クワトロ玩具箱   作:かりん2022

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連続更新二話目です


【怪】起……そして結!

 

 約束されたその日。運命通りに怪獣8号が生まれた。

 

「いやあああああああ!!! 無理無理無理無理!!!」

「キャハハハハハ♡ ざーこざーこ♡」

「いいから食べて! 私の隣に来たいなら食べて!!」

「無理だって!!!」

「頑張れ♡ 頑張れ♡」

「約束守れー!!!」

 

 運命通りに怪獣8号が生まれた!!!!!

 

「センパーイ!! 防衛隊がこんな事していいと思ってんですか!」

 

 怪獣と化した先輩に腰を抜かしつつも市川レノが抗議する。

 何せ、一生懸命働いていただけなのに、突如として攫われて変な虫のような怪獣を食べさせられ、怪獣にされたのだ。

 防衛隊の制服を着た女性と、一目で効果とわかるワンピースを着た女の子。

 綺麗と可愛いの極致だからって人体実験をしていいわけじゃねーぞ!

 

「落ち着け、市川レノ。これは教団のお告げなのだ」

「お告げ? 教団って、最強女神教団ですか? あの、本物の奇跡を授けるって」

「そうだ。カフカくんは、その蟲……怪獣8号の適性を持っている。そして、これから強大な怪獣が現れるのだけれど、それを怪獣8号のカフカくんしか倒せないんだ」

「そう! 市川レノ! 氷の銃弾の適正があって戦いで大活躍する予定の、私の同期! 私は四ノ宮キコル! 天才になる運命を背負って生まれたハイパー可愛いヒロインちゃん! この年の防衛隊はね、すっごく豊作、まさしく運命の年なの!」

「予定は、予定でしょ? その、高く買ってもらってるのは嬉しいですけど……あと先輩、制御できてるように見えませんけど」

 

 市川が指差す先に変形を繰り返す先輩。

 

「それは慣れてもらうとして。テストはカフカくん以外は公平に行うから、落ちないでね」

 

 楽しそうに笑うキコル。

 

「先輩は合格確定なんですね」

「その代わり、使い物にならなかったら解剖して鳴海の装備だけどね」

「ひどくないですか?」

「いいんだ! カフカくんは、私と言うものがありながら、キコルと仲良くするなんて……」

「私が可愛すぎるから〜♡ ごめんね、亜白ちゃん♡」

「先輩、二股してたんですか?」

「してない! してない! キコルに至っては初対面!!! ミナはここ10年会ってねぇ!」

「2人とも他人って事ですか?」

「「は?」」

「ひっ」

 

 あまりにも先輩が哀れだと思った市川だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って事で、防衛隊特別合格の日比野カフカです! 足引っ張らないように頑張るんで、よろしくお願いします! 今日は試験の見学と体験をさせてもらいにきました!」

 

 頭を下げるカフカ。そう、今日は防衛隊の試験日である。

 自分だけ試験なしで合格なので大変に申し訳ない。

 試験を受けるメンバーもちょっと困惑している。

 

「属性は?」

「回復です! 医学の勉強も今日から始める事になってます!」

「ほう……女神様のお墨付きではあるんだな。回復なら合格したら世話になると思うが、よろしく頼む」

 

 そう、防衛隊に入ると、最強女神教団の勧誘を受けるが、全員が加護を受けられるわけではないのだ。

 一時期よりはだいぶ緩和されているとはいえ、邪悪なものは相変わらず弾かれる。

 ちなみに回復属性なのは、力は十分にあるのと怪獣のとはいえ、解剖知識はあるので、知識を活かしつつ、レスキュー方面を伸ばす方針だ。何より、回復属性は何人いてもいい。

 

「まあ、怪獣食わされたり、俺達とは別方向に大変だったって聞いてる。一緒に頑張ろうぜ」

 

 そうして、カフカは暖かく迎え入れられたのだった。

 そもそも、防衛隊の仕事は多い。

 パトロール。怪獣退治。サラ様の身の回りのお世話。魔法の勉強。これらをローテーションで行っていく上、回復属性は病院でボランティアもする。

 女神の加護があれば実力も底上げできるので、合格人数は増える傾向にある。

 合格基準にさえ達すれば入れると言っていい。

 後は自分との戦いである。

 

「あーもー疲れちゃったー⭐︎ お兄ちゃん背負ってよー」

「ダメに決まってるだろ……。ほら、飴」

「ありがと♡ キノお兄ちゃん、キコルのこと大好きなんだからー♡」

「全くもう……お姉ちゃんたら」

 

「おっ ヒロイン名乗ってた女の子もきてる」

「四ノ宮家ですね。3人揃って天才児で有名です。防衛大を主席で卒業して防衛隊に入った長男キノ、留学してカリフォルニア討伐大学を飛び級卒業してるキコル、カリフォルニア討伐大学を飛び級した後こちらの防衛大に編入したキララ。四ノ宮家は安泰だと言われています」

「すげーんだな……。でも俺のヒロインにはちょっと若すぎるかな……」

「亜白隊長に刺されますよ?」

「ミナも事前に教えてくれれば良かったんだけどな……。流石にいきなりあれはないだろ……」

 

 汗だくになりながら、周囲を観察する。

 すごい人ばかりで、自分がこの中でやっていけるのか、かなり不安だった。

 強制合格でなければ、落ちていた自信がある。

 

 だが、今日はカフカにも、と言うより怪獣8号にも仕事がある。

 9号を成長しないうちに仕留めたいという事で、今日から毎年試験に参加させていただく事となったのだ。

 

 9号が本当に来るかはわからないが、きてしまったら自分の出番だ。

 カフカは息を整えた。

 

 なお、本来の歴史と違い、変身と元に戻る訓練はしたが、実戦は行っていない。

 今回がぶっつけ本番である。

 

 9号は来ないで。

 

 

 緊張しつつも、試験を頑張る。

 開放戦力0%なので、カフカは変身しない限り装備の重さでろくに動けない。市川レノにサポートをお願いする。

 

 予言では、キコルが大怪我をしてしまうとの事なので、緊張する。

 もちろん、対策は打っているとのことだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、試験が終わった瞬間。

 キコルを怪獣の放った指弾が襲う。

 

 だが、その瞬間、黒い盾が展開してキコルを守った。

 とはいえ、黒い盾を突破する指弾。それをキコルの前に立ちはだかる影が受ける。

 

「お兄ちゃん♡」

「わかっていて妹に手出しさせるはずがないだろう」

 

 キコルの影に潜んでいたキノが出てきたのだ。

 

『はいはーい⭐︎ 来てくれてありがとな。歓迎の準備できとるよー⭐︎』

 

 そこかしこに潜んでいた防衛隊のメンバーが手を挙げるとその手に闇が踊って武器を形作る。

 

「罠かな? 食い破るけど」

 

『受験者のみんなは下がって! カフカは現場に急行! 特別合格の理由を教えたれ!』

「うおおおおおおお!!」

 

 怪獣に変身してカフカは走る。

 頑張って怪獣を倒しまくるカフカ。

 

 9号は逃すも、その影に潜って追跡を続ける防衛隊。

 

 

 そして、追跡した怪獣に斧を振り下ろすのは……四ノ宮ヒカリ!

 

「私、未亡人になる気はないの。セイントファイア!!!!」

 

 集まる火属性。連打されるセイントファイア。

 怪獣は単なる生物ではなく、呪いが形を持った存在ではないかという研究から採られたこの戦法は一定の成果を出している。

 

 そして……悪は滅びた。

 

 

 

「これ、俺、怪獣になる必要あった?」

 

 カフカの切ない問いは黙殺された。

 

 

 




マシュマロ
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