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全身に痛みが走った。特に顔面が酷い。火傷に似た鋭い痛みと熱がある。
意識が混濁として、はっきりとしない。今、自分はどうなっているのだろうか。目覚めたばかりで、身体の手綱が上手く握れなかった。
全身に痛みが走った。あまりの激痛に、もう一度、意識の外に出ていってしまおうかと考え、再び、微睡み始めた達也の耳に、やけに粘着質な声が入る。
「よお、ようやくお目覚めか自衛官」
聞き覚えのある声だった。どこで聞いたのだろう。確か、そう昔ではないはずだ。
思考を遮るように、達也の頭の下からいくつも重なった獣声がする。そこで、自分の態勢に違和感を覚えた。腰に支えがあり、上半身と下半身は空を切っている。そして、息が苦しかった。
「おいおい、自衛官よお......早く起きねえとどうなっても知らないぞ」
はっ、と我に返った達也は、現在、どこかのショッパーズモールの一画にいるのは、すぐに分かった。それよりも、自分の頭の下に広がる景色に驚愕した。
三十人以上の暴徒が、達也の肉を狙って喚き声を撒き散らしながら、必死に両腕を伸ばしてきている。二階にいるんだな、などと悠長に構えている暇なんかない。投げ出された上半身は、腰にある手摺と、胸ぐらを掴んでいる男によって、どうにか落下を防いでたある状態だ。
頭の処理が追い付かない。顔に宿っていた熱が、とてつもない勢いで冷めていく。
「う......うわあああああ!」
「ひゃはははは!なんだ、まだまだ元気じゃねえか!なあ、自衛官!」
少しでも暴徒と距離をとろうとした達也は、胸元を掴む男により、更に身体を押し出された。腰から尻に滑り、そこで止まる。両手で、胸元に伸びる腕にしがみつくと男が口角を上げる。
「まず、現状の確認からいこうか。安心しろよ、簡単なもんだからよ。お前がこの状況から抜け出すには、俺の質問に正直に、誠実に答えるんだ。ガキにも出来るだろう?」
男は言いながらホルスターから単発式銃を抜き、達也の眉間に銃口を押し付けた。
こっちには、ちゃんと弾丸は入ってる、と男が囁き、達也は抜け落ちたように空だった記憶のピースがハマった。そうだ、この異常者に俺は殺されかけていたのだ。
「じゃあ、早速始めようか。まず、第一に自衛官様よお......テメエ、仲間はいんのか?」
「それを聞いて……どうするつもりだよ……」
「はあ?何、質問を質問で返してる訳?なあ、お前さあ、自分の立場ってもんをちゃんと理解してるか?ああ!?」
達也あああああああああああああ!!ww
指痛い……w