新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
【前回までのあらすじ】
クソボケのクソボケによるクソボケっぷりをインターノット上に晒し、公開処刑(物理)を受けたクソボケPこと『あなた』は、讃頌会の研究者たちが秘密裏に作っていた毒薬が何故か冷蔵庫に入っていたことに気が付かなかった。
『あなた』はそれに気づかずその毒薬を飲んでしまい、目が覚めたら……
身体が縮んでしまっていた!!
5話連続のクソボケPのお話も今回で最終回!!
妄想エンジェルとセシリア先生とアストラ。
クソボケPに相応しい女性は一体誰なのか!?!?
たった一つのクソボケかます
見た目は子供、精神も子供
その名は、名探偵クソボケ!!
ライブハウス404のバーで、『あなた』はぽつりと呟いた。
“……ここ、どこ?”
「きゃああああああっ!! か、かわいいいいいいい!!!!」
「うっそやろ!?!? あのクソボケPにこんな可愛い頃があったなんて!?!?」
「PくんPくん!! ほら、こっちおいでっ!! お姉ちゃんたちと一緒に写真撮ろうっ!!」
“うわっ、ちょっと引っ張らないで……”
大体、10歳くらいだろうか。
おどおどと警戒する『あなた』の手を、羽が強引に引っ張り、スマホを取り出した。
パシャリ、パシャリ。
『あなた』とのツーショット写真を撮る羽を見て、千夏とアリアはわなわなと身体を震わせる。
そして二人もまた、同じようにスマホを取り出し、『あなた』の腕を引っ張った。
「つ、次はうち!! うちと撮ろうな!!」
「PくんPくん!! アリアとも撮りましょう!!」
「あっ、ちょっと2人とも!! まだ僕が撮ってる最中じゃんか!!」
“あうあうあうあうあう……”
四方八方から腕を引っ張られ、ぐるんぐるんと振り回される『あなた』。情けない声を漏らしながら、目を回すことしかできない。
すると突然、『あなた』の視界がぐっと高くなった。地面についていたはずの足が、ぷらんと宙に浮く。
「落ち着いて、3人とも。Pくんが混乱しているでしょ?」
“うあぁ〜〜……?”
ぽよん、と『あなた』の後頭部に柔らかいものが当たった。
目を回しながらゆっくり顔を上げると、そこにはエメラルド色の美しい髪と、魚のヒレのような耳をした女性、セシリアの顔があった。
「Pくんが可愛いのは分かるけど、そんなんじゃPくんが疲れちゃうわ」
「せ、先生……」
「ご、ごめんなさい……」
「ごめんね、Pくん……」
“あう〜〜??”
3人は『あなた』に謝罪するが、『あなた』はいまだ混乱しており、何が何だか分かっていない。
「ごめんね、Pくん。みんなに悪気があったわけじゃないのよ?」
“う、うん……”
ゆっくりと地面に降ろされた『あなた』は、セシリアに頭を撫でられながら答えた。
よく分からないけれど、この人は信用できる気がする。
混乱していた『あなた』だったが、セシリアに対して少しだけ心を開き始めていた。
「……それでね、Pくん。私からPくんにお願いがあるんだけど……聞いてくれるかな?」
セシリアはゆっくりとスマホを取り出しながら、『あなた』に問いかけた。
“う、うん……お姉ちゃんになら、いい、よ……?”
「んぐっ……!!」
『あなた』の上目遣いを受けたセシリアは、鼻を押さえながらぐっと顔を背ける。
「せ、先生……?」
「鼻血が……!!」
「て、ティッシュ!! ティッシュですセルシーさまっ!!」
クリティカルヒット!!
ショタコンゲージが一気に蓄積!!
セシリアに異常状態が付与された!!
「あ、ありがとうアリア……」
“だ、大丈夫、お姉ちゃん……??”
「ふぐうっ……!!」
「「「せ、セシリア先生ーーーーー!!??」」」
ショタ混沌!!
セシリアに大ダメージ!!
「そ、そうだったのね……私が……私が彼のお姉ちゃんだったのね……」
「だ、ダメや……正気を失っとる……!!」
「な、なんて火力なんだ……!?」
大量の鼻血を流しながら、天に拳を掲げるセシリア。
その姿を見た千夏と羽は、身体を震わせながら『あなた』の圧倒的ショタ力に恐怖していた。
すると、欲望を抑えきれなくなったアリアが、震えながら『あなた』に問いかけた。
「P、Pくん……? アリアたちにも、その……セルシー様みたいに『お姉ちゃん』って言ってくれないかな……」
「ア、アリアちゃん!? 何を言うとるんや!? そんなん、自殺行為やで!?!?」
「そ、そうだよっ!! そんなの危険すぎる!!」
「で、でも……!! アリアも『お姉ちゃん』って呼ばれてみたいんですっ!! 2人も同じでしょう!?!?」
アリアの必死の叫びに、二人は「うぐっ」と身を引いた。
「そ、それは……」
「そ、そうやけど……」
「だったら、自分の気持ちに素直になろうよっ!! どんなに危険なことでも、私たち3人が揃えば絶対に乗り越えられる!! そうでしょう!?」
“……??”
真剣な空気を前に、『あなた』は首を傾げる。
「そうだね、アリアちゃん……アリアちゃんの言う通りだよ」
「ゆ、羽ちゃん……!!」
「うちらは3人でいろんな壁を乗り越えてきた……今までも……そして、これからも……!!」
「千夏ちゃん……!!」
覚悟を決めた千夏と羽は手を差し出す。
その意図を理解したアリアもまた手を伸ばし、3人の手のひらが重なった。
「謙虚じゃないっ! 努力しないっ! 優しくないっ!」
「それが僕たち……」
「妄想エンジェル!!!!」
「「「妄想エンジェル、ファイトーーーー!!!!」」」
“………お姉ちゃん……?”
「「「ぐはっ!!!??」」」
『あなた』のショタショタ攻撃から復帰した4人は、鼻にティッシュを詰めながら、おやつを食べている『あなた』をニヤニヤした顔で見つめていた。
すると、千夏がふと疑問に思っていたことを口にした。
「それにしても、これ大丈夫なんか? 元の姿に戻ってもらわな、うちらの活動に影響が出てまうで?」
「それに関しては大丈夫そうだよ。さっき店長さんから連絡が来て、数時間もすれば元に戻るって言ってたから」
「今、新エリー都で広がってるらしいですよ。この幼児化薬。インターノットでも話題になってます」
「ほーら、Pくん♪ クッキーもあるわよ? たんとお食べ♪」
“もぐもぐ……ごくん。ありがとう、お姉ちゃん!”
「んふぅ……!! さ、最高……!!」
「あかん、セシリア先生、完全にショタPにハマっとる……」
「まぁ、分からなくもないけどね〜。でも僕的には、大人のPの方が好きかなぁ〜」
「アリアは、どっちもいけます……!!」フンスッ
すると、『あなた』は妄想エンジェルの衣装を見て、三人に問いかけた。
“お姉ちゃんたちは、アイドルなの……?”
「うん、せやで! 新エリー都のみんなに夢と
「とっても素敵なプロデューサーが、私たちをプロデュースしてくれてるんだよ?」
「Pくんもお歌を歌うの好きでしょ?
“き……ぼう……?”
『希望』という言葉を聞いた瞬間、『あなた』の身体がぴくりと震えた。
「……? Pくん……?」
その異変に気づいたセシリアが声をかける。
しかし三人はそれに気づかず、言葉を続けてしまう。
「
「とっても素敵な約束だよね〜。僕もPくんの
「Pくんと似て、とっても素敵な
“おかあ……さん……”
「……ちょっと3人ともストップ。Pくんの様子がおかしいわ……!!」
ガタガタと身体を震わせ始める『あなた』を見て、セシリアの顔が強張る。
不思議そうに『あなた』を見る3人も、ようやくその異変に気づいた。
心配して声をかけるが、その声は『あなた』には届いていない。
“あ……あぁ……”
瞬間、脳裏に浮かぶ、『あなた』の
『ねぇ、歌を聞かせて。あなたの歌を聞いていると、心が温かくなるの。だからお願い。最期に……お母さんに歌を聞かせて……?』
ゆっくりと消えていく母の温もり。
『やっぱり、あなたの歌は素敵ね……みんなの心を温めてくれる、優しい歌……』
穏やかな目で見つめる母の姿。
『泣かないで……私の可愛い息子……』
冷たくなっていく母の手が、頬に触れる感触。
“あぁ……ああああぁ……!!”
『大丈夫よ。私はいつも、『あなた』のそばにいるから……だから、歌って……みんなに希望を届けるために……』
パタリ、と地面に落ちる母の腕。
そして、最期に託された、
“あああああああああああああああッッッ!!!!!!!”
「なっ、なんや!?!?」
「ど、どうしたのっ!?!?」
「Pくんっ!! 落ち着いてっ!!」
「これは、いったい……!?」
4人は慌てて『あなた』を止めようとするが、その声は届かない。
“ああああああッ!!!! やだッ!! おかあさんッ!!!! どうしてッ!!!! 行かないでッ!!!!”
頭を抱えながら、絶叫する。
“嫌だッ!! 嫌だああああああッ!! 僕を置いてかないでッ!! 僕を1人にしないでッ!!”
周囲のものを倒し、投げつけ、破壊していく。
“アアアアアアアアアアアアッッッ!!!! 僕はッ!! 僕はああああああああッ!!”
正気を失い暴れる『あなた』を前に、4人は何もできない。だがその間にも、404のバーは次々と破壊されていく。
言葉は届かない。そして、このままではバーだけでなく、『あなた』自身も壊れてしまう。そう判断した4人は、互いに顔を見合わせ、小さく頷いた。
そして『あなた』を止めるために戦闘体勢に入ろうとした、その瞬間。
美しい歌声が響いた。
「LaLaLa〜♪♪」
「ア、アストラさん!?」
「どうしてここにっ!?」
「あ、危ないです!! 下がってください!!」
「アストラ!! 今彼に近づくのは危険よっ!!」
4人の制止を無視して、アストラは歌いながら『あなた』へと歩いていく。
“アアアアアアアアアアアアッ!!!!”
酒瓶が投げつけられ、アストラの額から血が流れる。
それでも彼女は止まらない。
歌い続けながら、歩み続ける。
その歌は、かつて『あなた』が歌っていた歌だった。
かつて、『あなた』の母が歌ってくれた歌。
ホロウ災害の被災者の前で『あなた』が歌った歌。
絶望していたアストラに希望を与えた歌。
アストラはあの時の『あなた』のように、額から血を流しながらも歌い続ける。
“あぁ……ああああッ……”
アストラはそっと手を差し伸べる。その眩しすぎる表情に、『あなた』は思わず目を逸らす。
だがアストラは、優しくその手を握った。
視線を合わせ、息を整え、二人で一緒に歌い始める。
人々に希望を届ける歌を。
あの時と同じように。
「“♪♪♪♪♪〜”」
二つの歌声が重なり、半壊した404のバーに響き渡る。
アストラの手を握った『あなた』の震えは、いつの間にか止まっていた。そして、『あなた』が落ち着くまで、アストラはずっと歌い続けた。
そして歌が終わった瞬間、『あなた』はゆっくりと意識を失い、アストラの胸へと倒れ込んだ。
「「「ぷ、プロデューサー!!」」」
「あ、『あなた』っ!!!!」
千夏たちが駆け寄った。そして、アストラの胸の中で安心したように眠る『あなた』を見て、胸を撫で下ろした。
その時、『あなた』の身体から煙が溢れ出す。
縮んでいた身体が、ゆっくりと元の姿へ戻っていく。
だが、元の姿に戻ってもなお、『あなた』は赤ん坊のようにアストラの胸の中で眠り続けていた。
アストラは聖母のような優しい笑みを浮かべながら、
その頭を静かに撫で続けていた。
選ばれたのは、アストラでした。
クソボケPの『あなた』はPTSDを抱えています。
大人の『あなた』は、アストラの助けもあり既に克服しているのですが、幼児化してしまった『あなた』はこのPTSDを抱えたままのため、『希望』と『母』という単語でPTSDが発症してしまったというわけです。
もちろん、薬の影響で精神が不安定だってこともありますが。
そして今回も、アストラの助けがありなんとか正気を取り戻した、というわけですね。
『あなた』のトラウマを知っているのはアストラだけ。
アストラのトラウマを知っているのは『あなた』だけ。
アストラに対し素っ気ない態度を取って、数多の女の子に対しクソボケを発揮しまくっている『あなた』ですが、誰よりも信頼し心を許しているのがアストラだったというわけです。
つまり、ちなっちゃんたちには勝ち目がないんですわ。
唯一可能性があるとすれば、アストラがイヴのダーリンにNTRされ、精神が弱っているところにつけ込むくらいじゃないですか?
まぁ、アストラは『あなた』一筋ですし、そんなんイヴリンが絶対許さないでしょうし、イヴリンのダーリンもイヴリン一筋なので絶対にありえないことですが。
そしてようやくアストラ①の『あなた』の曇らせが書けました。
やったぜ。
実はアストラ①を書いた時点で、PTSDに陥る『あなた』の話を思いついていたのですが、どうも上手く書けずボツネタになってたんですよ。
そこで、妄想エンジェルと絡ませたクソボケPとして描くことで、ボツネタがリビングデッドの呼び声をしたというわけです。
さらにさらに!!
幼児化する薬というご都合アイテムの登場で、新たなネタが生まれるかもしれねぇ……!!
えぇ!?
ライカン・ヒューゴ・青依編の『あなた』に幼児化薬を飲ませるだって!?!?
いったい、どうなってしまうんだ〜!?!?
オラ、ワクワクすっぞ!!
※(今すぐは)書きません
【定期】
感想・高評価・お気に入り登録お待ちしております。
モチベーションに繋がります。
また、『あのキャラの話を書いてほしい』『こんなシチュを書いて欲しい』等のリクエストがありましたら活動報告にコメントくれると嬉しいです。
『あなた』に超能力的な力(他作品クロス)を付与するのは?
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あり
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なし
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構わん、好きにしろ