新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話   作:ぽこちー

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リクエストにあったアリスを少し改造した話です。



アリス・タイムフィールド ①

 

 

 

 名家だとか上流階級だとかマジでめんどくせぇな〜。

 金だけ残して滅びねぇかなぁ〜。

 いっそのこと俺も妹みたいに家を抜け出そうかなぁ〜。

 

 

 そんなことを思いながら、『あなた』は気だるそうな表情でルミナスクエアを歩いていました。その隣には、顔を俯かせ、『あなた』の袖をちょこんと掴みながら歩くアリスの姿がありました。

 

 『あなた』は今、本人の了承なしに決められた許嫁であるアリスと外出中です。

 

 アリスとは、『あなた』の妹を通じて知り合いました。それがいつの間にか、『あなた』の親とタイムフィールド家との間で話が進められ、気づけばアリスは『あなた』の許嫁という立場になっていたのです。

 

 正直なところ、親が勝手に決めたことですし、アリスのことも妹分のように思っているため、『あなた』はこの状況にまったく乗り気ではありませんでした。

 

 アリスのことが好きか嫌いかと問われれば、好きな部類に入るでしょう。しかし、こちらの意見も聞かれないまま物事が決められてしまうことに、『あなた』は強い不満を抱いています。きっと、アリスも同じ気持ちなのだろうと感じていました。

 

 だから妹に逃げられるのだ、と心の中で父親に悪態をつきながら、『あなた』はアリスの方を見ました。アリスの耳はピコピコと動き、「絶対に離れない」と言わんばかりに、袖をちょこんと、けれど強く掴んだまま俯いています。表情は見えませんが、おそらくアリスも嫌々『あなた』について来ているのでしょう。

 

 とはいえ、『あなた』とアリスが許嫁であることは、すでに多くの人に知れ渡っています。ここでアリスを突き放すような行動を取れば、自分の家はともかく、タイムフィールド家に悪い評判が立ってしまいます。

 

 『あなた』は深くため息をつきました。

 

 そして、袖を掴んでいるアリスの手をそっと引き、そのまま手を握りました。

 

 

「ぴえっ!?!?」

 

 

 アリスは思わず奇声を上げましたが、『あなた』は気にすることなく、優しくその手を握り続けます。いわゆる恋人繋ぎというものです。

 

 アリスの耳のピコピコはさらに速度を増し、可愛らしい尻尾まで動き始めました。『あなた』は、周囲への体裁のためだと、小声で伝えます。悪いが我慢してほしい、という意味を込めて。するとアリスは、何かを決心したように、ぽつりと声を漏らしました。

 

 

「そ、そうなのだわ……私たちは恋人同士……い、いえ、ふ、ふ、ふふふふふ、夫婦なのだわ……っ!!」

 

 

 そう言うなり、アリスは『あなた』の腕をぎゅっと抱きしめました。それも、がっちりと。

 

 これでは逆に怪しまれてしまうだろう。そう思い、『あなた』は再びため息をつきました。しかし、顔を真っ赤に染め、頭から湯気でも出そうなほど動揺しているアリスの様子を見て、何も言えなくなってしまいます。

 

 腕に柔らかな感触が当たっているのも、役得だろう。そんな能天気なことを考えながら、『あなた』とアリスは再びルミナスクエアを歩いていくのでした。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「ルーシー!! あの方の好きなものを教えてほしいのだわ!!」

 

 

 郊外に置かれたソファに座るルーシーに向かって、アリスは机を叩き、大声で問いかけた。

 

 

「なんですの、いきなり……」

 

 

「貴女のお兄様のことなのだわ!! つ、つつつつ、妻として、お、おおおっ、夫の好みを把握しておくのは当然のことなのだわっ!!」

 

 

「誰と誰が妻と夫ですの、このあんぽんたん」

 

 

 一人で興奮しているアリスを横目に、ルーシーは不貞腐れたように頬杖をつき、ため息を吐いた。

 

 

「それに、お兄さm……バカ兄貴は、貴女が愛してやまないシンメトリーとは、かけ離れた存在ですのよ?」

 

 

「でも、この間、シンメトリーなパンケーキをご馳走してくれたのだわ」

 

 

「それは、さぞ努力したのでしょうね。貴女の好みに合わせて」

 

 

「っ!? 私のことを想って……!?」

 

 

「……それに、髪の分け方だって左右バラバラですし、着ている服だって、シンメトリーとは言えませんのよ」

 

 

「それもまた、シンメトリー(?)なのだわっ!」

 

 

「はぁ……馬鹿に与える薬はねぇですわ」

 

 

 深いため息を吐きながら頭を抱えるルーシー。その様子を見て、アリスは不意に問いかけた。

 

 

「どうしてルーシーは、私たちのことを認めてくれないの? ……あ、もしかして、大好きなお兄様を取られるのが……」

 

 

「は、はぁ!?!? そ、そそそそそ、そんなことあるわけねぇですの!?!? 何をふざけたことを言っているのですか、この年中発情ウサギはっ!?!?」

 

 

「ねっ、年中発情ウサギっ!?!?」

 

 

 二人は周囲の目など気にも留めず、ギャーギャーと騒ぎ立てた。

 そして、しばらくしてから、ふとアリスが思い出したように口を開いた。

 

 

「そういえば、ライトさんの姿が見えないのだけれど……どこかへお出かけかしら?」

 

 

「ライト? ライトなら、おたくの狛野さんと、バカ兄貴の三人で海に遊びに行っていますわ」

 

 

「う、海っ!?」

 

 

「うわっ!? 急に大きな声を出さないでほしいですわ!」

 

 

「海ということは……つまり、あの方は水着を着ているということなのだわ……?」

 

 

「海ですもの。当然でしょう」

 

 

 すると、アリスの両鼻から、たらりと鼻血が垂れ落ちた。

 

 

「あの方の……水着……えへっ」

 

 

「ああもうっ!! 鼻血が出ていますわっ!!」

 

 

「水着……素肌……筋肉……えへへへへっ」

 

 

「勢いが増していますわっ!? しかも、ものすごくシンメトリーな鼻血ですのっ!! 本当に年中発情ウサギになって、どうするつもりですのこのお馬鹿っ!!!!」

 

 

 だらだらとシンメトリーな鼻血を垂れ流すアリスを、ルーシーは必死に介抱するのだった。

 





このDSKBDKPIウサギがよォ
かわいいね♡


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