BLEACH 猫のしあわせ   作:やばばばやば

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6話 死神

 

 

 「オァァアアア!!!!!」

 

 

 

 黒崎君の口から、粘土みたいな白い物がドバドバと溢れ出してくる。虚化特有の状態だ。でも、おかしいな。なんで、体が残ってるんだ?

 

 

 

 「......『救済処置』に入ります」

 

 「待った」

 

 「キスケさん......」

 

 「見てごらん、彼を。ふつう、(プラス)(マイナス)に堕ちる時、最初に霊体が爆散するはずです。しかし、彼は違う。順序がめちゃくちゃだ。これは、抵抗の証です」

 

 「なるほどぉ。だから体が残ってたのか」

 

 「そうなんです。だから、もう少し待ちましょう。ほんの、少しだけでも」

 

 

 

 喜助さんの声には、いつもの本音が分からない調子ではなく、明らかに後悔が含まれていた。そして、ほんの少しの希望も乗っている複雑な気持ちが現れていた

 

 黒崎君の変化はかなり顕著だ。顔の右半分を虚の仮面がすぐに覆う。叫び声は未だに健在。そして、徐々に仮面が顔を侵食した

 

 動きは、本当にすぐ起こった

 

 

 

 「オアアアアア!!」

 

 

 

 ボボボボボッ!!

 

 

 

 テッサイさんの縛道が解除されかけた。腕の封印が、黒崎君の霊圧で吹き飛び始めたのだ

 

 

 

 「限界です!! 封殺方に切り替えます!! 縛道の九十九第二番! 『卍禁』!! 初曲止繃(しりゅう)! 弐曲百連閂!」

 

 「お、おいテッサイ!! そんなもん食らわしたら死ぬぞっ!」

 

 「もう、こうなっては致し方ない!! 虚となる前に消えてもらう!!」

 

 「テッサ......」

 

 「終曲!! 卍禁太封(ばんきんたいほう)!!!」

 

 

 

 

 

 ゾクッ

 

 

 

 

 気付いたら動いていた。喜助さんが動く前に、僕は刹歩でジンタ君を穴から遠ざける。そして、僕の体を盾にするように穴から隠す

 

 次の瞬間

 

 

 

 

 ズンッ!!

 

 

 

 穴が爆発した。テッサイさんは多分、大丈夫。彼は強い。それよりも、黒崎君だ。アレを吹き飛ばしたとしたら、かなりやばい。ジンタ君達を守りながら、戦うのは少し厳しいかもしれない

 

 

 

 「爆発した!?」

 

 

 

 ボッ

 

 

 

 「っ!? な、なにか出てきやがったぞ!!」

 

 

 

 ジンタ君が喚く。その心の内に広がるのは恐怖。そして、認めたくは無いという、劣等感。それを隠すように僕の後ろで喚く

 

 未だ小学生の年だ。仕方が無い。明らかに自分より下だったヤツがほんの数日で、異常な成長を遂げている。仕方が無いことだ

 

 

 

 「お、おい、おまえか!? 返事しろ! オレンジ色! 生きてんなら、返事しろって」

 

 

 

 オン

 

 

 

 ゾクリと、本能が警鐘を鳴らす。アレは、危険だ、と。鳥肌がブワッと立ち、右手でジンタ君を庇いながら左手に斬魄刀を準備する

 

 既に、僕の体はみーくんに預けてある。彼女はウッキウキでこの夏休みをエンジョイしている

 

 

 

 「で、出て来た。あ、あいつか?」

 

 「......」

 

 「死覇装に、仮面? ほ、虚なのか、死神なのか、どっちなんだよ!?」

 

 

 

 死覇装の姿に、虚の仮面。その状態で黒崎君が土煙の中から登場する。ふぅ、これなら、安心だ

 

 彼からは、一切の敵意を感じない。僕は、斬魄刀を消し、肺の空気を入れ替える。流石に緊張したよ。だって、死神の力を持った虚なんて、最悪でしょ

 

 特に、黒崎君程の霊圧がある虚なんて、先日の大虚の比じゃない程の戦闘力だ。最上級大虚(ヴァストローデ)にも匹敵する。そうなったら、とてもじゃないが、自分の命だけで精一杯になる

 

 

 

 ガッガッガッ!

 

 

 

 黒崎君が斬魄刀の柄で仮面を壊す。半分程壊した時

 

 

 

 「ふう」

 

 「あっ」

 

 「虚になったんじゃ、無かったのか」

 

 「オメデトさーーん! キッチリ死神に戻れたじゃないですか! お見事! レッスン2はクリアですね!」

 

 「やかましぃわ!!」

 

 

 

 黒崎君がまたもや斬魄刀の柄を使って喜助さんの目を突く。柄を使ってツカツカ突いている

 

 それもそうだろう。だって、いきなり殺されかけたんだからね。危うく、本当に死ぬところだったんだ。まぁ、でも、虚になったとしても、黒崎君ならなんとか帰ってきそうだけどね

 

 

 

 「ふふん! 俺は誓ったんだ!! あの穴から出たら、必ず、テメーを!!! ぶっ殺す!!!」

 

 「......へぇ。ちょうどいい。じゃあそのまま気合い入れて、レッスン3と行きましょう。時間は無制限。アタシの帽子を落とせたらクリア──────────」

 

 

 

 ザンッ

 

 

 

 「──────────へぇ。やるじゃないッスか。その折れた斬魄刀で」

 

 「あったり前だ!! 本気だしゃ、こんなもんじゃねぇぜ!!」

 

 「それじゃ、始めるとしましょうか。レッスン3を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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