ガンダムU.C. Altered Line   作:シャノワール

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書けましたので投稿します。
もうタイトルのネタがない…どうしよう。


ルナツー潜入作戦

宇宙空間に漂うパプアの残骸は、まだ微かに火花を散らしていた。

破片がゆっくりと回転しながら散っていく中、三機のザクが慎重に接近する。

 

マリアのザクが、焦げたコンテナを両腕で抱え込むように固定した。

その横では、マチュウとフィックスのザクが別のコンテナを牽引している。

 

≪中尉、固定完了。

 これで三つ目です≫

 

マチュウの声が通信に入る。

 

「了解。フィックス、そっちは?」

 

≪問題なし。推進剤タンクも無事です。

 急いでファルメルへ戻す≫

三機のザクは、残骸の間を縫うように慎重に移動する。

パプアの爆発で散乱した破片が、時折ザクの装甲に当たって鈍い音を立てた。

 

(……ガデム大尉……)

 

マリアは胸の奥が痛むのを感じながら、視線を前へ向けた。

今は感傷に浸っている場合ではない。

少しでも多くの物資を回収しなければ、次の戦闘にすら耐えられない。

 

◇ ◇ ◇

 

その頃、シャアはすでにファルメルへ戻り、

ドレンと共にブリッジで状況確認を行っていた。

 

「少佐、マリア中尉たちが回収した物資、これで全てのようです」

「そうか。パプアを失った以上、これだけでも確保できたのは幸いだ」

 

シャアは腕を組み、モニターに映るザク三機の動きを見つめる。

 

「敵影は?」

 

「今のところ確認されません。

 木馬は戦闘後、急速に離脱した模様です」

 

シャアはわずかに目を細める。

 

(……木馬。あの白いMSを載せた船……

 動きといい、全てが素人だ)

 

その時、マリアのザクが帰還を開始した。

 

≪こちらマリア。

 回収作業、完了しました。

 これより帰投します≫

 

「よくやった、中尉。急いで戻れ」

 

ファルメルは静かに姿勢を変える。

 

(……追う。

 あの船を、逃がすわけにはいかん)

 

「全艦、追跡態勢に移れ」

 

シャアの指示と同時に、オペレーターたちが一斉に動き出す。

ファルメルのエンジンが低く唸りを上がり、艦全体がわずかに震える。

推進剤の噴射音が船体を伝って響いた。

 

「進路、木馬の離脱方向へ修正。速度、三割増し!」

 

「センサー最大感度。粒子痕を追います!」

 

ドレンがシャアの横で報告を続ける。

 

「少佐、この速度ならまだ追いつけます」

 

「……急いで逃げたな。白いMSを抱えている以上、無理もない」

 

≪ザク三機、帰投完了。補給物資の移送作業に入ります≫

 

「了解した。中尉、ブリッジへ。木馬の進路について意見を聞きたい」

 

◇ ◇ ◇

 

ブリッジに戻ったマリアは、ドレンから報告を受けた。

 

「ルナツー……連邦の軍事要塞ですか」

 

マリアは口元に手を添え、眉を寄せる。

 

(……このままいけば拘束され、ガンダムも封印される)

 

彼女が考え込んでいる様子に気づき、シャアが声をかけた。

 

「中尉、君はどう思う?」

 

少し驚きながらも、マリアは答える。

 

「……このままルナツーへ寄港するでしょう。

 補給と修理を受け、護衛を伴って次の目的地へ向かうはずです」

 

シャアは頷き、さらに問い返す。

 

「“次の目的地へ向かう”とは?」

 

マリアは一拍置いてから口を開く。

 

「連邦がMSを量産するなら、前線ではなく別の施設へ移すはずです」

 

「……なるほど、中尉の言う通りだ。

 ならば、木馬の内部を探る必要がある」

 

言葉を受け、ドレンがすぐに口を開いた。

 

「潜入、ですか?」

 

シャアはドレンの方へ顔を向け、静かに答える。

 

「ああ。既に入港している可能性がある」

 

その時、オペレーターが声を上げた。

 

「まもなくルナツー索敵内に接近します」

 

シャアは視線を前方へ戻し、短く問う。

 

「レーダーには捕捉されていまいな?」

 

「問題ありません」

 

シャアは小さく頷き、モニターを見据えた。

 

「……よもや敵を目の前にしても捕捉されんとはな。

 科学戦も詰まれば大昔の有視界戦闘に逆戻りというわけだ」

 

その横顔を見て、ドレンが口を開く。

 

「では、このままルナツーとやりますか?」

 

シャアはわずかに笑みを浮かべドレンへ視線を向けた。

 

「ドレン……貴様も言うようになったな」

 

「恐縮です」

 

「その通りだ。

 あれだけの装備を整えたルナツーのことだ。

 並の戦力で攻め込むとは思うまい。

 ましてや、ムサイごときが仕掛けてくるなど想定していない」

 

ドレンは声を少し落とし、慎重に問い返す。

 

「だからこそ……おやりになる、と?」

 

「―――手はあるよ、ドレン」

 

そのやりとりを静かに見つめながら、マリアはふと記憶の底を探るように目を伏せた。

 

(……この後、彼はこう発言する。

 ―――ノーマルスーツで敵の懐に潜入すると)

 

まるで記憶をなぞるように、シャアは少しだけ考え込んだ後、ブリッジ全体を見渡し、はっきりと言葉を発した。

 

「ノーマルスーツで敵の懐に潜入する」

 

その瞬間、ブリッジの空気が凍りついた。

オペレーターたちは息を呑み、ドレンでさえ声を失う。

ただ一人、マリアだけは変わらない表情でシャアを見つめていた。

 

驚愕と困惑が混じる中、マリアは微動だにしない。

ただ静かに、シャアの横顔を見つめていた。

彼女は心の中で小さく息を吐く。

 

(前世でも今世でも、この人は変わらない)

 

シャアは周囲の反応を気にも留めず、淡々と続けた。

 

「第一に木馬の内部情報。

 第二に連邦のMSの奪取、あるいは破壊。

 第三に木馬の鹵獲、奪えぬなら撃破する」

 

ドレンが口を開いた。

 

「……つまり、内部を探りつつ、可能なら鹵獲を?」

 

「その通りだ」

 

説明が終わっても、ブリッジには緊張が残っていた。

その空気を断ち切るように、シャアが告げる。

 

「潜入中の指揮権は中尉に委譲する」

 

ざわつくブリッジ。

マリアはわずかに瞬きをしたが、すぐに表情を戻した。

ドレンが驚きを隠せずに声を漏らす。

 

「マリア中尉に……ですか?」

 

シャアは頷く。

 

「この隊で私の次に階級が高いのは中尉だ。

 加えて、木馬の動向を最も正確に分析している」

 

それは個人的な信頼ではなく、軍人としての合理的判断だった。

 

「……承知しました」

 

シャアは踵を返す。

 

「後は任せた」

 

その背中を、マリアは静かに見送った。

 

◇ ◇ ◇

 

シャアがブリッジを後にし、潜入準備へ向かった。

背中が見えなくなった瞬間、空気がわずかに緩む。

 

マリアはモニターを見つめ、思考を巡らせた。

 

(……ガンダム。ザクでは正面からは絶対に勝てない)

 

前世で知っている“未来”が鮮明に蘇る。

 

(対策を立てなければ、ザクが無駄に失われる)

 

ビームライフルの威力、装甲、機動力……

どれを取っても、今の状況では太刀打ちできない。

 

(……どう対策して被害を最小限に抑えるか)

 

その一点に絞って考えるべきだ。

マリアは思考をまとめ、ドレンへ視線を向けた。

 

「ドレン少尉。いくつか確認したいことがあります」

 

ドレンは姿勢を正し、マリアの方へ向く。

 

「なんでしょう?」

 

「ザクの稼働状況は?」

 

「二機。残り二機は調整中ですが戦闘可能です」

 

「武装は?」

 

「マシンガン、弾倉二本。バズーカは一機のみ、弾三発。

 ヒートホーク全機装備。クラッカーもあります」

 

(……クラッカー?

 そうか、初期のザクから配備されているんだ)

 

マリアは一瞬だけ驚き、すぐに思考を巡らせる。

 

(クラッカーはガンダムの装甲を抜けないが爆発と破片で“行動を奪う”ことはできる

 動きが一瞬でも止めれるなら。

 その隙に散開すれば……ザクが生き残る確率は上がる)

 

クラッカーの存在が、

“生存”のための戦術に繋がる可能性を示していた。

 

「分かりました。必ずクラッカーを装備させてください。

 それから、いつでも出撃できるように準備を」

 

ドレンが眉を上げる。

 

「……出撃準備、ですか?」

 

マリアは表情を変えず、淡々と答える。

 

「はい。少佐が戻られた時、すぐに動けるように。

 状況は、いつ急変してもおかしくありません」

 

ドレンは一瞬だけ戸惑いを見せたが、すぐに敬礼した。

 

「了解しました、中尉」




読んでいただきありがとうございます。
色々と調べてみるとクラッカーは、旧ザク(ザク1)から配備された武器の一つなんですよね。
ただ、ファーストガンダムでは地球に降りてから使われていてますね。
意外とポケットの中の戦争でガンダム撃破に貢献しているですよね。
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