新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話   作:ぽこちー

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朱鳶 ①

 

 

 

 朱鳶。

 完全無欠の治安官で、捜査課きってのエリートです。そして、『あなた』のバディであり、『あなた』の幼馴染であり、『あなた』の恋人でもあります。高所から降りられなくなった猫の救助から、ホロウに落ちた市民の救助までそつなくこなし、治安局内でも尊敬され、非常に人気の高い女性です。

 

 『あなた』の仕事は、そんな朱鳶の補佐的なポジションにあります。ホロウ内では朱鳶の後方支援を行い、治安局内では資料や報告書の作成、青衣パイセンのメンテナンスや身の回りの世話、セス後輩への戦術指導など、実にさまざまなサポートを担当しています。

 

 そして、一番重要な仕事は、朱鳶にまとわりつく悪い虫を排除することです。

 

 朱鳶はその見た目や性格から、特に男性人気が高い人物です。そんな連中が、いつ朱鳶に手を出すか分からないため、『あなた』は不安で仕方がありません。

 

 もっとも、不安に思っているのは朱鳶が告白されることではありません。朱鳶に返り討ちにされる男性の方です。「俺の方が君に相応しい」などと見栄を切って突撃した馬鹿は、例外なく全員、朱鳶に返り討ちにされてきました。

 

 その後に待っているのは、馬鹿の欠点をひたすら並べられつつ、それに比べて『あなた』はどれだけ優れているかという説教兼彼氏自慢を何時間も聞かされるという地獄です。

 

 そんなふうに、朱鳶に返り討ちにされ、真っ白に燃え尽きた馬鹿をフォローするのも、『あなた』の大事な仕事の一つとなっています。

 

 痴情のもつれ(というよりも一方的な彼氏自慢)が原因で治安官を辞められてしまったら、カップラーメンが出来上がる前に、治安局から男性社員がいなくなってしまいます。

 

 そのため『あなた』は、馬鹿をご飯に誘うなどのメンタルケアを行い、なんとか治安局の退職率低下に貢献しているというわけです。

 

 『排除』というよりは、『救助』の方が正しいかもしれません。

 

 そんなことを続けているうちに、『あなた』は次第に女性からではなく、男性からの人気が凄まじいものになっていきました。

 

 

 「あの朱鳶先輩と付き合っているなんて、マジで尊敬します!! ……ちなみに、そんな先輩でも朱鳶先輩に尻に敷かれているって本当なんですか?」

 

 

 新人くんから、そんな質問をされることも少なくありません。最初のうちは否定していましたが、毎回のように聞かれるうちに面倒になり、『あなた』は“せやで”と返すようになりました。

 

 すると、なぜか新人くんから感嘆の声が漏れ、なぜか『あなた』の好感度が爆上がりしていきます。

 

 

 “いや、確かに尻に敷かれている時もあるけど、基本的には俺が朱鳶の(デカケツ)を自由自在に扱っているだよなぁ……”

 

 

 そう言いたい気持ち(自慢ではなく、事実としての本音)を、朱鳶の尊厳を守るために必死で抑えつつ、今日も『あなた』は治安官として職務を全うしていきます。

 

 ちなみに、朱鳶の母親からは「早く孫の顔が見たい」と催促されていますが、馬鹿どものメンタルケアで培ったスキルを駆使し、なんとか回避しています。

 

 もっとも、それも時間の問題なのでしょうが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『さ、さばかれない罪はない。よ、ようこそ……えっと……きみも新エリー都のちあんかんに……!!』

 

 

 ガチガチに固まりながらカメラに向かい、片言でセリフを放つ朱鳶を見て、『あなた』はゲラゲラと笑いながらポップコーンを口に放り込みます。

 

 朱鳶はこのビデオを処分したと思っているようですが、『あなた』がそんなことを許すはずがありません。

 

 一族の末代まで語り継いでやる。

 そう心に決めているのです。

 

 

「お風呂上がったよー。……っ!? なっ、なんでまだ残って……っ!!」

 

 

 風呂から上がった朱鳶は、ビデオを目にした瞬間、顔を真っ赤に染めました。

 そして間髪入れず、ビデオを取り上げると、真っ二つに割ってしまいます。

 

 

「……もう残っていないでしょうね?」

 

 

 朱鳶は、尋問のときのようにギラリと目を光らせ、『あなた』を睨みつけます。『あなた』はそれが最後のビデオだと伝えると、朱鳶はため息を吐き、目を閉じました。

 

 確かに、それが最後の“ビデオ”です。

 しかし、データをすべて消したとは言っていません。

 

 PC、スマホ、SDカード、クラウド。

 ありとあらゆる場所に保存されています。

 朱鳶がそれらすべてを消し去ることは不可能なのです。

 

 そう、内心でほくそ笑んでいると、突如『あなた』はソファに押し倒されました。

 

 

「何か、やましいことを考えているでしょう……?」

 

 

 いやいや、そんなことないっスよ? と、とぼけてみますが、完全無(ケツ)な治安官をごまかせるはずもありません。

 

 

「いいわ。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるんだから」

 

 

 そう言って、朱鳶はワイシャツのボタンを外し、『あなた』に覆いかぶさります。

 

 

 “まあ、今日くらいは主導権を譲ってあげるか”

 

 

 そんなことを考えながら、『あなた』は朱鳶に貪られていきます。

 

 

 “第1ラウンドだけだけど”

 

 

 ———と、内心でほくそ笑みながら。

 

 

 





朱鳶は自分から仕掛けるけど、毎回返り討ちにされてると思うンナ。


【定期】

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ネタバレになるかもだけど、Ver.2.6の新キャラの話は?

  • 構わん、書け
  • もう少し待て。ネタバレダメ、絶対
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