新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
エージェント以外のキャラを書くというタイトル詐欺+投稿頻度が落ちると言ったのに普通に投稿してますねこの人。
まぁ、電車の中でふとネタが思いついてしまったので仕方ないね。
時刻は深夜二時を回ろうとしていました。
寝室のベッドで眠っていた『あなた』は、リビングから聞こえてくる声で目を覚まします。誰の声なのかと不思議に思いながら隣を見ると、そこにいるはずの恋人、イゾルデの姿がありませんでした。
声の主は、きっとイゾルデなのでしょう。しかし、その声色は怒りや悲しみ、絶望、そして憎しみに満ちていました。
イゾルデに気づかれないよう、そっと『あなた』はリビングへと向かいます。そこには、小さな灯りに照らされながら、机の上に並べられた写真を見つめるイゾルデの姿がありました。
一人、また一人と、『あなた』の知らない名前がイゾルデの口から零れ落ちていきます。おそらく、それらは彼女がかつて所属していた「オブシディアン大隊」の仲間たちなのでしょう。
『あなた』は、オブシディアン大隊に所属していた頃のイゾルデを知りません。そして、今彼女が抱えている悩みや苦しみについても。
『あなた』は彼女のすべてを知りたいと思っています。しかし、イゾルデは過去について語ろうとはしませんでした。
過去に囚われている自分を見せたくないのか。
それとも別の理由があるのか———。
『あなた』は、背後からそっとイゾルデを抱きしめました。すると彼女は小さく驚いた声を上げ、『あなた』だと気づいた瞬間、先ほどまでの張り詰めた表情は、どこかへ消えてしまいました。
「すまない、君か……起こしてしまったか?」
そんなことはない、と『あなた』は首を横に振り、彼女を気遣います。
「なに、少し過去に浸っていただけさ。君との生活には満足している。だが……どうしても、私は過去を捨てきれないようだ」
イゾルデは、自嘲気味に弱音を吐きました。普段の彼女からは考えられない言葉ですが、それは『あなた』がそばにいるからこそなのでしょう。
悲しげな表情を浮かべるイゾルデを見て、『あなた』は彼女の顎に手を添え、そっと唇にキスをしました。
「んっ……なんだ、まだ足りないのか? あれだけ相手をしてやったというのに……んむっ!?」
『あなた』はイゾルデを引き寄せ、熱の入ったキスを交わします。
『あなた』は嫉妬していました。
自分の知らないイゾルデの姿があること。
写真に写る彼らは、その姿を知っているということ。
戦友である彼らが命を落としていることについては、『あなた』はある程度は理解しています。それでも、『あなた』は嫉妬を抑えることができませんでした。
「ん……ぷはっ……はあ、はあ……分かった、分かったよ。まったく、嫉妬深い彼氏を持つと大変だな」
『あなた』はイゾルデを優しく抱き上げ、寝室のベッドへと運びます。彼女の悲しみや憎しみを上書きするように、優しく、そして熱く混じり合うために。
「これでもう、防衛軍の駐留を阻む者はいないな」
「……」
ロレンツ少将は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、停泊している船へと歩みを進めます。
「今回もお手柄だったな、大佐。それでは失礼するよ」
「……っ!」
イゾルデは、振り返りもせず立ち去ろうとするロレンツ少将を鋭い視線で睨みつけていました。それは、彼女の背後にいるオルペウスや鬼火、トリガー、アキラとリンも同様です。
まるで仇を見るかのような眼差し。今にも飛びかかりそうな空気の中、『あなた』は一人、ロレンツ少将のもとへ歩き出しました。
「お、おいっ!?」
イゾルデが引き止めますが、『あなた』は立ち止まりません。
「ん? なんだお前は? 一般人が近寄るんじゃ———ぶっ!?!?」
次の瞬間、ロレンツ少将の言葉は遮られました。
『あなた』の渾身の右ストレートが、彼の顔面に叩き込まれたからです。
「なっ……!?」
「お、お前、何を……!?」
ロレンツ少将の護衛が何か叫んでいましたが、『あなた』の耳には入りません。護衛が取り押さえようとしますが、『あなた』は構わず拳を振るい続けました。
『あなた』は、ロレンツ少将が何者なのか、イゾルデとどんな関係があるのかを詳しく知っているわけではありません。
それでも、うなされながら「ロレンツ」という名を口にしていたイゾルデの姿と、先ほどの視線だけで十分でした。
この男が、愛する人を苦しめている。
その事実だけで、『あなた』の怒りは抑えきれなかったのです。『あなた』心の奥底から、怒りがふつふつと湧き上がってきます。
『テメェ、俺の女に何しやがったんだこのクソ野郎。絶対にぶっ殺してやるッ!!』
そう言うかのように、『あなた』は砂浜の上でのたうち回るロレンツ少将に拳を叩き込み、蹴りをお見舞いします。
ゾロゾロとロレンツ少将の護衛が現れるのですが、『あなた』は決して怯みません。
拳銃や警棒が『あなた』を襲いますが、『あなた』はスウェイで華麗に避け、顎、腹、鳩尾、股間へと拳や足を叩き込みます。
『あなた』は兵士ではありません。とあるゲームが好きなただの一般人です。
ですが、『あなた』の戦うその姿はまさに『Yakuza⭐︎が如く』。
青色のオーラを身に纏い、次々にロレンツ少将の護衛たちを完膚なきまでに叩きのめしていきます。
イゾルデやオボルス小隊の面々、アキラとリンは、信じられないものを見る目で『あなた』を見つめて呆然としていました。ただ一人、シードを除いて。
シードは「何だか楽しそうだね♪」とビッグシードに乗り込み、乱闘に参戦します。
シードの戦いを見た『あなた』もまた、『シード鬼つえぇ!! 俺の女を傷つけるやつ全員ぶっ殺していこうぜ!!』とヒートゲージを上昇させ始めます。
そこへ、場違いなほど明るい声が響きます。
「あちゃー……間に合わなかったみたいだね」
「お前は……!?」
「やっほー、イゾルデさん。それから初めまして、パエトーン。照ちゃんだよ」
現れたのは、TOPSの監査組織「クランプスの黒枝」に所属する照でした。彼女は暴れ回る『あなた』を見て、困ったように頬を掻きます。
「なぜ、黒枝がここに……」
「君の彼氏さんに頼まれたんだよ。ロレンツって人を調べてほしいってね」
実は、『あなた』と照は知り合いでした。
イゾルデが寝言で漏らした「ロレンツ」という名前を聞き、『あなた』は照に調査を依頼していたのです。
もっとも、その実態は『ザオちゃんパイセン! ダミっち! ロレンツとかいう男マジで怪しいっスよ!! 絶対俺の女を悲しませてるって!! そんな奴を許せる奴いる? いねぇよなぁ!?!?』と、愚痴的なことを溢しただけなのですが。
証拠は何もありませんでした。
それでもいくつもの偶然が重なったため、照たちは調査を行ったのです。そして結論を出したのです。※1
「黒枝の答えは『黒』。……ただ、この状況はさすがに想定外かなぁ」
照の言葉に、イゾルデは冷や汗を流しながらそっと『あなた』へ視線を向けました。
「お、おばえ……!! ごんなごどをじでだだでずむどおぼっでいるどが!?!?」
ロレンツ少将は、顔をパンパンに腫らして鼻血を抑えながら『あなた』に叫びます。
『あなた』はずっと戦い続けているのですが、疲れを知ることはありません。毎日のように行なっているイゾルデとの特訓(意味深)と
『あなた』はロレンツ少将に対し、『うるせー!!!! 知らねー!!!!』と言わんばかりに宙に舞い、龍のオーラを纏いながらロレンツ少将へとトドメの蹴りを繰り出しました。※2
砂浜に倒れ込むロレンツ少将たちを他所に、『あなた』とシードは、No1ヒーロー顔負けの勝利のスタンディングを決めます。
「この、大馬鹿者がっ!!」
次の瞬間、正義の鉄拳が振り下ろされました。シードは湯気を出しながら倒れ込み、『あなた』も頭を押さえてしゃがみ込みます。
恐る恐るイゾルデを見上げると、彼女は頬を赤く染めながら、そっぽを向いていました。
「お前のしたことは、決して許される行為ではない。……だが、私個人としては……感謝している。ありがとう」
その言葉に、『あなた』は笑顔でサムズアップを返します。
こうして、衛非地区を巡る抗争は終わりを迎えました。
この世界に、メヴォラクや冒涜者はいません。
いるのはただ———
『あなた』の大切な恋人、イゾルデだけなのです。
ちなみに、インターノット上には『泅瓏囲にYakuza⭐︎現る!』『イゾルデの龍、ここに爆誕!』というスレが立てられるのですが、それはまた別のお話です。
バトル・オブ・ポーセルメックスwith『あなた』(迫真)
イゾルデさん、良いよね。
多分アラフォーだとは思うんですけど、それがまたそそるんですよ。
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また、『あのキャラの話を書いてほしい』『こんなシチュを書いて欲しい』等のリクエストがありましたら活動報告にコメントくれると嬉しいです。
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