スーパーロボット大戦 無限戦争 マリ・ヴァセレート包囲網   作:ダス・ライヒ

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陣営:連邦軍
名前:ファベーラ
性別:男
年齢:29歳
階級:大尉
乗機:クランシェカスタム(ブースターキャノン装備)
概要:元戦闘機乗りのMSパイロット。クランシェで編成された可変MS中隊の隊長。
キャラ提供はRX140さん

陣営:マリに雇われた傭兵
名前:ウォルマ・デュレイド(略名:ウォルマ)
性別:男
年齢:31
階級:隊員
乗機:ムラサメ改
概要:元同盟軍のMSパイロット。表向きはすでに戦死しており、居場所を失ってファウンに流れ着く。元大尉であることから、腕前はエース級に近い。戦闘経験はそれなりにあり、戦闘IQもそこそこ高い。
マリの力を見て興味を持ったのか、彼はしばらく彼女についていくことにしたのだった。
義があり、一度雇った主は裏切らない(要は敵からの買収は受け付けない)。
キャラ提供はヒラーズさん

ファルツ装甲軍
部隊名:偵察大隊 第三中隊
指揮官:ガヴァリ・レスト少佐
所属:特務旅団 偵察大隊
乗機:XSケルベロス(メタルマックス3 モトクロス)
武装:機銃1門・小型ミサイルポット4門(内3門は迎撃用)
概要:小型かつ小回りが効くことを生かして偵察や巡回任務、無線が効かない戦場での指令伝達などを担当。
また迎撃能力による生存率の高さを生かして他の機動部隊の護衛を務めることも有る。
設定提供はkinonoさん


第11話

「スゲェ! たった二機でデストロイを仕留めやがったぞ!」

 

 ライジングフリーダムガンダムを駆り、ケンジローのイモータルジャスティスガンダムを引き連れて敵中へと突撃したマリは、本隊の進撃を止めているデストロイガンダムを撃破した。

 二機でデストロイを仕留めたことで、マリに雇われている傭兵部隊は驚きの声を上げる。

 

『敵が浮足立っている! ここは一気に攻め込むべきかい?』

 

『再編の機会を与えれば、マスターとケンが閉じ込められる!』

 

『ジュンコ隊長の言う通り、ここは一気に攻め込むべきだ』

 

「そうだな。マスターを包囲させるわけにはいかない。一気に攻撃せよ! 敵に再編の隙を与えるな!」

 

 上空のシュラク隊が連邦軍が浮足立っていることを伝え、一気に攻め込むべきかと問えば、ウルズ小隊や伊隅ヴァルキリーズの者たちも攻め込むべきだと意見を具申してくる。

 これにカラスは、マスターであるマリを包囲させないため、遺跡に一気に攻め込むように指示を出した。これに応じ、英霊たちの部隊は遺跡への攻撃を強め、浮足立っている守備隊を蹴散らしながら進撃する。

 

「よし! お前たち続け!」

 

 トレッドと呼ばれる可変戦闘支援機を後部に装着したレギオス・エータを駆る英霊であるスティックは、可変MSであるムラサメ改や可変戦闘機のVF-1バルキリーやVF-11サンダーボルトを引き連れ、攻勢を仕掛ける英霊たちに続く。

 

「こ、後続のアンノウン共が!? うわっ!」

 

 マリのフリーダムとケンジローのジャスティスに突破された挙句、デストロイを破壊されてしまったことで、機甲空挺旅団を除く守備隊は浮足立っており、英霊や傭兵たちの攻撃で更に混乱する。

 

「これで一気に撃滅してやる! ファイヤー!」

 

 高速で突っ込んで言った所為か、上空のシュラク隊よりも先に遺跡へと到達したスティックは、真面に反撃せず、右往左往する連邦軍に苛立ち、容赦なくミサイルの雨を浴びせた。

 トレッドを装着したことでレギオスの火力は更に強化されており、二機のガンダムに滅茶苦茶にされた防衛線は完全に崩壊し、戦意を失った将兵らは恐慌状態となって敗走を始める。これを見たスティックは、苛立ちを覚えた。

 

「こいつ等は本当に軍隊か!? 無様に逃げ回って!」

 

 喚き散らしながらあちらこちらへ逃げていく連邦軍の将兵らにスティックは苛立つが、追撃はせず、自機に襲い掛かるジェットストライカーを装備した105ダガーと交戦を始めた。

 

「少しは骨のある奴が居るが! インビットの方が手強かった!」

 

 放たれるビームを躱しながら、スティックはレギオスを人型形態へと変形させ、ビームキャノンを連射する。狙わずに撃ったが、撃墜するには十分な威力であり、レギオスに挑んだダガーはハチの巣にされて爆散した。

 

「体勢を立て直される前に、一気に叩く!」

 

 スティックのレギオスの一斉射で瓦解した防衛線に雪崩れ込んだシュラク隊は、体勢を立て直される前に、電撃戦を仕掛けた。

 ジュンコが駆るVガンダムヘキサは、配下のシュラク隊と息の合った見事な連携を取りながら、地上の連邦軍部隊を蹂躙する。中隊規模のMS部隊の爆撃を受けた守備隊は真面な統制が取れず、脱走者が続出する。

 

「フン、そんな腕で挑んでくるとは! 出直して来な!」

 

 地上をビームやロケット弾などで攻撃するシュラク隊の側面より、ジェットストライカーを装備したダガーL二機を引き連れた同じストライカーを装備する105ダガーが仕掛けて来た。

 が、ジュンコのヘキサはそれらを最低限の動きで避け、ビームライフルによる正確な射撃で撃ち返し、熟練のパイロットの腕の差を見せ付ける。三機とも撃墜はされていないが、ジュンコに勝てないと思ってか、退散していった。

 

「ま、待て! 逃げるな! うわぁぁぁっ!?」

 

 隊長であるジュンコと同じくシュラク隊の練度は高く、ファウン戦線の練度が低い連邦軍将兵らでは敵わず、あろうことか持ち場を放棄して逃げていた。逃げる兵士たちを将校は止めようとするが、進撃してくるシュラク隊のMS群に恐怖して逃げてしまう。

 

『ふぅ、シュラク隊の姉さん方はお強いな! 俺らの出番、無くね?』

 

『いや、そうでも無いみたいだよ。お客さんがこっちに来てる!』

 

「増援部隊か。余りにも早すぎる…!」

 

 小型のアームスレイブ(AS)で構成されたウルズ小隊は、地上戦用きとその小ささ故に出遅れてしまっていた。

 上空のスティックとシュラク隊が活躍してしまった所為で、狙撃手であるクルツは自分らに出番が無いのではと疑問を抱くが、電子戦に長けたマオは、増援が接近していることを知らせる。増援が来ることはクルーゾーも含め分かっていたことだが、想定外よりも早く来たことに内通者の存在を疑う。

 

「ウィルティネクス軍に内通者の存在を疑う他ないが、今は対処するしかない。敵増援部隊の数は?」

 

『ウルズ小隊並びバーコフ分隊に向かって来ているのは二個旅団です。本隊のウィルティネクス軍には、一個軍団が接近中!』

 

「よほど遺跡が大事か、同盟軍に大打撃を与えるためと見えるな。では、工夫を凝らし、我々を一個連隊に見せるとしよう」

 

 クルーゾーは内通者探しよりも敵増援部隊の対処を優先し、M9の電子兵装と高い静粛性、ATの火力で工夫を凝らして一個連隊に見せることにする。時間稼ぎにしかならないが、敵の増援の足止めにはなる。

 

『師団の方が良くねぇか? それなら敵さんも下がるぜ?』

 

『無理だよ。いくら私が電子戦のプロでも、連隊規模が限度。師団に見せるなら、あたしのM9じゃなく、スパコン()っけたトラックが二台必要だわ』

 

「今は時間が惜しい。連隊でも敵は警戒して進出を遅らせる。直ぐに指定された配置に着くんだ!」

 

 クルツは連隊ではなく、師団に見せた方が良いと言うが、マオは電子兵装を強化した自分のM9では連隊規模が限界であり、もし師団に見せるならば、スーパーコンピューターを載せた大型トラック二台が必要になると答えた。

 これにクルーゾーは時間が惜しいと言って議論を止め、配置に着くように告げた。各M9が配置に着く中、指示を受けたバーコフ分隊も配置に着き、クルーゾーの指示を待つ。

 

『こちら本部(HQ)、全機、配置に着きました!』

 

「直ちに攻撃開始! 攻撃終了後、第二ポイントへ移動せよ!」

 

 本部より全機が配置に着いたことを確認すれば、クルーゾーは攻撃開始を指示した。その後、次のポイントまで移動するように告げ、自身も9連装ミサイルランチャーを全弾発射する。

 

「よーし、お前ら! 派手にやれ!」

 

『連隊どころか、旅団規模に見せてやるぜ!』

 

『へっ、なら師団規模だ!』

 

『ATにそんな火力はねぇよ!』

 

 バーコフ分隊もスコープドッグの重武装の火力を活かしたロケット弾やミサイルによる総攻撃を行う。

 ノル・バーコフ機を初め、ガリー・ゴダン、ゲレンボラッシュ・ドロカ・ザキ、ダレ・コチャック機のスコープドッグから放たれる総攻撃は、ASのM9の火力を上回っていた。

 

「派手に混乱させようじゃないの! ロックロール!!」

 

 ATの火力程ではないが、マオも負けじとミサイルランチャーを放ち、その後に電子戦を行う。

 

「一人の狙撃兵は、一個師団を止められるって言うのにな。俺って、そんなに信用されてねぇの?」

 

 派手に攻撃を行うが、クルツだけは狙撃であり、敵の指揮系統を乱すため、指揮官機をAS用対物ライフルとも言える狙撃砲で狙撃する。狙いは正確であり、一発でコクピットを撃ち抜き、指揮官機のパイロットを殺害した。

 攻撃後、狙撃手のクルツと同じく各々はその地点で移動してから攻撃し、また別のポイントへ移動して攻撃を再開する。クルツが指揮官機を狙撃してくれているおかげか、増援の二個旅団の動きは鈍くなり、混乱状態に近い形となって前進してこなくなる。

 

『敵部隊、混乱中! この動きは…想定外過ぎじゃないの?』

 

『そりゃあ、俺が敵の指揮官を狙撃してるからだろ。ああ言う群れてくる奴は、頭を潰せば鈍いのさ』

 

「しかし、弾薬にも限界がある。敵が再編のため、後退してくれる事を祈ろう」

 

 余りにも上手く行き過ぎたのか、マオは想定外過ぎると呆気に取られる。これをクルツは、狙撃兵の自分のおかげだと言う。だが、弾薬は無限じゃないので、クルーゾーは再編のために後退してくれることを祈った。

 

『HQよりA-01隊へ! 敵二個旅団、ウルズ小隊とバーコフ分隊の遅滞戦術により、進撃を止めました!』

 

「相手が普通の軍隊ならではの戦術だな。シュラク隊や傭兵部隊と共に我々も前進する! マスターを支援するぞ!」

 

 ウルズ小隊とバーコフ分隊が増援の二個旅団の足止めに成功すれば、シュラク隊と傭兵部隊に続くように、伊隅ヴァルキリーズは互いの死角をカバーする陣形を組み、遺跡へと突撃する。

 

BETA(ベータ)よりも鈍いな!」

 

 部隊長である伊隅(いすみ)みちるは、連邦軍が自分の世界で戦っていたBETAと呼ばれる異星型生命体の集団より鈍いことに苛立ちを覚えながら、容赦なく戦術機「不知火」の手持ち兵装である突撃砲を浴びせる。BETA相手には少し厳しい火力であったが、ファウンに配備されている機種には十分な威力であり、あっという間に数機ほどをハチの巣にした。

 他の不知火もみちる機に続き、次々と反応が鈍い連邦軍機を次々と仕留めていく。遠くの砲撃陣地に関しては、後衛の不知火が両肩に装備したミサイルランチャーを掃射して一掃する。

 

「反応が遅い!」

 

 大隊規模の攻撃で全く反応できていない敵軍に対し、みちるは105ダガーに向け、戦術機ようの長刀を振り下ろした。その切れ味は凄まじく、搭乗者の技量によって刃こぼれすることなく敵機を切り裂いた。

 

「あのMS擬き共、動きが速い!」

 

『上空のガンダム擬き共も強いぞ!?』

 

『第二防衛線に下がって、そこで応戦だ!』

 

 機動戦を重視した第三世代機なのか、ファウンに配備されている連邦軍機では対処が難しく、上空のシュラク隊のVガンダムやガンイージ系統と同じく蹂躙されるばかりであった。

 余りの損害に防衛線は維持できないと判断してか、マリの部隊と対峙する連邦軍は、第二防衛ラインまで後退し始めた。そこでは増援部隊が続々と到着しているので、異常に強い彼女らを迎え撃ち、殲滅するつもりだろう。

 

 

 

「例の魔女(ヘクゼ)の部隊、防衛線を突破。第二防衛ラインに攻撃しようとしております」

 

 遺跡を見渡せる場所からマリの部隊を監視する部隊があった。

 その部隊は偵察が目的なのか、小回りが利く軍用バイクを装備し、偽装用の迷彩服で全身を包み、双眼鏡から遺跡を守る連邦軍部隊を圧倒する彼女たちを監視していた。携帯式無線機を背負い、受話器を持って安全な司令部へと現状を報告している。

 

『レスト少佐、防衛ラインはどのくらい持つと思われる?』

 

「小官の見立てでは、増援部隊を得たとしても、あの目標の暴れようでは、それほど長くは持たないかと」

 

『よし、引き続き監視を続行しろ。手を出すんじゃないぞ?』

 

 この監視を行う偵察部隊を率いるのは、ガヴァリ・レスト少佐なるバイクを装備した中隊であった。

 彼の所属はバルトルト・フォン・ファルツ大将率いるファルツ装甲軍で、それに属する偵察大隊の所属であるが、見慣れないバイク、それも連邦軍の正式の物ではないXSケロべロスと呼ばれる車種のバイクがあることから、正式な装備をしていない特殊な装備した特務旅団所属だ。主な任務は偵察や巡回、伝令である。護衛もすることはあるが、あくまで最小限の範囲だ。

 名の通りに偵察が任務であるが、監視が任務であるのか、分隊ごとに中隊を分散させ、ありとあらゆる方向からマリたちを監視していた。無論、見付からない距離からである。

 ガヴァリが無線機で報告している本部に居る人物はヴィクトールであり、非番の偵察大隊から彼の中隊を引き抜き、監視を行させていたようだ。

 

「手を出すなとは?」

 

『そのままの意味だ。貴様らの装備では、魔女には敵わんだろう』

 

「はっ。尤もであります」

 

 手を出すなとヴィクトールから言われたガヴァリが理由を問えば、彼は中隊の装備を知っていた。

 第三中隊は他の中隊とは違って軽装であり、その火力は微弱な物だ。ガヴァリのXSケロべロスには機銃の他、小型ミサイルポッド四つが備わっているが、火力は心持たないので戦闘に参加すべきではない。装備の事を指摘されてか、ガヴァリは了承して監視に徹する。

 

『増援の必要性はあるか?』

 

「先ほど小官が述べた通り、そう長くは持ちません」

 

 ヴィクトールが増援の必要性を問えば、ガヴァリは双眼鏡から見える状況で、長くは持たないと答える。

 

「本隊到着まで持ち堪えさせるには、一級戦部隊が必要かと」

 

『ふむ。戦況からして、ファウンの連中でも荷は重過ぎるな。では、足の速い部隊を先発させよう』

 

 本隊到着まで持たせるには、一級戦部隊が必要だと報告すると、ヴィクトールは了承して足の速い部隊を先発させると口にする。

 

『では、引き続き監視を続行せよ。魔女に見付かるなよ?』

 

「はっ!」

 

 引き続きの監視を命じられれば、ガヴァリは承諾して受話器を背負っている無線機に戻した。それから双眼鏡に視線を戻し、遺跡の守備隊をケンジローのジャスティスと共に蹂躙するマリのフリーダムを監視する。

 

「本当にだらしがないな、ファウンの奴らは。第一線ならもう少し粘るぞ。増援は来てるか?」

 

 たった二機のMSに蹂躙される味方の部隊をだらしないと蔑んだガヴァリは、後衛に増援が来ているのかと問う。これにカービン仕様の突撃銃を持つ隊員は、双眼鏡を取って確認した。

 

「今のところ、ファウンの奴らしか見当たりません」

 

「そう早く来るわけが無いか」

 

 隊員がファウン方面の部隊しか来ていないと返答すれば、ガヴァリはそんなに早く来るわけが無いと口にする。

 

『クランシェ大隊、直ちに出撃せよ! 繰り返す、クランシェ大隊は直ちに出撃せよ!』

 

 一方でファウンの連邦軍基地では、現着していた足の速い部隊が出撃しようとしていた。可変MSであるクランシェが一番早く出撃できると判断されてか、駐機されている多数の飛行形態のクランシェが、滑走路に向かって前進していた。

 

「到着して三日目で、出撃かよ!」

 

 自分のクランシェカスタム、それもブースターキャノンを装備した機体に乗り込もうと走っているファベーラは、悪態を付きながら乗り込んだ。

 

『第一中隊、出撃! 第二中隊、急げ! 第三中隊は既に出撃準備に入っているぞ!』

 

「分かってますよ! 全員、出撃準備よろしいか!?」

 

 上官である大隊長から遅れていることを指摘されたファベーラは、機体を起動させながら自分が指揮する三小隊編成の中隊各機に向けて出撃準備が整っているのかと問う。

 

『第一小隊、準備良し!』

 

『第二小隊、準備良し!』

 

『第三小隊、ただいま完了いたしました!』

 

「よし、第二中隊出撃!」

 

 指揮下の全小隊が出撃準備が完了したと報告を受ければ、ファベーラは機体を滑走路に進めれば、スラスターを全力で吹かせて大空へと飛び立つ。既に二個大隊分のクランシェと指揮官機が飛行形態で飛んでおり、編隊を組んで目的地である遺跡へと向かっている。旅団規模のジェットストライカーを装備したウィンダムや空戦MSバリエントも付近を飛んでおり、ファベーラと指揮下の中隊もこの集団に入り、遺跡を守る友軍の救援へと向かう。

 

「大隊長殿、遺跡を防衛する友軍の救援とありますが、本当は何の作戦で?」

 

『さぁ、俺は遺跡の友軍部隊の救援としか聞かされていない。連隊長や参謀、旅団長クラスは知っていると思うが…』

 

 もはや左遷先と化しているファウンに、自分を含める軍集団規模の一級戦部隊が派遣されるなど、何か裏があるのではないかと思い、佐官の階級である大隊長に訪ねた。が、当の大隊長も何の任務か知らされていないようだ。どうやら、中佐か大佐しか何の任務か聞かされていないようだ。

 

『とにかくだ。与えられた任務に当たらねばな』

 

「任務に忠実あれか。何が出るか、楽しみですな」

 

 何も聞かされていなくとも、大隊長がどんな任務でも当たらなければならないと言えば、ファベーラは前向きに考えることにして、まだ知らないマリや英霊たちとの戦いを楽しみにした。

 そんなファベーラのクランシェカスタムを含める師団規模の混成先発隊は友軍の救援をすべく、遺跡へと急いだ。

 

 

 

「フン。噂通り、ファウンの奴らは口ほどにもない!」

 

 マリに雇われた傭兵の一人であるウォルマ・デュレイドは乗機であるムラサメ改で、連邦軍の増援部隊と交戦していた。増援部隊はカンゼンダーの要請を受けた一級戦部隊ではなく、ファウン戦線の部隊であった。

 ウォルマが侮るとおり、ファウン戦線の連邦軍は彼を退屈させるほど弱く、彼のMA形態のムラサメ改のビームライフルや内蔵ビーム砲で次々と的のように撃ち落とされていく。敵空戦部隊も撃たれるばかりではなく、反撃しているが、あっさりと避けられて逆に撃墜されるばかりだ。

 

「もう二十機は落としたぞ。しかし、魔女は俺の想像を遥かに上回るな…!」

 

 戦闘開始から十分ほどで、ウォルマの撃墜数はニ十機を超えていた。が、彼は眼下でケンジローのジャスティスと共に敵中で暴れ回る自分の雇い主が駆るフリーダムを見て、自分の想像を遥かに上回っていることに驚愕する。

 

「裏切れば、命は無いことは確かだな…!」

 

 機体をMS形態へ変形させ、邪魔な敵機をビームサーベルで切り裂いた後、再びマリのフリーダムへと視線を向ければ、裏切れば命が無いことを確信する。

 

 ウォルマは元同盟軍のパイロットであるが、ガルダーゴンの決戦で戦死したことになっている。撤退の際、原隊に取り残されてしまったのだが、原隊と上官は生死も確認もせず、ウォルマを戦死認定にした。

 勝手に軍籍を除籍された彼は居場所を失い、流れ者の傭兵となって戦いに明け暮れ、島流しと化しているファウンに流れ着いた。

 元大尉で戦闘経験や知識も豊富で技量の高かったウォルマは、賞金首であるマリを殺して高額報酬を得るべく、軽キャノンで生身の状態の彼女に挑んだが、魔法の力の前に敗北する。依頼主を裏切らない義の傭兵であるウォルマであるが、魔女の如きマリの力に死の恐怖を覚えて戦意を失い、屈服してしまう。

 我が身可愛さであったが、マリに興味を抱き、自分の腕前を売り込んで彼女に裏切らないと言う条件で雇われることになる。尚、短期契約である。

 ムラサメ改を与えられたウォルマはマリの命ずる通り、遺跡を守る連邦軍と交戦するのであった。

 

「少しは骨のある奴は居ないのか? おっ?」

 

 そんな経歴を持つウォルマであるが、ファウンの連邦軍部隊は退屈させる程であった。そんな彼に、連邦軍の一級戦部隊の接近を知らせる無線連絡が入る。

 

『戦闘中の各部隊へ通達! 更なる増援を確認! 装備類はファウン戦線の物ではありません!』

 

「ん、あれはウィンダムにクランシェ!? このファウンには見ない機種ばかりじゃないか!」

 

 オペレーターの知らせで、カメラを拡大して増援部隊を確認すれば、ファウンには配備されていない機種ばかりであることに驚きの声を上げる。

 

「骨のある奴を望んでいたが、まさか前線部隊がお出ましとは…! やるしかないか…!」

 

 口で言ったことが叶ってしまったことに、少し焦りを見せるウォルマであるが、雇い主であるマリの目標を達成させるべく、額に汗を浸らせながら、大挙して押し寄せる一級戦の航空部隊と交戦を開始した。




取りま募集版を延長した。興味湧いたら応募してちょ。

次回も引き続き、応募キャラを出す予定です。
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