クワトロ玩具箱   作:かりん2022

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【呪】勧誘

「あ、灰原? 夜遅くに悪いな。ちょっと頼み事があるんだ。七海には内緒で」

 

 夜中に呼び出した灰原に、深く頭を下げる。

 

「灰原に頼みがあるんだ。灰原にしか頼めない」

「夏油さん、なんですか? なんでも言ってください」

「私と一緒に、とある方にお仕えしてほしい。それが……悟のためになるんだ」

「それは、五条先輩に仕えるという話ではないんですか?」

「違う。でも、そうすれば悟に手助けしてくれるそうなんだ。灰原には酷いこと言ってると思う。でも……」

「良いですよ」

「灰原……。賢者夏油傑が、灰原雄を推薦する」

 

 そういうと、夏油の手にチケットが現れた。

 

「これを入力してほしい。契約書だ」

 

 そこへ、七海の声が掛かった。物陰から七海が出てくる。

 

「私も推薦してください」

「七海!」

「なんだかわかりませんが、どうにもならないなら、せめて私も推薦してください」

「君には悟の側にいてあげてほしいんだ」

「勝手すぎますよ。灰原を誘わないか、私も誘うかです」

 

 その言葉はもっともだ。

 私も悟が灰原のような誘いを受けていたらそう言っただろう。

 

「賢者夏油傑が、七海建人を推薦する」

 

 チケットを取り、入力する二人。

 

「なんですか? これ。属性とか……」

「宗教の勧誘だよ。神の使徒様に仕えれば力を得られる。属性ごとの力は……」

 

 私は説明した。

 明らかに訝しげな顔をしていたが、二人は入力を進める。

 

「これって呪霊に効きます?」

「そもそも、階級が上がるまではこっちでは使えないよ。それと、聞くかはわからないね」

「それなら、傷回復ができる光属性か回復属性の2択の気がするんですけど」

「そもそも、使徒様にお仕えするから呪霊退治はもう必要ないよ。私は光にした」

「僕も光にしようかな!」

「光がそんなにいてどうするんですか……。なら、私は闇にします」

「召喚に応じますか? って表示が出ました」

「応じて、それから交代で護衛ね。事情は読太に聞いてよ」

 

 そして灰原が消える。

 

「灰原!?」

「召喚に応じただけさ。事情説明が終わったら七海も呼び出しが掛かると思う。明日、夜また話そう」

 

 そうして、私は部屋に戻って寝た。

 

 翌朝、携帯を見る。

 

 気がつけば、新たなアプリが登録されており、私はそれをクリックした。

 なんとか複雑なサイトの構造を把握し、掲示板を見る。

 

 

 

 

 学校相談スレ

1、アッシュ

 ゲドーさん、話は聞きました。

 俺は早めに学校やめた方が良さそうですね

 今日は体調不良で休んでるていでウニャ様に仕えることにします。

 

2、ケン

 賢者の募集と人手の確保は急務ですよ。

 というか必要な属性ありましたよね?

 賢者募集する為の雷属性

 人形作る為の土属性、生産属性

 飲み水の為の水属性

 言ってください!

 っていうかどうするんですか、今後のこと!

 

3、ゲドー

 ごめんね、アッシュ、ケン。

 私はM子とN子の依頼が来たら折れた感じで自主退学するよ。

 その後は宗教開いて頑張るつもり。

 未来の私がそうしてたらしいし、ミニャンジャ村の先輩賢者達もしてたらしいし。

 光属性なら癒しが使えるから、なんとかなると思うんだ。

 大丈夫、私ならそれまでに出世できる。

 

4、ケン

 どう説明するんですか

 

5、ゲドー

 呪術を捨てて神に使えよってお告げをもらったって言うよ

 力は本物だし

 

6、アッシュ

 村を虐殺なんてしないですよね?

 

7、ゲドー

 それを防ぐ為の帰依だから……。

 それが遠因でSが死んじゃうなら、頑張って防ぐよ

 

8、ケン

 5Jさんを倒せる宿儺をどうするかっていうのもありますけど

 

9、ゲドー

 まあ10年後だし、じっくり準備するしかないかな。

 それに、未来情報もらった代わりに、ウニャ様にしっかりお仕えしなきゃだし

 

10、アッシュ

 そうですね。5Jさんは誘わないんです?

 

11、ゲドー

 睡眠数時間が当たり前で社畜させられてる人を誘うのは無理だろ

 ウニャ様に仕える時間がないよ

 流石に悟に呪術師やめてなんて言えないし

 当主様だよ?

 

12、アッシュ

 ゲドーさんなら言えますよ!

 私と駆け落ちしてくれないかい?って

 

13、ケン

 アッシュ

 

14、ゲドー

 怒るよ

 

15、アッシュ

 俺には言ったじゃないですか!

 行けますって!

 

16、ケン

 はあ、遊んでないで賢者増やす方法考えましょう

 

17、ゲドー

 呪術師しか人脈ないけど、呪術師から取ってくのはまずいからね……

 

18、アッシュ

 呪術師の家系でも見えない人いっぱいいるじゃないですか。

 それこそ人材借りては?

 ゲドーさん1ヶ月なんでもします券で、見えない人一人もらって行きます的な

 現状、一刻も早く数人確保したいですし

 

19、ゲドー

 ええ……。わかったよ、Sへの説得方法考えてみるよ……

 

20、アッシュ

 5Jさんだけ仲間外れは嫌なので、そうしてください

 

21、ウニャ

 お礼はウニャが支払うね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は携帯を閉じる。

 朝食の時間だ。

 

 

「悟」

「傑! おはよ! 珍しいな、お前がちょっと遅れるの」

「おはよ。私もいるぞ」

「悪いね、硝子。悟のことを考えていたものだから。おはよう、二人とも」

「ん? なに、なに」

「なんと言ったらいいものか……。お偉いさんのお子さんが部下を募っていてね。呪霊は見えなくていいけど、不思議な事に耐性があって、何より人格面でしっかりしてて、不定期で長く時間が……そうだね。ひとまず数ヶ月、できればその後も仕えて欲しいって子がいるんだよ。守秘義務ありで。君の人脈でどうにかならないかな。報酬に関しては、最初は私が出すと言いたい所だけど、それをするとその子の顔を潰してしまうらしくてね……。私が費用を貸して、その子と共同で起業して、そこから報酬を得てもらう形になるのだけれど……」

「何それ? なんで傑がそこまですんの?」

「私もその部下の一人なんだよ。情報を先に貰ってしまって、その情報料分ははたらかないとなんだ。それに、時間は掛かるけど利益の出る目処はあるんだ。何度も言うようだけど、今は人格がしっかりした子の手伝いが欲しい。中卒でいいから」

「騙されてない?」

「それは大丈夫。なんなら、私、学校やめなきゃだから、1ヶ月なんでも言う事聞く券売るよ」

「それ、絶対俺以外に売るなよ。俺が言い値で買ってやるから。とりあえず卒業までな。俺と一緒に卒業して」

「じゃあ」

「性格のいい中卒でいいのな。今日の夕方、ここ集合でいい? とりあえず3人」

「助かるよ、悟!」

「その代わり、ちゃんと俺にも全部話すこと」

「私にも!」

 

 持つべきものは友達である。

 

 

 夕方。悟と硝子は紹介料を要求。

 あと、真っ先に悟を頼らず灰原に走ったことを責められたのだった。

 浮気ってなんだ浮気って……。

 

 

 悟は闇属性、硝子は回復属性を選ぶのだった。

 




マシュマロ
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