D×D? あのギャグ小説がどうしたって?   作:名無しのごんべい

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 ……ただ一言、合掌。




五話 「私エ~ム!」 「おれエ~ス!」 「「いえぇぇぇぇい!!!」」

 太陽が沈みきった夜の街を、俺は木場と小猫ちゃんと一緒に協会に向かって走っていた。

 目的は、教会で殺されそうになっているアーシア。

 アーシアには珍しい神器が宿っていて、レイナーレはそれをアーシアから奪うつもりらしい。

 

 神器を奪われた人間は、死ぬ。

 

 だから俺は、部長に殺されることも覚悟して、はぐれになることも覚悟の上でアーシアを助けに行く。

 アーシアは俺の友達なんだ! 友達が泣いているんだから、助けねーでどうすんだよ!

 一緒に来てくれた木場と小猫ちゃんにはマジで感謝してもし足りない。無事に帰ってもしもまた部長の眷属として生きることができるなら、何か奢るよ。

 アーシア、もう少し待っててくれ。絶対に助ける!

 

 そんな思いを抱きながら、俺は教会の扉を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピッチャー第一球……投げましだらっしゃぁぁぁぁぁああああああ!!!!」

 

「うなれッ! 私のハリセン一本足打法! そいやぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

「ちょっと待つっすこれシャレにならないそれカラワーナ様を叩きのめしたハリセンんんんんんん!!!!!」

 

 スパァンッ! と、大きな気持ちいい音を響かせながらあの神父……確か、フリード……が投げた堕天使が文ちゃんのフルスイングを食らって教会の壁に突き刺さる。

 よく見れば教会のいたるところに人と堕天使が突き刺さっている。あ。あれってドーナシークじゃね?

 

 ん? あれ? ちょ、ちょっと待ってくれ!

 

「……え? どういう状況かな?」

 

 さすがの木場も状況を全く読めていないみたいだ。うん。こんなの読めるわけねえ。

 

「あれ? 一兄に祐兄に小猫ちゃん。ドシタノ?」

 

「悪魔くん追加入りまーすッ! ここでおれっちはマイエンジェルアヤタソから譲り受けたこの「どこにでもありそうでないでもあるかもしれないハリセン」をかまえーる!」

 

「いや、待て、待ってくれ! お、おいフリード! アーシアはどこだ!」

 

「ん? 確かこの下にいるぜい。神器を取り出す儀式をするって言ってたけど、下にはレイナーレのクソ婆しか居ないから始めようにも始められずに困ってるんじゃね?」

 

「え? 儀式? なにそんな面白イベントがあったの!? よっしゃぁ! フーちゃん、それぶっ壊しに行こう!」

 

「なら地下室にレッツゴー! おれっちの走りについてこれるか?」

 

「フリーンのほうこそ……ついてきやがれ!」

 

 そして二人はそのまま地下室にダッシュで向う。っておいてかれる!? くっそ、わけわかんねぇ!

 

「ひょ、兵藤君! 僕たちも追おう!」

 

「………………行きましょう」

 

 少しどもった木場といつもより沈黙の長い小猫ちゃんにせかされて2人を追う。

 よかったー。この状況についていけてないのが俺だけで!

 

 困惑する二人と一緒に地下に下りる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこにはたらいに埋まったレイナーレの姿があった。

 

「流石マイエンジェルアヤタソッ! おれっちにできなかったことを平然とやってのけるッ! そこに痺れる憧れるぅーッ!」

 

「へ、へへ! やっぱ私って、不可能を可能に……!」

 

「ふ、ふざけるなぁーッ!!!!!」

 

 たらいを吹き飛ばしながらレイナーレが羽ばたく。

 ん? レイナーレの後ろにいるのって……アーシア!

 

「アーシアァァァァァァ!!!」

 

「……イッセーさん?」

 

 急いでアーシアに駆け寄る。

 アーシアは磔にされていて、その眼に涙をいっぱいためていた。

 アーシアを縛り付けていた縄をはずして、自由にする。

 

「イッセーさん……イッセーさん!」

 

「アーシア……もう大丈夫だ」

 

 こんなに怯えて……怖かったんだろう、酷いこともされたんだろう。

 ―――――許せねぇ。

 

『Dragon Booster!!』

 

 いつの間にか出てきていた俺のセイクリッドギアから機械的な音が鳴る。

 その形は以前のセイクリッドギアとは変わっていて、手の甲の宝玉には英数字のⅠが浮かんでいる。

 

「!? アーシアは渡さないわよ下級悪魔ッ!!」

 

 俺とアーシアに向かって無数の光の槍が襲い掛かる。

 

「その攻撃は通さないよ」

 

 だけど、手に変わった形の剣を持った木場がその槍をすべてはじいた。

 

「『光喰剣』、僕に光は効かないよ」

 

「魔剣!? 貴様も神器を!」

 

『Boost!!』

 

 またセイクリッドギアから音が聞こえる。それと同時に票玉の数字がⅠからⅡに変わる。

 アーシアが巻き込まれたらいけないから、壁際で見物している文ちゃんとフリードのところに向かう。

 

「……潰れて」

 

 小猫ちゃんが小さくつぶやくと同時に、アーシアを磔にしていた台がレイナーレを襲う。

 やっぱりすっごい力持ちなのね。あんまり怒らせないようにしよう。

 

「ちぃっ! 下級悪魔の分際で!」

 

 小猫ちゃんが投げた台を、レイナーレは空中で避ける。

 お返しとばかりに投げた槍は、またも木場の件で掻き消された。

 

『Boost!!』

 

「文ちゃん、アーシアのことを頼む。フリード、アーシアに指一本触れてみろ」

 

「おー怖い怖い。残念ながらおれっちは生涯のマブダチを見つけちまったから正直悪魔くんにはあんまり興味がないんだよねぇ」

 

「なんかすごいことになってるねー。一兄はどうするの? このまま一緒に見とく?」

 

「いや、俺は……」

 

『Boost!!』

 

「あいつをブッ飛ばしに行く」

 

『Explosion!!』

 

 頼もしい機械音とともに、全身から力が漲る。

 この力があれば……やれる。あのクソ天使をぶん殴れる!

 

「!? な、なんなのこの力は!? あなたの神器は『龍の手』だったはず!? なのにこの力は……有りえないッ!!」

 

「ゴチャゴチャうるせえよ。よくもアーシアを泣かしてくれたな……よくも俺を殺してくれたな……これまでの借り、きっちり利子を付けて返してやるよッ!!」

 

 地面を蹴る。

 たったそれだけの動作で俺はレイナーレの目の前に辿り着く。

 驚いたレイナーレの腕をセイクリッドギアを装着している左腕で掴み、右拳を振り上げる。

 

「そ、そんな!? 私は、至高の存在になって! アザゼル様の寵愛をッ!!」

 

「ふっとべクソ天使ッ!!!」

 

 そのまま振り下ろした拳は、レイナーレの顔面を捉えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 一兄たちが教会に到着する少し前。

 フーリーと一緒に協会にスキップでやってきた私は、中の光景に少し引いていた。

 

 背中から羽を生やして「俺、偉いっすよ?」って感じの雰囲気をしている奴らが、大勢の神父服の集団を引き攣れて地下へ降りようとしていたからだ。

 

「……なんじゃこりゃ~!! キモ!! うわキッモ!! 白一色で気色悪い!! 羽の生えた奴ら気色悪い!!」

 

「流石マイエンジェルアヤタソだぜ……! 初対面の奴ら相手にも容赦なく煽っていくなんてッ……!」

 

 私とフリードキュンの声が聞こえたのか、神父服の集団と羽の生えた痛い人がこっちを見る。

 

「フリード、その人間は?」

 

「おれっちのマブダチ! マイエンジェルアヤタソだぜ! そうだ! 俺、エクソシストやめます!」

 

「……なに?」

 

「マイエンジェルアヤタソと一緒に面白おかしく生きるぜ! さしあたってアーシアたんも連れて行っていい? あの子とSMプレイがしたいから!」

 

「私エ~ム!」

 

「おれエ~ス!」

 

「「いえぇぇぇぇい!!!」」

 

 再びフリードたんとハイタッチ! なんだろう……私今、最高に幸せだよ!

 

「……くだらん。殺せ」

 

 中二病患者が言うや否や神父たちが私たちに群がる。白いゴキブリのような光景にだいぶ引いた。

 

「気色悪いんじゃぁーー!!」

 

 ハリセンを振りかぶって神父たちをシバく。

 するとなんという事でしょう! 私の一振りで神父たちがまるでボールのように飛んでいくじゃありませんか!

 ボーゼンとする私とフリーザ君と羽の生えた痛い人。

 

 そこでハタと気付く。

 ここはギャグ世界。ならば、あんなふうに人が冗談みたいに吹っ飛んでも何の問題もないのでは?

 ……ならば、やる事は一つ!

 

「フリド君! 野球やろうぜ!」

 

「……ハッ! そういうことか! よしわかったおれっちピッチャー!」

 

「私バッター!」

 

「「名付けて! おい磯○! 野球やろうぜ! 作戦、突撃ー!!」」

 

「な、なんなんだ貴様らはー!」

 

 フッリード君が棒立ちしていた神父さんの頭を掴む。

 

「ピッチャー第一球! 投げる!」

 

「打つ! 飛んでけー!」

 

 アワレ神父=サンハ教会ノ壁ニ突き刺さって爆発四散! いや、爆発してないけどね?

 そんな感じでフリ=ド君が投げる神父を私がハリセンで打つ、打つ、打つ!

 途中で羽の生えた痛い女の人が突っ込んできたけどお構いなしに打つ!

 

 教会の内部はそこらへんに人間が突き刺さっていると言う何ともアートな風景に早変わり!

 

「なんという事をしてくれたんでしょう!」

 

「フリイド君はこの風景、好きかい?」

 

「うん、大好きさ☆」

 

「私たちって、匠の才能があるね!」

 

「今度悲劇的ビフォーアフターに応募しようぜ!」

 

「……ありえん」

 

 ありえん(笑)。

 ところがどっこい現実です! これが現実ッ! ざわ……ざわ……。

 

「ど、ドーナシーク様……どうするんっすか? もう神父はいないしレイナーレ様は儀式を始めるためにあそこから動けないっすよ?」

 

「人間如きが……人間如きがぁぁぁぁああああ!!!」

 

 改めて私たちの共同作業の結果を鑑賞しているとドーナシークと呼ばれた痛い人が突っ込んできた。

 うわ!? ドーナシークちゃん目ぇ怖ッ!

 こっちに駆け寄ってくるドーナシーク何某さんはどこかの改造実験体を思い出す。シオリ……シオリィィィィィィィィィ!!

 

「来るな、来るな! ウェェェェェイ!!!」

 

 右手のハリセンで一閃! 左手にハリセンを生み出してもう一撃! まっくのうち! まっくのうち!

 

「なぜ……たかが人間の……只の、ハリセンが……なぜ躱せない!」

 

「坊やだからさ……」

 

 その一言と共に二つのハリセンをドーナシークさんに上段から思いっきり叩き付ける。

 

 ……まさか地面で犬上家を見る日がこようとは思わなんだ。

 

「さて……と」

 

 私とフッちんが同時に残った獲物に狙いを定める。

 

「ヒィッ!?」

 

 残ったのは某祈り子さんの夢と同じ語尾に「っす」をつけるゴスロリに背中に翼を生やした女の子。

 なんか逃げようとした瞬間にフーリードがその頭を鷲掴み。

 しゃぁ来い!

 

「ピッチャー第一球……投げましだらっしゃぁぁぁぁぁああああああ!!!!」

 

「うなれッ! 私のハリセン一本足打法! そいやぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

「ちょっと待つっすこれシャレにならないそれカラワーナ様を叩きのめしたハリセンんんんんんん!!!!!」

 

 哀れ女の子! この場所にいさえしなければ……!

 

 

 

 その後なんか一兄たちと合流して地下にいた痛い人にたらいをぶつけたら一兄たちも乗り込んできてそのままシリアスに突入しました。

 ギャグ世界にもシリアスさんって必要なんだね。勉強になったよ。

 

 

 

 

 




 前半のシリアスなんて何のその。次回は後日談でその後に焼き鳥か~。さてどうしてくれようか。



 次回! 「買った!」「勝手に買わないの!」

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