澄野拓海「希望ヶ峰学園?」 作:たくみきんぱつ
エンドレエスアイランド 参→絶望ツカイ
「じゃあまずはどこから話そうかな? ま、時系列順から話した方がわかりやすいだろうしそうするよ。田中クンのためにも早く終わらせないとだしね。
まず、ここは断言しておくけど、殺人を計画したのは本当だよ。ボクがキミたちの誰かを殺そうとした…。残念ながら十神クンのおかげでうまくいかなかったけどね。さすが超高校級の御曹司で、超高校級のみんなを率いるリーダーだよ。
計画を始めたのはつい昨日のことだよ。十神クンのコテージに犯行予告を送り付けたんだ。その翌日、つまり今日だね、十神クンはそれを警戒してパーティーをしようってみんなに呼び掛けたんだ。でもそれはボクにとってはツイてることだったんだ。うまくいけば全員が集まった場で誰がやったのかもわからないに殺しができる、暗殺ができるってことだからね。
そこからボクは運よく旧館の掃除当番になることで、犯行のための仕込みをしていったんだ。停電を起こすために倉庫でアイロンのセットをしたり、停電が起きた状況でも凶器を掴むために蛍光塗料の塗ったナイフをテーブルの下に隠したりね。
え? ああ、もちろんあの掃除当番を決めるくじは確かにボクが用意したものだけど、仕込みなんてしてないよ。ボクは自分の運を信じただけなんだ。ほら、さっきも言ったでしょ? ボクには超高校級の幸運という才能があるんだ。ゴミクズみたいな取るに足らない才能だけどさ、それでも十数分の一を引くくらい訳ないんだよ。むしろ、それくらいできなくて何が超高校級なんだって話だしね。
で、次は…ボクがしていたパーティー中の動きの話かな。ボクはパーティー中にやったことはほとんどないよ。下準備で大体終わっているからね。しいていえば、ナイフを隠した長テーブルの付近を陣取ってたぐらいかな。あと、任意のタイミングで停電が起こせるようにホールのエアコンのタイマーを少しいじってたくらいだよ。
そして、停電が起こった後は、ボクはナイフの仕込まれた長テーブルの下に向かうために卓上ランプの電源コードを伝っていった。ナイフを無事に取った後は何事もなくテーブルの下から出て、誰かかしらを刺そうと思ったんだけどね。不運なことにそこで、想定外のことが起こってしまったんだ。誰かが停電で零したジュースのせいで転んだっていうね。本当にしょうもない不運だよ。
その後はみんなの知っての通りだね。そこから立ち上がったボクは暗視スコープを装着した十神クン見つかって、停電のさなかもみ合いになって、あっさりとボクが負けて十神クンに捕まっちゃた。
これが、今回の事件の全貌だよ。
……え? ああ、ごめんごめん。計画が失敗したショックですっかり忘れていたよ。花村クンのことだね。彼は本当に素晴らしい人だよ。こんな最低で最悪で愚かで劣悪な人間からみんなを守ろうとしたんだからね。…ええ? 御託はいいからさっさと話せ? わかってるよ。そう焦らないでって。ほら、深呼吸でもしてみたらいいんじゃない?……わかった、わかったよ。話すよ。…ボクは別にみんなを怒らせたくて言ってるんじゃないだけどなぁ。
結論から言えば花村クンはボクの計画をあらかじめ知ってたんだよ。花村クンは料理の仕込みのためにみんなよりも先に旧館に来ていたでしょ? その時だよ、ボクは不運にも犯行の下準備をしているところを彼に見られてしまったんだ。そしてそれに気が付いたボクは困ってしまってね。ここで花村クンがみんなにバラしたら計画の実行どころじゃないからね。だから、あえて彼にはボクがしようとしていることを話したんだよ。ボクが本気であることを、ボクが本当に殺人をしようとしていたことを。そこからのことは彼に任せたよ。花村クン自身に決断を委ねたんだ。
…ッは、ははは、あはははははははははははははははははははははは。
本当に、本当に残念でならいないよ。この計画が成功すればみんなの希望がより輝いたはずなのに…。ああ、きっとボクがきっと無能がだったせいだね。そこだけは本当の本当に申し訳が立たないよ。花村クン、キミには何の落ち度もないよ。むしろキミに見つかった時点で、今回のボクはツイてなかったのかも。その時点で計画を見直すべきだったよ。あまつさえ、澄野クンがまだ起きてない状況なのに計画を実行したのが駄目だったんだろうね。ちゃんと全員のことを知ったうえで、ことを起こすべきだったよ。本当にボクは駄目なやつだよね。
でもさ、これがきっと希望なんだ。みんなの持つ希望がこの未来を紡いだんだよ。そう考えれば、この失敗は必然だったんだろうね…。
ん? ああまた話が逸れちゃってたみたいだね。花村クンは何をしようとしたのか…。それは本人の口から喋ってもらった方がいいんじゃない? ……ええ? ボクから説明しろだって? そりゃあボクも説明できるけどさ…。
……。うーん。十神クン、花村クンのやろうとしたことさえも、ボクが計画したことだって? それは違うよ。確かに花村クンにはかなり事細かに計画の説明をしたけど、そうして彼の利用することをボクが計画に入れて犯行を実行しようとしただなんて、そんな高等なことはボクにはできっこにないよ。花村クンがしようとしたことは、間違いなく花村クンの意志で行われようとしたことなんだからさ。そういう言い方は花村クンに失礼だよ。
いいから説明しろだって? …花村クンはボクを止めようとしたんだよ。みんなのために、自分のために、ね。
ボクの計画を知った花村クンはボクを止めるための凶器を用意したんだ。さっきジュラルミンケースに入れられた鉄串だろうね。あれだよ。あれを使って、ボクを刺し殺すことでボクの犯行を止めようとしたんだ。
……。…嘘じゃないってば。ねぇ? 花村クン?
それで、それをどう実行しようとしたのかだけど、別にそう難しいことじゃないよ。…床下に行ってボクがナイフに塗った蛍光塗料を目印にナイフを取りに来たボクを刺すだけだからね。まぁ床下に行くまでに澄野クンに不運にも見つかってしまったせいで、ボクを止めることはできなかったんだけどね。死ぬのはボクで構わなかったから花村クンの犯行が失敗してしまって残念だよ。
床下へはどうやって行くのかだって? そこまで行くのに廊下でガスコンロの火を見られることを想定しなかったのかだって? 本当に事細かに聞いてくるんだね。ガスコンロの火が廊下で見られることの対策はできたはずだよ。花村クンが厨房から出てすぐの壁にある防火扉を使えばできたはずだよ。でもその防火扉を使う以前に、最初から廊下に澄野クンがいたおかげでそれができずに失敗しちゃったんじゃないかな?
……。うん、そうだよ。床下への入口は倉庫にあるんだ。さすが十神クンは察しがいいね。
これで全部じゃないかな? 犯行の順番やみんなにバレないようにするためのトリックもすべて話したし、これでボクの話は終わってもいいかな?
…………。そうだね。まだ動機は話していなかったね。…花村クンから話すの? 別に構わないけどさ、むしろボクの動機なんて大したことではないし聞かなくてもいいんじゃない? ……。…ゴメンってば、いう通り黙っておくよ。
……。
…………。
……………………。
それがキミの希望だったんだね。みんなを踏み台にしてでも叶えたい希望…素晴らしいよ。ああ、黙っとくんだったね。希望と希望がぶつかり合う様ってやつを見ていたら、つい。でもよくないなぁ。実際には誰も死んじゃいないんだし、そうやって仲間同士が糾弾しあうなんてどうかしてるよ。
…………。次はボクの動機だね。まぁ花村クンの動機みたいなものを期待されても困るけどさ。ボクが殺人を犯そうとした動機は、ひとえに希望のためだよ。コロシアイが起こり、仲間の死という絶望を踏み越えて、希望の象徴と呼ばれる超高校級のみんなが、より大きな希望を輝かせ為の踏み台にになりたかっただけなんだよ…。
…………。それは違うよ。ボクは希望に憧れなんか抱いちゃいないよ。だってさ、憧れってそうなりたいって願望でしょ? ボクにはそんな身の丈に合ってない図々しい気持ちなんてないんだ。…ただ、とても純粋で、なんていえばいいのかな、もっとこう、無償の愛みたいなものなんだよ…。
…………。……十神クン。わかってくれてうれしいよ。そうなんだ。ボクは希望が輝くのなら犯人だろうとそれ以外のみんなが生き残ろうと、どちらでも構わない。ボクはどちらにだって頑張ってほしいからね。その先にある絶対的な希望を、ボクは信じているだけなんだ。この目で見たいだけなんだよ。
…………。
……………………。
…そんなことないよ。十神クンは随分見当違いなこと言うね。何か勘違いさせちゃったのかな? ボクに自殺願望なんてないよ。言ったでしょ? ボクを希望を輝かせる踏み台にしてくれって、ただ、それだけなんだよ。仮に自殺しようとしても、ボクの自殺なんかに希望を持つみんなの手なんか煩わせるようなことはしないよ。まぁボクがそんなことを起こすような事態なら、それこそが希望のためになる行動なんだろうね…。
…………。
……………………。
え? ボクはこのまま縛ったままなの? 一週間……。…え? 別に文句を言った訳じゃないよ。その謹慎とやらが伸びても構わない。それがキミたちの決定なら、ボクは従うだけだから…。でもさ、それでいいの? そんなんじゃあ事態は進行しないと思うよ。キミ達は絶望に立ち向かわなきゃいけないんだよ? その内きっとモノクマから何か仕掛けてくるんじゃないかとボクは思ってるけど…。
…………。
……………………。
ああ、罪木さんはやさしいんだね。こんなボクにも気にかけてくれるなんて…。確かにこんな場所で野ざらしで寝てたら不健康極まりないよ。超高校級の保健委員である罪木さんが言うならなおさらだしさ。でも縛られて動けない限り、どうにもならないんだよね。
…………。
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…モノミと一緒にいなきゃいけないのか。あんまり気乗りはしないね。
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ああ、うん。そこは感謝させてもらうけど。
……。
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あ、日向クン。そのお皿、一つこの部屋に置いといてくれない?
……。実はさ、犯行する手前だったからか、パーティー中何も食べられなかったんだよね。これでも結構お腹すいててさ。それにしてもパーティーの続きをホテルの方で行うなんて、みんな元気があるよね。
……。ああ、食べる方法は今から何とか考えるよ。…………。…置いていってくれないの? …日向クン? 日向クンってば?
……。
…………。
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みんな出て行っちゃたな…。
…………。モノミも行っちゃっていいんだよ? 別に一緒にいたくないし。
……。
…………。反省しろだって? もちろんしてるよ。やっぱり失敗した要因は澄野クンだね。まさかあんなタイミングよく目覚めるなんて、ツイてなかったよ。
…ねぇモノミ。彼とした約束のことなんだけど、あれってどういう意味なの? 澄野クンは独りじゃないってさ、言い換えれば独りなんだと彼が思うようなことがあるってことだよね? それってどんなことなの? きっとそれが彼がこの島にいる理由なんでしょ?
…………。またはぐらかすんだ。そんな態度だからみんなに嫌われるんだよ? もっとそれを自覚した方がいいよ。
……。…嫌われてないと、…思ってるんだね。
……。
…………。
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ああ、毛布。…今更だけど、モノミは人の部屋に勝手に入れるんだね。
……。
…………。ねぇモノミ、一つお願いがあるんだけどさ。万が一澄野クンがあの刀を使って何かするようならさ、ボクもその場にいたいんだけど、どうにかならないかな?
…………。…じゃあそういうことで頼むよ。頑張って十神クンを説得しといてね。あんまり期待はしないけどさ。」
大半は原作と同じ説明だったりする。
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