新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
禁書2で4000枚飲まれました。
1200Gの天井2回踏みました。
両隣は自動書記と竜王の顎ぶち当ててエンディング、+4000枚くらいでした。
メンタルボロボロです。
そんな感情を瞬光にぶち当てた、そんな話になってます。
「どう? 美味しい?」
自作の金木犀のケーキを一口食べた『あなた』へ、瞬光が恐る恐る尋ねました。
普段は明るく笑顔が綺麗な彼女ですが、今ばかりはどこか落ち着きがありません。『あなた』の反応をじっと見つめるその表情には、期待と不安が入り混じっていました。
『あなた』はそんな瞬光に微笑みかけます。
“うん。美味しいよ”
「ほんと!? よかった!」
瞬光の表情が、ぱっと明るくなります。まるで胸につかえていたものが一気に取れたかのように、安心した笑みをこぼしました。
「『あなた』の口に合うかって、ずっと不安だったの!」
自分のために作ってくれたケーキ。その事実が、じんわりと胸の奥へ染み込んできます。自分のことを考えながら、何度も試行錯誤してくれたのだと思うと、自然と嬉しさが込み上げてきました。
——しかし。
「アキラには感謝しなきゃね!」
瞬光の口から、その名前が出た瞬間。
『あなた』の表情がほんの僅かに強張りました。
「試作のケーキをアキラに食べてもらってたの! 同じ男性のアキラが気に入ったなら、『あなた』も気に入ると思って!」
瞬光は嬉しそうに語り続けます。
「焼き加減だったり、砂糖の分量だったり、たくさん失敗しちゃったんだけど……アキラは全部食べてくれたんだ♪」
その笑顔を見つめながら、『あなた』は胸の奥に小さな痛みを覚えました。それでも、その気持ちを表に出すわけにはいきません。
“……そっか。よかったね”
笑顔を作って、そう返します。
「うん!」
瞬光は何の疑いもなく、嬉しそうに頷きました。
「それにね、ケーキを焼いている合間にアキラと二人で何本かビデオを見たの!」
また、アキラ。
「私たちが小さい頃にやってた映画から最近の映画、それに福姐さんの好きな『燃えよタイガー』も!」
楽しそうに話す瞬光とは対照的に、『あなた』の表情は少しずつ曇っていきます。胸の奥に生まれた小さな痛みが、少しずつ大きくなっていくのを感じます。
「それにね!」
瞬光はまだ気づきません。
「ルミナスクエアにも連れてってもらったの!」
その言葉に、『あなた』の胸がさらに締めつけられました。
「山で修行ばっかりだったから、目に入るもの全部が新鮮で、とってもすごかった!」
瞬光はその日のことを思い出しているのでしょう。その瞳はきらきらと輝いていました。
「今度、『あなた』も一緒に行きましょ! おすすめのデートスポットをたくさん教えてもらったから、期待しててよねっ!」
——デートスポット。
その言葉が、妙に重く胸へ落ちました。
瞬光が楽しそうにしていること自体は、喜ばしいことのはずです。ですが、その思い出を語る彼女の口から出てくる名前は、いつも同じでした。
アキラ。
アキラ。
そして、またアキラ。
『あなた』とアキラの関係は良好です。
一緒に出かけることもあります。
ビデオを見ることもあります。
ホロウの探索を共にすることだってあります。
だからこそ、頭では分かっていました。
アキラに悪意があるわけではありません。
瞬光にだって、やましい気持ちなどないでしょう。
そもそも、『あなた』と瞬光の関係をアキラは知っています。
二人のことを応援してくれていることも知っています。
だから、何も問題はありません。
——それでも。
自分の知らないところで、瞬光とアキラが二人で過ごしていた。その事実だけが、どうしても胸に引っかかってしまいます。
嫉妬している。
そんな自分自身を認めることが、ひどく嫌でした。
瞬光を信じていないわけではありません。
アキラを疑っているわけでもありません。
ただ、自分の大切な人が、自分の知らない場所で別の男と楽しそうにしていた。
それが、思っていた以上に辛かったのです。
胸の奥が、ズキズキと痛み始めます。
「……? どうしたの?」
ようやく、瞬光も異変に気づきました。
俯いてしまった『あなた』の顔を、心配そうに覗き込みます。
“……なんでもないよ”
『あなた』は作り笑いを浮かべました。
しかし、その笑顔はあまりにも不自然でした。
「もしかして……ケーキ、美味しくなかった?」
“違うよ。ちゃんと美味しいから”
「……本当に?」
瞬光は不安そうな顔をしたまま、『あなた』を見つめます。
そしてしばらく迷ったあと、意を決したように口を開きました。
「……ねぇ。本当のことを言ってほしいな」
先ほどまでの明るさはありません。
真剣な眼差しで、『あなた』を見つめています。
「私、『あなた』のことを全部知りたいの」
そして、そっと手を伸ばします。
「『あなた』の全部を、愛したいの」
握られた手から、瞬光の温もりが伝わってきます。
「だから……ね?」
まっすぐな瞳でした。
その眼差しから逃げることはできませんでした。
観念した『あなた』は、ゆっくりと頷きます。
彼女を傷つけないように。
できるだけ慎重に言葉を選ぼうとします。
ですが——。
考えれば考えるほど、頭の中がぐちゃぐちゃになっていきました。
嫉妬。
寂しさ。
苛立ち。
そして、そんな感情を抱いてしまった自分への嫌悪。
いくつもの感情が絡まり合い、うまく言葉にできません。
そして。
気づいたときには、胸の内に溜め込んでいた言葉が、そのまま口からこぼれていました。
“……アキラ、アキラって……そんなにアキラといるのが楽しいなら、アキラと付き合えばいいじゃん”
「……えっ?」
言った瞬間。
『あなた』自身が、自分の言葉に凍りつきました。
——しまった。
咄嗟に口元を手で覆います。
しかし、もう遅い。
瞬光はその場から動けなくなっていました。
「ぇ……」
瞳が大きく揺れています。
「ぁっ……」
何かを言おうとしているのに、言葉になりません。
やがて、自分が何を言われたのか理解した瞬光の顔から、みるみる血の気が引いていきました。
「ち、違うの……っ!」
慌てて首を横に振ります。
「アキラはただの友達でっ……! 私は、『あなた』のためを思って……っ!」
言葉がどんどん早くなっていきます。
「あっ……そ、その……っ!」
何をどう説明すればいいのか分からなくなったのか、瞬光は言葉を詰まらせました。
そんな彼女の姿を見て、『あなた』の胸に強い後悔が押し寄せます。
言ってはいけなかった。
分かっていたはずなのに。
それでも、口から出てしまった。
“……ごめん。ちょっと頭を冷やしてくるね”
それだけ告げると、『あなた』は立ち上がります。
「まっ……待って……っ!」
背後から、必死な声が聞こえました。
声は裏返り、今にも泣き出してしまいそうなほど震えています。
ですが、今の『あなた』には、その場に留まり続けることができませんでした。
これ以上ここにいれば、もっと酷い言葉を口にしてしまいそうだったからです。
すると、ふわりと風が吹き抜けました。
次の瞬間、背後から誰かが『あなた』の肩を抱きます。
「もう……あの子ったら、デリカシーがないんだから」
聞き覚えのある声に『あなた』が振り返るよりも早く、視界がくるりと回りました。そして気がつけば、『あなた』はベッドの上に押し倒されていました。
「彼氏の目の前で他の男の話をするなんて、本当にデリカシーがないわ」
白瞬光が、意味ありげな笑みを浮かべます。
「でもね。あの子が『あなた』のことを本当に大切に思っているのも事実よ?」
その言葉に、『あなた』は何も答えられませんでした。
「それは、『あなた』も分かっているでしょう?」
『あなた』は白瞬光から視線を逸らしました。
そんな反応を見て、白瞬光は小さく笑います。
「ふふっ、可愛い♡」
まるで『あなた』の心の内をすべて見透かしているかのような笑みでした。
「そうよね♡ 自分の大切な人が、別の男と仲良くしているなんて……そんなの受け入れられないわよね♡」
白瞬光は、からかうように言葉を続けます。
「嫉妬しちゃうのも、当然よね♡」
図星を突かれ、『あなた』の表情が僅かに強張りました。白瞬光は、その変化を見逃しません。
「だから——」
優しく甘い声でした。
「私が『あなた』を慰めてあげる♡」
白瞬光はそう囁き、妖艶な笑みを浮かべます。
「傷ついた心を、ぜーんぶ包み込んであげる♡」
その言葉は甘く、優しく響きました。
「ふふっ♡」
白瞬光は楽しそうに笑います。
そして、意味ありげに目を細めました。
「大丈夫よ。今は何も考えなくていいの。私のことだけ考えていればいいんだから♡」
目の前の白瞬光は、決して弱った『あなた』を逃がすつもりなどありません。
「私が傷ついた『あなた』をたぁ〜〜〜っくさん甘やかしてあげる♡」
白瞬光は、妖艶な笑みを浮かべます。
「だから——」
その瞳が、楽しそうに細められました。
「覚悟、しなさいよね♡♡♡」
この後白瞬光に逆ダァスケヴェマスゥィンザリチャァジィ!! されたし、白瞬光と入れ替わった瞬光に仲直りダァスケヴェマスゥィンザリチャァジィ!! するらしいです。
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