銀河メスゴリラは平和に暮らしたい 〜中身が死神と呼ばれた最強元帥の私は、転生先で宿敵のお嬢様に拾われて銀河冒険者になる〜   作:葱ラーメン大盛A定食セット(旧竜騎兵)

2 / 16
前半は掲示板回、後半は小説となっております。


銀河メスゴリラ(0歳)と、ある賞金稼ぎの嘆き

【サムター宙域】賞金稼ぎ総合掲示板【パート145】

 

51:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:15:43

悲報 ワイ将夜鬼組に睨まれる

 

52:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:17:47

おめー明日の朝刊に載ったぞ

 

53:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:17:49

宇宙葬でいい? 

 

54:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:17:52

自分、意思教団のゴブリンなんで……

 

55:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:18:12

清貧、弱者への救済、博愛の3つが教義の筈の信徒が賞金稼ぎになるとはなんや複雑な事情がありそうやな

まぁでもええやん 死んだら大いなる宇宙の意思とやらに合流できるで

 

56:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:18:12

いやだぁ! まだ死にたくない! 何かアドバイスくれ! 生き残るための!

 

57:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:18:20

数千年前からの伝統である土下座一択っしょ 夜鬼組の連中は懐古趣味らしいし土下座すればワンちゃんあるある

 

58:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:18:30

土下座しました! それでも許してくれるかわかんなくてぇ……

 

59:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:18:45

よっぽどの事をやらかしたんだな 差し支えなければ何やらかしたか教えてくれ

 

60:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:18:54

簡単に言えば傭兵として雇われてとある場所の警備してたんだけど盗人に守らないといけないもの盗まれちった しかも俺は居眠りしててさ

 

61:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:20:01

はいっ、賞金稼ぎ失格! ぶっ殺されます!

 

62:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:20:07

>>51

今日はこいつを愚弄していいのか?

 

63:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:20:21

>>51

殺されても文句言えねぇぞ

 

64:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:20:35

野良ワーカーフレーム大会が盛り上がって昨日は深夜になるまで帰れなくてさ……

 

65:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:20:51

しかも居眠りした原因は違法の大会かよ 救いようがねぇなこいつ

 

66:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:21:11

マジレスすると他にも雇われの賞金稼ぎ居ただろ? お前ひとりの責任にするには少し無理があるんじゃないか?

まぁ俺が雇い主だったらお前はもう雇わねぇけどな

 

67:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:22:42

いっそ高跳びするとかどう? あー、でも辺境セクターだと出入りが面倒か

 

68:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:23:21

前回の戦争でね…… 辺境セクターをまとめ上げて独立したクルップ帝国が暴れまわったせいで有人惑星に足を踏み入れるのにもチェックが厳しいんだよな

 

69:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:25:31

冒険者なら辺境への出入りも楽なんだけどな

>51は元冒険者というわけでもないだろうし高跳び案はナシだな

 

70:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:26:31

いっそ盗人を自力で捕まえて盗まれたものを取り返すってのはどうだ?

 

71:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:28:10

>>70

他の賞金稼ぎから聞いたけど腕利きだったみたいなんで俺の実力じゃあ無理っスね……

 

72:名無しの賞金稼ぎ 2385/5/4 12:29:23

>>71

お前よくそれで賞金稼ぎになろうと思ったな 賞金稼ぎ向いてねぇぞ

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マルセーヌ連邦歴6015年、或いは連盟歴2385年。

 

 首都星系であるサムター星系の宙域を1隻の直線が多用された、遠目から見れば長方形の箱に見える宇宙船がまるで何かから逃げるかのようにデブリ帯へと突入していた。そして、手頃な、かつてこの場所で行われた戦闘によって大破し、宇宙を漂っていた巡洋艦の後ろに隠れる。そして熱源反応を発生させないようにプラズマパルスエンジンが停止されてゆく。

 

 セクターごとに存在する宙間管理局には登録されてない宇宙船である事から、この船に乗る者たちが後ろ暗い経歴を持つ者である事を物語っていた。

 

 操船していたまだ20歳にもなってないだろう、黒髪を後ろでポニーテールにして纏めた若い女性は、デブリ帯の周辺を哨戒している宇宙船の反応を確認しながら、ふぅ、と小さく息を吐いた。幸いな事に、こちらに気が付いた様子は無い。追手を巻く事は、できそうだ。

 彼女たちこそサムター星系の裏社会を牛耳る、かつて日本と呼ばれた地域のヤクザ文化を尊ぶ夜鬼組に侵入し彼らの秘宝を奪った命知らずたちだ。

 

 操舵席から立ち上がり、疑似重力発生装置によって作られた重力下の中、廊下を走って医務室へと駆け込む。それと同時に、産声が部屋の中に響き渡り、医療用のティア3ドロイドが親友の子を抱え上げてあやしていた。

 

「……女の子みたいだな、お前の子。アイリ、よく頑張ったな」

 

 元気な産声を上げている子を愛おしそうに、黒髪の女性は見つめた後に、苦楽を共にしてきた親友、アイリ・トラムへと視線を向ける。新しい命を産むという有機生命体において最も大切とも言える大仕事を終えた女性は、息も絶え絶えな様子で、我が子へと微笑む。

 

 

 気が緩んでしまったのか、或いは、元々体が強い方で無かったというのに、ついてきたせいか、一気に顔色が悪くなってゆき、容体が急変したことを示すアラームが医療用ドロイドから響き始める。

 

「……っ! はぁ……はぁ、あ、はは、ディア……。わ、私……自由になれるんだよね」

 

「くっ……おい、しっかりしろっ! あたし達は自由になれるんだよ、お前が産んだ子と一緒に! 組織に拾われてからずーっとあたし達は自由が無かった! 楽しい事なんて殆ど無かった! 組織から抜けるために夜鬼組の連中から折角、ブツを盗み出して来たってのに、お前がいなかったら意味ねぇだろうが!」

 

「……うんっ、その子が、成長し切るまで……私、生きてたいよ……一緒に、テレビ見て、一緒に、ゲームして……一緒に、お洒落して……」

 

 鎮静アンプルが使用されてゆくが、心電図からはディアと呼ばれた黒髪の女性の気持ちを代弁するように悲鳴のような甲高い音が響いていた。アイリも、娘の成長をこの目で見届けようと、気を強く持ち、生きながらえようとしていたが、その想いは叶いそうにないのは明白で。

 

「……ディア……この子、の、名前は、ノース……。ノース・トラム。……私が、ダメ、だったら、お願い……ノースの事、育てて、あげて……」

 

「おい、しっかりしろ! お前がお母ちゃんとしてこの子を育てないと行けないだろ! これから今まで辛かった分、楽しい事沢山するんだろっ!」

 

「……銀河と、一緒になる時が来たの、かな。私が、死んだら……銀河と、一緒になるために、肉体は宇宙に捨ててね。えへへ……この子も、ディアも、私は、宇宙と一緒になって、見守る……か……ら」

 

 心電図の音が、アイリの心臓が止まった事を告げてゆく。医療用ドロイドが電気ショックを行ってゆくが、アイリが戻ってくることは無かった。

 

 暫く、ディアは呆然と立ち尽くした後に、アイリが絶命したことを受け入れて、蹲って泣き叫んでゆく。一通り、泣き叫んだ後に、立ち上がり。

 

「……このバカ親が、お前が生きてないと、意味ないだろ。でも、約束だ、この子は絶対にあたしが育ててみせる」

 

 まるで状況が理解できずに困惑してるかのように泣き叫んでいるノースと名付けられた女の子を抱え上げて、その頬を撫でてゆく。

 

 後に、『銀河メスゴリラ』『先史時代の女勇者』『狩猟者』と呼ばれるようになる、大昔に滅んだ魔法帝国の元帥の記憶と経験を引き継いだ女の子が、この日産声を上げたのだ。




ここまでがプロローグです。次話から幼少期編(脳筋)始まります!
それと、1/4の朝6時に、第3話を投稿したいと思います。
※この作品は以前アップロードした天命/クラウ・ソラスのリメイク版となります。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。