新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
「何か言い訳はありますか、『あなた』?」
パチン——
扇子を閉じるよい音が研究室へ響き、『あなた』はビクゥッ!! と肩を震わせました。
先ほどまで暴れていた戦闘用ボンプは、いつの間にか姿を消しています。
そして、ことの発端であるノルムーはというと——
『や、やっべぇのだ……助けてヴェリナって言ったけど、今ヴェリナが来たらやべぇのだ……予算減らされるどころか、この世の終わりなのだ……!!』
ぼろぼろの姿で床へ崩れ落ち、見事なまでの「orz」の体勢になっていました。
……が。
次の瞬間には勢いよく立ち上がり、『あなた』の両手両足をロープでぐるぐる巻きにすると、そのまま正座させ、首へ一枚のプラカードをぶら下げます。
『悪いがお前にはノルムーの身代わりになってもらうのだ!! ヴェリナが来ても、ノルムーは関係ないって言うのだ!! 安心するのだ! プリンはちゃんと買って返すし、骨くらいは拾ってやるのだ!!』
そう言い残すや否や、ノルムーは一目散に逃げ出しました。
なお、その数秒後。
『げえええええっ!?!? ヴェ、ヴェリナ!?!? も、もう来たのだ!? ち、違うのだ!! ノルムーは何も知らないのだ!! だから予算だけは……あっ、プレゼントもあるのだ!! 研究室に置いてあるのだ!! じゃ、じゃあ、さよならなのだぁぁぁぁぁっ!!』
という悲鳴が階段の方から聞こえてきましたが、『あなた』は聞かなかったことにしました。
「ボンピューターが無傷なところを見ると、相変わらず器用ですね」
ヴェリナは静かに研究室を見渡します。
「ですが……私が用意した『あなた』の机はこの有様。床には書類が散乱しています」
そう言って、『あなた』の前まで歩み寄ると、扇子の先で首から提げられたプラカードを軽く突きました。
「つまり……これは、そういうことなので良いんですよね?」
【これはすべておれがやりました。のるむーはいっさいかんけいありません。にるなりやくなりたべるなりじゆうにしてください】
もちろん、そんなはずはありません。
……とはいえ、完全に否定できる立場でもありません。
『あなた』は判決を待つ被告人のように、ただ小さく身体を震わせることしかできませんでした。
“(蛇に睨まれたカエルとはこういうことか……)”
と勝手に納得する『あなた』ですが、実際は上位存在(サキュバス)に睨まれたどうしようもできない下位存在(ヒトオス)でした。
「——ふふっ♪♪」
するとヴェリナは妖艶な笑みを浮かべ、『あなた』の側に膝をつきました。
「『あなた』、有給は残っていて? と言っても、答えは分かっているけれど。だって、『あなた』の予定は全て私が把握しているんだもの。……ねぇ?」
ヴェリナに肩をとん……と叩かれ、吐息が耳をくすぐります。
「そして、幸運にも私の業務が全て片付きました。……当然、溜まりに溜まっている有給も残っています……♡」
チュッ……っとわざとらしく唇を鳴らし、『あなた』へ熱い視線を向けるヴェリナ。
「あとは——言わなくても分かるわよね?♡♡♡」
そんなヴェリナに『あなた』は対抗することもできず、ドナドナされていくのでした。
「……おっはようなのだぁ…… ってのわぁ!?!? 何でそんなに干からびているのだ!?!? だ、大丈夫なのだ!?!? だ、誰かっ……ヴェリナーーー!!! 大変なのだヴェリナーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
『あなた』に超能力的な力(他作品クロス)を付与するのは?
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あり
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なし
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構わん、好きにしろ