはどんどん増えてゆき何十個にも波紋が増える。
そこに朱里は、短く、宣戦布告の言葉を紡ぐ。
「殺しつくせ」
その号令と共に白髪の鬼は手に持っていた刀を握力のみで砕いた。
それを合図に波紋から妖怪が、人型のものや獣の者もいたが全てに共通することは『鬼との真正面からの衝突に耐えうる』こと。それは正直に言って仕舞えばおかしいの一言。しかし鬼たちの思考は違った。鬼たちはこう考えた。
本気でぶつかれる奴が大勢いると
鬼たちは一斉に全員が飛び出す。妖怪たちも飛び出す。その光景を一般人が見たならば、それは百鬼夜行と答えるだろう。
「そうそう、忘れていました。私の名前は
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参戦するアブノーマリティ(幻想体)
《ALEPH》
・なにもない
・溶ける愛&彼氏&眷属10匹
他の奴らだいたい精神攻撃だから扱いにくい
《WAW》
・憎しみの女王(魔法少女フォルム)
・貪欲の王(魔法少女フォルム)
・絶望の騎士(魔法少女フォルム)
・白雪姫の林檎
・女王蜂&働きバチ10匹
・赤ずきんの傭兵
・大きくて悪いオオカミ(脱走時形態)
・黒鳥の夢(第一形態)
・夢見る流れ
・地中の天国
・地獄への急行列車
・ラ・ルナ(脱走形態)
・風雲僧(脱走形態)
え?寄生樹がいない理由?嫌いだから
《HE》(友情出演)
・魔弾の射手
魔弾の射手作者の癖だろうって?大正解★
補足
あの血の池は朱里の血から作られており、そこに鬼の妖力を注入することで朱里は血が減っただけになるからかなり楽だった。正直一人で全部やろうとするとかなり疲れてレイドボス戦(おそらく一人で)が無理ゲーになるので先に作っていました。『なにもない』が最初にいたのと『地獄への急行列車』が突撃したのは演出。
なにもない「足引かれて痛かった」
列車「お前考える頭あんの?」