虹ヶ咲学園の恥晒し   作:種子島

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 ニジガクはすこか…?



レクリエーションでワクワクドキドキ

 

「ここが私たちの部室です!」

 

「角部屋いやっふぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

「先輩、そんなに角部屋なのが嬉しいんですか?」

 

「いや別に」スンッ

 

「えぇ」

 

「しずくさん、零士さんの奇行にまともに取り合う必要はないですからね」

 

 

 カッスとしずくが新たな仲間として同好会に加わった翌日、俺たちはせつ菜に連れられて部室棟の一部屋の前に集合していた。

 せつ菜は昨日のうちに部の申請まで済ませていたらしく、部室の手配までしているとは準備がいいことだ。

 

 

「さぁさぁ! 中にどうぞ!」

 

「今のセリフ、なんかえっちじゃないか?」

 

「最低です零士先輩。かすみんまで変態だと思われそうなので話しかけないでください」

 

「おいおい、このご時世ツンデレキャラなんて流行らんぞカッス」

 

「ツンデレじゃなくてドン引きです。あとカッスやめてください〜!」

 

 

 きゃんきゃん子犬のように喚くカッスを宥めながら部室の中に入る。部室の中にはパイプ椅子が数個置いてあるだけで他にはまだ何もない。

 

 

「さて! それでは初顔合わせになる方たちもいることですし、早速自己紹介といきましょう!」

 

 

 椅子に座った皆はせつ菜の掛け声に頷く。そして大天使エマエル先輩からにこやかに自己紹介を始める。

 

 

「エマ・ヴェルデだよ〜。そっちの2人は初めましてだね〜。よろしくね〜」

 

「近江彼方ちゃんだよ〜。エマちゃんと同じ3年生で、スクールアイドルについては詳しくないけど頑張るからよろしくね〜」

 

 

 2人とも今日もお美しい。

 

 女神たちによる自己紹介を受けてしずくはパチパチと手を叩いているが、カッスは何やら恐れ慄くように口をパクパクさせていた。

 

 あー、そういえば『かすみんだって…! ぐぬぬぬぬ…!』とか言ってたな。フッ、実際に先輩たちのえっち力を目の当たりにして現実を思い知ったか。

 

 

「気にするなよカッス。人は己の弱さを知ることで強くなれるんだ」

 

「なっ、ななななななな何のことですかぁ〜??」

 

「誤魔化さなくてもいいんだぜ」

 

 

 いやぁ〜、そりゃそうなるよなぁ。エマ山脈と彼方山脈の迫力たるや。一体何を食べればあんなに豊かに育つのやら。その答えを探るために我々探検隊はエマ山脈への奥地へと向かいたかった(願望)

 

 

「ぐぬぬぬぬ…! か、かすみんだってあと2年経てば…!」

 

「80くらいにはなるかもな」

 

「いーや!85は行きますね! ん? て、ていうかどうして今の時点で80に到達してない前提なんですか!?」

 

「はっはっは、そりゃお前見りゃ分かるさ。俺の眼力を甘くみるなよ」

 

「ぎゃー! 気持ち悪いです〜!」

 

 

 最初はヒソヒソ声でやり取りしていたのだが、カッスが大きな声を出すので周りに漏れていたようでクスクスと笑い声が聞こえてくる。

 

 

「2人ともと〜っても仲良しさんなんだねぇ」

 

「エマ先輩!? それはかすみんへの誹謗中傷になりますよ!」

 

「おい」

 

「かすみさん、零士さんと遊んでくれてありがとうございます」

 

「お前は俺の飼い主か!」

 

 

 段々と収集がつかなくなりつつある場の空気をリセットするように、せつ菜が大きく咳払いをして言葉を発する。

 

 

「それじゃあ、私と零士さんは全員に自己紹介は済んでいるので1年生のお二方どうぞ」

 

「はい、国際交流学科1年の桜坂しずくです。知識も経験も至らぬ点が多くありご迷惑をおかけすることもあると思いますが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします」

 

「はぁ〜い!普通科1年中須かすみで〜す。かすみんの可愛さを皆に伝えるためにスクールアイドル始めます〜! どうかこれから可愛いかすみんをよろしくお願いしま〜す」

 

 

 1年2人の自己紹介に対し、女神2人は『わー』と微笑みながら温かい拍手を送る。しずくはともかく、カッスのあの自己紹介を受けても怯むどころか驚きもしないのは流石の包容力だ。

 

 

「えー、それでは僭越ながら私松本零士も自己紹介させていただきます。年は16、好みのタイプは年上の女性、絶賛彼女募集中のイケメン男子高校生とはこの俺のこt」

 

 

「それでは皆さん! これからはここにいるメンバーでスクールアイドル同好会本格始動です!」

 

「「「「おー」」」」

 

「零士がまだ喋ってる途中でしょうがぁ!!」

 

 

 この俺の自己紹介に聞く耳を持たないとは……ふっ、おもしれー女たち。

 

 

 

 

「せつ菜先輩、今日から早速練習を始めますか?」

 

「もちろん! と言いたいところですが、まだ初日で私たちはお互いのことをまだよく知らないので、今日は交流を深めることを優先したいと思っています」

 

「と、言いますと?」

 

「レクリエーションです! 学生同士で交流を深めると言えばこれに他なりません!」

 

 

 しずくの質問に答えたせつ菜はふんすふんすと張り切って声を上げる。それに対して女神ーズは微笑みながら手を叩き、カッスは首を傾げた。

 

 

「レクって具体的には何を?」

 

「それは今から皆さんでやってみたいことを話し合おうかと!」

 

 

 せつ菜の一声で他4人はあーでもないこーでもないと楽しそうに相談を始めた。もうこの時点でそれなりに仲は良さそうに見えるが、まぁより交流を深めるためにレクをするのは良いことだ。

 

 

「ちょっと意外だったわ。お前のことだし、初日からガンガンスパルタ練習するかと思ってたぜ」

 

「もちろんラブライブ出場のために厳しい練習は欠かせません。しかし他には私たちが一丸となることも必要になります。そのためにはこうして交流を深めることも重要かと」

 

「ほーん」

 

 

 チーム一丸となって、運動部なんかだと耳にタコができるほどに聞かされるフレーズだが。

 

 

 

「は〜い! 皆さんは可愛いかすみんと何をしたいですかぁ〜?」

 

「彼方ちゃんは皆ですやぴしたいなぁ」

 

「いや今から交流を深めるのに、全員で昼寝してたら深まるものも深まりませんよ!」

 

「それなら劇とかしてみますか?」

 

「そんな簡単にできないよ! 台本ないし!」

 

「あっ! じゃあお昼寝する劇なんてどうかな? それなら彼方ちゃんとしずくちゃんのやりたいことどっちもできるよ」

 

「それどんな劇ですか!」

 

 

 それぞれが言いたいことやりたい事を主張してぐちゃぐちゃになっている4人を遠目に見る。

 

 アレを一丸にまとめるねぇ……

 

 

 

「まぁ、そんな無理にまとめる必要もないと思うけど」

 

「零士さん?」

 

 

 とはいえこのままだと収集がつかない。ここは俺の天才的なアイデアでここにいる全員を納得させてみようじゃないか。

 

 

「聞け諸君!この俺がこの場における最適解というものを教えてしんぜよう!」

 

「お〜」

 

「え〜先輩の考える事なんてどうせ碌でもなさそうなんですけど」

 

「かすみさん」

 

「だってぇ」

 

 

 ふっふっふ、そう言ってられるのも今のうちだぜ小娘ども。

 

 

「男女が集まって仲を深めるために行うゲームといえばコレだ!」

 

「割り箸?」

 

「それを何かに使うのかなぁ?」

 

 

 女神ーズを筆頭に、俺が取り出した割り箸を見てもピンときている者は誰1人としていない。

 

 

「この割り箸を使って行うゲーム、それは王様ゲームだ!」

 

「王様ゲームですか?」

 

「説明しよう!」

 

 

 良い子の諸君は知っているとは思うが王様ゲームとは、王の印と番号を割り振った割り箸を用意して参加者がそれを引き、王を引いた者は番号を指定して好きな命令を下すことのできる正に夢のゲーム!

 

 

 

「「却下です!!」」

 

「ダニぃ!?」

 

 

 ルールを説明すると、せつ菜とカッスが身を乗り出して全力否定をかましてきやがった。ホワイジャパニーズピーポー!!

 

 

「それって! もし零士さんが王様になったら零士さんが命令をするんですよね!」

 

「うん、もちろんSA☆」

 

「絶対にダメです!」

 

「だから何故!」

 

 

 せつ菜に続いてカッスも自身の身体を俺から隠すように抱いてジト目を向けてくる。

 

 

「だって、零士先輩。ぜ〜〜〜〜ったいかすみんにえっちな命令出すつもりですよね! 可愛いかすみんを好きにするためにそんなゲームをやろうとしてるのはバレバレですよ!」

 

「心配するな、俺が狙うのはエマ先輩と彼方先輩だけだ」

 

「ムキー! それはそれで何か屈辱ですぅー!」

 

 

「と・に・か・く! そんな破廉恥なゲームは却下です!」

 

 

 横暴だー! 独裁だー! という俺の悲鳴も届かず2人の邪魔者によって王様ゲームの夢は潰えてしまった。

 

 よよよ……彼方先輩に膝枕してもらいながらエマ先輩によしよししてもらう夢が。

 

 

「あ、じゃあ私トランプ持ってますよ」

 

 

 そう言うとしずくはカバンからトランプの箱を取り出した。いきなりトランプを出すなんてヒソカみたいな奴だなぁ。今度ハンターハンター布教してみようかな。

 

 

「じゃあ大富豪でもやりますか?」

 

「いいねぇ。彼方ちゃんも偶に妹とやるよ〜」

 

「知ってますかエマ先輩、大富豪になった者は誰にでも好きな命令を一つ下せるんですよ」

 

「え〜! 知らなかったよ〜!」

 

「そこ! エマ先輩にホラ吹き込まないでください!」

 

「ホラじゃない! 俺の地元のローカルルールだ!」

 

「そんなカイジの世界みたいなローカルルール嫌ですよ!」

 

 

 最後の抵抗もせつ菜にブロックされてしまったので大人しく大富豪に集中するとしよう。こう言ってはなんだが俺はトランプそこそこ強いんだ。

 

 

 

 ……しかし、あっという間に他の皆はあがってしまい、残されたのは俺とカッスだけになった。

 

 

「やるなカッス…! ここまで追い込まれたのは実に25年ぶりだぜ」

 

「かすみんは何もしてないんですけど……ていうか先輩まだ25年も生きてないですよね」

 

「俺はここで手札のカードを裏側守備表示で召喚してターンエンド」

 

「そういうゲームじゃないですー!」

 

「かすみさん! 零士さんのペースに引き込まれないでください!」

 

 

 俺の手札は1番強いのでも7しかない。対してカッスのあの余裕なニヤケ顔……それなりに強い手札が残っていると見える。

 

 だが油断したなぁ! 小娘がこの俺に勝とうなんて1000年早いんだよぉ!?

 

 

 

「くらえ! これが俺の必殺の!」

 

「な! 先輩それは!」

 

 

 

 

「|4444革命《フォーサウザンド・フォーハンドレッド・フォーティーフォー レボリューション》!!!」

 

「ぎゃー!!!!」

 

 

 

「技名長いねぇ〜」

 

「くっ…! ちょっとかっこいいですね!」

 

「せつ菜先輩!?」

 

「じゃあどんどんいってみよー!」

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

「ぐぬぬぬ!! 誰ですか! ハートの10止めてる人!」

 

「ふっ、かかったなカッス。コレが必殺の!」

 

「また先輩ですか!」

 

 

 

完璧なるハートの10の堰き止め(パーフェクトストップ・オブ・ザハートテン)!!!」

 

「ぬぐぁぁ!!!!」

 

 

「英語ぐちゃぐちゃだねぇ」

 

「零士くんお勉強はできないって言ってたもんねぇ」

 

「くっ…! またカッコいい技を…!」

 

「せつ菜先輩!?」

 

 

 

 

 

 

 

………

 

 

「あー! またジョーカー! 零士先輩〜!」

 

 

 

Garbage imposition(ゴミの押し付け)!!」

 

 

「くぅ! で、でも次また先輩がジョーカーを引けば…!」

 

 

 

Eyes that see the truth(真実を見抜く眼)!!!」

 

 

「ぎゃー!! 負けましたー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっはっは! どうだカッス! これが俺の実力よ!」

 

「く、悔しいです〜!! 零士先輩に負けっぱなしなんてぇ〜!」

 

 

 様々なトランプによる勝負が終わったが、最後に立っているのは俺で地面に伏しているのはカッスの方だった。

 これでコイツも俺の凄さを再確認してもう少しリスペクトしてくれることだろう。

 

 

「あはは……零士先輩、かすみさんにしか勝ってないですけどね」

 

「5位かすみちゃん、4位零士くんはどのゲームでも固定だったねぇ〜」

 

「ま、まぁ私のPerfect card handlingにかかれば零士さんを退けることなんて造作もありません」

 

「せつ菜ちゃん、それ気に入ったんだね」

 

 

 

 

 

 

「ぬぁ〜っはっは!! さぁビリのお前には俺の命令を聞いてもらおうかーっ!」

 

「ぎゃー! 先輩にえっちな命令されちゃいますぅ〜! えっちな漫画みたいに〜!」

 

 

 

 こーして、同好会の交流が深まったとさ。ちゃんちゃん。

 

 






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