プロットとか設定とか書いても、スマホだと見直すのが面倒なので、なしの方向で。
もしかしたら途中で諦めてパソコンで書き始めるかも。
口を開けて舌も出したまま気絶していたらしく、面白いレベルの土の味と食感が口の中に広がる。
気絶の余韻というか、知識を叩き込まれた反動で涙が出るくらい痛む頭を抑えながら、とりあえず太陽の方向へ歩くことにした。
この先に人里があるかどうかすら知らないが、動かないという選択肢はない。
途中心細くなり、胸元に下がっている“元凶”を掴んでみるが、うんともすんとも。
気力も無くなり体力も限界、かどうかは知らないが、こいつ、丸くて黒い宝石が嵌まったこのネックレスは俺に知識を叩き込むだけ叩き込んでガラクタになった。元々はゆっくりと持ち主に知識を与えるものだったらしいが、耐用年数を大幅にぶっちぎっていたとかで、後先考えずに流し込んできやがった。
右と左どころか『ここはどこわたしはだれ』になっていた俺としてはありがたいが、差し当たって使いたい知識が穴だらけだ。
まずもって、知識が古い。
あれ曰く、少なくとも千年前の知識しか持っていないから地理系は腐ってるはずだ。
目玉には魔法の知識というものがあったものの、そこは大いに劣化していて、『究極的には気合いでどうにかなる』というくらいしか把握できなかった。
魔法がいろいろ使えたら、今の状況も一発解決だったかもしれないが……
とにかく、歩いて進むしかない。
当てもなく歩いてはいるが、それでも生き延びられるらしいスペックは保証されている。腹は減るだろうが、食わなくともずっと生きていけるだろう。
この体も首元のコイツと同じく、千年単位前に作られて放置されていたようなものなのだ。
魔術王シャルシャック・ユーリッジ。時の魔王を勇者とともに倒した英雄の一人。
多種族の混血になればなるほど強くなるというこの世界で、思いつけるだけの種族の血を持つ、最強の雑種。
そんな彼が作ったのが、この体だ。
混血は強い力を発揮するが、反面、繁殖率が低くなるらしい。シャルシャックもそうで、生前は何度も試した(そういうのを試せるとはいい身分だ)が、全く芳しくなかったようだ。
やがて彼は生命の研究を生業とするようになり、その中で転生術に手を出した。
魂なんていう、当時でも概念でしかなかった時点でそれを行おうとした時点で凄いが、げに恐ろしきは、転生先の体を作り上げてしまった、という点だ。
だが、やはり魂の神秘を紐解くことはできなかったようで、結局、彼は作ったこの体を自らの子供のように大切にして過ごすという晩年を送ったそうな。
この体は彼の遺伝子を継いでいる上、彼の悪乗りエンチャントがつきまくっている。
いわゆるチートモードのようなもので、何の理由もわからずにこの体に憑依してしまった俺が何とか取り乱さずに済んでいるのは、これの安心感によるものだ。
フユコ、トチノキ……じゃねえや、知識一気に叩き込まれて頭が狂ったか。ええと、気を取り直して。
千春、正樹。
俺の愛すべき家族だ。
千春は線が細いが心が太く大きく、近くにいるだけで心が温かくなるような妻だ。
正樹は十歳で、千春に似て明るく、ちょいと成績は悪いが心優しい子に育ってくれている。
二人を置いて異世界に来てしまった俺。何としても帰らなければならない。
……正直、気が気でない。
実は千春は脊椎を損傷していて、寝たきりの生活を送っている。
幸い手は動くが、胴体の踏ん張りも効かないから自力で車椅子に乗ることもできない。俺を含む家族に触れられることを極端に嫌う性分もあり、俺が普段から彼女のサポートに回っていた。
それが、特にまずい。俺たちには親戚はこそいるが、手伝ってくれるような血縁がいない。彼女をまともにサポートできる人間がいないのだ。
正樹は体力があるが、十歳だ。学業も友達付き合いも大切な年頃に頼るわけにはいかない。
……何としても、帰る。
「先ずは、市井に降らねばな」
この世界の共用語をもらえたものの、妙な刷り込みにより変な形で固定されてしまった口調でぼやきつつ、ひたすら歩を進める。
あたりはひたすら、森、森、森。何とも自由すぎるスタート地点だった。
パソコンと比べて五倍くらい時間か刈る勘(変換ミス修正も面倒くさい)