新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話   作:ぽこちー

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見るのだ!! レミエールの乳すげぇのだ!!
いつポロリしてもおかしくねぇのだ!!
見ているのだヴェリナ……

うわヴェリナの乳もすげぇのだ!!
どたぷーんなのだ!!
みんなドスケベマシーンザリチャージなのだ!!!!



ノルムー・ホローウェル ①

 

 パエトーン兄妹が、自身の分身とも呼べる化身を召喚できるようになりました。

 

 診断を担当した『あなた』としては、二人の身体に異常がなかったことへ安堵する一方で、「自身の化身を召喚できる」という事実に厨二心をこれでもかと刺激されます。

 

 いやなにあれ。

 スタンド?

 ペルソナ?

 絶対ペルソナだよね?

 もう1人の自分的な何かと会話したってマジ??

 我は汝なの?

 汝は我なの??

 羨ましいんだけど。

 俺も『死』と向き合えば発現できる??

 内なる自分を認めれば発現できる??

 反逆の意思を持てば発現できる??

 

 そんな希望とも妄想ともつかない考えを巡らせながら、『あなた』はパエトーン兄妹の診断書をじっと眺めていました。

 

 すると——

 

「何をやっているのだ? そんなことをしたってペルソナは芽生えないのだ!」

 

 呆れた声とともに、同僚のノルムーがパエトーン兄妹の診断書をひょいと取り上げます。

 

 そして代わりに、『あなた』自身の健康診断書を机の上へ置きました。

 

「残念ながら、お前の身体はどこを調べても異常なしなのだ。どこを切り取っても超健康体のパーフェクトヒューマンなのだ。そんな妄想はいい加減やめて、ノルムーの仕事を手伝うのだ!!」

 

 そう言いながら、ノルムーは自分のデスクへ戻ることなく、当然のような顔で『あなた』の膝へ腰を下ろします。

 

 『あなた』は無駄に大きな帽子を片手で避けながら、机いっぱいに広げられたボンプの設計図を一枚手に取ります。

 

 じっと眺めます。

 裏返してみます。

 斜めからも眺めてみます。

 

 ……うん、何も分からない。

 

 当然です。

 『あなた』は技術者として雇われているわけではありません。

 

 ヴェリナやノルムーのお世話係——特にノルムーのお世話係として、この研究所で働いているのです。

 

 戦闘用ボンプとともに現場へ出ることもありますが、それはごく稀なこと。

 

 普段の仕事は、ノルムーの面倒を見たり、機嫌を取ったり、お菓子を作ったり、時には暴走を止めたりと、実に多岐にわたります。

 

 肩書きこそ違いますが、やっていることはほぼ保護者でした。

 

「……ん。……んっ!!」

 

 すると、ノルムーが小さく声を漏らしながら、ぐいっと頭を『あなた』の方へ突き出してきました。

 

 要するに、「撫でろ」ということです。

 実に分かりやすい要求でした。

 『あなた』はその要望に応え、ノルムーの頭を優しく撫で始めます。

 

 毛並みに沿ってゆっくりと。

 そして次の瞬間には、ゴールデンレトリバーをわしゃわしゃするかのような勢いで、思い切り頭を撫で回しました。

 

「ちょっ、待つのだ!! そんなに激しく撫でろとは言っていないのだっ!! や、やめるのだ!!」

 

 帽子を押さえながら、ノルムーはキャーキャーと大騒ぎします。

 ですが、その口では嫌がっているものの、頬は緩みっぱなしです。

 その表情はとても明るく、今にも笑い出しそうなほど満面の笑みでした。

 

 『あなた』は指示どおり激しく撫でるのをやめると、今度は壊れ物でも扱うかのように、そっと優しく頭を撫で始めます。

 

「むっ……」

 

 最初はどこか物足りなさそうな表情を浮かべていたノルムーでしたが、心地よい手つきに身を任せているうちに、次第に表情がほころんでいきました。

 

「むふぅ〜。そうなのだ、それで良いのだ!」

 

 幸せそうに目を細め、喉を鳴らしそうな勢いで撫でられながら、ノルムーはようやく仕事へと取り掛かります。

 

 その微笑ましい光景を、周囲のボンプたちは温かい目で見守っていました。

 

 もちろん、当の二人はそんな視線に気付くことはありません。

 

 すると、一匹のボンプが恐る恐る『あなた』のもとへ近寄り、申し訳なさそうに服の裾をツンツンとつつきました。

 

「ンナンナ……(お仕事中に申し訳ないのですが……これだけはお伝えしておいた方がいいと思いまして……)」

 

 そこまで神妙な様子で切り出されると、嫌でも身構えてしまいます。

 

 一体何事なのだろうかと思いながら、『あなた』はボンプへ視線を向けました。

 

「ンナ……(あまり怒らないであげてほしいのですが……)」

 

 ボンプは一度だけノルムーへ視線を送り、小さく息を吸い込みます。

 

 そして、意を決したように口を開きました。

 

 

 

 

 

 

「ンナナ、ンナンナ……(ノルムー様が、『あなた』が大切に取っておいたプリンを盗み食いしていました……)」

 

 

 

 

 

ブチィッ!!!!

 

 

 

 

「のわああああっ!?!? な、なんなのだっ!?!?」

 

 次の瞬間、鈍い衝撃音とともにノルムーの身体が勢いよく吹き飛びました。

 

 椅子ごと数メートル滑り、どうにか体勢を立て直したノルムーは、慌てて『あなた』を振り返ります。

 

「突然どうした……って、うお゛お゛お゛お゛っ!?!? 何なのだ!? 何でそんなすげぇオーラを身に纏ってるのだ!?!?」

 

 ノルムーが必死に何かを叫んでいます。

 ですが、その声は『あなた』の耳にはまったく届いていませんでした。

 

 頭の中を埋め尽くしているのは、ただ一つ。

 目の前のクソガキが、自分の大切に取っておいたプリンを食べた。

 その事実だけです。

 

 静かに、しかし確実に怒りが込み上げます。

 

 すると——

 

『我は汝……汝は我……』

 

「す、すげぇのだ!! すげぇのだ!! ペルソナが発現してるのだ!!!!」

 

 『あなた』の背後へ現れた人型の影を見て、ノルムーは恐怖よりも先に興奮した様子で叫びました。

 

 

 

『我は汝の心の海よりいでし者……』

 

 

 

 厳かな声が研究室へ響き渡ります。

 

 

 

『——調子に乗ったクソガキを分からせる汝の化身なり!!!!』

 

 

 

「…………ん?」

 

 

 パキン——

 

 ガラスが砕けるような音とともに、人型の影はゆっくりと輪郭を帯び、その姿を現していきます。

 『あなた』は無言のまま、ノルムーへ向かって片手をゆっくりと振り上げました。

 それに呼応するように、背後の化身も拳を構えます。

 

「……え?」

 

 ノルムーは一度『あなた』を見て、

 もう一度化身を見て、

 そして自分の胸を指差しました。

 

 

「……ノルムーなのだ? 標的、ノルムーなのだ????」

 

 『あなた』は答えません。

 ただ静かに、ノルムーを見据えるだけでした。

 

「ま、待つのだ!! プリンを食べたことは謝るのだ!! ごめんなのだ!! 今すぐ同じやつを買ってくるのだ!! だから怒りを鎮めてほしいのだ!!!!」

 

 当然、許されるはずがありません。

 『あなた』は背後の化身へ向かって、大きく腕を振り下ろしました。

 

 

「うわあああああああっ!!!!!ごめんなのだあああああああっ!!!!ヴェリナあああああ!!!!助けてほしいのだヴェリナああああああああああああああっ!?!?!?」

 

 





演出:『あなた』の気持ちを読み取った戦闘用ボンプたち

『あなた』に超能力的な力(他作品クロス)を付与するのは?

  • あり
  • なし
  • 構わん、好きにしろ
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