クワトロ玩具箱   作:かりん2022

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【個】体育祭! 自分 対 ハンデ付きの未来の自分!

「オールマイトの後継者に、俺の兄さんが選ばれたって事は、俺にも可能性があるってことだ。そうだろ?」

 

 轟は冷気を纏わせる。だが、燈矢くんが使ってたのは炎だし、この世界ではヴィランなのである。

 

「オールマイトを目指してるのは僕だって同じだ。僕は負けない! 大体、並行世界だって違い結構あるだろ!」

「2人まとめてぶっ飛ばしてやるわオラァ!」

「(楽しそうだなぁ……)」

 

 激しくぶつかり合う若き才能と体育座りでそれを見守る心操くん。強く生きて。

 なお、見学席ではダークマイト、ホークス、心操、緑谷、爆豪が見学している。

 

「一年生と一緒にされちゃいるが、俺達は実質2年だから、見学なんだよな」

「あんまり目立ちたくもないしね。裏方頑張ろう。かっちゃん」

「うーん、緑谷くん、聞いてた話ほどは頑張れてないね。他の皆も」

 

 ホークスはお気づきになられたようだった。

 

「訓練は頑張ってるけど、実戦が足りてないからいざという時踏み込めないんだと思う。ダークマイトにステインってヴィランを残してもらってるから、そこで頑張ってもらうつもりだよ」

 

 ヒーラー、自分に対してスパルタである。とはいえ、本来の歴史、そして自分達はそれぐらいの事を乗り越えてきているのだ。

 

「それなんだけどよ。こっちの俺に譲ってくんない? ステイン」

「駄目だよ、かっちゃん。礼儀作法やルールについて学ぶことだって大事なんだから。強さが担保されてる分、そっちもちゃんと勉強しないと」

「ちっ」

「ステインは俺も興味はあるがな。確か実戦がないのは問題だ」

「ステインね。ダークマイトを狙ってるって話だけど」

「えっ」

 

 ホークスの言葉に、緑谷達は固まる。

 

「ご指名とあらばしょうがないか」

「待って待って待って。ダークマイトは強いんだから、こっちの僕に譲ってあげて。本当に殺気を感じる機会がなくて困ってるんだってば、僕」

「夏休みの訓練も無しになったからなぁ」

「オールマイトの友人を危険には晒せないからね。実戦を積む経験が根こそぎへっちゃってこのままだとまずいんだよね」

「ふむ、ならば私がどうにかしよう」

 

 ダークマイトの片方が請け負った。

 

「なんとかなんのかよ、ダークマイト?」

「要は一年生のクラスを襲撃すればいいのだろう」

「待って」

「配下に命じよう」

「それは駄目だろ」

「ではどうするのだ」

「うーん」

「AFOが近々襲撃してくるから、実戦がどうしても必要なんだよね? 出ないと全滅しかねないと。どうしてもっていうなら、公安の方から根回しして職場見学増やすけど」

「「お願いします!」」

「それ、俺が聞いていいのか……?」

「心操くんはもう公安って感じだし」

「ああ、生まれながらの公安って感じだぜ!」

「ヴィラン組織に潜入しても違和感ないし、君には期待してるよー」

 

 心操は強く生きてほしい。

 

「まあ、実戦の方が訓練より役立つのは確かだが、それができないうちは訓練を100倍厳しくするしかねーだろ」

「殺気にびっくりしても体が勝手に動くようにね」

 

「おい。お前ら」

「はい!」

「戦えるか」

「ああ? 当然だろ」

「一応、個性抜きでも護身術程度は」

「なら、お前らもエキシビジョンマッチとして出てもらう。ずっと見学も暇だろ」

「いいけど」

「一年前の自分と思う存分殴り合ってこい」

「ああ? ハンデつきで勝てってか? 上等だやってやんよ!」

「僕も頑張るよ。ハンデ付きとはいえ、過去の自分に負けてられないからね」

 

 2人は立ち上がる。

 

「よし、私達も」

「ダークマイトさん達は座っててください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆豪とアクアは向かい合った。

 

「水よ」

 

 短く爆豪が言うと、水の短剣が爆豪の両手に現れる。

 

「手加減しねーぞ!」

「ああ? 過去の自分に手加減しろなんて言わねーよ。お前こそ死ぬなよ」

「上等だ!」

 

 時に短剣、時に斧、時に鞭。爆豪は変幻自在の水の武器で戦っていく。

 宗四郎の影響で、爆豪は武器もかなり上手く使う。

 例え爆発の個性が使えずとも、爆豪の戦闘のレベルは高かった。

 人形状態で個性は使えず、どのみち水の魔法だけで応戦することになる。

 故に、水だけで戦うことに爆豪は慣れていた。

 そして、自分の能力だけあって爆破についての知識は十分。

 それに、身体能力もワフ様の加護で強く育っている。

 

「くっそ、ちょこまかと!」

「爆豪。闘志を持つのはいい事だ。だが荒れた心じゃ戦いも雑になる。明鏡止水の心を持て」

「ああっ!? 俺に勝ってから偉そうな事を言え!」

「ああ、言ってやるよ。お前自身の想像を超えてこい。でないと俺には勝てないぞ」

 

 ブチ切れた爆豪と静かなアクアがぶつかり合う。

 水が水蒸気爆発を起こす。

 

「あはは……」

「かっちゃん……。かっちゃんは爆発の個性を封じててもあんなに強いのか……。かっちゃんは爆破の個性だからじゃなくて、かっちゃんだから凄いんだ」

「そうだね。強い個性はあると便利だけど、個性がなくても強い人は強いよ。僕も、君に負けるつもりはないよ」

「でも、君の個性は回復で……」

「でも僕は君に勝つよ」

 

 刺して見据えるヒーラーに、緑谷は唾を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒーラーとアクアは大接戦の末、敗北したが、緑谷と爆豪にテコ入れする目的は十分に果たせたのだった。特に爆豪はプラスウルトラできたので偉い。同一人物で双方主人公格だけあり、あっさりと負けはしないと言うことだ。あと、どさくさに紛れてアクアの戦い方から学んだ轟の戦闘力も急上昇した。水が出来ることなら氷だって出来るはず。

 

 

 あっ オールマイトは当然、とっくに全回復している。当然。

 ただ、緑谷にバトンタッチも既にしているので、残り火状態はどうにもできない。

 世代交代は必要ということだ。

 




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