新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
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文化祭。
それは、学生行事の中でも特に大事なイベントです。その出し物を決めるため、クラス全員が意見を出し合い、最高の思い出を作ろうと必死に考えていました。
もちろん、『あなた』もそのうちの一人です。具体的に何がやりたいというわけではありませんが、黒板に次々と書かれていく出し物の案を見て、ワクワクが止まりませんでした。
「はぁ、めんど」
そんな『あなた』とは対照的に、隣の席のエレン・ジョーは、気だるそうに飴を咥えながら呟きました。
高校生活でたった三回。このメンバーで迎える文化祭は、これが最初で最後です。ならば思い出に残るように楽しまなければ、と『あなた』はエレンに言いますが、その言葉はエレンにはあまり響きませんでした。
「大半の人は、大人になったら関わりなくなるでしょ? なら、わざわざ仲良くする必要ないじゃん」
「ルビーたちがいれば別にいい。……それに、あんたも」
エレンはボソリと、『あなた』にだけ聞こえるくらいの声で呟きました。『あなた』とエレンは恋人同士です…しかし、他人にバレると面倒だという理由で、クラスどころか親友のルビーたちにもそのことを話していません…もっとも、ルビーたちはすでに『あなた』たちが付き合っていることを知っているのですが。
「それより、今日の唐揚げ美味しかったから、明日も入れて。それと、今日の晩ご飯はオムライスがいい。あと、今週の土曜にケーキ作って。それから……」
『あなた』はエレンの要望に頷きながら、メモを取ります。エレンの前の席の生徒は、そのやりとりを聞かないふりをしつつ、噛み締めるように耳を傾けていました。
「じゃ、あたし寝るから。出し物決まったら起こして」
そう言うと、エレンは机に顔を伏せました。『あなた』は仕方のないやつだと呆れながらも、メモを財布にしまい、正面を向きます。
サッ、と目の前の生徒が前を向きました。このやりとりを聞かれていて、「付き合っていません」と言い張るのは無理があるだろうと思いながら、『あなた』は文化祭の出し物について考え始めます。
すると、ルビーが何かを思いついたのか、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、勢いよく手を上げました。
「はいはーい! 執事喫茶が良いと思いまーす!」
それに便乗するように、モナと凛が続きます。
「執事長は、もちろんキミね」
「いいじゃん、似合いそう」
その瞬間、エレンの肩がピクッと震えました。
ルビーたちの意図を察したクラスメイトたちは、次々と執事喫茶に賛成の声を上げていきます。
「こいつ、意外とかっこいいから絶対似合うって!」
「私も『あなた』の執事姿、見たーい!」
ピクピクッ。
クラスメイトたちの口元に笑みが浮かびます。
「どうする? 『あなた』がとっても人気になっちゃったら?」
「学校中の女子が虜になっちゃうかもね!」
「……は?」
『あなた』は冷や汗を流しながら、なんとかクラスメイトを止めようとします。
しかし、悪ノリは止まる気配がありません。
「実は私、『あなた』のことかっこいいって思ってたり……」
「隣のクラスのやつも言ってたぞ。彼氏にするなら、コイツみたいな人がいいって!」
「おっ? 意外と人気ボーイじゃん」
「………………」
もう、そこらで……と『あなた』が立ち上がろうとした、その瞬間。
エレンが勢いよく立ち上がり、『あなた』を自分の胸に引き寄せました。
「コイツは、あたしのだから……!!」
静寂が教室を包み込みます。やがて、クラスメイトたちはニヤニヤと笑みを浮かべ始め、それとは対照的に、エレンの顔はみるみる赤く染まっていきました。
「ッッッ!?!?」
エレンは『あなた』を勢いよく突き飛ばし、再び机に顔を伏せます。表情は見えませんが、耳が真っ赤になっているあたり、顔も同じように赤いのでしょう。
『あなた』は後頭部を掻きながら、ヒューヒューと囃し立てるクラスメイトたちを制止しました。そして、エレンのそばに寄って声をかけます。
「ばか。あほ。どじ。まぬけ。きらい」
エレンの罵声が、『あなた』に次々と降りかかります。
「うっさい。ほっといて」
『あなた』は、エレンの頭を優しく撫でました。
「えっち。へんたい。いつもむねみすぎ、さわりすぎ」
「けだもの。とうへんぼく。ぼくねんじん。おんなのてき」
「やさしくしないで……やっぱ、やさしくして」
『あなた』は無言でエレンの罵倒(?)を聞きながら、頭を撫で続けます。
「ごめん。うそ。きらいじゃない」
「すき」
そこで、『あなた』はふと気づきました。
周囲が異常なほど静まり返っていることに。
背後を振り返り、教室を見渡すと———
“し、死んでる……!?”
黒板に背を預けて立っている先生を除き、クラスメイト全員が幸せそうな顔で昇天していました。
先ほどまで黒板に書かれていた文化祭の出し物も、いつの間にか消えており、代わりにデカデカと『尊死』と書かれています。すると、先生が『あなた』に声をかけました。
「別に『不純異性交遊がー!』とか言うつもりはないけど、避妊だけはしとけよ?」
その言葉でエレンは正気に戻り、先ほどまで自分が口にしていた言葉を思い出しました。
さらに顔を赤くし、ついに限界を迎えます。エレンはガバッと立ち上がり、そのまま教室から逃げ出していきました。しばしの沈黙の後、『あなた』は先生に問いかけます。
“……結局、文化祭の出し物はどうするんですか?”
「お前らが教室でずっとイチャイチャしてればいいんじゃね? 客寄せパンダみたいに、ゾロゾロ人が集まってくるだろ」
そろそろ男エージェントの話を書きたくなってきたゾ。
【定期】
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ネタバレになるかもだけど、Ver.2.6の新キャラの話は?
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構わん、書け
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もう少し待て。ネタバレダメ、絶対