ラノベでたまーに居る、出番少なめの先輩キャラが生きる為に全力で理不尽に抗うお話

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大晦日にぱっと思いついてノリで書いた初小説です、出番は少ないけどしっかり爪痕残すキャラ好き


 己の為に

 

 

 

「ホンットにさぁ、魔王ってどうなってんだよ......」

 

いつもより凍えた大晦日の夜、地面に座り込む一人の青年は赤く染まった自身の胸部を抑え己の気持ちを吐露する、死を目前にし出てきた言葉は、軽い愚痴であった

 

 

 

 

 

魔物、それはこの世界に蔓延る厄災である、いつ、どんな時、どんな場所で現れるかは不明、

その癖人を見つけ次第攻撃を仕掛けてくる凶暴な獣だ、奴らの強さはピンキリではあるがその全てが一般人など容易く死に至らしめる力を持つ、

50年前に奴らが初めて現れた時は地獄そのものであったと聞いたことがある、

下位の魔物は多く溢れかえり中位の魔物が下位の魔物の指揮を取り人々を蹂躙し、上位の魔物はその圧倒的な力で小国を単独で攻め落とすなど、まさしく絶望そのものであったと。

さりとて人類は生を諦める事なく魔物を相手に命懸けで抵抗を続けていた、

そんな時、一人の勇者が人類に希望を照らした、その者は剣を用いて数多もの魔物を相手に勝利した、百を優に超えるゴブリン(下位魔物)軍団やそれを従えた五人のオーク(中位魔物)に圧倒的な力を有した(高位魔物)、そして人類を滅亡寸前まで追いやった魔王の封印まで

どうしてそれ程の力があったのかだが、本人曰く試練という物を乗り越えたかららしい、

試練を乗り越えた物にはバッジが与えられ、それを身につけると凄まじい能力を得ると、

魔法が使えたり、特別な能力を身に宿したり、そして(勇者)が現れてから世界各地でバッジを持つ者が次々と現れ、魔物との戦いは更に苛烈な物へとなりました。

 

 

「こうして改めて見ると、やっぱり勇者の功績って凄まじいな」

「当然よ!人類で最初に試練を乗り超えた偉大な先輩よ、凄いに決まってるでしょ」

「それもそうだな」  

親友のぐぅの音も出ない正論には俺も肯定でしかない、なんせ自分もバッジを持つ人間だ、試練を越える難しさなどとっくに理解しているのだから、それを絶望にまみれた世界で越え、自身が人の希望となったのだ、凄くない訳がない、いつかは自分もそんな人間になりたいなぁなどと呑気な事を考えながら見ていた記事を閉じ鮭定食を食べながら親友と今後の予定を確認する。

 

 

 

俺の名前は灰谷(はいたに)(かい)、しがない魔物ハンターだ、

ちなみに魔物ハンターってのは世界各地に存在するハンター達が集まる魔狩りギルドに所属する人間を指す言葉だ、魔狩りギルドは魔物狩りをするハンター達へのサポート組織だ、

依頼の斡旋、ハンター達の制御、etcとなっている

そして俺と対面に座るこいつは春野(はるの)(はな)アホほど強い魔物ハンターだ!

花とは特別な何かがあった訳では無く普通に中学校で出会い青春を過ごし、気が付いたら親友になってた、深い理由なんぞ無くても良いだろう...花とはなんやかんや八年の付き合いで、

今は一緒のパーティーに所属している、

俺は現在花と朝食を摂りつつ今後の予定を確認している、他のパーティーメンバーは現在帰省中だ、年末くらいは家族とゆったり、うむ、素晴らしい事だ。

俺と花はどうなのかって?俺の両親は昔魔物に殺されてるし、大掃除は既に終わらせている、花は今日実家に帰るらしい、花は界隈ではかなり有名な魔物ハンターだから最近は色々と忙しくてきちんとした時間が作れなかったが今日から数日の間は予定を空けたらしい、ちなみに有名な理由についてだが.........簡潔に言えばハンターの中でも有数な強さと美貌である、それ故色んな所から引っ張りだこだ

 

「次全員で会えるのは5日になるかね、それまで俺はぼっちかぁ、寂しいな..」

 

こんな事を言っているがぼっちが嫌と言う訳では無い、ワイワイガヤガヤが出来ないから少し寂しくはあるが一人でのんびり一日を過ごすと言うの乙な物だしな、うん、別に言い訳をしているのではない、断じてな!

 

「寂しいのが嫌って言うのならあたしと一緒に実家に来てもいいわよ!あんただけ特別にね!」

「その誘いは嬉しいけど、せっかくの年末くらいはおじさん達と家族でゆっくり過ごしてこいよ、お前が暇になった時あそぼーぜ」

「ハァ・・・そう、じゃあお言葉に甘えてゆっくりするわ、ちなみに2日は暇よ、暇すぎて溶けそうなくらい」

「二日か、俺もその日の予定は特に無いな、せっかくだし一緒に初詣行かない?」

「いいわね、一緒にいきましょうか」

「よっしゃあ!」

無事花からの快諾を貰えたのが嬉しく、つい大声を出してしまった、周囲の人からの目線がなんだか優しい気もするが...それはそうと花からのジト目が心にチクりと刺さり冷えていく

 

 

 

「それじゃ、またな!」

「ええ、また来年に会いましょう」

 

時間はあっという間に過ぎて行き、今は花のお見送り中だ、俺は発車していった電車が視界から見えなくなるまで手を振り続けた、

見送りも無事に済んだので、俺が所属するギルドへと依頼を受けに行く、既に日課として脳に染み付いたので休みなぞ関係なしに訪れる

いつもなら人がごった返しな依頼掲示板だが大晦日、かつ昼時というのも相まって人はあまり居ないのでじっくりと依頼を入念に選ぶ、依頼の種類はかなりあり

野生の魔物の討伐、ダンジョンに住む魔物の討伐、ダンジョン内の鉱石などの採取、護衛、大型遠征、主要な物だけでもこれくらいだ、正直依頼に好き嫌いは無いので適当にでもいいのだが、

時間が掛かりすぎる場合自宅で年を越せないので比較的早く終わられる依頼が理想的、という事で結果的に近場にあるダンジョンの攻略依頼を二つ受ける事にした、難易度がそれ程高く無いかつダンジョン内もあまり広く無いという俺にピッタリな依頼である、早速この依頼受けるべく受付へ行く

 

「あっ、海さん!おはようございます、何かご用件でしょうか?」

「おはようございますカナさん、この二つの依頼を受けようと思いまして」

 

カナさんは俺がまだぺーぺーだった時に魔狩りギルドや魔物ハンターについて様々な事を教えて貰った恩人である、いつでも明るく振る舞ってくれる為憂鬱な気分すら一瞬で吹き飛ばしてしまう、そんな人である

 

「はい!こちらの依頼ですね、少々お待ちください」

 

そう言い手元にあるタブレットを操作して少し時間が経ち、承諾確認しましたと、元気に告げる、

これでダンジョン攻略へ出発出来るのだが、人も居ないので少しばかり雑談をする

 

「そういえばカナさん、駿(しゅん)がまた大活躍したって聞いたんですけど、何があったんですか?」

「そうなんですよ!駿君、また高位魔物と戦って勝ったんですよ!お仲間さん達によると絶対絶命の所で覚醒したんだとか」

 

カナさんの話を聞き脳裏で想像していた物と一致した、まさしく主人公のような活躍に少しばかりヤキモチしつつ魔狩りギルドを後にする、確か前回は勇者さんと夢の中で会ったんだっけか?

今話していた駿、改め青咲(あおさき)駿とは最近魔物ハンターになった少年の事である、彼は勇者の末裔、らしくルーキーでありながら凄まじい速度で成長している期待の新星、という奴である、最初の頃何度か一緒にダンジョンへ行った事があり彼...光るねとかそんな先輩風吹かしてたらいつのまにか実力で並ばれたのだ、ほんと凄い...そんな魔狩りギルドにはランク制度が存在するのだが、内訳がこう。

 

S、最高ランク、全員が全員怪物みたいな強さをしているランク、世界を含めても総数は50未満である、我らがパーティリーダーの花はここ、

A、上位ランク、普通に強者だらけのランク、Sはかなり規格外なので実質的な天井は多分ここ、俺やうちのパーティメンバー、駿がここに該当する

B、平均的なランク、このランクからプロハンターを名乗れるらしい、ソースは知らん、一番数が多いランクでもあり、Bランクと言ってもかなりピンキリである、

C、若手が多いランク、活動し始めてから一年、二年くらいの人が多く該当するランク

D、ルーキーのランク、ハンターになりたての新人達が与えられるランクである

 

 

こう見れば駿の凄さがかなり分かりやすいだろう、駿は魔物ハンターになってからまだ一年と少しの筈なんだが、どうやったらそこまで強くなれるのだろうか、、、

今度食事にでも誘って話を聞いてみようと思う、兎に角、強くなる為にも今は自分の事に集中するべきだろう、そう志しを固め、俺はダンジョンへと進んで行った

 

 

 

 

 

「大体こんなもんか」

 

合わせて50体くらいの小鬼を倒し少々疲れた為小休憩に入る、一つ目のダンジョンは鬼の魔物を主体としているらしく出現する魔物は小鬼(下位魔物)赤鬼(中位魔物)である、眼前にある巨大な扉以外は探索済みなので小鬼は倒しきったはず、である

 

「そんじゃあ、そろそろボス攻略と行きますか」

 

休憩も挟んだので体力万全、扉を押し重い音が止むと同時に部屋の全貌を目に収める、敵さん(赤鬼)は部屋の中央に立ちコチラをじっと見つめている二人の赤鬼、俺も自身の相棒(愛槍)引き抜き、戦闘態勢に入るが、赤鬼らは一向動かずコチラの出方を待ち続ける、だったら

 

「こっちから行かせて貰うぜ、お前のその心臓、撃ち抜いてやらぁ!」

 

右側の鬼に対して槍を投擲する、技名とは言うが特別な効果は特に無い、気分の話である、対する赤鬼は初っ端の投擲には反応が遅れてしまい、回避を試みるが完璧な回避とは至らず右胸に当たる、深く突き刺さったので全然良いだろう、

狼狽する赤鬼にトドメを刺さす為走り出すが、無事な方の赤鬼が俺に向け巨大な棍棒を横薙ぎに振るう、俺は上半身を後ろに反らし回避し、即座に横腹を蹴りつける、赤鬼は近くの柱まで飛び衝突と同時に部屋中に轟音を轟かせた、

 

「グウォオオ...」

 

振り返ると同時に重症の赤鬼が声を上げ俺を握り潰さんと手を伸ばす、しかし易々と攻撃を食う訳もなく、俺は即座に赤鬼の顔面にブローを入れる、気絶したのか赤鬼は仰向けに倒れた、

 

「ナイス根性、少しヒヤッとしたわ」

 

赤鬼から槍を引き抜きつつ蹴り飛ばした赤鬼へと視線を移す、奴は立ち上がり棍棒を強く握り締め力を蓄えていた

 

「真っ向勝負をご希望か、良いぜ、その誘いに乗ってやる」

 

戦いの中でテンションが上がった俺はバカ正直に赤鬼の元へ駆け出す、すると赤鬼は棍棒を大きく振りかぶり、そして力一杯棍棒を振り下ろす、対する俺は低く構え向かってくる棍棒へ槍を突き上げる、互いの武器の衝突と同時に上からの重い衝撃に体全体が少し痺れるが、それは直ぐに霧散する、何故なら赤鬼の棍棒が俺の槍により貫かれており、威力を失ったからである。

 

「生憎パワーには俺も自信があってね、簡単には負けねぇよ」

 

赤鬼は己が負けた事実に唖然し力が緩み、俺がその隙を逃す訳も無く俺は槍で全力で振り払い、

棍棒を赤鬼から引き剥がす一度距離を取り槍から棍棒を払い除けた俺はそのまま赤鬼を突き刺し、

無事勝利した。

 

 

 

一つ目のダンジョンを攻略した俺は二つ目のダンジョンもアクシデント無く攻略完了、

ギルドへの報告も終わらせて帰路に着いていた、現在時刻は21時、この時間帯になると手がかじんでしまう、帰る間暇なので今年を軽く振り返ってみる、新年早々に海外の任務に俺達のパーティが指名されて大量の魔物との激闘をしたり、新人ハンターの教育係に選ばれたり、駿とその仲間達が学校で謎の組織に襲撃されたから救援に行ったり、Sランクの人に何故か決闘を申し入れられたり、パーティメンバー達と旅行をしたり、その最中に高位魔物と戦ったり、色々な事を経験してきた•••うん、激動の一年だったな。

そんな思い出に浸っていたその時、前方から謎のワープゲート?らしき物が現れた、

周囲に居た人達もそれに気づいたのか皆が足を止めそれを眺めていた、斯く言う俺も足を止めるがハンターとしての勘?が警戒しとけと言うので槍を取り出し、それを眺めていた

 

 

 

そしてワープゲームから人?が出てきた、その人物は黒いローブを纏った二本の角を頭に生やした赤肌の女性?であったその人物の顔を見た俺は呆然とする

 

 

 

 

 

何故ならば、そいつは朝に見た記事に貼ってあった魔王の写真と同一の姿をしていたのだ、

それを認識すると同時に奴から発せられる途轍もない圧に思わず怯んでしまう、

 

「かっかっか!勇者めに封印されてから五十年程か、少しばかり長かったが漸く現界出来た、さてと、早速この世界を我の物にするか」

 

どうやら魔王は自分の正体を秘匿する気は無いようだ、勘の良い人は気づいたのか人が少しばかり離れて行く、一方俺は眼前未だ発せられる圧に冷や汗を掻きつつ、頭は冷静でいられた、腰に携えていた無線機を使って周囲の魔狩りギルド一斉通話をする

 

「全魔狩りギルドへ発信する、こちらAランクハンター灰谷海、◯◯◯◯にて魔王と同一の姿をする人物を発見、至急応援求む」

 

簡潔に要件だけ伝え無線機を仕舞う、本来はもう少し具体的に説明するべきだったろうが、唐突に魔王が現れました!とか言われても信憑性が欠片も無い為、説得には時間を割くだろうが目の前に魔王らしき物が居るのだ、俺だって命は惜しい、連絡中に不意打ちで死亡は流石にシャレにならない、付近に居るハンター達が気配を察知してくれる事を祈るしかない、周囲の人達も眼前に居るのが魔王であると気づいたのか騒がしくなってきた

 

「ちと、やかましいのぉ、騒がれるのも鬱陶しいし、やってしまうか」

 

その喧騒の中からどうにか拾ったその言葉の意味を理解し即座に飛び出し近くに居た女性を抜き手で殺そうとした魔王の攻撃を間に割って防ぐ、魔王の攻撃の衝撃が槍を伝い体を襲うが気合いで踏ん張る

 

「ほう、この時代にも少しは骨のある奴が居るでは無いか」

 

「生半可な鍛え方はしてないんでねッ!」

 

魔王の腹に右足で前蹴りを放ち、魔王との距離を取る、再度槍を構え、大声で周りに呼びかける

 

「魔王だ!魔王が出たぞ!死にたく無いなら早く逃げろ!」

 

その掛け声と同時に町中に警報が鳴り響く、周囲の人達も慌ててこの場から逃走する、

俺と魔王だけが残り、辺りは静寂に包まれる、警戒を緩める事無く俺は魔王に問い掛ける。

 

「さっきの行動を考えると無いだろうが、一応聞いておく、人を殺すさず平和に生きようって気は無いのか?言っとくがこの世界には俺より強い奴なんてごまんと居るぞ?」

 

「出来なくは無いが...そうするとお前やその強者達は我と戦わないだろう?であるのならば殺しを止める訳には行かぬな」

 

そういうタチ(戦闘狂)かよ、最悪だな...」

 

魔王なんぞと戦いたく無かったのだが、奴の性質からしてこの戦闘は避けられない、ついつい体がぶるってしまう

 

「おや?もしやお前、我に恐怖しているのか?」

 

「そりゃ当然だろ?自分より強い敵が殺意マシマシの状態で目の前に居るんだ、クソ怖いに決まってら」

 

「そうかそうか、確かに、我に恐怖するのは当然の事であったな、なんせ我は魔王なのだがら!」

 

「・・・絶妙にズレてんだよなぁ」

 

「っと、イカンな、少しばかり話過ぎてしまったな、こい、槍使いよ、先制はお前に譲ろう」

 

援護が来るまで会話で時間を稼ぎたかったが仕方がない、魔王サマからも情けを貰ったのだしっかり有効活用しますかね

 

「ふぅ.......ハッ!」

 

一度深呼吸をした後、体勢を低くし、右手に槍を構える、そして足に力を入れ前へ踏み出す

初速からトップスピードで魔王へ向かう、魔王の懐へ潜り込み、全力の突きを顔へ放つ、

 

「ッッッ!まじかよ!」

 

だが魔王はそれを回避、かろうじて俺の一撃は奴の頬に傷を付けるが、ダメージはないような物だろう、そして直ぐに魔王の拳が俺の腹目掛けて向かってくる、間一髪左手を間に滑り込ませるがバギィという鈍い音と共に俺ははるか後方に吹き飛ばされる。

数十m程飛ばされ、辺りは煙が立ち込む、何とか着地には成功し激痛を堪えつつ、俺は立ち上がる、軽く左手を動かす、痛みは感じる物のギリギリ動かせはする

 

 

 

 

 

 

「まだ我との戦いの最中だぞ?よそ見は禁物じゃ」

 

その言葉と共に正面から魔王が俺の頭を狙い横蹴りを打ってくる、咄嗟に後ろ避ける事で回避し、体を捻りつつ魔王の体へ槍を突く、しかしこれにも反応し避けられ擦り傷、対する魔王は俺へアッパーを放つ、体を右に傾かせ回避、そのままお返しに左手で魔王の顔面を殴る、

 

「うおぉぉぉぉら!!」

 

鉄と錯覚するような硬さを感じつつ己の全力を込め地面に叩きつける、ただでさえ痛かった左手に更に激痛が走る、とはいえ今の攻撃で魔王がくたばる訳無いから直ぐに後方へ下がる、おちおち気を緩める事すら出来ない

 

「はっはっは!今の一撃は中々効いたぞ槍使いよ、まさか殴りかかってくるとはな!お前!名前は何と言う、忘れるには勿体無い実力だ」

 

「そいつぁどうも、俺の名前は灰谷海、記憶の片隅にでも置いときな魔王サマよ」

 

「灰谷海、かうむ!覚えたぞ、では海よ、貴様には長き研鑽の栄光の証として特別に我が本気の一端を見せてやる」

 

「いらねぇから見せるな!」

 

俺の発言を当然かのように無視し奴は上空へ飛んでいった、恐らく奴は必殺技の魔法を放つつもりだろう、高位の魔物には時々魔法を扱う物がいるが魔王となると威力は奴らのそれとは別格だろう、

無傷は有り得ないだろう辺り処が悪ければ最悪俺はここで死ぬな、だったら

 

「最後くらい全部出し切ってやるか」

 

奴の背に巨大な魔法陣が見えると共に俺も槍を使い床に小さな円を描く、

この中、この円の中には奴の弾幕を入らせない、特別な意味はない、ただあの世に行ったときの武勇伝にでもしてやろうってだけだ、我ながら無茶苦茶だ

 

 

ーーーーーーけどーーーーーー

 

 

根拠もクソもないが、何だか今ならやれる気がする......ハンターとして、戦士としての、光が掴めそうな、そんな気がする

 

「テメェの技くらい全部防ぎ切ってやらあぁ!」

 

そして、空一帯を覆う赤く眩い光が一斉に俺に向かって来る、一つの光を弾いたと思ったら次は二つ、三つ四つと次々と増えていった途中からは視界が真っ白になり何も見えなかったが、

俺はひたすら槍を振るい続けた、、、

 

 

 

 

 

どれほど時が経ったのだろうか、光は消えて、俺の視界は戻った、周りを見回すと付近の建物は全て壊れ辺り一体が焼け野原となっていた、

俺は疲労から体が崩れた、膝を着き、槍に体を預けて、息をする。

少し休んだのち立ち上がる、まだ、戦いは終わって居ない、魔王は?奴は逃げたのか?願望を言うならば俺が死亡したと思って別の所に行った、或いは他のハンターの援護が間に合ったとかだと良いなぁ、もし奴とまた戦うのであれば俺は必ず、俺のバッジの能力を使うだろう。

 

 

 

 

 

そう、考えていた時、グシャリという音と同時に俺の右胸から腕が飛び出した

 

「••••••••••••まじか」

 

理解する、俺の勝利はたった今、途絶えたのだと

 

「カハッ••••••やってくれたなクソ魔王」

 

俺は血を吐きながら後ろにいるであろう魔王へ言葉を投げかける、

 

「灰谷海、お前は素晴らしい戦士だな、よもや我の特大魔法(赤き流星)を防ぎきってしまうとは、あの勇者ですら多少の傷は付いたのだぞ?それで、、、お前の強さを見込んで提案があるのだが、我が右腕にならないか?お前程の戦士ならばきっと他の魔物達も仲間として認めてくれるだろう、悪い扱いはせぬと約束しよう」

 

「ハッ、勧誘する相手の胸を貫くとか正気か?」

 

「それはすまない、しかし抵抗出来ぬ程弱らせなければお前は我に牙を向けると思ってな、我は治療魔法も扱える、この程度の怪我ならば少し時間があれば完治させれる、それで、お前の返答を聞かせてくれ」

 

「••••••そんなの一択しかねぇよ」

 

「そうか!我が右腕に「死ぬ間際まで戦う」•••は?」

 

俺は槍を魔王の横腹へ突き刺す、小さな悲鳴をあげ俺を貫いていた腕を引き抜く、そして俺の胸部から血がドバドバと流れる

 

「グッ、お前、気でも狂ったか?!そのままだと死んでしまうぞ!」

 

「気狂いで結構、残念ながらお前の誘い受けるよりは死んだ方がマシだマシ、」

 

魔王は俺が刺した箇所を押さえつつ、驚愕しつつ俺を見る、奴の傷が徐々に癒えている、どうやら治癒が得意ってのは本当のようだ

 

「何故だ?何故戦うのだ!お前の負けも!お前の死も確実な物になったのだぞ?生きたくは無いのか?」

 

「ああ、生きたいさ、けど、死にかけたから魔物側に寝返るってダサすぎるわ、そんな生き恥晒すってのは嫌だね、俺は、後輩も出来たから、ダサい背中は見せられないし」

 

一秒でも長く動く為に服を破き、胸に結び付ける

 

「これだけはしたく無かったのだがな、最終手段だ、お前を殺した後我が霊魔法で蘇らせ、支配しよう、自由を与えられると思うなよ、」

 

「そんな事は問題ない、どうせお前は明日の朝日すら崇めないから、最終決戦と行こうぜ魔王、俺の全てをぶつけてやる」

 

「たわけ者が!」

 

そうして二人は互いに向かって全速力で駆け出し、衝突し、両者共に弾かれる、魔王が右手に光を纏いながら拳を振るう、俺はそれを紙一重で躱しつつ瞬時に前へ踏み込み魔王の脇腹を削る、魔王は即座に右手で裏拳をし、俺はそれを槍で防ぐ、魔王は左手から光を出し、俺を攻撃する、それは避け、俺は攻撃を仕掛ける、攻めて、防いで、避けてまた攻める、満身創痍のハズの俺が魔王と戦い続けて五分程時間が経ち、均衡が崩れた。

 

俺に限界が来た、膝をつき、槍に込めていた力も少しずつ、着実に弱くなっていた、

我ながら良く持った方だろう、左手はボロボロ、右胸が貫通それに伴い右肺損傷により呼吸困難に大量出血、この攻防でも体のあちこちが奴の強打にやられ出血してたのだから、、、けど

 

 

 

「次は魔界で会おう、灰谷海よ、」

 

 

 

そんな俺に魔王はトドメを刺そうとするが、まだ、まだ終わってはいない、最後に、俺の能力を、

今までのとは違う、思い付きとか気合いなんかで会得した物じゃない、長い研鑽の果てで技へと昇格させた奥義を放つ

息が絶え絶えになりつつも俺は腹の底から声を捻り出す、

 

 

「くたばれえええええええ!!」

 

 

俺がバッジに与えられた能力、それは自身の攻撃が通常時より強化された状態で相手に確実に命中すると行った物、しかし代償として自身の体力、気力が多く取られる、初めて打った時なんて感じた事がない脱力に見舞われて、そのまま気絶してしまった、それから偶に練習するが連発は不可、一発ポッキリのロマン技、それこそが俺に与えられたバッジの能力、

 

「ぐぁぁ、ぐっ、がはっ」

 

俺が能力を込めて放った槍は魔王の心臓部分を突き抜いていた、一度動きを止めたが、直ぐに魔王は血を吐きながら喋った、本当に生き物なのか疑いたくなる

 

「はは、ははははははは!凄い、凄いぞ!海よ!この我が!魔王たる我が死にかけた!まさか魔界にストックしていた魔力すら使わされるとは、やはりお前は最高の戦士だ、あの勇者ですらここまでは行かなかったと言うのに、うむ!決めたぞ、やはりお前を殺すのは無しだ、勿体無いら直接魔界に連れて行き••••••うん?」

 

 

 

魔王が何やら騒いで居るが、聞こえずらい、もう、ダメそうだな

 

 

 

「カイさあぁぁぁん!!」

「カイぃぃぃぃぃ!!!」

すると凄まじい足音と共に、聞こえた、駿(後輩)(親友)の声、他にも大勢の声が、

 

ったく、ヒーローは遅れてやってくると行っても流石に遅れすぎだろう、俺、こんだけ頑張ったんだから、今度二人には食事にでも奢って貰わないとな、まぁ行けたら行くという形ではあるが、

 

何はともあれ多くの同胞が魔王という恐怖に立ち向かうのだ、ならば先陣を切った者として、未来を託す者として、最後くらい思いっきり皆を鼓舞しようか!

 

「あとは任せたぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

20〇〇年12月31日9:05に

突如発生した魔物の大量発生、その元凶である魔王、ゼイリューレを単独で約40分も相手取り、

ゼイリューレを討伐直前まで追いやった、英雄、灰谷海、彼は同日10:20に息を引き取った

 

 




初小説というのもあり、内容を詰めすぎましたし
当初の想定より主人公が強くなってしまいました、深夜ノリは恐ろしいですね。

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