新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
全力でお兄ちゃんを遂行する!!!!
「う、ウチ、ちなついいます……よろしく、あんちゃん……!!」
初めて千夏を見た時、天使が現れたのだと思いました。千夏は、義理の母の連れ子です。父から妹ができると聞かされた時は、正直なところ心底どうでもいいと思っていました。血のつながらない家族に期待など一切していなかったのです。
しかし、初めて千夏を見た瞬間、『あなた』は確信しました。
「兄ちゃん……怖い夢見たから、一緒に寝てぇや……」
「兄ちゃん、何読んどるん? ウチにも読ませてぇや」
俺が……
「兄ちゃん! 承太郎、承太郎はどうなってまうん!?!?」
「手ぇ離さんとってよ、兄ちゃん!! ねぇ、聞いとる!? 兄ちゃん!?!?」
「兄ちゃん!! ウチと交換しよ!! やたっ!! これで全国図鑑完成や!!」
俺が………ッッッ!!
「兄ちゃん、これ、ウチが作曲したねん……聞いてくれへん? ど、どうや……? え? めっちゃええ曲? ———やたっ!!」
「聞いてや兄ちゃん!! ウチ、作曲家デビューしたんや!! これからバンバン曲作って、兄ちゃんにいっぱい聞かせたる!!」
「あ、兄ちゃん……ウチ、アイドルになる……!!」
俺が、お兄ちゃんだッッッ!!!!
「あ、兄ちゃん!? トランザムはあかんでっ!?!?」
「「フッフー♪♪」」
「でっかい花火……打ち上げさせてもらいまっせ!!」
「楽しませてもらうわ!!」
“いよっ! 待ってました!”
「GoGo ねぇちゃ〜ん!!」
「「あーーーーーー、よっしゃいくぞぉぉぉぉ!!!」」
「「「「「“タイガー!!”」」」」」
「「「「「“ファイヤー!!”」」」」」
「「「「「“サイバー!!”」」」」」
「「「「「“ファイバー!!”」」」」」
「「「「「“ダイバー!!”」」」」」
「「「「「“バイバー!!”」」」」」
「「「「“ジャージャー!!/アゲアゲや!”」」」」
ライブハウス404。
ステージ最前列で『あなた』は、5体のボンプと共に全力のオタ芸と合いの手が炸裂していました。
周囲から向けられる冷ややかな視線など、気にもなりません。愛しのマイエンジェルがそこにいる。それだけで、声を上げずにいられるはずがありません。
妄想エンジェルの楽曲が終わり、会場の熱が徐々に落ち着いていく中でも、『あなた』たちの熱だけは冷めることを知りませんでした。
千夏の動き。
アリアの表情。
羽の煽り。
ステージの一瞬一瞬に散りばめられた『ここが好き』という感情を、何度も何度も反芻します。
「あ、兄ちゃん……恥ずかしいからやめて言うてるのに……!!」
「あはは……千夏ちゃんのお兄さんは相変わらずですね……」
「でも、まんざらでもないんでしょ? ちなっちゃん?」
「そ、それは……兄ちゃんが応援してくれてるんやから、嬉しくないわけないやんか……」
顔を赤くして視線を逸らす千夏に、アリアと羽が抱きつきます。その光景を、見逃すわけがありませんでした。
写真は撮りません。プライバシーは大切です。その代わり、心のシャッターを切り、脳裏に焼き付けます。すると、アリアは周囲に聞こえないよう、そっと耳打ちしました。
「千夏ちゃん……お兄さんに相談しなくていいの? 例のアンチコメントのこと……お兄さんたちなら、きっと何とかしてくれるよ……?」
「そうだよ、ちなっちゃん。相談しよう?」
しかし、千夏は静かに首を振ります。
「……あかん。これはウチらの問題や。兄ちゃんたちを……ファンのみんなを巻き込むわけにはいかへん……!!」
その覚悟に、二人は何も言えなくなり、ゆっくりとうなずきました。
「……そうだね。千夏ちゃんの言うとおりだね」
「……ほんと、ちなっちゃんのブラコンには参っちゃうね」
その瞬間、千夏は顔を真っ赤にして声を荒げました。
「だ、だだだ誰がブラコンや!! ウチはただ、兄ちゃんが好きなだけで……決してブラコンなんかちゃう!!」
「はいはい、そうですねー」
「な、なんなんその反応!? なんでそんなにニヤニヤしとるんや羽!?」
「あははっ!!」
——パシャパシャ。
脳内シャッター全開。
禁書目録もびっくりのの完全記憶能力で、その一部始終を記録するのでした。
「おい、お前気持ち悪いぞ」
「気色悪くてしゃあないわ」
「見てられへんわ」
「病院行った方がええんちゃうか?」
「良い病院知ってるから、この後行っといで」
《おまけ》
ライブが終わり、『あなた』とボンプたちと並んで歩きながら、妄想エンジェルの話題で盛り上がっていました。あの振り付けが良かっただの、最後の煽りが最高だっただの、話題は尽きません。
そんな中、前方からガラの悪い男性が歩いてきました。片手にスマートフォンを持ち、誰かと通話しているようです。男性は、こちらとぶつかるかどうかという距離を、わざと選んだかのように横切っていきました。
少し気分が悪くなる『あなた』でしたが、すぐに千夏の姿が頭に浮かびました。あの笑顔。あのステージ。それだけで、気持ちは自然と落ち着いていきます。
しかし———
「だから俺のコメント通りだろ? 妄想エンジェルはクソだって。それに見ろよ、あの千夏とかいうセンター。ダンスは下手だし、音程も外れてるしさ。センターやめた方がいいって、マジでwww」
「「「「「“あ゛?”」」」」」
【SUB STORY : アンチコメントにはご用心】
本話に出てきたボンプの解説
・ドウジマポンプ
背中に龍の刺青が入ったボンプ。
とても強くて頼りになるけど、人の言うことを聞かない。
口癖は「うるせぇ!!」。
・シマノノボンプ
眼帯をつけたおっかないボンプ。
ドスを振り回し、分身し、ダンスをしながら戦う。
・タコヤキボンプ
金髪オールバックのいかついボンプ。
片腕がマシンガンに改造されているが、基本はステゴロスタイルで戦う。
たこ焼きを作るのが上手。
・サエジマボンプ
パワーあふれる巨大のボンプ。
バイクをぶん回したり叩きつけたりして戦う。
この中でいちばんの力持ち。
・カネカシボンプ
高そうな赤いジャケットを着ているボンプ。
この中では1番非力だが、持ち前の足技で目の前の敵を倒していく。
「い〜ちご頂戴!」
ドウジマボンプ「なんだと?」
「早く着てよ」
ドウジマボンプ「なに?」
「じゃあ次はこれ」
ドウジマボンプ「どういうことだ」
「ほら可愛いでしょ?」
ドウジマボンプ「何が言いてぇ」
【定期】
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ネタバレになるかもだけど、Ver.2.6の新キャラの話は?
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構わん、書け
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もう少し待て。ネタバレダメ、絶対