新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
仕事中にふと思いついたので初投稿です。
「ねぇ、聞いてちょうだいよ!! あのインチキ商人ったら、このあたしを騙したのよっ!?」
「雑貨屋で88ディニーで売ってる物を、888ディニーで売ってきたの!! 信じられる!? プロキシに8888ディニーで売ってあげようと思ってたのに、大損だわっ!!」
「あの時アンタがいれば、こんなことにならなかったのに……まったくもうっ!!」
「———まぁ、いいわ。今度会った時、このあたしを騙したことを後悔させてやるんだから。アンタも期待して待ってなさいよねっ!!」
「見なさいっ! ついにあの『一杯の土から』を手に入れたわっ! これでメイフラワー家の成功ノウハウを吸収して、あたしたちも大金持ちへの仲間入りよっ!」
「さぁ、早速観るわよ! アンタもしっかり聞きなさいよね? あたし一人じゃ吸収しきれないかもしれないんだから!」
「……何よこれ。大金持ちの伝記っていうより、情熱でゴリ押す系のドキュメンタリーじゃない。ビジネスに役立つことなんて、ほとんどなかったわね」
「あーあ、せっかくプロキシに借りたのに損した気分。でも……エンディングはちょっとウルっときたけど。アンビーが好きそうな感じだったわ」
「それと、あの情熱バカな主人公は割と嫌いじゃなかったわね。……まるで昔のアンタみたいだったわ。今のアンタとは大違いよ、本当に」
「アンタも、いつまでも寝てないで、早く前みたいに元気になりなさいよ? ビリーもアンビーも猫又も、ずっと待ってるんだから。———もちろん、あたしも、ね」
「ストリートをうろつく時の心得その三。糸は長いほど、大きな魚が釣れる……」
「アンタの言ってた通りだったわ。ま、半分はあたしの演技力のおかげだけど。でもこれで、ようやくあの借金取りとはおさらば。辛く厳しい日々よ、さようなら〜ってね」
「……ほんと、あたしたちがこんなに苦労してるの、半分はアンタのせいなんだからね? 目が覚めたら、この苦労は十倍にして返してもらうわよ。覚悟しときなさい」
「———ねぇ、コレ、覚えてる?」
「孤児院にいた頃、みんなで演劇をしたときの指輪よ」
「魔女の呪いで永遠の眠りについたお姫様を、王子様が目覚めさせるって劇。アンタが王子様で、あたしがお姫様」
「お姫様は、王子様のキスで目を覚ますの。知ってた? あれ、あたしのファーストキスだったのよ?」
「それなのに、王子様はそのあと脚本にないことをしてきたの。目覚めたお姫様に、将来を誓うための指輪を差し出すなんて」
「路地裏の雑貨屋で売ってる、安っすいプラスチックの指輪だったけどね」
「……あの時は、みんなに茶化されて、『このあたしにプロポーズするなら、でっかいダイヤの指輪を持ってきなさいよ!?』なんて見栄を張ったけど」
「本当は……すごく、嬉しかったのよ?」
「今もこの指輪、肌身離さず持ってる。でも、絶対に自分ではめたりしないんだから」
「———あの時の素敵な王子様が、あたしの指にはめてくれるって信じてるから」
「ほんと、あたしって一途よね? こんな良い女、新エリー都を探してもそうそういないんだから」
「それなのに、肝心の王子様は何年も眠ったまま……これじゃあ、どっちがお姫様だか分からないわよ」
「———んっ」
「……これが、あたしの二回目のキス」
「三回目は……アンタからじゃないとダメなんだからね?」
「じゃあ、あたしはもう行くわ」
「明日も明後日も……アンタが目を覚ますまで、毎日来てあげる」
「だから———早く、起きなさいよ」
「それじゃあ、また明日ね」
少女が去った後の病室には、物静かに心電図の音だけがゆっくりと鳴り響いていた。
長い間変わることのない光景。
けれど、今日は違った。
規則正しかった心電図の波形が、かすかに高く跳ね上がった。
指先が、布団の上でほんの少しだけ動く。
誰もいない病室で、ただ一人残された約束に応えるように。
青年は眠ったまま、だが、微かに笑っていた。
恋愛、ギャグ、曇らせに続いたこんな話もかけるなんて、アタイったら天才ね!!
もっと褒めたくれてもいいのよ?
てか褒めろ。感想くれ、(承認欲求モンスター降臨)
【定期】
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モチベーションに繋がります。
また、『あのキャラの話を書いてほしい』『こんなシチュを書いて欲しい』等のリクエストがありましたら活動報告にコメントくれると嬉しいです。
『あなた』に超能力的な力(他作品クロス)を付与するのは?
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あり
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なし
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構わん、好きにしろ