嘘が壊す前に   作:nazuna4849

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ひかるくん、、、


カミキヒカルの独白

アイは、僕のすべてだった。

 

それは依存だったのかもしれないし、

救いだと思い込んでいただけなのかもしれない。

 

 

 

 

 

愛梨さんがしていることが、本当は犯罪だということも分かっていた。

でも、誰にも相談できなかった。

 

いつも愛されたいと思っていた。

だから僕は嘘をついて生きていた。

だから僕は愛梨さんから向けられるそれを、

この行為を、「愛」だと思い込むことにした。

 

そうしないと、壊れてしまいそうだったから。

拒否するという選択肢なんて最初から頭になかった。

拒めば、きっと見捨てられると思っていたからだ。

 

優しくされるたびに、

僕は愛されているんだと自分に言い聞かせた。

そう思い込まなければ、

自分が受け入れてきたものの意味を、

否定することになる気がした。

 

 

 

 

そんな時に、アイと出会った。

 

初めて会ったのは、ララライで行われたワークショップ。

B小町というアイドルグループのメンバーで、センターをしているらしい。確かに綺麗で可愛いひとだな。

最初はそれくらいの印象しかなかった。

 

成り行きで、僕はアイに演技の指導をすることになった。年齢が近い僕が教えるのが良いだろうと、金田一さんが言ったのだ。

 

 

 

 

 

それから、何度か話すようになった。

 

変わった人だな、と思った。

そして、多分この人は僕に似ている、とも思った。

 

僕と同じ、”嘘つき”の目。

愛されるために、愛してもらうために、自分自身を嘘で固めている人特有の目をしていた。

綺麗で、可愛くて、美しい。僕も周りからこんな風に見られているのかなと思った。

 

 

 

たぶん、その頃からアイに惹かれ初めていたんだと思う。

 

一緒にいると、不思議と呼吸が楽になった。

何かを演じなくてもいい気がした。少なくとも、彼女の前では、「求められる自分」にならなくていい気がした。

 

それが安心だったのか、

ただ逃げ場を見つけただけなのか、

それが本当に“素の自分”だったのか、

ただ別の役を演じていただけなのか、

自分でも分からなかった。

 

 

 

やがて、僕たちは恋人になった。

アイは言っていた。

 

「愛が知りたいの。恋人を作れば、分かるかなって」

 

ずいぶん、アイらしい理由だと思った。

 

 

 

 

付き合ってしばらくして、

アイは僕に、妊娠したと伝えてきた。

 

言葉が、出なかった。

喜ぶべきなのか。怯えるべきなのか。どうしよう、なんと声をかけよう、責任を取らないと、そんなことを考えていた。

 

そんな時、アイは僕にこう言った。

 

 

 

”私ね、愛してるってことがまだよく分かんないんだ。でも、私は君を助けたいって思った。”

”会って欲しい人がいるの。”

 

 

その一言で、

僕の知らないところで、何かが動き始めているのだと悟った。

 

 

 




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