澄野拓海「希望ヶ峰学園?」 作:たくみきんぱつ
前前話の
人工天体出身だからか→他の連中が人工天体にいたからか?
変更しました
2周目初期の澄野君が知らないこと話してました。
ガバガバでした。
オレは…………江ノ島盾子を追う!
やっぱりあんな奴は放っておけるわけがない!
オレはカムクラを振り切って一歩を踏み出そうとした。
「……それが、あなたの選択ですか。」
そう言ったカムクラに抵抗する間もなく警察がするように、両腕を捕らえられ拘束される。
オレがカムクラに文句の一つ言う前に、それは実行された。
カムクラがオレが持つ鞘から我駆力刀からを抜き、オレの心臓を突き刺した。
「ヴあぁぁあ!」
絶叫が徐々に血で包まれて、機内の中に血の繭が誕生する。それはやはりこの世界には存在し得ない超常的な現象だった。
カムクラはその超常現象を才能を使い、できうる限り最大限の観察、分析を行っていた。
やがて血の躍動は終わる。繭が解かれて血が辺りに飛び散った。
学生服を模した姿をしながら武装する少年が現れ出ると、彼は先程自身を刺した青年に目を向ける。
オレを…殺そうとしたのか……?
いや、違う。
こいつはオレの異血の力を江ノ島がやった中継で見ている筈だし、もしかしたらオレの身体を調べたのはカムクラかもしれないんだ。
じゃあこいつはオレの力を理解していて、わざわざ力を使わせた…?
「あなたは江ノ島盾子に手を加えられる必要はないと、僕は考えました。おそらく、あなたの存在自体が既にそれに足るものです。」
「それってなんだ? 絶望のことか? オレの存在自体って、一体何の話をしてるんだ!? お前は何がしたいんだ!?」
「…………。」
カムクラはそれ以上何も答えないまま、オレから奪った我駆力刀を差し出していた。なんで返してくれるんだ? お前が奪ったんじゃないか…。
多分だけど、こいつをそのままにしておくのも危険だ。じゃあどうする?
こいつを放っておくとまた誘拐されるかもしれない。
こいつは否定したが、それでも神座の名前を持ってること自体、オレにとっては怪しすぎる。偶然とは思えない。
江ノ島盾子に加担はしないと言ったが、だからといって江ノ島盾子と何らかの関わりを持ってるのは事実だろうし……。
迷いがオレの中を巡っていく。
一秒一秒が過ぎるごとに、 江ノ島盾子は遠ざかっていく。誰かが、オレが救えたはずの未来から零れ落ちていく感覚がほとばしる。
だからかこの瞬間、後からすればオレは明らかにおかしい行動をしでかしたのかもしれない。
「クソッ! 一緒だ!! お前も一緒に来い!」
オレはカムクラの手を無理やり掴み、前を向いて駆け出す。
こいつが何をするか分からないやつなら、一緒にいてやればいい。それで、後から判断すればいい!
今は江ノ島盾子を追う!
カムクラは抵抗するでもなく何も言わずに、オレに従順なように引っ張られる。
機内を出て、飛行機から降りる時特有の視点の高さから江ノ島がどこにいるかわかった。
急いでいる訳じゃなかったのか、歩きだったため江ノ島は思ったりよりもすぐそこにいた。
「江ノ島ぁ!」
オレは江ノ島の前に立つ。そうすると江ノ島を庇うように、戦刃がオレを睨みながら出てくる。
「わーびっくりした。大声出さないでよ。ていうか何カムクラ先輩と手なんて繋いじゃってる訳? どうやってそんな仲良くなんのよ。」
「うるさい! 黙れ! お前をどこにも行かせたりしない!」
「キャー、カッコ悪いお姉ちゃーん!」
「……私じゃないよね。カッコ悪いの。そうだよね?」
「お前らを拘束する! そして、未来機関へ突き出す!」
「へぇ~。」
江ノ島が意地悪そうに笑う。それはまるで子供が新しいおもちゃで遊ぶのをワクワクしているようだった。
なんだ? なにを企んでる?
「そんなことして、澄野クンに何のメリットがあるの? なんにもならないでしょ? それよりもさ、いい提案があるんだけど、聞いてかない?」
「聞かない! 言っただろ、お前の考えてることは知らないし、興味もないってな!」
「澄野クンはさ、帰りたくないの? 会いたくなの?」
その言葉を聞いた途端、すべてが立ち止まった。
「ッ黙れ!」
「手伝ってあげようか? アンタが元の世界に帰るのを、元の時代に戻るのを、大切な人に会うのをさ。
きっと未来機関にはできないことだよ? だってそんな不思議で魅力的な力を持つ澄野クンを、ただ本人が帰りたいからって協力して逃がすはずないもん。」
そう言われれば、そうなのかもしれない。
オレは未来機関のことをは知らないし言伝だけで、実際は何一つ知らないのと同じなのかもしれない。
もしかしたら、オレは未来機関に捕まって異血の研究する為に実験動物のような扱いをされる可能性だってゼロとは言えない。
だけど。
「お前の手を取ることなんかよりも、危険な選択肢なんてない!」
「あっそ。それじゃあ今、直接手に取ってる人と組んでみるのはどう?」
「は?」
カムクラのことか?
なんでカムクラが話に急に出てくるんだ? 第一自分のことを誘拐した奴と組む訳ないだろ…。
「カムクラ先輩はね〜超高校級の希望と呼ばれるほどの才能を持ってるの。きっと、澄野君が元の世界に帰るものすんなりできちゃうと思うんだよねー。」
「超高校級の希望?」
カムクラのことをチラリと見る。
変わらない無表情のままオレと江ノ島の会話を静観しているようだった。
こんな奴が、超高校級の希望…? 才能に愛されてるって言ってたのはそれのことなのか?
「……いや、そんなのは関係ない。お前が何を企もうとオレは乗ったりしない。大人しく、未来機関に捕まるんだ。」
そう言ったタイミングだった。
いつまでも黙っていることに飽きたのか? それとも今喋るべきであることを模倣しているだけなのか?
カムクライズルは語り始めた。
「澄野拓海。あなたを元の世界に帰すことは僕にならできます。ですが、それは意味のないことです。あなたは真実を誤っている。」
「は!?」
元の世界に帰れる!? でもそれは…意味がない? どういうことだ? 何で誤ってるだなんて、なんで断言できる?
……あの時の蒼月と同じこと言ってるのか?
「あなたはある意味、人類史上最後の絶望と言えるのかもしれません。でもそれは、人類が他種に下す絶望であり自らに対する絶望ではない。
人類が最終的に行き着く、人類にとっての都合のいい建設的な希望があなたなのかもしれない。
……それはツマラナイ。
才能のない人間が才能のある人間に縋り付き、利用し、押し付け、食い潰す。ツマラナイ世界です。
あなたはそのツマラナイ世界からの脱出した。その強大な力を持ち越して……。」
「……。…お前は、……何を言ってるんだ?」
「えー? あー、そういう感じなの。
……そういう感じなの!? なにそれ! なにそれ!!」
江ノ島が突然騒ぎ出す。嫌な予感しかできない。
でもそれ以上に、カムクラが語ったことの方が遥かに引っかかった。
絶望? オレが?
ツマラナイ世界? 平凡に満ちた東京団地のことか…? いや違う。 なにか、違う気がする。脱出したなんて言い方は……なんだ?
都合のいい建設的な希望? 確かに特防隊のオレ達は体良く人類の未来を押し付けられたのかもしれない。なんでカムクラが知ったような口をきけるんだ?
カムクラはオレの何を調べたんだ? オレは誘拐されて何をされたんだ? オレの知らない真実ってなんだ?
「やっぱりさ、アンタは希望なんかじゃない……。絶望なんだね…。
ねぇその力は絶望的に相手を虐殺する為にあるんでしょ?」
「うるさい! 黙ってろ!」
こんなことを考えても仕方がない。
元の世界に帰りたいからって、こいつらに縋ることなんてないんだ。もしかしたら他に帰る方法だってあるかもしれない。
それこそ未来機関にこいつらを突き出して情報を吐かせればいい。江ノ島盾子の思惑なんかに乗るな。
そう、自分に言い聞かせる。今すぐにでも帰りたい、カルアに会いたい、自分の本音を誤魔化すように。
カムクラから片手を離し、オレは改めて自身の学生兵器をで強く握りしめる。戦刃の態度が変わった。
ここからまた、あの体育館のような戦闘が始まるのかと思ったがそうではなかった。
突如として視界が歪み始める。
頭にガツンと何度も何度も鈍器で殴られるみたいなのに、どうしてか痛みがない。不快感だけが広がっていく。
気持ち悪い。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
オレの…何かが消えてく…。
本当に消えるの? それは最初からあったのか?
…………?
オレは何を………?
……………………。
…うだ、滅ぼさ……と。
愚…で、…低で、最…で、身…手で、オレ…を利…して、戦……押し…け…、図………。
…略者…んだ。人…がいなけ……。
せ……、炎……いつ……けてや…ないと…。仲…な…だか…。
…………。
………………………。
…………………………………………。
「……お前は何時になったら目を覚ますんだ?」
誰かの声が聞こえる。 どこかで聞いたことがある声だ。
でも覚えているよりもずっと、感情豊かで気怠げなことを言っている。
オレはそんな声に応えるようにゆっくりと目を開いていく。
オレは、話しかけてきたそいつを見て、思わず目を見開こうとした。それと同時に身がまえるようにオレは立ち上がろうとした。
…やろうとしたってことは、出来なかったってことだけど。
オレはオレが寝ていたベットから崩れ落ちて、背中を打った。
痛い…。体が思うように動かない。気怠い……。
ここはどこだ? オレはさっきまで何をしていた?
……なんだっけ?
「おい!? お前、急に立ち上がるなんて……。大丈夫か?」
そうして、そいつが手を差し伸べてくる。
オレはそいつのことを見て、後退りせずにはいられなかった。
こいつは、こいつは、こいつは……。
「…………誰だ?」
確かに見覚えがあった。確かに聞き覚えがあった。そいつの姿も、声もオレは知っているはずだった。
なのに何も出てこない。頭の記憶に何も一致しない。
「起きた途端に自己紹介か? まぁいいけど…。
俺は日向創だ。」
K(カムクラ)ルートも書くか、E(江ノ島)ルートを先に書くか、悩ましい。