スーパーロボット大戦 無限戦争 マリ・ヴァセレート包囲網 作:ダス・ライヒ
名前:クリプト
性別:男
年齢:40?
階級:不明
乗機:疑似ゾンダーロボ
概要:有り合わせの中古のパーツを埋め込まれた元引きこもりの男。敵への殺意のみを思考し、複雑な命令には対応不可能。
自爆攻撃用の大量生産品である。
陣営:カンゼンダーの私兵
名前:タニス
性別:男
年齢:不明
階級:兵器開発部門責任者
乗機:ガオゾンガー
概要:カンゼンダー陣営にてサイボーグ手術や兵器開発を行う全身サイボーグの科学者。その正体は機械と一体化して自らの体にするスライム状の宇宙人であり、侵略者。異世界を断片的に見る超能力を持っている。
技術獲得のためか、勇者王ガオガイガーの世界に到来し、国際テロ組織「バイオネット」に潜伏していた。
キャラ提供はケツアゴさん
スティック・バーナード
機甲創世記もスピーダの主人公の一人。
青二才な軍人キャラで、降下時に仲間や婚約者を失い、インビットを憎んでいる。その所為か、何でもかんでもインビットの所為にする。若いから仕方ないが。
マリが召喚した英霊の一人。
搭乗機はレギオス・エータ
ヒューズ・ガウリ
OVERMANキングゲイナーに登場する自称忍者な男。
忍者マニアであり、ヤーパン忍法なる数々の技を使う。忍者を自称することあってか、その身体能力は高い。そんでノリノリである。
暗殺者としての実力も高く、ストーリー的に少しばかり闇を抱えた人物。
マリが召喚した英霊の一人。
ゲルドバ・デムス
ウィルティネクス軍の少佐。母はウィルティネクス政府の高官であり、父は建国当初から続く世襲議員と言うエリート一家の三男坊。
更にファウン方面軍司令官のベルドド・デムス大将は叔父であり、その叔父のコネで少佐まで昇進した。
物凄い無能であり、デムス家の恥晒しと揶揄され、両親や参謀本部勤めのエリート軍人な長男と世襲議員の次男の兄たちから疎まれており、ゲルドバを名誉ある戦死を遂げさせようとファウン戦線に転属させた。
キャラ原案はオリーブドラブさん
マリがエアリアルを召喚し、襲撃してきたスローターダガーの中隊を退け、ケンジローを仲間にした頃、彼女を討伐と言う名の捕獲をするための戦力が続々とこのファウンに集まっていた。
「疑似ゾンダーロボの搬入は順調か? タニス博士」
「はっ、順調でございます。カンゼンダー殿」
ファウンにあるフォルコメンハイト・カンゼンダーの私有地にて、彼は全身サイボーグの男に大量に運び込まれている巨大ロボの搬入作業が順調であるかと問う。これに全身サイボーグの男、タニス博士は巨大ロボの搬入は順調であると答える。
疑似ゾンダーロボと呼ばれた巨大ロボは広大な地下格納庫に並べられており、出撃できるように準備が進められている。その数は十数機に及ぶだろう。
この疑似ゾンダーロボは、異世界から盗んだ技術で製造され、必要であるゾンダーメダルの製造もファウンの何処かに建設したゾンダープラントで行われている。
「パイロットに関しては…」
「それなら問題ない。お前が留守の間に、私で用意した」
「はっ?」
タニス博士はパイロットの到着がまだであると知らせようとしたが、そのパイロットはカンゼンダーが既に用意していると答えた。これにタニス博士が呆気に取られる中、カンゼンダーは端末を操作し、疑似ゾンダーロボのパイロットが誰なのかを見せる。
「に、人間ですか…?」
「お前の研究所の失敗作を使って作った疑似ゾンダーロボのパイロットだ。異世界の親たちから役立たず共を買い取り、私が組み立てた。その名もクリプト」
人間とは思えない容姿にタニス博士が尋ねれば、カンゼンダーは彼の研究所の保管されていた失敗作を失敬し、それを親たちから買い取った引きこもりの者たちを組み合わせ、作り上げた疑似ゾンダーロボ用のパイロットであると答える。
それは、四肢を削がれ、その代わりに機械を埋め込んだだけの物であった。個体ごとに違うが、残された表情は笑みを浮かべている。どうやら、何かしらの自身の願望を見せ続けられているようだ。
幾ら失敗作とはいえ、勝手に自分の研究所からそれらを持ちこんで勝手にサイボーグを製造したカンゼンダーを睨み付けるタニス博士であるが、自分のボスであるために逆らえなかった。
そんな表情が無いタニスの気持ちを悟ってか、カンゼンダーは有効に使ってやったと自画自賛のような発言をする。
「勝手に使うなと言う顔をしている様だが、どうせ使い道が思い付かないんだろ? 有効に使ってやった私に感謝しろ。この作戦が終わるまで持たん消耗品だ」
このカンゼンダーの発言に、タニス博士はその完全主義者の怪物を生み出したことに後悔する。
フォルコメンハイト・カンゼンダーは、自然出産で生まれた人間ではない。遺伝子調整を受けて人工子宮で生まれた人間だ。完璧主義者の貴族であるカンゼンダー家が高い金を掛け、タニス博士を初めとする面々に製造させた。
人間の弱点と言う弱点を生まれる前から削ぎ落とされ、優秀な遺伝子ばかりを埋め込み、完璧で失敗しない人間として、危険性がある母体を使わず、人工子宮で生み出されたのだ。
キラ・ヤマトのようなスーパーコーディネイターと支配主として生み出されたアコードと同じであるが、カンゼンダーはそれらを凌駕する技術で生み出されている。
性格も完璧主義者の異常な教育法で育てられてしまったのか、異常なまでに不完全や失敗を嫌う完璧主義者に育ってしまった。
が、失敗しない人間は居ない。
完全な人間として生み出されたカンゼンダーも、その性から逃れられることは出来なかった。
齢四十歳となるカンゼンダーであるが、彼もまた生きていく中で少なからず幾つか失敗している。人は失敗を経験とし、それを糧にして成長していくものだが、カンゼンダーの自身の失敗を全て人の所為にして生きていた。
それを証明するかのように、彼が幾人もの女性に産ませた実子たちがたった一度だけの失敗で歪んだ性格となり、世を乱している。
最初から完全なる人として生み出したのが、そもそもの失敗であったとしか言いようが無いだろう。
「(クソっ、ますます増長している! もし不老不死にでもなられたら、彼奴は神になったと思い上がり、我らは不要と見なされて捨てられてしまう! そうなる前に、どうにかせねば…!)」
そんな自身が世に生み出した怪物とも言えるカンゼンダーが不老不死になれば、神になったと思い上がることだろう。
そうなれば、自身の生みの親すら不要と判断し、捨てられてしまうとタニス博士は計画の成功に恐れを抱く。
「ん、何か問題でもあるか?」
「い、いえ…! 神を想像する事こそ、我らの悲願ですので…」
「その口調、私が不老不死となって、神に等しい完全な存在となることを気に入らんと見えるが?」
「えっ!? そ、そんなことは…!」
幾らゼニスがサイボーグと言えど、全てにおいて完璧となるように教育されたカンゼンダーの人を疑う鋭い観察眼を誤魔化し切れなかったようだ。
「私の計画の邪魔をすれば、どうなるか分かっているな? 私に捨てられたくなければ、自分の価値を証明し続けろ。この私が不老不死となり、神になった後でもだ」
「ぎょ、御意にございます、カンゼンダー様…! 決して、貴方を失望させはしません!」
「その心掛けだ。利用価値を証明し続けることが大事だ。余計なことは、絶対にするなよ?」
謀反の疑いを掛けたカンゼンダーは、捨てられたくなければ自分に価値を証明し続けろと告げる。不老不死となり、神になった後でも価値を証明し続けていれば、大丈夫だと言って安心させようとしているが、威圧的である。
そんな威圧感に屈服したタニス博士は、深々と頭を下げて忠誠を改めて誓った。同時に、心の奥底で自分らの想定外に成長し続けるカンゼンダーに恐怖する。
「(わ、我々は、我々は神ではなく、怪物を生み出してしまったようだ…! だが、逆らうことは出来ん! いくらサイボーグであるこのボディでも、敵わんからな!)」
タニスはカンゼンダーを怪物と評し、恐れを抱いていたが、同時に逆らうことも敵わないことを悟る。
このサイボーグ手術や兵器開発を生業とする全身サイボーグの科学者の本体は、スライム状の宇宙人である。今のボディは本体を収める保管庫に過ぎないのだ。更に異世界を断片的に見る特殊能力を持っていた。
そんなサイボーグ科学者を敵わないと言わしめたフォルコメンハイト・カンゼンダーが、制御不可能な怪物と成り果てていることを物語ってしまっている。
「(とにかく、彼奴の計画を成功させねば! 失敗すれば、彼奴の癇癪に殺されてしまう!)」
見抜かれてしまったと思い込んでいるタニスは完全にカンゼンダーに服従し、失敗した癇癪で殺されないように、計画を絶対に成功させるべく、奔走するのであった。
「早速やる仕事が、元友軍の基地襲撃か…」
マリに助けられたケンジローは、共に地獄絵図と化していた大隊本部から離れての暫し休憩の後、かつての友軍の基地襲撃につき合わされていた。
彼女が目指しているのは遺跡であるが、そこへ攻撃はせず、何故か同盟軍の一員であるウィルティネクス軍の前哨基地に攻撃を行おうとしている。理由は遺跡を占拠している連邦軍の師団が攻勢に出る機会作りだそうだが、ケンジローにとっては意味の分からない物であった。
「確かにこの基地を潰せば、遺跡に駐屯する連邦軍は占領地拡大のために動くと思うが…増援を得ない限り動かないと思うぞ?」
「動かなければ、この辺に展開している同盟軍を動かすまでよ。それじゃあ、行きましょ」
「ウィンダム二機で出来る物かよ…」
遺跡に居る連邦軍を牽制するように、ウィルティネクス軍の前哨基地を潰せば、連邦軍が動く可能性はあるが、その可能性は低かった。前哨基地を一つ潰したところで、優位を崩すような真似はしないとケンジローはそれをマリに伝えたが、それに彼女は同盟軍を動かすまでと答え、身を隠している茂みから出て行った。
付近には武器商人「ブラックジャック」から購入したとされるジェットストライカーを装備したウィンダム二機が駐機している。連邦軍の仕業に見せるため、わざわざ付近の端末を見つけ出し、購入したそうだ。たった二機だけで前線警戒の前哨基地は潰せないと思い込むケンジローは不安を口にする中、当のマリは広い場所へ行って、英霊を召喚しようとしていた。
「襲撃すると言いながら、何やってんだ?」
ケンジローはマリが英霊を召喚できることなど知らないので、おかしな行動をしていると思い込む。その物の数分後、機体に乗り込んだ時に驚くことになる。
「な、なんだ!? 魔法陣から人と兵器が出て来たぞ!? うわわっ!?」
駐機してあるウィンダムのコクピットに入ろうとした矢先、マリが英霊を召喚したことに驚いた。その驚きの余りに落ちそうになるが、どうにか体勢を立て直して一気にコクピット内へと飛び込んだ。それからカメラを光っている方へ向け、幻覚で無いことを確認する。
「ほ、本当に居る…! イメージセンサーの故障でもない…! ハッキングの兆候も見られないぞ…!?」
召喚された英霊と兵器が本物であると、システムを確認しながら確信する。
「俺はスティック・バーナード中尉。火星コロニー出身で第二次地球降下部隊第21機甲戦闘中隊所属と言いたいところだが、貴方に召喚された英霊だ。貴方が俺のマスターなのか?」
搭乗機と共に召喚された英霊は、何処かの軍属の若い青年だった。
召喚したマスターであるマリに対し、青年はスティック・バーナードと名乗って階級と所属を明らかにし、彼女に自分のマスターであるのかと問う。
「そうだけど。あれがあんたの機体?」
「あぁ。レギオス、可変戦闘機のレギオスだ。指揮官タイプのエータ。様々な任務を遂行できるマルチロール機だ」
マリにそこの青い戦闘機が搭乗機と問われれば、スティックは自分の機体であると答え、バルキリーと同じ可変戦闘機であると明かした。名前はレギオスであり、多種多彩な任務をこなすことが出来るマルチロール機だと自慢するように語った。
「それで、あのロボットアニメに出てきそうなロボットが貴方の機体か?」
「そうだけど。それが何か?」
「ガキの頃に作ったプラモデルに見えるな。レギオスより弱そうだ。ところで、俺に何をさせるために呼び出したんだ?」
ウィンダムを見たスティックが問えば、マリはそれが乗機だと答えた。その答えにスティックは、馬鹿にするような態度で自分のレギオスの方が強いと言って、何をさせる気で呼び出したのかと問う。
「前哨基地の襲撃」
「この程度の戦力で、基地を攻撃するのか? では、攻撃目標を見せてもらおうか」
前哨基地を攻撃すると答えれば、スティックは攻撃目標を見て判断すると答え、そこへと向かう。双眼鏡で攻撃目標であるウィルティネクス軍の前哨基地を見たスティックは、その前線基地とは思えない堕落ぶりに、軍人としての使命感とプライドからしてか、苛立ちの言葉を吐いた。
「あれが前哨基地だって? 後方基地の間違いじゃないのか? 碌な警備もしてないじゃないか! それで、玩具二つと俺のレギオスで攻撃するのか?」
「そうだけど? 何か問題でも?」
「あの堕落ぶりからして、それだけで十分だ。あの基地の馬鹿共を、軍人として教育してやらんとな!」
ウィンダムの事を玩具と言いつつも、軍人として攻撃目標の前哨基地の堕落ぶりを見過ごせないスティックは、パイロットスーツも兼ねているパワードスーツを身に纏い、レギオスに乗って単独で攻撃に向かった。
それを眺めていたマリであったが、もう一人英霊を召喚していることに気付き、姿を現すように告げる。
「なんで隠れてるの? 出てきなさいよ」
「ほぅ、俺のヤーパン忍法、姿隠しの術を見破るとは。流石は
マリに隠れていることを見破られたもう一人の英霊は、忍者であった。マリの事を自分に相応しいマスターであると認めた男は、自身の名を明かし始める。
「俺の名はヒューズ・ガウリ、ヤーパン忍者だ。先の基地、姿隠しの間に見ていたが、シベ鉄の警備隊の方がマシな警備をする。攻撃の支援のため、基地へと忍び込むか?」
忍者の英霊の名はヒューズ・ガウリ。ヤーパン忍者を自称していたが、経験は軍人であるスティックより上に見えた。
攻撃目標である基地の警備は、自分の世界のシベリア鉄道警備隊の方がマシと口にしてか、若いスティックとケンジローのため、先に潜入して攻撃の支援をするのかと問う。それにマリはやってくれと指示した。
「まぁ、楽になるなら」
「承知した。マスターが俺に掛けた期待、ヤーパン忍者として応えて見せる!」
指示を受けたガウリは、会釈してから攻撃目標へと素早く向かっていった。
これに合わせてか、マリも用意している自分のウィンダムに乗り込み、先に出撃したスティックのレギオスやケンジローのウィンダムの後に続くように出撃した。
「この距離に来れば、スクランブルが飛んでくるはずだが…来ないとは!」
青いカラーのレギオスで先に攻撃を仕掛けようとしていたスティックは、自分が知る警戒ラインに達すれば、スクランブル機が出てくると思っていたが、それが来ないことに腹を立て、先制攻撃を仕掛けようと、ミサイルの照準をレーダー施設に定めた。
「警告どころか、射撃も無い! これが軍隊か?」
警告どころか警告射撃も来ないので、スティックはウィルティネクス軍に怒りを覚え、私設に向かってミサイルを撃ち込んだ。放たれたミサイルは迎撃されることなく、前哨基地のレーダー施設に命中、見事にレーダーを破壊し、敵基地の目を破壊した。上手くいっているのだが、スティックは怒りを覚えていた。
「放たれたミサイルも迎撃せず、レーダーを破壊されただけで大混乱! こんな奴らが軍隊な物か!」
慌てふためく眼下の敵兵らを見て、スティックは軍隊じゃないと言って、慌てたように出て来た敵車両群に向け、容赦なくビーム砲を撃ち込んで撃破していく。
「敵機動兵器か! だが、レギオスの敵じゃない!」
混乱状態にあるウィルティネクス軍であるが、直ぐに起動できるMSのジンやATのファッティーを展開して迎撃しようと試みるが、数々の過酷な状況の戦闘で鍛え抜かれたスティックの対応力が速過ぎ、的のように次々と撃破されるばかりであった。
「リオンを出せ! 速く敵戦闘機を撃ち落とすんだ!」
「航空戦力は出させん! ヤーパン忍法、破壊工作の術!」
この基地の航空戦力であるリオンを出撃させようとするが、混乱に紛れて基地内に侵入したガウリは、敵兵らを殺害して盗んだ使い捨てのロケットランチャーを構え、ヤーパン忍法と表しながら飛び立つ前の航空戦力の破壊を行う。
「な、なんでリオンが飛ばないんだ!? |対空ミサイル《SAM)で撃ち落とせ!」
「ミサイルの類も許さん! ヤーパン忍法、手裏剣の術!!」
『ぐわぁーっ!』
続けて携帯式対空ミサイルでの迎撃を試みようとするが、それをガウリが許すはずもなく、素早く複数の手裏剣を投げ付け、敵兵らを排除した。
「ン、あれは連邦軍のジムとか言うモビルスーツか? 何か違う気がするが。少し驚かせてやるか!」
手当たり次第に敵兵気を破壊し続けるスティックのレギオスに、ビーム攻撃を仕掛けてくるMSが居た。それは、ウィルティネクス軍が開発したジムⅣの猿真似であるgMS-01ゲルググであるのだが、ジムに酷似しているため、スティックは勘違いしていた。
ゲルググはビームライフルを撃ち込んでレギオスを撃ち落とそうとするのだが、スティックの操縦技量はそれらを見えているかのように避け、ガウォーク形態と同じアーモダイバーに変形し、手持ち火器のビームキャノンで撃ち返した。
「ジムめ、トドメを刺してやる!」
未だジムだと思い込んでいるスティックは、レギオスを人型のバトロイド形態、アーモソルジャーに変形させてビームキャノンを中破しているゲルググに撃ち込んで完全に撃破した。
「うぉっ!? 貴様らなんかより、インビットの方が厄介だ!」
ゲルググを撃破したところで、ジェニス数機が彼のレギオスを襲うが、言わずもがな、スティックの対応は早く、返り討ちにされるばかりであった。
「あれが可変戦闘機と言う奴か。凄いな」
レギオスの方が速かったため、戦場への到着が後になったウィンダムを駆るケンジローは、単独で前哨基地の部隊を圧倒するスティックとそのレギオスに関心の声を上げていた。もっとも、ガウリが対空施設を破壊し回り、ファウン戦線のウィルティネクス軍の前哨基地の練度がお粗末だったこともあるが、単独でこれほど圧倒するのは、スティックとレギオンの組み合わせが異常とも言える。
そんなスティックのレギオスの背後を狙おうとする機動兵器と戦闘車両を破壊すべく、ジェットストライカーに装備されたロケットポッドを掃射してある程度を撃破した後、急接近する。その際、撃破しきれない機動兵器群に対し、ビームライフルを撃ち込んで撃破していく。
「前の戦線では対して強くなかったが、こいつは思ってたよりも強いな」
父の亡命騒動で本家の怒りを買い、ファウン戦線に送られる前、ケンジローは前の戦線で連邦軍が使うウィンダムと交戦していた。その時の搭乗機は陸軍にも配備されている機動兵器「陣風」であり、性能差もあって大した相手ではなかった。
的のように撃ち落とせたので、ウィンダムに対して余り良い印象を抱いていた無かったケンジローであるが、こうしていざ乗ってみると、チハよりも性能が高く、扱い易いことに驚いていた。貫通力の高い威力を持つビームライフルは、容易くウィルティネクス軍の機動兵器の装甲を貫き、専用シールドの先端部は打撃武器にもなり、装甲の薄い敵機なら貫ける。
「最新鋭機のゲルググ相手でも、やりあえる!」
ウィルティネクス軍では最新鋭機であるゲルググと対峙するも、基本設計が高かったおかげで対抗でき、頭部と胸部のバルカン砲の掃射で牽制した後、素早く腰から引き抜いたビームサーベルで胴体を切り裂き、撃破することに成功する。
「これ程の性能だったとは。パイロットの所為か?」
前の戦線では的のように撃ち落としていたウィンダムが、高性能機であったことにケンジローは驚いていた。彼の言った通り、単にパイロットの腕の問題だろう。
「き、基地が…! たった二機の機動兵器に…!」
混乱に乗じて破壊工作を続けるガウリの存在もあるが、たった二機の機動兵器に前哨基地を壊滅させられたことに、基地司令官は怖気付き、自分だけ逃げようとしていた。
「基地司令が兵を置いて、自分一人で逃げるつもりか!?」
混乱状態の司令室より逃げ出そうとする基地司令官であったが、既にガウリが到達しており、忍者刀の刃先を向けていた。一人基地の兵士たちを見捨て、自分だけ逃げようとする基地司令官に逃げる気かと問えば、彼は降参する。
「ひ、ヒエェェェッ!? こ、降参します! どうか、私の命だけは!」
「自分だけ助かれば良いと申すのか貴様は!? ならば問答無用! 貴様を斬る!」
「グエーッ!?」
自分の命だけは助けてほしいと言う言葉がガウリを怒らせたのか、問答無用で斬り捨てられた。斬られた基地司令官を見て、司令室内の者たちは顔面蒼白となり、自分の出番が来るのではないかと思っていたが、これ以上、無用な殺生は不要と判断してか、ガウリは忍者刀を背中の鞘に納めて投降するように告げる。
「貴様たちの大将はたった今、このヤーパン忍者のガウリが討った。基地の兵士たちに戦闘を止めるように告げろ。これ以上、無駄に血を流す物ではない」
そのガウリの言葉に従い、基地の将兵らは抵抗を止め、スティックやケンジローに投降した。
「く、クソ! どうしてこんなことに!」
襲撃された基地から逃げ出した最新鋭機のゲルググ六機で編成されたモビルスーツ隊が居た。既に基地は壊滅し、基地司令官もガウリに討たれてたった三人に残った基地の将兵たちは投降していたが、逃げる六人のパイロットはそのことを知らない。
『デムス少佐殿、本当に信用してよろしいので?』
「当たり前だ! ベルドド・デムス方面軍司令官は僕の叔父上だぞ! 僕が話せば、敵前逃亡を撤退にしてくれる!」
頭部にブレードアンテナを付けたゲルググを駆る若い少佐に対し、部下の一人が信用しても良いのかと問えば、若い少佐は叔父がファウン戦線の司令官なので、敵前逃亡を撤退に変えてくれると返した。
彼の名はゲルドバ・デムス、ウィルティネクス軍の少佐で先に言ったファウン戦線の司令官であるベルドド・デムスは彼の叔父である。
ゲルドバの父は代々続く名門家であり、世襲議員だ。母は政府高官で同じく名門家の出だ。兄は二人おり、長男は参謀本部勤めのエリート軍人、次男は父と同じ世襲議員であるが、才能あふれる政治家である。
当のゲルドバはデムス家きっての無能であり、デムス家の恥晒しと揶揄され、家族から疎まれた存在だ。親の権力を傘に好き放題やった所為もあり、常に悩みの種であった。そんな恥晒しを事故死に見せ掛けて殺そうかと思ったが、無駄に費用は掛けたくないのか、名誉ある戦死をさせるべく、軍人として前線へと送られた。
が、悪運は強いようで幾度も生き残り、遂に同盟軍の処刑場とも言えるファウン戦線に送ったが、同じく一族から恥晒しの能無しと評されているベルドドが司令官を務めているので、デムス家の政敵に媚び諂う彼の庇護下で生き長らえてしまう。
その後はベルドドの庇護下で、ファウンで無法を働くゲルドバであったが、年貢の納め時が来たようだ。
『ほわっ!? 七時方向から迫るアンノウンが!』
「なんだと!? お、落とせ! 撃ち落とすんだ!」
迫るアンノウンに怯える部下らに対し、味方の識別反応を示さないと言う理由でゲルドバは攻撃命令を出した。それに応じ、彼に付き従う部下たちが駆る多彩な装備を施したゲルググは、基地の方角から来るアンノウンに攻撃を始めた。
箱型弾倉の手持ちのマシンガン、ドムのジャイアント・バズのような無反動砲、ジムかゲルググキャノンのような右肩のビームキャノン、ゲルドバの指揮官機型のビームライフルによる攻撃が行われたが、アンノウンはその全てを躱して彼らを捉えていた。
『ワァァァッ!?』
『き、来た!』
「何やってんだ!? 相手はウィンダムだぞ! 速く落とせよ!」
ゲルドバたちを追って来たのは、ジェットストライカーを装備したウィンダムであった。
そのウィンダムを駆るのはマリであり、前哨基地を攻撃させたスティックのレギオスとガウリ、ケンジローが思ったより奮戦し、出番が無くなった彼女は、逃げるゲルドバたちの追撃を行った。攻撃を躱しながらビームライフルで動きを止めたキャノンタイプを仕留めた後、慌てふためく彼らを機体の機動力を活かして翻弄する。
『た、助けて! 助けてくれ!!』
「た、たかが一機にやられるなんて…! なんて役立たずだ!」
次々と撃ち落とされていく友軍機にゲルドバは恐怖を覚え、あろうことか、自分のために必死に戦う彼らを罵倒する。
「ぼ、僕だけなのか!? た、たかがウィンダム相手に!」
終いには自分一人となったので恐怖を覚えて逃げ出そうとするゲルドバであったが、格下のウィンダム相手に逃げることが許さず、その無駄に大きなプライドで機体性能の差で勝てると思い込み、ビームサーベルを抜いて突っ込んだ。
「死ねェェェッ!!」
叫びながら全速力で突っ込み、ビームの斬撃を食らわせようとしたゲルドバのゲルググであるが、マリのウィンダムは最低限の動きで躱し、両腰から素早く抜いたビームサーベルの二刀流で彼の乗機の四肢を切り裂き、達磨状態にして地面に転がした。
「う、ウワァァァッ!? 助けてベルドド叔父さァァァンンンッ!!」
コクピットハッチが地面の方に向いていないのか、ゲルドバは喚き散らし、糞便を垂らしながら逃げようとしている。先のプライドは敗北して完全になくなり、今は叔父であるベルドドに助けを求め、彼が居る方向へと逃げている。
「見付けた」
そんなゲルドバに対しマリは何か用があってか、逃げる彼をウィンダムの右手で潰さないように摘まんで捕まえた。
『助けてェェェッ! ベルドド叔父さん助けてよォォォッ!!』
「これで遺跡が攻略できる」
カメラがある頭部まで喚き散らすゲルドバを持ってきた後、マリは遺跡を攻略できると呟いた。
どうやら、ゲルドバがウィルティネクス軍の将軍であるベルドドの甥であると言う情報を知っているからだ。マリは彼を人質に、ベルドドに遺跡の攻略を迫るのだろう。
後は戦力を揃えるためか、暴れ回るゲルドバを連れ、何処かへと飛び去って行った。
オーバーマンのキャラは、オーバーなんだよ!
ガウリ隊長の存在感がこんなに凄いなんて…スティックよりも目立ってるわ。
またオリーブドラブさんのキャラが登場。
一話限りの登場したボンボンの無能だけど、あることをするために準レギュラー化かな?
違う活動報告で、別バージョンの応募企画でもやろうか。