新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
リクエストにありました、疲れている『あなた』が柳に甘やかされるシチュです。
私なりの解釈にはなりますが、よろしくお願いします。
※一文毎に改行していましたが、スマホの画面でも読みやすいように全話、調整しました。
カタカタと、キーボードを叩くタイピング音だけが部屋の中に響いています。なんの戦闘力も持たない『あなた』ですが、事務作業だけは誰にも負けません。
その能力を星見雅や月城柳に認められた『あなた』は、今日も六課の報告書をはじめとした書類の処理に追われていました。蒼角や悠真、そして雅は、事務作業にまったく手をつけません。そのため、六課の事務仕事はすべて『あなた』が担っています。
1人で3人分の業務を請け負っているうえに、柳を除いた3人の報告書はどれも内容が雑です。それらを正しく整える必要があるため、世間一般の事務作業よりも、はるかに過酷な業務となっていました。
時刻はすでに20時を過ぎています。廊下からは、業務を終えた同僚たちが雑談をしながら帰宅する姿が見えます。その様子を横目に、『あなた』は目の前に積み上がった書類の山と、デスクトップいっぱいに並ぶフォルダを片づけるため、黙々と手を動かし続けます。すると、『あなた』のデスクに、コトリと音を立ててコーヒーが置かれました。
「お疲れ様です」
声の主は、『あなた』の上司である月城柳でした。彼女は、『あなた』が配属される以前、この膨大な事務作業を一手に引き受けながら、自身の業務もこなしていた人物です。それゆえに、『あなた』の苦労を誰よりも理解している存在でした。『あなた』にとって、唯一の理解者とも言える人です。
「いつも『あなた』に任せきりで、申し訳ありません」
柳はそう言って、申し訳なさそうな表情を浮かべながら自分のデスクに腰を下ろしました。
『あなた』は、これまで柳が行ってきた業務量を思えば、今の自分の仕事は大したことではないと感じています。むしろ、もっと頼ってほしい。そう思いながら、軽く痙攣する瞼を隠すように、笑顔を見せました。
その無理に、柳はすぐ気づいたようでした。彼女はゆっくりと立ち上がり、事務所のソファへと腰を下ろします。そして、『あなた』に向かって手招きをしました。
『あなた』は不思議に思いながら近づくと、柳は自分の隣を軽く叩き、座るように促します。少し緊張しながら、『あなた』は柳の隣に腰を下ろしました。数十センチほど距離を空けて座ったはずでしたが、柳はぐいっと身を寄せ、肩と肩が触れ合うほどまで近づいてきます。ふわりと柳の香りが鼻をくすぐり、『あなた』の心臓が大きく跳ねました。
次の瞬間、柳は『あなた』の後頭部を優しく引き寄せ、そのまま仰向けにして、自身の太ももの上へと寝かせます。後頭部に伝わる柔らかな感触と、視界いっぱいに広がる柳の美しい顔に、『あなた』の鼓動はさらに速くなりました。そして、柳の手が、そっと『あなた』の頬に添えられます。
「無理はいけませんよ。『あなた』に倒れられては、困りますから」
まるで壊れ物を扱うかのように、柳は優しく『あなた』の頬を撫でてきます。『あなた』は反論しようと口を開きましたが、柳はそれを制するように、『あなた』の鼻先を軽くつつきました。
「お気持ちは嬉しいですが、休むことも大切です。『あなた』、最後にきちんと休んだのは、いつですか?」
その問いに、『あなた』は言葉を詰まらせます。苦し紛れに、一昨日休んだと答えました。しかし柳は、すべてお見通しだと言わんばかりに、『あなた』のおでこに軽くデコピンをしました。
「嘘はいけませんよ。私、全部知っているんですからね」
悪い子をたしなめるような視線に、『あなた』は気まずそうに目を伏せます。『あなた』が実際に休んだのは、一ヶ月も前のことでした。
「まったく……少しは反省してくださいね。もっとも、仕事を押しつけている私たちにも問題はあるのですが……」
申し訳なさそうに言う柳に、『あなた』は彼女の膝から立ち上がり、慌てて反論しました。
「“そんなことはありません。むしろ、もっと柳さんの役に立ちたいです”? ……ふふ。嬉しいことを言ってくれますね」
柳はそう言って、笑みをこぼしながら、再び『あなた』を自分の膝の上へと寝かせました。
「でしたら、今はここで、ゆっくり休んでください。———これは命令ですよ……?」
その笑顔は、誰にも見せたことのない、特別なものでした。『あなた』は、嬉しさと恥ずかしさに振り回されながら、柳の膝の上で身を委ねます。
そのとき、事務所の入口から、誰かがこちらを覗いていることに気づきました。星見雅です。『あなた』は慌てて起き上がろうとしますが、柳はそれを許しません。どうやら、柳は雅の存在に気づいていないようでした。
声を出そうとした『あなた』に対し、雅は人差し指を口元に当て、黙るように合図します。『あなた』は視線だけで問いかけました。いつから見ていたのか、と。
『最初からだ』
その答えに、『あなた』の顔が一気に熱くなります。
『……なるほど。膝枕の修行、か。覚えておこう』
興味深そうにこちらを観察する雅の視線が突き刺さります。『あなた』は再び柳に知らせようとしますが、彼女はそれすらも許してくれません。
「ダメですよ。今は大人しく、私にされるがままにしてください♡」
語尾についたハートに胸が高鳴る一方で、雅に見られているという事実が、強烈な羞恥心を呼び起こします。やがて『あなた』は、もうどうにでもなれ、と諦めたように目を閉じました。
こうして『あなた』は、月城柳にめいっぱい甘やかされる夜を過ごすのでした。
皆様、多くのリクエストありがとうございます。
なるべく皆様のリクエストに応えたいとは思っているのですが、いかんせんシチュが思い浮かばないため、どうしたら良いものかとモヤモヤしております。
つまり何が言いたいかというと、皆様の妄想するシチュ…というか性癖も一緒に書いてくれると嬉しいなぁ〜って感じです。
あと、感想や高評価がもいただけると嬉しいです♡(承認欲求)
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