澄野拓海「希望ヶ峰学園?」 作:たくみきんぱつ
澄野と狛枝は所々噛み合ってませんよって描写なんです。文章力がなくて悔しい限りです。
澄野は蒼月と仲間になれる人間だけど、アレは蒼月側の覚悟もあっての話だと思ってるので、狛枝とはこういう奴もいるよなという認識で、その認識は正確ではないんです。
つまり、これはあくまで澄野視点の話ですよってことなんです。
前話の澄野はかなりイライラしてます。狛枝にというよりは自分自身やトラウマに対して、なので狛枝はどちらかいえばかなり八つ当たりを食らってる側です。
十神の指す希望のための行動ができないこともそうなんですが、狛枝自体はちゃんと澄野が悩んでる顔を見て本心から励まそうとしてるし、本当に失言(狛枝視点では戦場で生き残るなんて流石だねということしか言ってないけど)だったと思ってると考えてます。
【人類史上最大最悪の絶望的事件の収束について】
結論から述べると、超高校級の絶望が起こした人類史上最大最悪の絶望的事件は、超高校級の希望の活躍によって事件は収束を開始した。
超高校級の希望は絶望の存在である、主要な14名を殺害。ついで、絶望の化神と呼ばれる存在の殺害を達成したのだ。そして、ついには超高校級の絶望である江ノ島純子の死亡が確認されたことにより、事態は大きく収束をした。
未来機関はこのことに関して、これにより事件が収束していくだろうと強く語った。未来機関はこれから、世界に誇るその才能を持った人材を駆使し、事件からの復興に貢献していくだろう。
事件からの復興に大きく貢献している塔和グループ及び各企業はこのことに関して、当の超高校級の希望からの打診を受け、方針を変更の発表。これからは絶望的汚染の対策だけでなく、塔和シティのような大気汚染、並びに消えない炎から解放される保護区の拡大を目指すことを公表した。
しかし、絶望の存在が消えようとも、絶望の存在が残した絶望的な災害は今もなお人々を蝕み続けている。絶望の化神が残した消えない炎がその最たるものだろう。
消えない炎による被害者数は現在進行形で4億2400万人以上にも上る。この消えない炎を消滅させる方法がなければ、失われた農耕地は復活することができず、多くの飢餓が起こるとの予想が絶えない。
また、この消えない炎を発生させた絶望の化神は外宇宙の存在である可能性があると研究者各員は語っており、消えない炎もまた外宇宙のものである可能性があるとの話だ。そんな出鱈目な真実があったとして、我々人類はどう立ち向かえばいいのか?
超高校級の■望と■ばれる■■■■に話を■うと、■■が目■してい■るのは、■■■… ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
これ以上は黒に塗りになっていて、超高校級の希望についての項目は読めなかった。
たった数ページの内容に目が滑る。簡単に呑み込めるはずがなかった。オレはその情報と共にミキサーにかけられて意識がぐちゃぐちゃになりそうだった。
「なにが…どういうことなんだ?」
「澄野、キミの意見を聞きたいんだ。これは、どういうことなんだと思う?」
「…ちょっと待ってくれ、呑み込む時間をくれ。」
ファイルはまだ途中だが、一つづつ整理していくことにした。そうしないと、頭が思考することをストライキしそうだったからだ。
まず、前提とすべきことは、記憶を失った間に人類史上最低最悪の絶望的事件が終わったということだ。真実か、モノクマが用意した嘘か、それはわからないがひとまずは本当のことだと仮定して進める。
最初に気にすべきは、絶望…超高校級の絶望である江ノ島純子が死んだという話だ。これは、おかしいだろう。だって江ノ島純子が死んだというならあのモノクマを操っているのは一体誰だという話だ。
その次に確かにオレが分かる事柄は消えない炎のことだ。これは、江ノ島が用意した嘘だとしても、どうして知っているんだという話になる。そもそも、消えない炎は防衛室にいたあいつの力のはずだ。どうしてこの時代に存在しているんだ? しかも、人類を侵略するような真似をして…。それに、それが地球上の物じゃないだなんて、それは間違ってるはずだ。この異血の力は地球由来のはずなのに、外宇宙の存在の可能性なんて言い方をするんだ?
この絶望の化神っていうのは何者なんだ? …世界死の存在? 部隊長とかか? だけどこんなにタイミング悪く世界死が進行したのか?
何かがおかしい、何かの歯車が火車に代わる程の狂いが生じている。たった千字にみたない情報にオレは混乱せずにはいられない。
オレは次のページを捲ろうとして、ページの端に手を置いたその時だった。
「ダメでちゅー! それを見ちぇはいけまちぇーん!」
モノミがいきなり現れてファイルを掻っ攫った。
こいつ! いきなり現れて何をッ!
「返せ! まだ読んでないんだ!」
「これは読んだらダメなんでちゅ! ダメったらダメでーちゅ! 代わりの絵本をあげまちゅからね。ちょっと待っててくだちゃい!」
「バカにしてるのか!? いいから返せ!」
「澄野、少し落ち着け。ファイルの内容は既に俺達が読んでいる。モノミに強く言わずとも、俺達が口頭で伝えればいい話だ。」
十神のその話を聞いたモノミは、わかりやすく汗を大量にかいて焦り始めた。
なんだ? このファイルはモノクマが渡してきた物だろ? …モノミには都合が悪いってことか?
「そっそんな…。お願いでちゅ、澄野くんに伝えるのはやめてくだちゃい…。澄野くんにはまだ準備が必要なんでちゅ。」
「つーかさぁ、そんなに焦るなら最初から止めたらよかったじゃねぇか? モノミは狛枝の見張りをしてたんじゃねーのかよ?」
左右田がモノミにそう言う。
確かにモノミがいれば狛枝の行動も止めていたはず…止められたかはともかく。モノミはいままで何をしていたんだ?
「ええと、さっきまでミナサンのためにモノケモノを倒しに行ってたんでちゅ。モノケモノがいつもと違う行動をしてまちたから…。」
「え!? では、新しい島にいけるということですか?」
「はい! そうなんでちゅ! モノクマの言うことなんて無視して、ミナサンはらーぶらーぶして希望のカケラを…。」
「ソニアちゃん、今は新しい島のことよりもそのファイルの話をしない? モノミもわかりやすく話題を逸らしてんじゃないわよ!」
「ほえぇ、すみまちぇん…。」
「いや、謝るならそのファイルを返してくれよ。」
「だっダメでちゅ! 本当にダメなんでちゅ!」
オレが返すことを要求してもモノミは体を丸めて、意地でもファイルを離さないようだった。
どうしたものか、無理やりファイルを取り戻そうとしたら、あの訳の分からないメルヘンな力で反撃されるかもしれない。そう考えると、ヘタに手が出せない。
…狛枝よりも、ファイルを優先すべきだったか? いや、たらればの話はよそう。またあの光景が目に浮かびそうだ。
……思えば、八つ当たりだな。狛枝には今度しっかり謝ろう。そうしなきゃ、きっと駄目だ。
「まだ澄野が読んでいない項目は確か、絶望の化神についてと消えない炎についてだったな。消えない炎の項目に関しては、その炎の話ではなく、主にその炎によって出た被害についてだった。絶望の化神に関しての項目だが、それはそいつの目的や行動についての記載があった。
モノミ、お前が澄野に知られたくないのはどちらだ? 返事によっては要求を呑むことも考えよう。」
「十神!?」
オレが声を上げると十神はこちらに目配せをして、モノミに視線を戻した。
…そうか、十神はモノミから情報を引き出そうとしてるのか。…モノミはモノクマとは本当に違う存在なのか?
「ううぅそっそれは…それは、あちしには言えないことでちゅ。気づかせちゃいけないことなんでちゅ。とにかく…ダメなものはダメなんでちゅ。」
「モノミ、お前はさっき澄野にはまだ準備が必要だと言ったな。その準備とはなんだ?」
「それは、澄野くんの心のことでちゅ。澄野くんだけじゃありまちぇん、澄野くん以外のミナサンだってそうなんでちゅよ。そのためにも、ミナサンは希望のカケラを…。」
「俺達も、か。」
モノミが仮に、仲間だとしてみる。
すると、どうだろう? モノミは未来機関の存在で、モノミの言う事が真実だとしたら、オレ達にその希望のカケラとやらを集めさせることが目的になる。それはなんでだ? なんでそんなことをさせる必要がある?
…こいつが味方なら、最初に事情を話せばいいだろうに、それをしない理由はなんだっていうんだ?
「澄野、俺はキミがこのファイルの内容を知るべきではないと考えている。モノミに従うわけではないが。」
十神がオレにそう言った。ふざけて言っている訳ではないらしく、至極冷静な判断なのだろうことはわかった。
「何でだ? モノミが言うように、オレが知るとマズイ内容でもあったのか?」
「どうだろうな…そこは俺には判断ができない。
だが、少しだけわかることがある。おそらく、この消えない炎と絶望の化神という存在は、キミが前に言っていた戦場の話に通ずるものがあるのかもしれない。」
「…ああ、そうなんだ。オレにはその二つに心当たりがある。だから、オレにしかわからないこともあるのかもしれない。オレはその情報を知りたいんだけど…それがダメなのか?」
「……簡潔に内容を述べると、酷いことがあったという話だ。そして、絶望の化神と呼ばれる存在は異常な目的をもって行動しているということが書いてあった。」
それだけ言うと、十神は何かを考えるように黙ってしまった。
酷いことがあった…。それって、世界死が人類を襲ったってことなのか? それでいっぱいの人が死んでしまった…?
「にしてもさー、絶望の化神だなんて、ダッサイ名前つけるよね。未来機関ってやつが考えたのかなぁ?」
「破滅の終焉をもたらさんとする者を、多勢の弱者はそうとしか形容できなかった…。弱者は絶対的強者に抗うことは、まさしく勇者とも名ばかりの蛮勇だ。だが、そこから導き出されるは弱者なりの未知の世界だ。それが一概に悪だと断じるのには早急すぎるだろう。」
「いや、誰も悪いとは言ってねーだろ。未来機関がクサイ組織だって話はしたけどよ。」
「いんや、未来機関は臭くねーぞ。つーか組織って臭いときあんのか?」
「そういう意味じゃねーよ! 未来機関が敵か味方かわかんねーって話だろうか!」
「この島は未来機関が用意した島の可能性がある。そして、未来機関は唯吹達の記憶を消してこの島に閉じ込めた疑いがある。でも、未来機関は拓海ちゃんやこのファイルの情報通り、世界のヒーロー的な存在でもある可能性が存在する。
そんでもって、敵か味方かわけわかめーって話っすね! 唯吹は敵の敵は味方理論で味方だと予想しておくっす。」
「モノクマさんは私達にとっても、未来機関にとっても、敵なのは確実だと思いますしねぇ。」
…さすがに未来機関は味方だろ。でも、モノミがオレ達の記憶を消したんだよな。モノクマが嘘を言ってるかもしれないけど、その可能性がなくなる訳じゃない。
仮にあの希望ヶ峰学園みたく、この島がシェルターのような役割で、それがまた江ノ島盾子に乗っ取られたのならわかる。でも、それだったらモノミは必要ないはずだ。未来機関が味方だとしたら、どうして記憶を消して、この島で何をしようとしたんだ?
「澄野、キミはキミがいたという戦場にトラウマのようなものはあるか?」
「トラウマ?」
「いや、ある前提で話させてくれ。そのトラウマを刺激しないために、この情報は知るべきではない、ということをモノミは言っているのかもしれないと思ってな。」
トラウマ…どれのことだろうかと、迷いが生じてしまうほどには悪い記憶ばかりだ。どれか一つあげろと言われれば、一択ではあるけれど。
「はっはい! そうでちゅ! そうなんでちゅ! 澄野くんにはちょっと刺激が強い内容なんでちゅよ。だから、これを知るのはもっと落ち着いてからでも遅くないんでちゅ。むしろ、今が早すぎるんでちゅ。」
「…モノミは、何なんだ? 未来機関の存在なのか? モノクマの仲間じゃないないなら、オレ達の味方だっていうのか?」
「…あちしはミナサンの先生なんでちゅよ。未来機関とか、モノクマとか、そんなのは関係ないんでちゅ。」
「その役割を与えた存在がいるだろうという話だ。それが未来機関なんじゃないのか?」
オレについで、十神がそうモノミに問い詰める。モノミは態度を変えないまま、言葉をつづけた。
「はいそうです、とは簡単に言えないんでちゅ。残念だけど、そういう風にはできてないんでちゅ。
でもね、あちしはたとえ生みの親が相手であっても、ミナサンの味方なんでちゅよ。それは、忘れないでほしいでちゅ。」
「あくまでも、味方だと言うのだな。……わかった。
澄野、俺は少しだけこのモノミというヌイグルミを信じてみることにする。だから、今はまだファイルの内容を詳細には話さない。この島の脱出には関係のない話だろうし、モノミの言う通り、キミの心が傷つくだけになるかもしれない。
これはあくまで俺個人の判断だ。澄野はどう思う? 自分の心が傷ついてでも、このモノクマが用意したファイルの内容を知りたいか?」
「…そういう言われ方をすると、読みたくはないけどさ。」
心が傷つくか…。もし、その内容が真実だとして、オレは何ができるっていうんだ? また、戦場に駆り出されるんじゃないのか? 異血を扱えるから、世界死に対抗できる力を持ってるから、戦えって言われるんじゃないのか。知らないふりをした方がいいんじゃないか? でも、そうしないと、また誰かが死んでしまうとすれば?
頭にぐるぐるとした迷いが走り続けて止まらない。少なくとも、オレは消えない炎については知るべきだ。でも、それ以上に『知る』ということが怖かった。知っているから、オレに何かができると知ってしまえば、きっとそれを無視できなくなる。過去に戻ろうとしたことがいい例だ。
そうして、何かをしようとして、何も為せない。何かをさせられるのかもしれない。何も知らずに、また何かに刃を向けるのかもしれない。それが、怖い。
「…モノミの言うと通りかもしれない。正直に言うと、かなり怖いって思ったよ。
オレはできることなら、真実を知りたいって思うよ。でも、同時に何も知りたくないって、何にも関わりたくないって思うんだ。…最低かもしれないけど、全部他人事がいいって思ってるんだ。なにもかも、他所の話だったらいいなって、本心で…。」
「その迷いがある限りは、知らない方が賢明なこともあるかもしれないな。もう一度言うが、おそらく脱出には関係がない話だ。だとすれば、この島を脱出した後でも遅くはないだろう。」
「…そうするよ。」
一旦は、聞かないことにした。もし、モノミが味方なら言ってることは本当なのかもしれないし。ここで知ることがなくても、元はモノクマが渡してきた情報なのだから大きく気にしても仕方がない。
「話を変えてもいいか? 俺は江ノ島盾子の死亡が確認されたっていうのが引っ掛かってるんだが、これってどういうことなんだ? あのモノクマは誰が操っているんだ?」
日向がモノクマ、江ノ島盾子についての疑問を提示した。だが、その答えは十神によってすぐに出された。
「わからない、それが答えだ。可能性としては、江ノ島盾子の模倣犯あたりだとは思うが…これも定かではない。そもそも、わからないのが最初だったんだ。今は、あたりが外れて振り出しに戻っただけの話だ。」
「わたしも、十神くんに賛成かな。今はあのモノクマの正体よりも、気にしなくちゃいけないことも沢山あるし。」
「今日の夜時間のこととかじゃな。これ以上話をしていても嘘か本当かわからん以上、話し合いを続けても仕方がないんじゃなかろうか? リーダー?」
「まぁ、そうだな。このファイルこと以上に、今日の夜時間の方が鬼門になる。そのためにも腹ごしらえだな。」
「オッケー! ようやく、ぼくの出番だね! 任せてよ、モノクマなんかに負けないおいしいご馳走を用意するからね!」
そうして、みんなで夕食を夜時間のことが忘れるくらいに堪能した。
『はい…。オマエラ、夜時間になりましたよ。ちゃっちゃとジャバウォック公園に集まってくださいねー。』
モノクマの気怠げな音声がモニターに響き渡る。
オレ達はその音声を聞いたのち、ジャバウォック公園に足を運ぶほかなかった。
絶望ツカイの狛枝の「ああ、黙ってるんだったね」は澄野にちょっと黙っててくれって言われたから途中で喋りだしてるという後付け。
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