冬木市の海沿いにある海浜公園の西側には、公園に隣接する形で無味乾燥としたプレハブ倉庫街が延々と連なり広がっている。
此処は外海を通して市にモノを運び込む、或いは運び出す港湾施設の役割を担った区画である。そのため一般人が立ち入ることは殆どないと言っても過言ではなく、また夜間ともなれば人の気配は無くなると言っていい。
故に──人目を盗んで活動するには絶好の無人地帯である。
「「ッ!!」」
人気の消えた無人域。そこに絶え間ない金属の衝突する音が響き渡る。
時に連続で、或いは一定の間隔で。
激しい音の調べは、音を繰り返すたびに激しさを増していく。波濤の如く、嵐の如く、周囲へ余波という名の破壊をまき散らしながら、災害のように広がっていった。
果たして誰が信じようか、これが時代遅れも甚だしい、剣や槍での決闘による成果であると。この戦車でも持ち出したかのようにアスファルトの地表に刻まれていく後の数々が単なる剣技、槍技で成されたなどと……信じられるはずがない。
だが、だからこそ彼らは奇跡の存在なのだ。
サーヴァント──英霊。
その凄まじさはこの場に居合わせる第三者からも信じがたい。
アイリスフィール・フォン・アインツベルンは息を飲んで彼らの偉業を観測する。
片や──
アインツベルンが召喚したサーヴァント。
絹のように美しい金色の髪を纏め上げ、蒼の
一見して華奢な少女にしか見えない彼女が繰り出される信じ難い出力は英霊としてのスキル『魔力放出』による効果である。
瞬間的に高出力の魔力を吐き出すことにより、繰り出す剣撃は地を割り、空を裂く。最優の英霊として高水準に纏まった
見た目に侮って掛かれば秒と待たずに瞬殺することは免れまい。
故に、そんな彼女と拮抗する英霊もまた只者ではなかった。
──
この場に居合わせたアインツベルンの敵対者。
片手に長槍、もう片手に短槍と恐らく既存の体系化された武芸の内には無いだろう二槍流という異形の槍技を扱う長身の男は暴風にも似た剣戟を微風の様に弾き、受け流し、撃ち落としていく。
見目麗しい爽やかな風貌には、強者との戦に歓喜する獰猛な笑みが浮かんでいるが、生来の容姿端麗さもあってか、まるで狩りを愉しむ猟犬のような、野性的な美しさが存在していた。
拮抗が表す様に両者の様は互角だ。
セイバーは異形にして卓越した槍捌きを前に剣の射程に相手を捉えることが出来ず、逆にランサーは攻撃の激しさを前に、反撃の好機を見れずにいた。
加えてもう一つ、ランサーには敵のセイバーに組し難い理由があった。
それは敵の武器──セイバーの剣にある。
魔術的な効果か、或いはセイバーの持つ未知の宝具の副次的な効果か。彼女の剣は視覚に捉えられない透明な形をしたもの。刀身は勿論のこと、その全長や形状までもが見えなくなっている。まるで風が収束したかのような薄い靄が辛うじてそこに
これでは正しい間合いが見計らえない。
下手に踏み込み、刀剣の間合いを読み違えてしまえばそれだけで近接戦においては致命的な隙である。
見慣れぬ技を前に踏み込む隙を見出せずにいる前者と、反撃しようにも敵の武具の全容が見えぬ故に踏み込むに困る後者。
結果、終わりの見えない拮抗状態が生まれたのだ。
剣と槍を重ねること三十合。
ジリジリとした先に焦れたのは戦を盤外から見守っていたマスターの側だった。
『戯言はそこまでだ。ランサー』
「ッ!」
「この声……ランサーの、マスターっ!?」
突如として響き渡った冷淡な声にセイバーは眼前の敵に警戒しながら素早く視線を左右に振り、セイバーのマスター──に
無論、敢えて目立つ行動を取るという戦術の下、姿を晒すアイリスフィールとは異なり敵マスターは聖杯戦争の原則通り、姿を隠したまま正体を伺わせない。
発声源すら不明なのは恐らく、声に幻覚による偽装を施しているからだろう。
この場に居合わせながらも正体不明を通すランサーのマスターは警戒を深めるセイバー主従を傍目に己が従属に勅令を下す。
『これ以上、勝負を長引かせるな。そこのセイバーは難敵だ。速やかに始末しろ。──宝具の開帳を許す』
「……了解した。我が主よ」
これまで苦戦しつつも何処か愉しむような戦ぶりを演じていたランサーの声音と表情が変わる。……その理由は考察するまでもない。
騎士として、戦場を生き抜いてきた戦士として──戦場に一度でも立ったことがあるならば誰もが予感する。
あの顔は──決め手に打って出る者がする覚悟の顔だ。
「──そういうわけだ。ここから先は、殺りに行かせてもらうぞ」
低く呟くとランサーは短槍を足元に放り投げ、長槍を両手に構える。
途端、長槍から不吉な魔力の流動が発生する。
ゆらりと立ち上る蜃気楼にも似た不吉な気配。
それを見てセイバーは覚悟する様に剣を握り直した──。
× × ×
「鮮烈だな。アレが、サーヴァント同士の戦いというモノか」
今まさに戦場と化した倉庫街より離れた工業地帯。
港湾区画に隣接する工業直結の港に係留する大型貨物船の上に人影があった。
キャスターのマスターであるカルキ・H・ピースマン。
隠蔽魔術ではなく物理的に距離を取ることで彼は戦場に立つ今宵の主演者たちに気取られることなく戦場の空気を観察している。
直線距離にして約十キロメートル。加えて直線状の繋がりには高さ大きさが不均等な幾重もの倉庫群、業務用のプレハブ小屋やデリッククレーンなどが連なっており、肉眼で視認するのは非常に困難だ。
だが彼は戦場で起こる光景の全てをつぶさに観察していた。
カルキの足元──そこには船床をスクリーンのようにして、映画の如くに投射される三つの画面が存在していた。
一つはセイバーとランサーの様子を
映像の元はカルキの肩に止まる猛禽類に似た形態の鳥。但し、生物的な気配は全く存在せず、寧ろ鉱物的──
その彫刻の鳥の両眼が光り、映像を船床に投影しているのだ。
これはキャスターが創った特製の使い魔である。夜の闇に溶けるようにして戦場を潜み飛ぶ別個体の使い魔が得た視覚情報を、肩の鳥がマスターであるカルキに送っているのだ。
そのお陰でカルキは戦場から物理的に観測不可能な距離を取りながらも、戦場の様子をつぶさに観察することが出来ている。
「一撃が早く、重く、鋭い。アレでは正面から受けるだけで武器ごと切り裂かれ、貫通され、殺害せしめるだろう。真正面からまともにやり合えば一合とて受け切れまい」
『おや、怖気づいてしまいましたか、マスター。やはり今宵はあくまで様子見に終始しますか』
「ふん、その様子だと冗談が言える程度には打ち解けられたようだな。だが、前言の撤回はない。戦場には俺が立つ。引き続き、貴方は援護に徹すると良い」
『承知いたしました』
念話越しに冗談めかした言葉で語りかけてくるキャスターの声を一蹴するカルキ。皮肉か慇懃無礼を思わせる言葉に聞こえるが、別に他に真意があるわけではなく、単に主を慮ってのものだ。
魔術師としては些か気安すぎるキャスターの気風が、言葉や本音とは裏腹に自然と不信を呼ぶせいで絶妙に胡散臭く聞こえているに過ぎない。
……内心、カルキはキャスターに対して生前は人間関係に問題を多く抱えてそうだなと邪推した。
『マスター?』
「いや、なんでもない。……それよりもキャスター。アレをどう見る」
横道に逸れた思考を払拭するようにカルキは軽く首を振ると、その視線を戦場ではなくそれを監視する者たち──隠れ潜む影の一つを指し示す。
髑髏の仮面をつけた黒い影……アサシンのサーヴァント。
遠坂邸で朽ち果てた筈の存在が戦場を観察していた。
『ふむ、使い魔越しですがどうやら偽物ではないようです。アレなるは確かにサーヴァントアサシンで間違いありません』
「そうか、つまり先日教会に避難した言峰綺礼は未だにマスターということか。……よし、この街の教会もいらんな」
断言するキャスターの言葉に対して、カルキは疑うでも理由を考えるでもなく、遠坂邸襲撃の後日に、監視役である聖堂教会に逃げ込んだ言峰綺礼のマスター権の行方と、教会の立場のみを吐き捨てるように言及する。
アサシンが何故生き残ったのか──その事実はどうでもいい。大方宝具か、何らかの特性を有しているというだけの話だろう。
それよりも重要なのは早々脱落したと思われたアサシンのマスターが未だ戦いに参加している事実と、そのアサシンのマスター……言峰綺礼を、保護の名目で囲い込んだ聖堂教会の動きの方だ。
聖堂教会から派遣された聖杯戦争の監督役──言峰璃正と言峰綺礼は血縁関係。実の親子に当たる。その背景を知っていれば、中立を謳う聖堂教会がどのような立場で聖杯戦争に関わっているかなど考察するまでもない。
『聖堂教会とも事を構えるおつもりですか?』
「それこそ事と次第によっては。なに、連中も態々金にならん極東の無神論者たちにそれほど注力はしていない。末端を潰された程度ではさして動かんだろうし……職務柄、俺は魔術師だが向こうの司祭には些か顔が利いてな。ある程度は融通が利く」
魔術師の総本山たる魔術協会と信仰の中心である聖堂教会は敵対関係の間柄にある組織だ。自然、魔術師と信仰者はすこぶる相性が悪いのが神秘社会の常識だが、カルキは協会から独立したフリーの傭兵だ。
そのような組織ぐるみの因縁とは無縁なのに加え、表向きの顔は弱者救済を身上とする赤十字の献身者。職務上、重なる部分もある聖堂教会とはそれなりの人脈が存在する。
そのため、教会の権力者相手では難しいが、末端との諍いを握りつぶしてもらう程度の融通を聞かせることは出来るのだ。
権力の背景を恐れて、手出しを嫌う理由が存在しない。
「……とはいえ、今はそちらは良いか。アサシンが生きていたという事実だけで収穫としては十分。あと気にするべきは──セイバーのマスターか」
『使い魔越しでは特定できませんが……アインツベルンのホムンクルスではないと?』
「ああ。そちらは囮だろう。アインツベルンが聖杯戦争勝利を盤石とするため、傭兵を雇ったという話は時計塔でも有名な話──魔術師殺しがああして隠れ潜んでいる以上、あちらがセイバーのマスターであると見て間違いあるまい」
アサシンと同じく、隠れて戦場を観察する人影──魔術師には似合わぬスナイパーライフルを構える衛宮切嗣の影を認めてカルキは嫌悪感と共に吐き捨てる。
『有名な手合いなのですか?』
「世間に詳しい現代魔術師ならばな。……魔術師殺し、衛宮切嗣。俺と同じフリーの傭兵だった男で生粋の殺し屋。魔術師を魔術師ならざる手腕で屠るゆえ、魔術師にとっての天敵のような存在として恐れられている、塵屑だ」
カルキの視線に怒りの感情が揺らめく。
……そう、衛宮切嗣は殺し屋だ。
ターゲットを殺すためならばあらゆる手段を尽くすゆえ、時に無関係の人間を巻き込むことすら厭わない生粋の外道。
カルキにとっては度し難い、テロリストである。
その行為の惨状はカルキ自身目の当たりにしたことがあるし、カルキの同業者が彼によって殺されたという話を聞いたこともある。
カルキが最も嫌う、『必要な犠牲』などという存在しないものを肯定するあの男は、カルキにとっては機会があれば絶滅させる対象に他ならない。
「アレがいるだけで街にどれだけの被害が出るか……」
サーヴァントよりも現実的な脅威として知る男を前に、カルキの片手が軍刀の柄に添えられる。──殺すか?
初撃の権利はこちらにある。敵の居場所を一方的に知り、こちらは認知されていない状況。一撃まではあの戦場の誰であっても突き刺さる。
先手必勝の権利……それを
戦場を尻目に本気で思案し出したカルキ。
だが、その行為が現実に移されることは結果的にはなかった。
何故ならば──。
──AAAALaLaLaLaLaie!!
突如として、雷鳴と共に響き渡る
ガラガラと車輪の音を奏でながら彼方より轟音と共に戦場に飛来する影がある。
映像越しにセイバーとランサー、そのマスターらが唖然としているのが見て取れる。戦場に踏み込んできた第三者。
戦車に騎乗し、戦いに割って入った存在は凄絶な存在感を周囲にまき散らし、堂々と、大声で名乗り上げる。
『双方、武器を収めよ! 王の御前であるッ!』
威風堂々とした立ち振る舞い。
名乗りの如く、其は君臨する王者。
『我が名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争においてはライダーのクラスを得て現界した』
敵対者居合わすこの場において、隠すことなく真名を名乗り上げるライダーのサーヴァント、征服王イスカンダル。
驚愕する戦場の者たちよりかはやや薄い反応でカルキは眉を顰めた。
「……真名の秘匿は、聖杯戦争の原則だと聞いていたが?」
『その通りです。英霊とは歴史の影法師。即ちは我らの偉業はその末路と共に世界に刻まれています。大英雄の踵。竜殺しの背中。死に至る弱点を隠す意味でも、聖杯戦争においては真名は原則、秘匿するに限る。聖杯より賜りし知識の一つです』
「俺もそう聞いている。……随分と豪胆の英霊と、マスターだな。英霊に名乗ることを許すとはさぞ自信家なのか、はたまた慢心──」
『何を──考えてやがりますかこの馬ッ鹿はあああ!!』
「……訂正しよう。豪胆なのは英霊だけか」
『の、ようですな』
画面越しにも分かるほど憤激し、半泣きで叫ぶライダーに同乗する影──恐らくはマスターと思わしき少年がライダーに抗議する。
だがライダーはそれをデコピン一発で黙らせると好き勝手に喋り出した。
やれ、軍門に下る気はないか。やれ、聖杯を譲る気はないかなどと言葉での交渉をセイバーとランサーに訴えかけだしたのだ。
無論、解答は鎧袖一触。己が願いのため、この場に集まった英霊たちが聖杯を譲るわけもなく、ライダーの提案は全て袖に振られていった。
『……アレが征服王イスカンダル、マケドニアの大王ですか』
「モンゴルの帝王と同じく世界征服という偉業に手を掛けた覇者だな。あの豪快な振る舞いは成程、只者ではないようだ」
戦場に新たに割って入ったサーヴァントに対して率直な感想を漏らすカルキ。しかし言葉では警戒を口にしながらも、声音に重みはない。
サーヴァントとして真名を隠す必要がないほどの自信家な点から相当に実力あるものなのだろうが、カルキの嫌う郎党と比べれば分かりやすいため、遮二無二殺さねばならぬほどの脅威には映らない。
加えて、そのマスターはどうやら時計塔の学生らしい。何やら画面越しにランサーのマスターが噛みついている。
「ライダーのマスターはウェイバー・ベルベット……ということは話しかけている方がロード・エルメロイか」
『ほう、この時代の時計塔の学徒と、ロードですか。知らぬ名ですが、聖杯戦争に参加する以上、きっと、どちらも優秀な魔術師なのでしょうね』
「……些か贔屓目な評価だな。時計塔の歴史では、貴方は時計塔の執行者に討たれたと聞くが」
『ええ。神秘を広めようとしたがために私は時計塔に殺された──ですが、それを恨みには思っておりませんので。後代に続く愛し子達、それをどうして恨むことが出来ましょうか』
「そうか、それが貴方のスタンスというならば俺から言うべきことは何もない」
何処か感慨深げな雰囲気のキャスターを傍目に、カルキは改めて戦場を俯瞰する。
……セイバー、ランサー、ライダー、そしてアサシン。
それに加えてアサシンを除くこの場のサーヴァントのマスターたち。
正しく役者は揃ったという風な絶景だ。
戦争序盤でこれだけの陣営が顔を合わせることなどそうはあるまい。
敵城視察という意味ではカルキ自身、既に満足いく戦果を得たという感想だが、戦場に現れた豪胆なライダーの方はそうではないらしい。
声高らかにライダーが叫ぶ。
『──聖杯に招かれし英霊は、今! ここに集うがいい! なおも顔見せを怖じるような臆病者は、征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものと知れ!』
ライダーの熱弁。英霊集うこれだけの場にありながら姿を見せぬことを何事かと糾弾する。正に大王らしい振る舞いであるが、対象者の一人であるキャスターはそもそも遠見でこの場に居合わせておらず、マスターのカルキもまた戦場に幻想は持ち込まぬスタンスだ。カルキが持つ誇りは守護者としての矜持。
戦士としての心意気など、そんなものを殺し合いの場に持ち込む古い価値観は生憎と持ち合わせていないのだ。
「……どうやら我らとアサシンは同じスタンスのようだ」
『ですが──残る方は違うようで』
「何──……ッ!」
動く気がなさそうなアサシンを眺めつつ、感想を漏らすカルキにキャスターが言葉を重ねる。一瞬、訝しむような反応をするカルキだったがその理由は次の瞬間、自身の息を飲む声と共に判明する。
『──
金色の光が戦場を見下す様にして街灯の上に顕現する。
映像越しに戦場に現れた影は黄金の鎧を身に纏うライダーとはまた別種の、独特の王威を纏う壮絶な存在。
瞳に映る侮蔑を隠す様子もなく、戦場に第四の英霊が立つ。
聖堂教会に逃げ込んだアサシンのマスターの様子を盗み聞いた、カルキはその正体を知っている。遠坂が召喚したと思わしきサーヴァント。
アサシンを一瞬にして屠った、恐らくはアーチャーだと思われる存在だ。
『……使い魔越しでも分かります、彼は──』
「皆まで言うな。……相当に強力なサーヴァントだ。あの場に集う他の英霊たちと比較しても頭一つ、二つ抜けている」
厳しい声音で訴えかけるキャスターの言葉にカルキも同意する。
サーヴァントは言わずもがな皆強力であるが、あの金の英霊はその中でも別格だ。純粋な能力比べで優勝候補を絞る場合、あの英霊こそが頂点だろう。
故に──カルキの手が、軍刀に掛かる。
『マスター?』
「決めたぞキャスター。……
『……はっ?』
──碩学の徒であるキャスターであるが、マスターの語る言葉を一瞬理解することが出来なかった。
権利? 権利とは何か。アレら他のサーヴァントに対し、そのマスターならざる我々が有する権利とは? 敵対者である身が有する権利とは?
……語るに及ばず。
隠れ潜み、状況を一方的に知り、武器を持つ我々が有する権利など言うまでもない。
『お待ちを! マス──』
主を諫める従者の声はしかし一歩遅い。
──夜風に軍服が舞う。
眼前に収めるは記録より蘇りし英雄の影。
それら目掛けて、恐れることなくカルキは駆け出す。
現代を駆け抜ける最新の英雄が、行動を開始した。