新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話   作:ぽこちー

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かまちーってなんなんすかね。
狸? アライグマ?
誰か教えてちょ。



浮波柚葉 ①

 

 

 超ハイパーウルトラスーパークライマックスクールガイな『あなた』は、何があっても取り乱すことはありません。

 

 『あなた』は、膨大に膨れ上がった怪啖屋コミュニティを束ねる管理人として、無心でサーバーの管理的な、よく分からねぇ業務を続けています。

 

 

「ふふっ、だ〜れだ?」

 

 

 『あなた』は超ハイパー(略)です。柚葉に背後から目隠しをされても、動じることなどありません。

 

 

「ぶーぶー、つまんなぁーい」

 

 

 柚葉からのイタズラには、もう慣れっこです。動かざること山の如し…『あなた』は柚葉を気にすることなく、ひたすらキーボードをカタカタと叩いています。

 

 

「せっかくと〜ってもセクシーな水着を着てきたのに、『あなた』は見向きもしてくれないんだね〜」

 

 

グルンッッッ!!!!

 

 

 『あなた』の首が、タイピング音を置き去りにして、180度回転しました。

 

 

「じゃーん!! セクシーかまちーでした〜!!」

 

 

 しかし、そこにいたのはセクシーな水着を装備した柚葉ではなく、真紅のマイクロビキニを身に纏い、セクシーなポーズを決めるかまちーでした。

 

 

 

ガンッッッ!!!!

 

 

 

 堂島の龍顔負けの台パンをかました『あなた』は、ブラウザを開きました。

 

 

 【狸 調理方法】

 

 

 『いやちょっと待ってくださいよ旦那ァ! 冗談、冗談じゃないすか、そんなマジにならないでくだせぇよ!!』

 

 

 と言わんばかりに、かまちーは『あなた』の腕にしがみつき、何かを主張しています。しかし『あなた』は、かまちーに目もくれず、インターノットの海へ潜り込み続けます。

 

 

「あっはは〜! 相変わらず単純なんだから、もぅ〜」

 

 

 『あなた』の強張った表情筋を緩ませるように、柚葉は両手で『あなた』の頬を包み込みます。

 

 

 【狸 好物】

 

 

『だ、旦那……!!』

 

 

 パソコンの画面を見たかまちーは歓喜の声を上げ、キラキラした目で『あなた』を見つめます。

 

 

「ふっふ〜ん♪」

 

 

 柚葉は『あなた』の頬を、口を、耳を、愛おしそうに撫で回しました。

 そして、口を開き、こう言い放ちます。

 

 

「実はねぇ……『あなた』の大切なゲームのデータを、間違って消しちゃったんだ〜」

 

 

 【アライグマ 下処理】

 

 

『旦那ァ!?!?』

 

 

「『あなた』が欲しがってたゲームを買ってきたから、後で一緒にやろうね♪」

 

 

 【アライグマ ブラッシング】

 

 

『旦那……!!』

 

 

「あ、でもゲーム機、チビ共にあげちゃったんだった」

 

 

 【害獣 駆除】

 

 

『旦那ァァ!?!? って、しつけぇわ』

 

 

 このようなやりとりを、『あなた』と柚葉は何度も繰り返しました。喜怒哀楽がグルングルンと切り替わる『あなた』に満足した柚葉は、何気なく、当たり前のように、ぽつりと言葉を漏らします。

 

 

「あ、それと、先月に比べて電気代が倍以上に跳ね上がってたよ。燃料価格が高騰したってニュースが流れてたけど、本当だったんだね〜」

 

 

“え?”

 

 

「それに追い打ちをかけるわけじゃないんだけど、怪啖屋のコミュニティがまた拡大するらしいよ〜。頑張ってね♪」

 

 

“え?”

 

 

「それと、『あなた』が大事にとっておいたエクレア、食べちゃった。ごめんね☆」

 

 

“え?”

 

 

「そういえば、真斗がまた洋服きつくなったって言ってたよ。また胸がおっきくなったんだって」

 

 

“え?”

 

 

「それで、その……今までのことと比べたら、大したことじゃないん……だけどね……?」

 

 

“え?”

 

 

「『あなた』の部屋のパソコンなんだけど、青い画面で固まってたよ……?」

 

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“み゜”

 

 

 

 

 

 

 

 膨大な情報量を前に、『あなた』の思考回路はショートしてしまいました。今の『あなた』に何を言っても、“……うん”としか返事をしません。『あなた』は、うんうんbotになってしまったのです。

 

 そんな『あなた』を見た柚葉は、ニヤリと笑みを浮かべ、『あなた』に問いかけました。

 

 

「冷蔵庫にまだ『あなた』のおやつ残ってるじゃん? それ、貰っていい?」

 

 

“……うん”

 

 

 よっしゃ! とガッツポーズをした柚葉は、続けて、うんうんbotに問いかけます。

 

 

「欲しい洋服があるんだけど〜、買ってくれる?」

 

 

“……うん”

 

 

 柚葉は何度も何度も、うんうんbotに問いかけ、了承をもらい続けました。

 

 すると、かまちーも「オレもオレも!!」と言わんばかりに手を挙げ、『あなた』に向かって鳴き声を上げます。

 

 

『高級ペットフードを買ってくださいっ!!』

 

 

“ごめん何言ってるか分からない”

 

 

『!?!?!?!?』

 

 

 うんうんbotに否定されるとは思っていなかったのか、かまちーは雷に打たれたように身体を震わせ、その場に倒れ込みました。

 

 そんなかまちーをよそ目に、柚葉は「……よしっ」と声を漏らし、ギュッと拳を握りしめて『あなた』に問いかけます。

 

 

「じ、実は『あなた』に書いてほしい書類があるんだけど……いい?」

 

 

“……うん”

 

 

「っ!! こ、ここっ! この空欄に『あなた』の名前を書いてほしくて……」

 

 

“……うん”

 

 

「そ、それで、ここに印鑑を……」

 

 

“……うん”

 

 

 『あなた』は、柚葉に言われるがまま、紙に名前と印鑑を押しました。

 『あなた』の名前の横には、なぜか他の人の名前が書かれていました。

 『浮波柚葉』と。

 

 

「や、やった……!!」

 

 

 柚葉は、ついにやり遂げたという表情で、歓喜の声を上げました。そして、その紙を大切そうに抱きしめながら、『あなた』の部屋から立ち去ろうとします。

 

 

「えへへっ……。あ、そうだそうだ」

 

 

 柚葉は振り返り、『あなた』に向かって告げました。

 

 

「さっきまでの話は、ぜ〜んぶ嘘だよ〜♪」

 

 

“……うん。……うん?”

 

 

 その言葉を聞き、『あなた』は再起動しました。『あなた』は正気を取り戻し、逃げ去る柚葉に向かって大声を上げます。しかし柚葉は止まることなく、顔を赤く染めながら、嬉しそうに走り去っていきました。

 

 何が何だか分からない『あなた』は、ため息をつきながら、再びパソコンの前に座ります。

 

 何か、重大なことをしでかしてしまったかもしれません。

 大きなモヤモヤを抱えながら、『あなた』はタイピングを始めました。

 

 

 【獣肉 臭み 下処理】

 

 

『おい』

 

 

 

 






そんな方法で結婚しようなんて、そこに愛はあるんか?

あなた「ありまァす!!!!」



【定期】

感想・高評価・お気に入り登録お待ちしております。
モチベーションに繋がります。

また、『あのキャラの話を書いてほしい』『こんなシチュを書いて欲しい』等のリクエストがありましたら活動報告にコメントくれると嬉しいです。

ネタバレになるかもだけど、Ver.2.6の新キャラの話は?

  • 構わん、書け
  • もう少し待て。ネタバレダメ、絶対
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