スーパーロボット大戦 無限戦争 マリ・ヴァセレート包囲網 作:ダス・ライヒ
マンドー「我らの道」
ケンジローを取るに足らない者の見なし、カンゼンダーたちは存在を忘れていた。
だが、彼らはその判断が間違いであったことを、身を以て知ることになる。
ケンジローはサムライトルーパー「烈火のケンジロー」となり、同じサムライトルーパーである「灼熱のガイ」やさすらいの賞金稼ぎ「マンダロリアン」とそれに同伴する赤子「グローグー」を引き連れ、カンゼンダーたちを攻撃したのだ。
「な、なんだこいつ等は!?」
「オラァァァッ!!」
「ヌワァァァッ!?」
先に一番槍を務めたのは、灼熱のガイだ。自分たちの奇襲とも言える攻撃に驚いているマス・ライダーに向け、若さに任せて炎を纏う刀を振り下ろし、一撃で切り裂いた。
凱が斬ったマス・ライダーは大柄の重装型であるが、灼熱の剣はその重装甲を熱で切り裂いてしまう程で、斬られた重装備兵は燃えながら真っ二つとなる。
「オラオラオラァ!」
若さに任せて暴れ回る凱は止まらず、二振りの刀である灼熱の剣で次々とスパルタンシリーズやマス・ライダーなどを切り裂いていた。
アサルトライフルやビームライフル、軽機関銃などで応戦するも、凱は己の身軽さで躱しつつ、二振りの刀を連携させ、凄まじい速さで攻撃を躱しながら接近し、上記の同じように斬り捨てていく。
「オォォッ!? な、なんだあの餓鬼は!? ゾンダーサイボーグ、あの餓鬼を殺せ!!」
新しいサムライトルーパーである凱の情報は全く無いのか、タニスは焦りながら配下の疑似ゾンダーであるサイボーグ三体を向かわせる。
「如何にも悪そうなサイボーグだな!」
疑似ゾンダーであるサイボーグ三体の攻撃に、凱は軽やかにその打撃を躱し、地面を蹴って一体目を斬り捨てた。斬り捨てられたサイボーグは、切り口から火を噴きながら倒れる。
残り二体のサイボーグは両腕に内蔵された機関銃を乱射するが、凱はそれらも避け、荒らしく連結した灼熱の剣で二体同時に切り裂いた。
「お、俺のゾンダーサイボーグが!?」
「ペストスパルタン、あの小僧に集中砲火を浴びせろ!」
タニスが自慢のゾンダーサイボーグを破壊されたことに狼狽える中、カンゼンダーは自分の護衛として連れているペストスパルタンと呼ばれる黒いアーマーが特徴なスパルタンシリーズ二体に、手にしている五十口径ライフルと重機関銃による集中砲火を浴びせろと指示した。
これに応じ、漆黒のアーマーを身に纏うペストスパルタンは、手に持っている強力な銃を暴れ回る凱に向けて掃射した。凄まじい連射力であり、凱は本能的に攻撃を止め、回避に専念する。
「うぉ!? 俺一人に機銃掃射かよ!」
人間を容易く引き裂く大口径弾の掃射に、凱は自分が斬ったマス・ライダーの死体を盾にして掃射を防ごうとする。だが、大口径弾の機銃掃射で、盾にしている敵のアーマーも限界に近い。
「俺を忘れちゃ困るぜ!」
そんな苦戦する凱に、ディン・ジャリンが言っていた合流を待つ仲間であるが救出しようと隠れていた草むらから姿を現し、重火器類に被せていた偽装網を引き剥がした。
彼の名はエイブリー・J・ジョンソン。帽子と葉巻がトレードマークな海兵隊員である。
UNSC海兵隊に属する上級曹長であり、かの有名なスパルタンⅡであるマスターチーフと行動を共にし、数々の激戦を潜り抜けて来たが、コヴナント戦争末期に戦死してしまう。
今のジョンソンは秩序の女神ポーラが呼び寄せた
「俺が入隊した頃なら現役だった重機関銃だ! 今となっちゃ旧式で民兵に回される装備だがな! だが、威力は現行装備には劣らない!」
重火器は旧式の重機関銃であり、ボルトを引いて初弾を薬室に送り込み、ペストスパルタンに向けて掃射し始める。
かつてはUNSC軍の主力重機関銃であったが、最新の重機関銃の配備が進んだことで旧式となってしまい、正式採用から外れ、今では二級戦装備や民兵くらいしか使っていないが、ジョンソンの言う通り、威力は現役重機関銃以上の物だ。
流石に連射力は少し劣るが、ペストスパルタンが掃射を止めるくらいの足止めが出来るので、結果的に敵中に突っ込んでいった凱を助けることが出来た。
「うわっ!? 畜生が! こいつをここまで運んでくるのに苦労したってのに! クソッタレが!」
だが、敵の反撃により重機関銃を破壊されてしまった。
ここまで運ぶのに苦労した重機関銃を破壊されたことに激怒したジョンソンは、予備として持ってきたガウスライフルを取り出し、それをチャージして重武装のパンツァースパルタンに向けて放てば、一撃でその重装甲を貫いた。
「重機関銃の仇を取らねぇとな! で、どいつが撃ちやがった!?」
それから敵の反撃を避けるために遮蔽物に身を隠し、ガウルライフルによる狙撃を継続した。
「グローグー、そこに居ろ。合図をすればこっちへ来い」
ケンジローをサムライトルーパーに導いた戦士、マンダロリアンことマンドー。本名ディン・ジャリンは、異星人の小柄な赤子であるグローグーに、合図するまで隠れていろと告げ、マリを救出するために突撃した。
ピストルと背負ったライフルだけで、突撃するのは無謀とも言えるが、マンドーが身に着けている装甲服やヘルメットはべすかー銅と呼ばれる合金で出来ており、マス・ライダーやスパルタンシリーズの攻撃を防いでくれる。そのおかげか、マンドーは攻撃を受けながらも流れるように次々とブラスターピストルで撃ち殺していくことが出来るのだ。
おまけに全身が武器庫のようになっており、左腕のガントレットや両脚のアーマーからは小型の対人ミサイルが発射される。威力は対人特化の小型ゆえに低いが、装甲の隙間に当てれば、軽装型のマス・ライダーくらいは仕留めることが出来た。
投げる用のナイフも数本あり、右腕のガントレットには火炎放射器が内蔵してあるので、サムライトルーパーの凱ほど派手ではないが、瞬く間にマンドーの周りに多数の死体が転がっていた。
「重装甲か…!」
重装甲を持つ重装型マス・ライダーやパンツァースパルタン、強固なシールドを持つシールドスパルタンに対しては、その攻撃から逃れるため、背中のジェットパックを使って空を飛んだ。
安全な場所に着地した後、背中のライフル、アンバン・スナイパーライフルを取り出し、重装型のマス・ライダーに狙いをつけ、引き金を引けば重装甲のマス・ライダーは蒸発する。
このアンバン・スナイパーライフルは単発式ライフルであり、一発撃つごとに装填する必要性があるが、使う弾丸は強力であり、一撃で先に述べた通り敵を蒸発させることが出来る。接近戦に備えてか、エレクトロ・バヨネットと呼ばれる電撃を放てる銃剣が装備されている。
それから重装型を初め、次々とパンツァーやシールドらを狙撃して蒸発させ、更にはAT-RTもウォーカーごと撃破し、敵の戦力を大きく削った。
疑似ゾンダーサイボーグも何体か投入しているが、焼け石に水の状態であり、サムライトルーパーの凱に返り討ちにされるのはもちろん、マンドーにも撃ち殺されるか蒸発させられ、人間に近いジョンソンにすら倒される始末だ。
「な、なんて連中だ…! これが、ディバイン・ドゥアーズか…!」
これにタニスは驚愕し、思わず後退って自分だけ逃げようとしていたが、カンゼンダーの激怒する表情を見て、思わず足を止める。
「(だ、駄目だ…! こいつの思い通りにしなければ、俺が、俺が殺される…!)」
そのタニスを恐怖させたカンゼンダーの表情は、彼が自分の思い通りにならない事態に見せるものであった。この表情を見せたタニスは、カンゼンダーが癇癪を起して暴走するのではないのかと恐れ、ガオゾンダーMk-Ⅱに攻撃を命じる。
「ガオゾンダーMk-Ⅱ! や、奴らを攻撃しろ!」
『ゾンダー…!』
慌てたタニスの命令に、ガオゾンダーMk-Ⅱの素体にされているウォルマは応じ、攻撃を始めようとしていた。
「凄い連中だ…! たった三人でアーマーを装備した一個大隊を…! 俺も負けられない!」
灼熱のガイや海兵隊員の英雄ジョンソン、赤子連れのマンドーが多数の敵アーマー部隊を屠っていく中、サムライトルーパー「烈火のケンジロー」となったケンジローも負けじと、背中の大型の盾を取り出し、果敢に敵部隊に突撃する。
「な、なんだあいつは!?」
「二人目のサムライトルーパーか!?」
「撃ち殺せ!」
凱に続いて現れた新たなサムライトルーパーであるケンジローに対し、増援として駆け付けているマス・ライダーとスパルタンシリーズらは集中砲火を浴びせる。
凄まじい集中砲火であるが、サムライトルーパーの盾は堅牢であり、その全てを防いでケンジローが身に纏う鎧に一切の傷を付けなかった。ロケットランチャーの類は反動が来るが、ケンジローは耐え抜き、右腰にある筒型のピストルを取り出し、周囲に居る敵アーマー集団に向けて撃ち始める。
「い、一撃で装甲を貫いた!?」
「っ!? 凄い威力だ!」
筒型のピストルの威力は高く、マス・ライダーの装甲を容易く貫通してしまう程だ。流石に重装甲を持つ重装型のマス・ライダーやシールドスパルタン、パンツァースパルタンの装甲は撃ち抜けないが、接近して背中の大太刀で斬ってしまえば良いだけだ。
「重装甲ならば、大太刀だ!」
盾で攻撃を防ぎつつ、ケンジローはピストルを右腰のラックに戻し、背中の大太刀を鞘から刀身を抜き、盾を構えながら突撃した。
「捻り潰してやる!」
向かってくるケンジローに対し、接近戦用の武器を取り出したマス・ライダーやスパルタンシリーズらは一斉に攻撃を始める。これにケンジローは盾で防いで凌ぎ、空かさず大太刀で斬れば、容易く敵の装甲を切り裂いてしまった。
「この烈火の太刀、使える!」
敵の装甲を容易く切り裂いてしまう程の切れ味を持つ烈火の大太刀に、ケンジローは続けてその太刀を振るって次々と敵兵らを斬り捨てた。彼が剣を振るうたびに、次々とアーマーを装備した敵兵らが血を流して倒れていく。強く突けば装甲を容易く貫通し、身に着けている者を殺傷する。
あの重装甲のパンツァーすら切り裂き、シールドに至っては両手に持って力強く大太刀を振るえば、その構えている盾ごと対象ごと切り裂いてしまう程だ。この余りの大太刀の切れ味に、圧倒的戦闘力を持つアーマーを身に着けている兵士たちは恐れ始める。
「あ、アーマーをバターみたいに…!?」
「恐ろしい切れ味だ…! アーマーなんか、意味がねぇ!」
そのマス・ライダーやスパルタンシリーズのアーマーを身に着ける者たちを恐れさせた通り、烈火のケンジローの周りは死屍累々であった。重火器を持つ者は攻撃を継続するが、サムライトルーパーとなったケンジローはそれらを避け、反撃のピストルで撃ち抜くか、左手で抜いた小太刀で装甲の隙間を突き刺し、次々と無力化していく。
「ゾンダー技術によって強化された俺たちならァーッ!」
「サムライトルーパーであろうがぶっ殺してや…」
「無駄だ! トアーッ!!」
恐れ戦くマス・ライダーやスパルタンシリーズに代わり、疑似ゾンダーサイボーグの集団がケンジローに襲い掛かるも、大太刀の一閃で纏めて切り裂かれた。その後、次々と疑似ゾンダーサイボーグ、そればかりかゾンダーロボまで襲い掛かるが、烈火のケンジローを止めるには至らず、次々と烈火の大太刀の錆にされるばかりだ。
「へっ、やるな!」
「年下の前で、大人の俺が負けられるかっての!」
そんな疑似ゾンダーロボからの攻撃を受けるケンジローの救援に灼熱のガイが駆け付け、ゾンダーロボを灼熱の剣で切り裂いた。切り裂かれたゾンダーロボが火を噴きながら倒れる中、凱は初めてサムライトルーパーの鎧疑亜を身に纏って戦うケンジローに誉め言葉を贈る。これにケンジローは凱の背中を守りながら、年下に負けるつもりは無いと答え、彼と共に襲い掛かる敵を斬り続ける。
「うわぁぁぁ~!? こ、こっちに来る!」
「カンゼンダー氏、お下がりを!」
「そこの不老不死を、そこの不老不死も連れて行け! もう直ぐで、もう直ぐで私は創造主になれるのだぞ!?」
凄まじい勢いで配下の戦力を粉砕していく英霊たちとサムライトルーパーとなったケンジローに、マリの近くに居るカンゼンダーはアギダに下がれと言われ、無理にでも儀式を強行しようとする。
だが、恐怖したタニスが真っ先に逃げ出してしまい、儀式を行う術者たちも逃げてしまう。他のアーマーを身に着けている者たちは後退り始める中、マンドーが放ったブラスターピストルの一撃が、カンゼンダーの頬を掠めれば、彼は空かさず懐から出した拳銃で撃ち返そうとしたが、二撃目で拳銃を持つ右手を撃たれてしまう。
「ぬ、ぬぅぅぅ! 後で取り戻せよ!」
勢いはケンジローたちにあるので、カンゼンダーは後でマリを取り戻せと言って彼女から離れた。
「おぉ、こいつは酷いな! いくら不死身でも、レディをこんな目に遭わせるなんて!」
MA5Cアサルトライフルを手にしながら、ジョンソンはマリに突き刺さっている杭を引き抜き、拘束を解こうとする。口を縫い合わせている糸に対しては、マンドーが無理に引き抜いた。
「あんた等がGGG? 見えないんだけど?」
「俺たちはGGGじゃない。カンゼンダーにお前を渡さないように言われて来た」
「勇者であれば、優しく丁寧にやってたがな」
マリが自分の救出に来たのが、GGGではなくマンドーであったことに疑問を抱いた。これにマンドーは邪魔な敵を倒してからカンゼンダーに渡すなと言われてきたと答え、ジョンソンは丁寧に拘束を解いていたと答える。
「で、どうすんだ? 逃げるか?」
凱が駆け付け、どうするのかと問えば、マリは無視して烈火のケンジローとなった彼の姿を見て驚く。
「ケン、あんたその姿…」
「サムライトルーパー。あんたがくれたお守りが、まさかこんな変身アイテムなんてな!」
「あれが変身アイテムだなんて…!」
ケンジローはマリが分かっていて渡したと思っていたようだが、当の本人は驚いていた。
「どうすんだよ! 逃げるのか!? 戦うのか!?」
「逃げる? 駄目よ! あいつはまた襲ってくる! ここで潰さないと! それとあのサイボーグに取られたGストーンも取り戻さないと!」
「Gストーン? 勇者王が使うマシンの動力源か。なおさら渡すわけにはいかんな。来い、グローグー」
怒る凱の問いに、マリはカンゼンダーをここで潰さねば、また襲ってくると言って戦うと返答する。その前に、タニスに奪われたGストーンを取り戻すと言えば、マンドーはそれに応じてグローグーを肩に乗せ、ジェットパックで飛んで追撃を始める。
『ゾンダー…!』
「うぉ!? 馬鹿デケェロボットじゃねぇか!」
「あんた等はあのロボットを!!」
「了解!」
「俺はどうする!?」
「援護して!」
機関砲による攻撃を仕掛けてくるガオゾンダーMk-Ⅱに凱が驚きの声を上げる中、マリはサムライトルーパーである凱とケンジローにその対処を命じた。ジョンソンが自分はどうするのかと聞いて来れば、マリは援護しろと言ってマンドーの後に続く。
『ゾンダー…!』
「クソっ! 再生しやがる!」
サムライトルーパーの同時攻撃は強力であり、ガオゾンダーMk-Ⅱの装甲に損傷を与えたが、ゾンダーバリアとその再生力で直ぐに再生し、凱に何度も攻撃を行う。コアを破壊しない限り、人が作った疑似ゾンダーロボでも止まらないのだ。
足止めを目的としているので、ケンジローと凱は交戦を続ける。
「う、ウワァァァッ!? なんで俺を追ってくるんだァ!?」
空を飛んで追ってくるマンドーに逃走中のタニスは絶叫する。そんなタニスにお構いなしに、マンドーはその足を撃ち抜き、転倒させてワイヤーで引っ張る。その際、腹の外装を引っ張った所為か、収めていたGストーンがこぼれ落ちてしまった。
「お、俺のGストーンが!?」
「グローグー、あの光る石を拾え!」
落ちたGストーンを必死に回収しようとするタイスであったが、マンドーがグローグーに拾えと言えば、異星人の赤ん坊はフォースと呼ばれる物体を自在に浮かせ、引き寄せられる能力を使い、Gストーンを奪った。
「か、返しやがれ! それは俺のだぞ!?」
「お前のじゃない」
「ぎ、ギニャァァァッ!?」
グローグーにGストーンを奪われたタニスは絶叫するが、マンドーが去り際に投げ込んだ爆弾に驚き、全速力でその場から逃走した。
「いわれたとおりに取って来た。グローグー、彼女に渡すんだ」
「これと交換して」
「済まない。それで、その石で何をする気だ?」
Gストーンをタニスから奪い返したマンドーは、直ぐにマリの傍に駆け付け、Gストーンを渡そうとするが、グローグーは気にってか、渡そうとしなかった。これにマリは何処からともなく出したキャンディを取り出し、キャンディで交換しないかと問えば、グローグーはそれに釣られてGストーンを彼女に渡した。
マンドーがまだ言葉が話せないグローグーの代わりに謝罪した後、Gストーンで何をするのかと邪魔な敵を撃ち殺してから問う。これにマリはGストーンを両手で握り、獅子王凱のような勇者になると答える。
「あの勇者王のように、勇者になるの」
「あんたが勇者にだって? 前科者はなれないんじゃないのか?」
「俺はなれたぞ。クソ親父が俺を傀儡にする気にしたかもしれねぇが、
その返答にジョンソンはマリの経歴を知ってか、なれるのかと疑問を抱いたが、ケンジローと共にガオゾンダーMk-Ⅱを一時後退させる程の損傷を与えた凱が一行の傍に来て、極悪人とも言える自分でも、仲間の交流と導きのおかげで、誠の仁の後継者となれたと告げる。
「なるほど。だが、彼女は凱より罪が大き過ぎる。その石がそれを承知でも、認めてくれるか」
かつては殺戮を行った凱は、自身を依代としか見ない父に反旗を翻し、仲間たちの交流と導きのおかげで仁の後継者となれたが、マリの罪は彼より大き過ぎた。数え切れない数の人々を殺しているので、正義を導くGストーンが彼女を認めるかとマンドーは疑問に思う。
「そんなの、分かってるわよ…! でも、ここであいつを取り逃したら、また追われるか、私と同じ不老不死の者が狙われる…!」
これにマリは不安を抱くが、ここで退くわけにはいかない理由があった。
カンゼンダーの脅威を排除しない限り、また追われるか、別の不老不死の者達を狙うかもしれない。その中には自分が探しているルリも含まれているので、彼女を守るため、マリは何としてもGストーンの力を使い、カンゼンダーを倒さねばならなかった。
「お願い、Gストーン。一度だけでも良い。この私に力を貸して…! でなければ、ルリちゃんが…いや、数多くの悲劇が…!」
ルリを守るべく、Gストーンに頼むマリ。それだけでなく、不老不死を手に入れたカンゼンダーがありもしない完璧な存在となるため、更なる悲劇や惨劇を起こすことは確実だ。
「っ!? ありがとう…!」
一度だけでも良いから力を貸してくれと、勇気を振り絞って頼むマリの気持ちに応えてか、Gストーンは彼女に獅子王凱のような勇者の力を授けた。
伝わってくる力を感じたマリは、Gストーンに向けて感謝の言葉を述べ、左手にその力を宿した後、凱が戦闘スーツを身に纏う際に掛ける言葉を口にする。
「イークイップ!」
この言葉と共に、全身を光が覆えば、凱が戦闘の際に身に纏うIDアーマーに似たデザインの戦闘装具となったマリが姿を現す。凱の物を真似た為に似ているが、Gストーンが胸の中央に収められている。
「前科者でも、頑張ればヒーローになれるんだな…」
勇者王である凱と似た姿となったマリを見て、ジョンソンは大罪人でも頑張ればヒーローになれることに関心の声を上げる。
「それで奴に勝てるのか…?」
「いや、これだけじゃ勝てない。遺跡にガオーマシンがあるわ。それとファイナルフュージョンして、あいつと戦う!」
ただ勇者王と同じ姿となっただけのマリに、カンゼンダーと戦えるのかと疑問を抱くケンジローに対し、彼女は遺跡にあるガオーマシンを呼び寄せ、それとファイナルフュージョン、即ち合体して戦うと返答する。
「ファイナルフュージョン!」
マリは遺跡にあるとされるガオーマシンを呼び寄せて合体するべく、胸のGストーンを輝かせながら叫んだ。
次回予告
大河幸太郎「ファイナルフュージョン、承認ッ!!」
サムライトルーパーとなったケンジローの存在を奪いかねないので、新たな勇者王の登場と「プログラム・ドラァァァーイブ!!」は次回に。
これが勝利の鍵だ!は、活動報告に記載します。