新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話   作:ぽこちー

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偉い人は言いました。
書けば出る、と。

まぁ書く前どころかアプデ完了した瞬間に課金して引いたんですけど。



クラレッタ・フリンツ&ロクシー・イフリータ・プライス ①

 

 

 ヴィルリウムでは今、表の世界には決して露わになることのない、密かな争いが勃発していました。

 

 王道ツンデレパツキン吸血鬼教。

 

 クール毒舌眼鏡ロリ従者派教。

 

 この二つの派閥が、互いの性癖を曝け出しながら、どちらが優れているのかを争っているのです。

 

 

「やはり原点回帰www 令和の時代にも通じる平成が生み出した王道ツンデレのクラレッタ様こそ至高ですぞwww」

 

「それは違いますねやはりロリっ娘従者こそ至高なのです普段は冷淡な態度をしながら完璧に仕事をこなしつつ、仕事のできない拙者にメガネを整えながら毒を吐き、だけど拙者が机で寝落ちしているのを見て、そっと毛布をかけ、優しい笑みを溢しながら拙者の頬にキッスをしてくれるロクシーたそこそが神なのです」

 

「でゅふふwww 氏の言うことも分かりますが、やはり拙者が愛するのはツンデレwww ア◯カ然り、遠◯凛然り、◯ャナ然り、御◯美琴然り、高◯桐乃然りwww 拙者はツンデレと共に生まれ、ツンデレと共に育った者www くしゃくしゃになった紙が元に戻らないのと同じように、一度焼かれた脳や性癖は変わらないのですぞwww」

 

「その意見には同意できますが、拙者が好きなのは眼鏡ロリなのです陽キャなパリピの馬鹿どもと違い、拙者のことを本当に理解し、寄り添ってくれるクールなロリ従者こそ正義なのですそして、そのロリから漏れる毒舌が拙者の血となり肉となるのです」

 

「んんんwww 全くもって同意ですぞwww」

 

 日の当たらない道路の陰で、二つの派閥(二人だけ)は、奇妙な笑みを浮かべながら早口で捲し立てています。

 

 どうやら本人たちは至って真剣らしいです。

 しかし、傍から見れば、ただの変な二人組でした。

 

「ここに、拙者がクラレッタ様の幼馴染になってイチャイチャ生活をする同人誌があるでござるwww 氏も読んでみるが良いですぞwww」

 

「であればこちらも出さねば無作法というものここに拙者と、拙者に仕えるロクシーたその日常を描いた同人誌がありますので、是非とも」

 

 そう言って二人は背中のリュックを開きます。

 中から出てきたのは、どう考えても持ち歩く量ではない大量の薄い本でした。

 それを地面へと広げ、二人は我先にと本を手に取ります。

 

「おほっwwwこれはwww」

 

「ふむふむなるほどなるほど」

 

 そして、二人でコソコソと読み始めては、

 

「デュフフ……」

 

「フヒヒ……」

 

 と、気持ちの悪い笑い声を漏らし始めました。

 

 そこへ、そんな二人に近付いてくる人影がありました。

 

「むむむwww 氏は一体www」

 

「分かりました『あなた』も我がクール毒舌眼鏡ロリ従者教に入りたいのですねでしたら話は早いのですさあさ、こちらを」

 

「いやいやいやいやwww 氏が本当に入りたいのは王道ツンデレパツキン吸血鬼教www 拙者の同人誌を読むでござるよwww」

 

 『あなた』は二人から差し出された本を受け取りました。

 

 それぞれの表紙には、クラレッタとロクシーがそれぞれ描かれています。

 どちらも、クラレッタと自称王道ツンデレパツキン吸血鬼教の代表、ロクシーとクール毒舌眼鏡ロリ従者教がいやぁ〜んでうっふ〜んなイラストが描かれていました。

 

「さあさwww」

 

「遠慮なさらずに」

 

 次々に薄い本を『あなた』へ押し付けてくる二人。

 その顔には、仲間を見つけた喜びが満ち溢れています。

 

 対する『あなた』は、しばらく無言で二冊の本を見つめていました。

 

 そして、ぽつりと呟きます。

 

 

 

“我、………者也”

 

 

 

 

「んんんwww なんですぞwww」

 

「申し訳ないですがもう一度お願いします」

 

 二人には聞き取れなかったようです。

 首を傾げながら、『あなた』へ聞き返します。

 その瞬間。

 

 

「ぐぎゃっ!?!?」

 

 

「ぴぎぃ!?!?」

 

 

 二人の視界が、ぐるりと90度傾きました。

 短い断末魔を上げながら、その場へ倒れ込む二人。

 口から泡を吹き、身体を小刻みに震わせています。

 

 『あなた』は処した二人を一瞥すると、何事もなかったかのように視線を地面へ向けます。

 

 そこにあるのは、先ほど二人が広げていた大量の薄い本。

 『あなた』は静かにマッチを取り出しました。

 

 シュッ。

 

 乾いた音と共に、小さな炎が『あなた』の指先に宿ります。

 そして、『あなた』は何の躊躇いもなくそれを薄い本の山へ投げ捨てました。

 

 ぼっ、と炎が燃え上がります。

 

 紙から紙へと火が移り、薄い本の山は瞬く間に炎へ包まれていきます。

 やがて、それらは跡形もなく消し炭へと変わっていきました。

 

 燃え盛る炎を背にしながら、『あなた』は泡を吹いて倒れている二人を見下ろします。

 

 そして、『あなた』は静かに呟きました。

 

 

 

 

“我、百合の間に挟まる男を処刑する者也”

 

 

 

 

 選ばれたのは、百合の間に挟まる男絶対許さない教でした。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 邪教徒を葬った『あなた』は、満足そうな笑みを浮かべながら自室へ戻ると、そのままベッドへ潜り込みました。

 

 ふかふかの布団に身を預け、天井を見上げます。

 

 そこには、幼馴染のクラレッタとロクシーが魔力供給(意味深)をしている写真が、これでもかというほどデカデカと貼られていました。

 

 そうそうこれこれ。

 やはり百合というものは、こうでなくてはいけない。

 男なんて必要ない。

 女の子同士が仲睦まじくしている姿こそが至高なのだ。

 

 

 天井の写真を眺めながら、『あなた』は王騎将軍のように腕を組み、ニヤリと笑みを浮かべました。

 

 今日も世界の平和を守った。

 

 そんな達成感に満たされながら、『あなた』はゆっくりと目を閉じます。

 

 そして、現実だけでなく夢の中でも二人の百合を眺めることができる。

 なんという幸福でしょう。

 

 これ以上の幸せが、この世に存在するのでしょうか。

 いや、ない。

 

 クラレッタとロクシーの幼馴染として生まれることができた奇跡においしいヤミー感謝感謝。

 二人の幼馴染として産んでくれた両親へ最大級の感謝を捧げながら、『あなた』は満足げな笑みを浮かべたまま、静かに意識を夢の世界へと落としていくのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……寝たわね?」

 

「はい。ぐっすりすやすやグースカピーです。これなら何をしても起きないでしょう」

 

「分かってるわよね?昨日は貴女からだったんだから、今日は私からよ?」

 

「はいはい、分かっています。さっさと済ませて変わってください。後がつかえているんですから」

 

「ふっふ〜ん♪♪ それじゃっ、いっただっきま〜す♡♡♡」

 

「……♡♡♡」

 





ちなみに私は『ドラキナママにおぎゃりたい教』信者です。
それと同時に『トリガーに人生捧げて共依存したい教』でもあります。

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