澄野拓海「希望ヶ峰学園?」 作:たくみきんぱつ
【修学旅行日記 2224】
一日目
今回はウサミちゃんがモノミになっちゃった。
澄野くんがなぜか目覚めないままで、それに気を取られた隙にマジカルステッキをモノクマに取られちゃった。
どうして澄野くんは寝たまま?
モノクマにやる気はなさそう。飽きてるならやめればいいのに。
大丈夫、コロシアイは起こさせない。
二日目
みんなの行動は変わりない。
でも、澄野くんはまだ眠ったまま。どうしたらいいかわからない。こんなこと初めて。
モノクマの行動も動機も、特に目立ったことはない。明らかに飽きていることはメモしておこう。
澄野くん、何事もなく起きてほしいな。
三日目
澄野くんが起きた。あと、コロシアイが起こらなかった。
狛枝くんは数日縛られることになった。
十神くんがリーダーのままならコロシアイは起こらないし、狛枝くんもヘタに動けなくなるはず。
十神くんがリーダーを降ろされそうになったら止めないと。
澄野くんは普通だった。特に変わった様子はない。
四日目
モノクマが雑。
そのせいで澄野くんの力がみんなにバレた。でも、狛枝くんだけは現場にいなかったから知らない。
十神くんが自分の正体を明かした。
何とかして、リーダーを続けてもらえるように頑張った。これでコロシアイは起きにくくなるはず。
狛枝くんには澄野くんの力のことは伝えない方がいい?
でも、モノクマが何か仕掛けてくるかもしれない。モノクマの出方を見て考えよう。
五日目
澄野くんが変。朝に狛枝くんと十神くんに話を聞いている。
いつもと違う行動をしている。目が覚めるまでに何かあった?
それから、今日はみんなで二つ目の島を探索した。
この島だけでも解放できていれば、この修学旅行も終わらせることができるはず。
夜時間にモノクマが何か仕掛けてくる。モノクマもいい加減終わらせたいみたい。
あと、モノクマはあの情報をみんなに公開した。
もしかしたら、あれだけでも真実にたどり着くかもしれない。モノミちゃんのファインプレーが炸裂した。
実際、危なかった。澄野くんも察しが悪いわけじゃないから、そこを忘れちゃいけない。
でも、今回はわからない。澄野くんも知るべきだったのかも。モノクマが何を考えてるのかいまいちわからない。
夜時間に起きたこと。
みんなのコロシアイのジオラマと映像をモノクマが用意していた。
内容は前にあったコロシアイの使いまわしだ。でも、一番効果的な使い方だった。
モノクマはわたし達を絶望させたいらしい。
それが本当の目的かは、わからない。でも、みんなの心は傷ついた。
モノクマが次に何をしてくるかわからない。このままだと、まずいかも。
あと、狛枝くんは多分勘づいてる。明日にでも、わたしにきっと何か聞きに来る。
もしかしたら、今回はチャンスなのかも。
澄野くんが何か思い出せば、そこから変わるかもしれない。
修学旅行を終わらせられるかもしれない。
タイムアップが近い。あの人はそう言ってた。
明日することを決めた。これは賭けだ。
大丈夫、うまくやれる。きっと、みんななら乗り越えられる。
どういうことなんだ?
七海はいったい何をどこまで知っていたっていうんだ?
それに、あの情報って…多分あのファイルのことだよな?
オレの知られるのが七海にとって不都合だった? 真実ってなんだ?
とりあえずわかることは、コロシアイを起こさせないために十神をリーダーのままにしたかったことと、修学旅行を終わらせたかったってことか?
でも、それならオレ達に相談でもすればよかっただろうに…それができない理由があったのか?
それに五日目の『明日することを決めた』って、七海は何をするつもりだったんだ?
オレが思い出せば何か変わる?
タイムアップ? あの人っていったい誰なんだ?
疑問が生まれては、それが解消されることなく積み上げられていく。
今の情報だけでは、七海の真意を読み解くことはおそらくできない。だが、そのために何が必要なのかは見当もつかなそうだった。
点と点を線でつなげるにはまだ引っ掛かりが必要だ。
「これは……狛枝、キミはどう思う?」
「…今、言えることは、少なくとも七海さんは敵じゃないってことだと思うよ。……ボクは七海さんは味方だと考えてるけど」
「そうか、狛枝にとってはそう見えるか。澄野はどう思う?」
十神の質問の意味はきっと、七海はオレ達よりも何かを知って立ち回っていた事に対してのことだろう。
早計かもしれないけど…七海は裏切り者だったのか? でも、この日記の内容が真実なら敵だとは思えない。
「この日記の内容が本当なら、七海は何か知っていて、それをオレ達に隠していたことは確かだと思う。でもだからって、それだけで判断はできないと思う」
「…同感だ。これだけでは七海の目的と行動がつながらないからな」
「……もしかしたら、この事件には七海さんだけじゃないのかも」
七海だけじゃない? 七海の事件とはまた別のことが起こってるってことか?
「狛枝、それってどういう意味だ?」
「いや、まだ憶測の域を出ない話だから、気にしないで。
それよりも、次はどこに行こうか? この日記は大きな証拠になりそうだけど、これだけじゃこの事件の謎は解けないだろうし」
「どこに…といってもモノクマファイルの情報によると、七海の死亡時刻は七時三十分頃だ。狛枝の証言と合わせるなら、七海の死亡までにたった十五分しかないことになる。できることはかなり限られるはずだ」
「でも逆に言えば十五分でできる程度のことだったってことだよな?」
「七海の死因はまだわからないが、仮に毒殺だとしたら、毒の調達は事前に行わなければならないはずだ。もしそうだったら、この事件は計画的な犯行だったのかもしれない」
計画的な犯行…の可能もあるのか。
…犯人は七海の行動を知っていたのか? そこが重要になりそうだな。
[七海千秋の日記]
【就学旅行日記 2224】
一日目
今回はウサミちゃんがモノミになっちゃった。
澄野くんがなぜか目覚めないままで、それに気を取られた隙に…………。
オレ達は七海のコテージから出た。
「十神クン、ウサミに確認したいことがあるんだけどいいかな?」
「構わない。七海の日記にあったことだろう?」
「そうだね。それともう一つ」
「はい! あちしを呼びまちたか!」
モノミがどこからともなく現れる。
モノミに確認したいことって何だ? そういえば、さっき逃げられたときにも言ってたか。
「モノミ、この前にお前が回収したファイルを返してくれないか?」
「ほえ!? そっそれは難しいお願いでちゅ。ごっごめんな…」
「ウサミがファイルを持ってるの? じゃあ返してよ。じゃないと、澄野クンに『あの情報』を言うよ? 澄野クンだけはまだ知らないんでしょ?」
「な、まぁそうだけど」
狛枝はどうして現場にいないのに状況を把握できてるんだろうな?
というか、オレを脅しに使ってる…。
モノミから例のファイルを取り戻す。
オレはまだ読んでない項目のページに少しだけ目移りしそうになるが、ページを捲りそうになる手を意識的に抑えて、ファイルの内容を再確認する。
[ファイルの情報]
【人類史上最大最悪の絶望的事件の収束について】
結論から述べると、超高校級の絶望が起こした人類史上最大最悪の絶望的事件は、超高校級の希望の活躍によって事件は収束を…………。
「教師が生徒に屈するなんて……。先生失格でちゅー!」
「うるさいよ。何もできないなら、何もしないでよ。というか、ウサミに聞きたいことがあるんだけど、答えてくれない?」
「ほえ? いいでちゅけど、聞きたいことってなんでちゅか?」
「これって、何回目の修学旅行なの?」
「……………………え!?」
モノミは大量の汗を流して、明らかに動揺するそぶりを見せた。
…思ったけど、どうしてヌイグルミから汗が出るんだろうな?
それよりも、何回目の修学旅行ってどういう意味だ?
「ああ、やっぱり覚えてるんだね? もうわかったから答えなくていいよ
十神クン、全員で遺跡に行きたいんだけど、全員を集められる?」
「……澄野、キミは狛枝第二の島について話したか?」
「いや、話してないはず……だけど」
どうして狛枝は第二の島にある施設のことを知ってるんだ? 話してないはず…だよな?
というか、どうして全員で遺跡に行くんだ?
「ボクはこの島については大体思い出したんだよ。その話をする時間はなさそうだから、後回しにさせてもらうけどね。それで? 先に行ってもいいかな?」
「待て、どうして行き先が遺跡なんだ? あそこには怪しげなものはいくつもあるが、事件に関係するとは思えないが」
「この島にもう手がかりはないと思うよ。きっと真相にたどり着くには、七海さんの思惑を知る必要がある。
七海さんの日記にもあったでしょ? あの島さえ解放できていれば、この修学旅行を終わらせられるはずだって。それはきっとあの遺跡のことだよ。七海さんはこの修学旅行を終わらせたいと思っていた。だったら、今回の事件に関係するものが、あの遺跡にはあるかもしれないでしょ?」
「…まさか、あの扉の先に行く気か?」
「うん。パスワードらしきものは、今朝に七海さんに教えてもらったからさ。多分あってると思うよ。でも、中がどの程度の広さがあるかはわからないからね。だから、全員で向かいたいんだ」
全員で…あの遺跡の奥に? いや、待てよ。
「扉のパスワードを、七海が知っていたのか?」
「そうだよ。最初は何の数字かと思ったけど、あの扉以外に使い道はないだろうね」
…七海が、裏切り者だったのか? いや、モノクマと敵対してるのは確かだ。七海が未来機関の一員なら、味方のはず。
でも、名乗り出なかったのはどうしてだ? 何かできない理由があったのか?
「そういうことだから、澄野クンに合わせてボクは遺跡に向かうよ。歩いて向かう間に色々と整理したこともあるし」
「キミの中ではもう決定事項か。……いいだろう、狛枝の提案に乗ろう。だが、全員となると七海から人が離れることになるな」
「ウサミにやらせとけばいいよ。ウサミ、七海さんの死体のそばにいてくれる? あと、罪木さんと小泉さんにこのことを伝えといて」
「…悲しいでちゅ。本当に悲しいでちゅ。千秋ちゃんが……千秋ちゃんが…うう」
モノミはとても悲しそうにしながら姿を消した。
千秋ちゃん? 今更だけど、呼び方が変わってる…モノミと七海には何か関係があったのか?
……裏切り者なら、モノミとつながりがあっても不思議じゃないか? モノミは隠す気がなくなったってことか? それとも、隠す必要がなくなったのか?
十神はみんなを遺跡に集めるために島中を走っているだろう。
オレは足を怪我しているせいでゆっくりなるが、狛枝と一緒に遺跡に向かっていた。
その間、ずっと狛枝は考え事をしているようで会話と呼べるものは、オレと狛枝の間にはなかった。
オレも、この事件について少し考えるか。
今のところ、これといった手がかりははっきりいってない。七海の死因も、凶器も、犯行手順も、何一つ手がかりがつかめていないのが現状だ。
罪木の言う通り、七海が何かしらのショックでオレ達にはどうにもならないような、言うなれば急性の病死ならどうしようもない。
だが、モノクマはそれを否定した。これは間違いなく殺人だと明言した。それが嘘かはわからないけど、本当ならオレ達はそのモノクマの用意した《学級裁判》というもので全員死ぬことになる。
そんなのはごめんだ。そんなことで死んでなんていられない。
七海の行動を推理するにしても、憶測の域を出ない。
まず、狛枝と別れた後に砂浜に行って何があったんだ? そもそも、自ら砂浜に赴いたのかもわからない。
真犯人が仮にいるとして、七海の死体を砂浜に移動させた可能性もある。外傷もないし、血痕が残らない。可能性としてはある気がする。
でも、他殺じゃなくて自殺だったらどうすればいいんだ? 考えたくはないけど、自分で自分を殺すことも多分殺人になるんだよな?
オレ達全員には、アリバイがあるはずだ。
七海が狛枝と別れて十五分。その十五分の間にオレ達はレストランに集まった。
姿のなかった左右田には、十神に連れられたことでアリバイがあるはず。辺古山と九頭龍には、互いのアリバイがある。
共犯の可能性とかは考えたくないけど、この島から卒業できるのはクロだけなら共犯の意味はない。…狛枝みたいなのはともかく。
だとしたら、アリバイがないのは狛枝か? オレが時間的にできないのはレストランに集まっていたみんなが証明してくれるはず…。
狛枝が七海を何らかの方法で殺して、そのままレストランに来た? 砂浜に七海の死体をわざわざ置いて?
いや、死体発見アナウンスには狛枝も動揺していた。もし狛枝が犯人なら、あれが演技ってことになる。
それは…考えたくないけど。オレに演技を見抜く力はないって、蒼月に思い知らされてるからな。結局はわからない。
そうやって、思考を重ねる時だった。
「澄野クン、少しいい?」
考え込んだままだった狛枝に話しかけられる。
「レストランでの話の続きなんだけどさ。澄野クンは日向クンに見覚えがあったりしない?」
そういえば、その話はまだ途中だったな。
答えは別にあの時と変わったりはしない。オレは狛枝の質問にそのまま答える。
「なんとなくだけど、見覚えみたいなのは覚えたことはあったかな。どうして狛枝はそのことがピンポイントでわかったんだ?」
「…なんとなく、こればっかりは勘のところもあるけど。……見覚えが、あるんだね」
まただ。今朝からなぜか、狛枝はどこか納得できていないような不満げな顔を度々見せる。
「狛枝、今朝からどうしたんだ? どうしてそんな不満しかないような顔を見せるんだ?」
「別に、こんな表情…出したくて出してる訳じゃないよ。ただ、やっぱり納得できないし、したくないんだよ。それくらい、悪い予想しかできなくってね」
悪い予想か…。オレはきっと、とても大事なことを忘れてるんだろうな。七海の日記にも、オレの記憶が鍵になるって書いてあったし。
……日向に見覚えがあることが、狛枝にとって悪い予想になる? それ、どうしてだ? いや、詮索しても話してはくれないだろうけど、少し気になるな。
「ねぇ澄野クン、もう一つ…聞いてもいいかな?」
「なんだ?」
オレと目が合った狛枝の目はとても真っすぐなもので、旧館で飄々と自身の犯行を語った狛枝とは別人に思えるほどだった。
「澄野クンにとっての…希望って何?」
推理編の澄野は名探偵澄野すぎると思ってます。攻略を見て解いた作者はそう思います。
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