新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
俺が1番大好きなキャラ、トリガーの話です!!
やったぜ!!!!
暗い部屋。
窓から差し込む月明かりだけが、世界を薄く縁取っている。
補聴器の電源を切った。
さっきまで確かにあったはずの音が、唐突に消えた。
耳鳴りすら残らない、完全な無。
無音。
何も、聞こえない。
聞こえ、ない。
き こ え な い。
視界が、赤に侵されていく。
目の前には、大量のエーテリアス。
そして、その足元に転がる仲間たちの亡骸。
すぐ隣には、全身から血を流し、両目を侵蝕されたトリガーが倒れていた。
もう、意識はない。
エーテリアスの前に立ちはだかる戦友たちがこちらを振り返る。
俺も、続こうとした。
だが、体が動かない。
何も、聞こえない。
誇りだったはずの人並外れた聴覚が、エーテルに侵されていく。
じわり。じわり。
生暖かく、粘つく不快感だけが、耳の奥に広がっていく。
それと引き換えに、視界だけが異様なほど冴え渡った。
アケロンが、吹き飛ばされた。
ステュクスが、握り潰された。
レテが、踏み砕かれた。
コキュートスが、貫かれた。
カロンが、切り裂かれた。
目を逸らしたくなる光景が、逃げ場なく網膜に焼きつく。
戦友たちは、最期の瞬間、確かにこちらを見ていた。
口が、動いた。
『生きろ』
何も、聞こえない。
———いや。
聞こえた。
戦友たちは、言葉を遺した。
その声は、今も俺の中で、何度も反芻されている。
その言葉だけが、俺をここに立たせている。
前へ、押し出している。
『殺せ』、と。
冷たい雨が降り注ぐ中、ヴァルチャーは虚ろな瞳のまま、胸部から血を流し、壁に背を預けて倒れていた。
トリガーはその場を離れず、ヴァルチャーの言葉を噛み締めるように聞いている。
やがて彼女は、ヴァルチャーの傍らにしゃがみ込み、弾痕の残るハーモニカを拾い上げた。そして、『帰郷』のメロディーを静かに奏で始める。
それはしばしの間、荒々しい雨音を押し退け、大量の血を失い、息も絶え絶えなヴァルチャーの耳に届いた。
死に際の虚ろな瞳に、微かな光が差し込む。
「……不思議なもんだね。弾が食い込んでても、まだ吹けるなんて」
「この曲を、あなたの最期に捧げます。あなたがどれほど救い難くとも、私は記憶し続けるでしょう……」
「かつて、同じ運命の軌道を歩んでいた私たちが、全く逆の両端に辿り着いてしまったことを」
トリガーは、ヴァルチャーに告げる。
「あなたは、私にとって最後の教師だったのでしょう。最も強烈な方法で――『憎しみ』とは何かを教えてくれた……教師」
「……そうかい。あんたも、憎くて仕方ない相手を見つけられたのか」
「……それも、悪くないだろう」
『帰郷』の調べは続いた。
少女は目の去月反応に耐え、ハーモニカの音色が雨音に掻き消されぬよう、必死に吹き続ける。
敗者の呼吸は、音色と雨音に誘われ———
やがて、完全に止まる
パンッ!!
音色と雨音を切り裂くように、銃声が響いた。
同時に、ヴァルチャーの額に穿たれた穴から血が噴き出し、その身体は床へと崩れ落ちる。血と雨が混じり合い、地面を這うように広がっていった。
「何故……何故、撃ったんです!?」
トリガーは声を荒げ、『あなた』に叫ぶ。
「彼女の命は、もう尽きかけていた……! わざわざトドメを刺す必要はなかったでしょう!? 『あなた』には……
だが、『あなた』は冷酷に言葉を返した。
“トリガー。お前には
光の宿らない瞳で、『あなた』は告げる。
“———『殺せ』、ってな”
ぜんぜん関係ない話なんですけど『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』観てこようと思います。
【定期】
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また、『あのキャラの話を書いてほしい』『こんなシチュを書いて欲しい』等のリクエストがありましたら活動報告にコメントくれると嬉しいです。
ネタバレになるかもだけど、Ver.2.6の新キャラの話は?
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構わん、書け
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もう少し待て。ネタバレダメ、絶対