The Rite of Depth 関連小説集   作:白銀 小虎

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② 騎士見習い

「…いいですか、グラウコス。神殿騎士たる者、常に己の信仰心を忘れてはなりません。」

「わかってますよ、師父…」

 

冬の雪が積もる季節。ワティカヌスは山巓に位置するため、この時期はひと際厳しい寒さが襲い掛かる。

例の事件から数年が経ち、グラウコスは中央教区の神学校での教育を受けることができる年齢に達した。

カルドは(ありもしない)罪を雪ぎ、復職のおりに穴埋めとして主教となり―――一件でマケロスが裁きに合ったことで逆説的にカルドの正当性が示されたこととなり、相応の職位を与えざるを得なかった―――マケロスの管轄を受け持つこととなった。

今まで身を寄せ立っていたサディムはややいびつな形となるも、その中心をヌーベ(二等区)を中心に周囲をティエーラ(三等区)ポルトン(一般区)として整備され、カルドが保護していた子供たちは無事教徒として迎え入れられ―――。

今では、あの襤褸小屋はどこを見渡してもその面影すらない。つつましいながらも、清潔で立派だと言える建物が建ち並び、当時子供たちだった彼らと、新しく生まれた子供たちは今、無事平穏に暮らせている。

 

「これは、別に主のお言葉がどうこう、ということではないのです」

 

カルドは苦笑いを浮かべ、改めて言い直す。

 

「ただ、貴方の正義を忘れずにいてくれればそれで構いません。あなたが何か物事を悪いようにするとは思っておりませんから」

「…カルド師父」

 

グラウコスは改まってカルドに向き直る。

 

「俺は…あ、いや…、私は、立派に務めを果たしてまいります」

「…グラウコス。本当に立派になりましたね」

 

グラウコスは少し照れくさそうに頭をかき、カルドは感慨深そうに、その姿を見つめる。

今では自分の腰ほどの大きさだったこの子も、すっかり大きくなったものだと。

いつのまにやら自分よりも骨太で、身長も同じくらいと来た。これであれば、およそ2身長(2メートル)も超える立派な大男になるであろう。

 

「最後に、神殿騎士となる貴方へもう少しだけお話があります」

「なんでしょうか、師父」

「改めて…グラウコス。あなたは騎士見習いとなることで、中央教区管轄のティエーラがこれからの住まいとなります。それに伴い、貴方は神殿騎士となるまではカルド主教管轄区域(ほかの管轄)に侵入することは許されません。これは何度も説明したことですが…よろしいですね?」

 

グラウコスは無言で頷く。今の、この家族との日々(くらし)を手放すのはとても惜しい気持ちがあるが、少なくともここまで育ててもらった恩がある。

カルド師父に感謝し、彼の教えを胸に刻み、神殿騎士見習いとしてその務めを果たすことを強く誓う。

 

「そして、神殿騎士の見習いとなる前に、洗礼をしなければなりません」

「…もしかして、師父手づからに洗礼いただけるんですか?」

「ええ。…これがあなたにできる、最後の私の仕事ですから」

 

カルドは物寂し気に、少し困ったように笑顔を浮かべてそういった。

グラウコスはやや緊張した面持ちで、いつのまにやらカルドが手にしていた衣服を受け取る。

 

「これに着替えてください。もうすぐ迎えの馬車も来ますから、それまでには対応してしまいましょう」

 

真っ白で、手触りのいい絹の衣服。グラウコスはそれを手に取り、深く息を吸い込んだ。

―――これが、洗礼の衣服か。神殿騎士となるための、第一歩。グラウコスはその衣服を胸に抱きしめ、静かに目を閉じた。

 

子供のころの情景が思い浮かぶ。貧しく、惨めだったかもしれないが、確かに楽しかった日々。

 

あの時、師父は言った。神は必ず我らを見捨てはしない、と。だから、信じる。神をではなく、師父を。そして自分自身を。

―――グラウコスは、深く息を吸い込み、目を開けた。

 

「…師父、ありがとうございます。俺、いや…私は、必ず立派な神殿騎士となってみせます」

「ええ、きっとなれますとも。さあ、着替えてしまいましょうか」

 

グラウコスはその場で、ややくたびれた麻の服を脱ぎ、裸になったと思えば、サっと絹の洗礼服に身を包んだ。

 

「どうですか?似合うでしょうか」

「ええ、とてもよくお似合いですよ、グラウコス」

 

似合うも何も、今後あなたが見習いとして励む際の普段着になるのですよ、と笑いながらカルドは言う。さて、と呟き、カルドは目の前の大きな建物―――ここ、カルド管轄のティエーラ、その主となる建物の教会の奥へと、グラウコスを招き入れた。

グラウコスは招かれるままに扉の奥へと進む。正直なところ、この建物の入口までは何度も入ったことがあるが、そのさらに奥へと進みゆくのは初めてのことで―――そして、洗礼を受ける物はみなこの教会に一度だけ立ち入ることを許されるらしい。

 

「さあ、こちらへどうぞ」

 

カルドは教会の中央部へとグラウコスを案内する。

思ったよりも簡素な内装だ、とグラウコスは思う。もっと豪華なものを想像していたのだが。

 

 

「私は華美な装飾や彫刻は好きではありません。今の歳ならきっと理解できることでしょうが、本来私たちの教義は『清貧であれ』『貧しき隣人と手を取り合え』『富める者こそ失うこと恐れるなかれ』…。即ち、貴賤分け隔てなく、心を砕き、相手を想うこと。それがワティカヌスの教義の根幹です」

 

 

今でこそ、だいぶ教会も富を蓄えているが、元来はそういうものではなかったのだとカルドは言う。

 

 

「だからこそ、私はあなたにこの教会で洗礼を授けたいのです。本来的な意味での、正しき神殿騎士であるようにと。そう願いを込めて」

 

 

まあ、私のエゴでしかないのですけどね、と笑って言う。

グラウコスはそんなカルドの先導を受け、教会の中央部へと進む。教会中央は、豪奢なステンドグラスが光を取り込み、神聖な雰囲気を醸し出していた。

そこには、室内なのにもかかわらず日の光が当たるように暖かい日差しが差し込み、美しい庭園が広がっていた。

その中央には、小さいころに慣れ親しんだ小さな泉。今も水底の砂から水が湧き出ており、溢れた水は小川となって庭園を巡り、やがて教会の外へと流れ出ている。

本当はもう少し質素にしたかったのですが、さすがに権威的に問題があるとされてしまい…とカルドは少しだけ不服そうに漏らす。

 

 

「これが、聖域の…サディムの赦し()、ですね」

「ええ、あなたが見るのはだいぶ久々でしょうか?子供のころ以来、ここで身を清める機会がとんどありませんでしたしね」

 

 

本来的には、聖域の泉で身を清めるなど、大主教ですらも年に数回あるかないか、というほどの稀有な機会ではありましたが…。

と、カルドは呟く。

 

 

「本来、教祖とその身内は聖泉で日々身を清めていたとされています。即ち、清く正しくあれという考えから、その身を清めるのであれば、誰であれその恩寵を受けることができる、というわけです」

「…中央の教会にも、聖泉があるのですか?」

「ええ。ここなど比ではないほどに大きな聖域が中央教会にはあります。ですが、そこに入れるのはごく限られた者のみ。今ではそんな者たちですらも年に数度入れれば良いほうだと聞いています」

 

私は穢れ―――もとい、偽りの罪を雪ぎ、神の祝福を再度授かるために一度経験していますが、とカルドは苦笑いを浮かべる。

 

「あそこは特別に神聖力が強く、あまり長居はしたくない場所でした。さて、グラウコス。洗礼を始めましょうか」

「はい、師父」

 

―――こうして、グラウコスの洗礼が始まる。

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

―――洗礼というと、こう仰々しいような雰囲気があると思うだろうが、実際はそんなことはない。

 

静かにその泉で身を清め、神に祈りを捧げる。これだけのことだ。必要に応じて師父が中央教会から取り寄せた聖水を私に振りまいていたな。

少しばかり短い聖句を唱えれば、あとはただ静かに祈り…そんなことを数度繰り返すだけだった。

 

…何?寒くはなかったのか、だと?なあに、あの泉の水は不思議なことに冷たくなかったのだよ。子供のころとは違ってな…むしろ温かいくらいだった。恐らくは、外気から遮断されている事、聖泉自体は元から暖かいような、不可思議な温度だったからして、冬場であっても平気だったのだろう。

あれが今もただの野外の泉のままであったならば、私は寒さのあまり凍えて死んでしまったかもしれないに違いない!

はっはっは、まあ冗談ではあるが…子供のころにはとにかく寒かった記憶が強いな!

 

ああ、そうだな…それで、洗礼を受けた後の話なんだが…

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

一通りの洗礼を終え、グラウコスは泉から上がり、生まれたままの姿でカルドの前に立つ。

子供ながらも筋肉質で、がっしりとした体格をしているグラウコスは、そのままやや濡れそぼった体で、カルドが手に持っていた洗礼服を纏うとまるでそれだけでも神殿騎士のような雰囲気を讃えていた。

水滴が髪のように発達した頭毛から滴り落ち、朝露に濡れた草原を思わせる。

そのまま、師父がほのかに甘い香りのする液体を瓶から取り出し、グラウコスの頭上に注ぐ。

 

「グラウコス。あなたに洗礼の証として、真名を授けます」

 

今後は、この真名を名乗るようにしなさい、とカルドは堅い口調で言う。

今までの名前は、本来洗礼を受けるまでの仮の名づけに過ぎないのだと。

 

「真名とは、すなわち神に奉納された『あなたである証』そのものです。神学徒、教徒は皆、真名を持ちます。あなたもまた、神殿騎士となるにあたり、真名を授かるのです」

「…わかりました、師父」

「開帳します。あなたの真名は―――『グランツ』。古き時代、神の如くの力が振るわれていた頃の言葉で『輝き』『栄光』を意味します」

「ありがとうございます、師父。これよりは、私はグランツとして、神殿騎士の務めを果たすべく、その見習いとして精進してまいります」

「ええ、きっと立派な神殿騎士となることでしょう。…では、グランツ。あなたのこれからの歩みが、神の御心に叶うものであることを祈っていますよ」

「ありがとうございます、師父。この心は、貴方とともに常に」

 

その言い回しは、まるで口説いているようですね、とカルドは苦笑いを浮かべる。

グランツもつられて笑うと、カルドはグランツの手を取り、強く握りしめた。

 

「しばらく会えなくなることは本当に寂しいですが…あなたが立派な神殿騎士となって戻ってくることを、心から楽しみにしていますよ」

「はい、師父。必ずや、お気持ちに敵う騎士となれるよう邁進致します」

 

 

では、戻りましょうか。もうじき迎えの馬車が来ている事でしょう、とカルドは言い、グランツは泉に深く一礼をしてから、教会の外へと歩き出す。

途中、グランツはふと立ち止まり、振り返ると、泉がそこはかとなく輝いているように感じ…気のせいだろう、と振り向きなおす。教会から出ると、すでに迎えの馬車が到着しており、カルド師父を見つけた御者が馬車の扉を開けていた。

 

「お待ちしておりました、主教様」

「こちらこそ、ご苦労様ですカリトン。元気そうで何よりです。グランツの事を、どうかよろしく頼みますね」

「かしこまりました。グランツ様も、どうぞよろしくお願いいたします。」

 

グランツは深く頭を下げ、カリトンに挨拶をする。

カリトンはにこやかに頷き、グランツを馬車の中へと招き入れた。

 

「では、グランツ。神殿騎士としての第一歩を、しっかりと踏みしめてきなさい」

「はい、師父。…ここまで育てていただき、ありがとうございます」

「…何度味わっても、この時ばかりは泣いてしまいそうになりますね」

 

扉の窓から顔をのぞかせるグランツに、カルドは少し目を潤ませながら言う。

 

「最後に、これは私からあなたへの贈り物です。どうか、受け取ってください」

「…師父、これは?」

「こちらは、身だしなみ用の櫛と、香水です。清潔さは非常に重要ですからね。櫛は私が『不壊』の神性魔法を施しています。完全に壊れない、という訳ではないですが…少なくとも騎士となるまでは傷一つつかないでしょう」

「ありがとうございます、師父。大切に使わせていただきます」

「そして、こちらの香水は、無理を言って取り寄せた中央神殿の大聖域の枝、実、水を使ったものになります」

「師父、そんな…それは大変高価なものではありませんか?」

「ええ、ですが…あなたが神殿騎士として立派に務めを果たすことができるよう、願いを込めて贈るのです」

 

そのような価値など、気にするほどの事ではありません。それに―――と続ける。

 

「向こうの手違いで私の事を破門したのですからね。これくらいの事は当然行ってもらわないと、と思いまして」

「…師父」

 

カルドはやや茶目っ気を浮かべたように微笑みを浮かべ、グランツに手渡す。

 

「この香水は容器に魔法が『掛かってしまいました』。ですから、使っても使わなくても、品質は維持され続け、消費しても中の聖枝(せいえ)から自然に補填されます」

「…なんと、そんなことが可能なのですか?」

「ええ、まあ…ちょっと神聖性が強くなりすぎたようで…勝手に聖蹟物(アーティファクト)な何かになってしまったというか……」

 

カルドは気まずそうにそっぽを向く。それは、少し、いやだいぶ問題なのではないだろうか?

師父として、珍しく「やらかした」といったような雰囲気に、グランツは珍しく目を白黒させて師父を見た。

 

「まあ、何かあったら私の名前を出してください。恐らく『またその人か』という感じで対応してもらえるはずです」

「師父、今まで何をなされていたのですか?」

 

グランツは思わず真剣な面持ちで、箱を手渡してきた師父を見つめる。

 

「まあ、少し無理を通しただけですよ。…まあ、私も色々と溜まっていたものがあったのです」

「…師父…」

 

カルドは苦笑いを浮かべ、グランツに手を振る。どうか、立派になってください、とカルドが言うと、馬車はゆっくりと動き出した。

 

「師父。…今まで、本当にありがとうございました!」

「ええ、立派な神殿騎士となるのですよ、グランツ」

 

グランツは師父の姿が見えなくなるまでずっと手を振り続ける。

最期に見えたカルドの表情は、昔のままの、優しい笑顔だった。

 

 

……

………

 

 

暫くして、馬車はカルドの管轄区のポルトンから抜け、山間の道を歩み始める。

新しくできた管轄区であるために、この辺りは最近整備されたばかりだ。そのため、馬車の乗り心地も良く、グランツは快適に揺られていた。

 

「…さて、グランツ騎士見習い。この後の事、これからのことについて説明させていただきます」

 

御者であるカリトンは、ヒッポス*1の手綱を握りながら、振り返ることなく言葉をつづける。

 

「あなたは、この先4年の間騎士見習いとして中央教区の養成学校で過ごすこととなります。素行や成績に問題が無いようであれば、そのまま晴れて神殿騎士の称号を得て、各地へ配属される予定となるでしょう」

「ああ、わかった」

「今の時点で話すことではないかもしれませんが、基本的に各地へ配属された後は、特別に変更がされない限り、その配属先で一生を過ごしていただくことになります」

 

もし、カルド師の管轄区に割り当てられないのであれば自ら挨拶する事も叶いません、と続けた。

 

「また、私も含めですが---神殿騎士はやはり血統主義が色濃く残っていると聞きます。私たちはグラウコス…グランツ騎士見習いほど逞しくもなく、特別な力もなく、縁もゆかりもない世界でしたが…」

「カリトン…。しかし、今は、私たちも人民として扱われている。そこに違いはないだろ?」

「いえ、そうではなく…ハァ、おまえと居るとホント気が抜けるなぁ」

 

御者は苦笑いし、グランツに釣られて崩れた口調で話始める。

 

「グラウコス、気をつけろよ?『貴人に在らずば人民にあらず』みたいな事言ってくるヤベーの本当に多いからな!」

「なあに、問題ない。何事も成すようになるさ」

「ものっすごい心配になるな…だけど、まあ」

 

頑張れよ、俺たちのヒーロー。カリトンはにやりと、そういうと手綱を軽く引き、馬に速度を上げるように促した。

 

グランツは、なんともなしに移り変わる景色を眺める。

ポルトンを抜ければ、あとは加護もなく壁もなく。続いていく道から見える山間や、谷間に小さな集落…つまりスラムが点在する。

カルドの教導を経て、グランツはこの景色に疑問を抱き始めていた。---同じヒトであるはずなのに、何故こんなにも生への苦しみに差が出るのだ?と。

だからこそ、グランツはこの不平等を正したいと、自分たちのようなつらい思いをする人を少しでも減らしたいと。神殿騎士になった暁には、そのような活動をしていきたいと考えていた。

当然のことながら、それが難しいであろうことは想像がつく。先ほどのカリトンが言っていたような---血統主義など、正しく大きな壁となるだろう。さしものグランツでさえも、これから起こりえるであろう未知にやや緊張した心持となった。そして、気でも晴らすかのように、改めてカルドから贈呈された品々を改める。

 

送られた櫛は、固い木材だが丁寧に天然油脂に浸されており、滑らかな触り心地と美しい光沢を放っている。軽くなでるように頭毛を梳けば、彼の代名詞でもある銀の毛は、よりつやが出たように感じる。

一方で、香水のほうはどうだろう。軽く液を手に取り香りを嗜めば、さわやかな、それでいて甘く、陶酔的な香りが鼻腔をくすぐる。余薫も申し分なく…ローズウッドのような、上品な香りだった。

暫く揺られつつ香りを楽しんでいたが、その香りが全く衰えないことに気づく。

―――これは奇蹟物の効果でもあるのか?と考える。であるならば、自動で補填され、香りは超長期間減衰せず、そしてなによりとても心地がいい香り。これだけ聞けば、貴族階級であれば喉から手が出るほどに違いない。グランツはそう考えた。あまり人目に付く場所でこれを出すのは止めようと、心に誓う。

 

走行しているうちに、馬車はいつのまにやら中央教会―――ひいてはこの山巓の頂上へとたどり着く。馬車はゆっくりと止まり、御者から一声かかる。

 

「グランツ騎士見習い、着きました」

「…ありがとう。このまま、私は中へ歩めばいいのか?」

「はい。本日は戴剣(たいけん)の儀でもあります。教徒や主教様など含め、中央教区全域は禁足令が出されているため、儀式へ参列する一部を除いて誰も人はいません」

 

迷うことなく、ただまっすぐ、ポルトンの入り口である下層門から歩いていけば、祭場である中央教会にたどり着けるはずです、とカリトンは言う。

 

「さあ、行きますよ、ついてきてください、グランツ騎士見習い」

「ああ―――はい、わかりました。よろしくお願いします、カリトン」

 

すっかり元の『御者としての顔』に戻ったカリトンに合わせ、グランツは口調をただす。馬車から降りると、思わずその光景に息をのんだ。

 

―――教会へと至る道は、こんなにも清らかなのか。

 

磨き上げられた大理石の石道に、純白の輝きが保たれた第一門。その入り口左右には、番兵と思わしき、よく手入れされた全身鎧を身にまとった騎士二人。

そのすべてが、ただウァティカヌスの威光を示すためといっても過言ではないほどに洗練され、その威容に圧倒されてしまう。

同時に、幼少期に見上げ続けていたカエルムの『光』を思い出す。あれほど遠くにあった場所へ、今まさに自分は近づいているのだ、と。

洗礼を受けた着の身のままであるため、靴は履いていないにもかかわらず、足裏には滑らかな感覚が続く。道には石のかけら一つなく、その歩みを妨げるものすらなかった。

そのまま、門前へとたどり着くと、片方の騎士から声を掛けられる。

 

「止まれ。御者、名乗れ」

「御者、カリトン。カルド主教より新たなる騎士候補として、学徒一名をお連れしました」

 

騎士はグランツへ視線を向け、一瞬だけ、その鎧の隙間から琥珀の瞳を細めた。

 

「……大きいな」

 

やや居心地悪そうに、グランツは身を捩る。洗礼服は無駄がなく、体のラインがそのまま出る。

見られて恥ずかしい鍛え方をしているわけではないが、感心したようにただ形容されるのは少し恥ずかしい思いであった。

そんなグランツを見かねて、羊皮紙を手にしていた騎士は大きく咳ばらいをし、続ける。

 

「フルーロス。…失礼した、彼は貴殿の資質を褒めているだけだ」

「失敬。真名を名乗れ」

 

フルーロスと呼ばれた騎士は、反応薄く、名乗り上げるよう命じる。グランツは背筋を伸ばし、深くうなずくと胸に手を当てる。

 

「―――グランツ。カルド主教より洗礼を受け、その名を頂戴しました」

 

片方の騎士は、手元の羊皮紙をしばらく見つめると、フルーロスと呼ばれた騎士に「間違いはなさそうだ」と声をかける。

 

 

「確かに名を確認した。汝、新たなる騎士となる者。戴剣の儀を通しその誇りを胸に刻まれよ」

「通れ。中央教区は、汝を歓迎する」

 

門がゆっくりと、音もなく開く。その中には、古風なレンガと木造の建物が立ち並ぶ上品な街並みと、真っ白な道がまっすぐと、続いている。

片方の騎士が最後にそう告げると、では行け、とフルーロスは無感情に言った。それにうなずき、グランツは歩みを進め…ついてこないカリトンに首をかしげる。

その姿に、カリトンは少し苦笑いを浮かべて、グランツへ言葉をかける。

 

「グランツ騎士見習い。私の案内はここまでとなります。それより先は、あなたのみで歩む必要がある」

「…わかりました。ここまでの送迎、ご苦労様でした、感謝いたします」

 

その言葉に、カリトンはふっと息をはき、その様にならない言葉遣いにやや寂しげな表情を浮かべた。そして、少しグランツに近づくと、小さな声で続ける。

 

「…どうか()()()()よ。おまえはおまえのままで居てくれ。誰に何を言われても」

 

その含みある言葉に、グランツは少し眉を顰めるも、だとしてその言葉通り歩む自身だけは確かにあるため、はっきりとうなずく。

 

「当然だ」

 

―――私は、私の正義を果たす。

その言葉は誰にも聞こえない。だが、顔はまっすぐ前を見据えていた。そのまま、歩みを進める。

純白の門が閉じる音を背に、グランツはついに、中央教区の地へ足を踏み入れる。

 

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

---そうして、子供のころには考えもつかなかった教会の中へと歩みを進めることとなった。

その町並みは壮麗でな。下層こそレンガと木造の屋根の、古めかしくも整った街並みであったが、より中央に近づくにつれて、建物全体も白一色となっていってな。

特にスプリーマはまるで風雨など関係ないかのように疵や汚れ一つない真っ白な石材の建物のみで、その建物には金や宝石で、そこら中に緻密な意匠が施されていた。

 

…何?清貧とはどこへいったのかって?

 

はっはっは!まあまあ間違いのない指摘だ!どんなに偉大で誇りある始まり(オーダー)だったとしても、結局のところ代と歴史を重ねればそうなってしまうという好例でもあるな。

もちろん、それだけじゃあない。やはり威光や示威というのは重要なことなのだろうからして、そういった装飾ももちろん必要だという事は理解できるが。

さて、ポルトンから続く道なり、各区画を隔てる門は、その日はすべて開いている。そのため、私は人っ子一人居ない、白と静寂の街並みを歩き続け…やがて、天の眼がこちらを見下ろすような位置まで…すなわち教会へとたどり着いたのだが………。

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

 

カエルムの特区門をくぐった瞬間、空気が変わる。それまでの静謐とは異なる、重みを帯びた静けさだ。磨き上げられた白石の床は、足音を吸い込むように音を立てず、天井高くまで伸びる柱列は、まるで人の背丈など初めから考慮していないかのようだった。

その通路の左右にそびえるのは巨大な彫像。これはどうやら…人の姿を模し、鎧をまとい、武器を携えている。―――今となっては名を失った古き神性の名残である。かつては『雷をまとう者』であり、あるいは『春と再生を司る者』であったのかもしれないが―――今はただ、「主の威光」を象徴する像として、黙してそこに立っていた。

しばらく歩けば、通路が分岐し始める。そのいずれの壁面にも精緻な彫刻が施され、天井には壮麗なフレスコ画。色硝子のステンドグラスから差し込む光は、白と金を基調に、床と壁を柔らかく染め上げている。

何処を見回しても、そのすべてが圧倒的なまでに豪奢だった。

 

―――すごいな。

 

思わず、そんな感想が胸の内に浮かぶ。清貧を旨とする教義を、確かに学んできたはずなのに…この光景を前にすれば、そんな考えは一瞬で押し流されてしまうほどであった。そのまま、何かに誘われるかのように…何処ともなく歩みを進めていると、不意に影が差した。

 

「―――お前」

 

低く、よく通る声。

見上げると、そこには全身を余すところなく覆うフルアーマーの騎士が立っていた。頭の位置はは二身長(メートル)を優に超え、鎧の隙間から覗くその濃い紫の体毛に覆われた腕や体躯は、鍛え抜かれた歴戦の者のそれであり、自然と背筋が伸びる。

 

「立派な体格だな。…見習いか?」

 

一瞬、言葉に詰まりかけたが、すぐに我に返る。

 

「は、はい。本日戴剣の儀へ臨むため、カルド管轄区より参りました、グランツです。」

 

そう答えると、騎士はふむ、と短く喉を鳴らした。

 

「そうか。大方この時間ならば…案内の者も居なかったのだろう?式典の開始はもう近い。こちらだ」

 

有無を言わせぬ口調ではあるが、不思議と威圧感はなかった。ただ、それが当然であるかのように、彼は歩き出す。

導かれるまま進むと、やがて広い祈祷の間へと辿り着いた。正面には演説台のような高壇。その背後には、巨大なステンドグラスが据えられ、教会の上方に存在する『眼』―――主の威光を象る光が、まっすぐに降り注いでいる。

すでに何十人もの見習い騎士たちが集まり、静かに席についていた。「着座するように」と短く言われ、手短に空いている場所を見つけて腰を下ろす。隣にいた、珍しい鳥人の彼は少し迷惑そうに席を詰める―――大きい体格であるからして、申し訳ないが彼には我慢してもらおう。

先ほどの虎の騎士は、そのまま壇上へと向かい、兜を外した。現れた顔立ちは、三十代半ばほどだろうか。鋭くも澄んだ、ライムグリーンの瞳が印象的で、その眼光には揺るぎない意志の強さが宿っている、虎の獣人。

 

―――ラインハルト・ツェル・ビューゼマン。

 

後に知ることになる名を、この時の私はまだ知らない。無言のまま、彼が壇上に立った瞬間。まるで示し合わせたかのように、見習いたちは一斉に立ち上がった。ラインハルトは背を向け、背後のフレスコ画…大きな山と太陽、それに重なる十字を思わせる意匠…の前に歩み寄ると、ゆっくりと膝を折り、祈りの姿勢を取った。

見よう見まねで、グランツたちもそれに倣う。祈祷の言葉は、静かで、しかし確かに空間を支配していた。やがて、ラインハルトはゆっくりと立ち上がり、こちらへと向き直り、全員に直るように伝える。兜を脇に抱えたまま、壇上に立ち、見習いたちを一人ひとり見渡した。

 

「―――騎士を志し、この場へと至った若者たちよ」

 

低く、しかしよく通る声だった。

 

「まずは、ここへ至るまで生き抜いたことを称えよう。この山巓、ひいてはこの命運をつかみ取る前に、折れ、脱落し、去っていった者は少なくない」

 

一拍、間を置く。

 

「お前たちは選ばれたのではない。選び続けたのだ。この道を」

 

見習いたちの間に、静かな緊張が走る。

 

「神殿騎士とは、誉れではない。そこには神の許に翳す盾も無ければ、地位のために振り下ろす剣もない。これは―――責務だ」

 

その言葉には、一切の誇張がなかった。

 

「お前たちはこれから、守ることを学ぶ。耐えることを知る。そして、自らの正義が試される」

 

視線が、見習いである彼らを力強く射抜く。

 

「自らの正義に迷った時、神は導きを示すとは限らぬ。だが、それでも歩みを止めぬ者だけが、騎士として立ち続ける」

 

そう告げると、ラインハルトは再び背を向け、フレスコ画の前に膝をつく。

 

「―――主よ」

 

声が落ち、祈りへと変わる。

 

「集いし若き者たちに、その恩寵を」

「剣を振るう力ではなく、退かぬ意志を」

「怒りに溺れぬ理を、恐怖に屈せぬ心を」

「そして、己が芯を見失わぬ眼を―――」

 

最後の言葉とともに、聖書の一節が静かに引用される。

 

Noli existimare, cum super terram steteris, te dominari(汝、地に立つとも、治むると思うなかれ).』

Noli oblivisci originis tuae, etiamsi voluntatem possides(汝、意志を持つとも、生みし者を忘るるな).』

Statio ex concessione est; ambulatio vero mensura probatur(立つは許しにより、歩むは量りによりて成る).』

Ideo proximum tuum sicut te ipsum dilige(ゆえに隣人を、己が身のごとく重んぜよ).』

Propterea decem gratias(されば、汝らに十の恩寵を),』

et benedictiones mille trecentas sexaginta quinque(百三十六万五千の祝福を),』

et gemmas quadraginta novem(四十九の宝石を),』

et unam coronam(一つの王冠を),』

et veritates septuaginta novem(七十九の真実を);』

vobis effundam et concedam(注ぎ、与え、), atque vos electos esse hic testor(選ばれんことをここに記さる).』

Non eligas Dominum, neque eum metiaris(選びにあらず、秤りにあらず、); sed eum solum dilige(ただそれを愛せよ).』

その瞬間、ステンドグラスから差し込む光が、ひときわ強く輝いた。

 

Ego sum Dominus(わたしは主である).』

 

胸の奥が、熱を帯びる。

地の底から、何かが流れ込んでくるような感覚。それは荒々しくも、確固たる―――意志の力。全身を巡るそれに、思わず息を呑む。その難解な言い回しの意味までは理解できなくとも、何か力を授けられたことだけは理解できた。

 

(…これが…恩寵?)

 

周囲から、小さなどよめきが起こる。だが、それも長くは続かなかった。

 

「―――静かに」

 

ラインハルトの一言で、場は再び静寂に包まれる。その後は、短い挨拶を交えて式典は、滞りなく、厳かに終わる。ラインハルトは壇上から降り、出口の扉を開くと、振り返って言った。

 

「私は、ラインハルト・ツェル・ビーゼマン。今代の神殿騎士団長だ」

 

その声に、自然と背筋が伸びる。

 

「これより、お前たちを誇り高き騎士へと育て、導く者だ。ついてこい」

 

そうして彼は歩き出し、私たち見習い騎士は、その背を追って神学校における騎士養成施設へと向かうことになる。

―――それが、神殿騎士としての最初の一歩だった。

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

…と、まあこんな流れで私は騎士見習いへと無事なったのだが…。

ん?見習い時期の話?あー…あまり面白い話題はないぞ?単に座学に励んでいただけだな。

本当だぞ?毎日聖書を読み、諳んじられるまでに記憶し、間違いないように聖句を唱えられるよう練習し…。

そして、戦闘面に関しては私は与えられた力から「守護騎士」の適性が高いと判断され、その教育を施されることとなった。

守護騎士の他、か?ああ、それであれば、例えば神殿騎士団長のラインハルト卿であれば、攻勢騎士だった。つまるところ、非常に大きな剣を手に取って―――いや、騎士の種類から説明したほうが良いな。

 

私たち神殿騎士は、先鋒騎士、攻勢騎士、守護騎士、極光騎士、祐助(ゆうじょ)騎士の5つに分けられていてな。

 

『先鋒騎士』は、盾と剣を持ち一番槍を担う、教徒の子供ならだれもが憧れるいわゆる「一番かっこいい」騎士というものだな!彼らは主に先陣切って相手を切り伏せていくが、後ろを守る役目は担ってはいない。当然、彼らを抜いて来る敵だってもちろん存在する。それを対処するのが攻勢騎士だ。

 

『攻勢騎士』は後衛である極光騎士、祐助騎士に届く前に、敵性勢力を撃滅する役割を持つ。武器?武器は大きな一本の剣だ。彼らは守護するのではなく、全力で敵を滅する者。自らの命を顧みる生半可な覚悟ではその役割は務まらない、ともいえる。ただし、攻勢騎士が対応している間に他が後ろへすり抜けてしまっては元も子もない。彼らを守る役目だって当然必要になる…それが私と同じ守護騎士だ。

 

『守護騎士』は、敵性勢力が後衛に及ばぬようにその場で抑えるのが主な仕事でもあるが、場合によっては攻撃―――後衛に対する撃滅魔法―――を防ぐ、守護魔法を詠唱することもある。上空からの攻撃は私たち一人ひとりでもどうしようもないからな!当然、それに対する備えだって必要になるわけだ。もちろん、前衛に躍り出て先鋒騎士を助ける守護騎士の役割もあるが、基本はコレだ。

 

そして、『極光騎士』は守護騎士に守られつつ、神の教えと聖句を唱え、神罰を降らせる役割を持つ。そうだな、言ってしまえば魔法部隊だ。もちろん先鋒騎士も敵性勢力をいなしていくが、極光騎士は最後の一手に近いな。彼らが極光と呼ばれ足る所以―――神罰術式と呼ばれるものだが、オーロラのように輝く光の天幕を召喚し、そこから『光の柱』を落として敵性勢力を跡形もなく滅する。もちろん、味方には被害がない。これは私たちに与えられた祝福が『この術は効果がない』とするが為であり、言ってしまえば「神様様々」という訳だ。

 

そして、最後に―――あまり数は多くないが、『祐助(ゆうじょ)騎士』。深手を負った騎士たちを癒し、天幕の先(てんごく)へと歩ませぬよう尽力する、影の下の力持ちだな。彼らは極光騎士にまぎれるように点在し、敵性勢力に「一網打尽」とされないよう後衛に運ばれた騎士達を癒していく、いわば癒し手だ。

 

どれが欠けても私たちの役割は勤まらないもので…何?恩寵とは何だと?

恩寵か…恩寵は、神が『特別目にかける対象』に与える、奇跡…すなわち「御業」を再現する為の権利のようなものだ。

ラインハルト卿の場合は『灼滅(しゃくめつ)』。あの力は…そうだな、きわめて攻撃的で…つくづく味方でよかったと思う。―――その剣に触れた相手は、例えかすり傷であってもそこから全身が爛れ、焼け広がり、灰となるまで燃え続け…その全身が燎原と化す。そんな力だ。

さらに、それは物体だけにとどまらない。例えば魔術式―――本来は目に見えないから、滅多にそんなことは起き得ないが、偶然切った場合などだな―――を切り落とせば、その『発動のための導火線先の(パスがつながっている)相手』まで焼け広がる。

当然、魔術師は魔法を中断されたことに気づき、魔法を破棄するが、その判断が遅ければ『突然焼け死ぬ』ということが起き得る。

そして、何より恐ろしいのが、「空間」さえ切りつけられるということだ。切りつけられた空間は、しばらくの間斬撃としてその場に残り続け…それに触れることで、その空間自体が切りつけられることと同じ効果を及ぼすことになる。

すなわち、『切った空間に触れると死ぬ』ということだな!もちろん、10秒も持たずにそれらは消えてしまうが…私たちが祝福で守られていてほとほと良かったと心から思う。つまるところ、物体も概念も空間も断ち切れる、恐ろしい力だということは十分伝わったと思う。

 

私か?私の恩寵は『明衣(あかはとり)』。身体や所有している道具、任意の範囲に対して、物体・概念が絶対不可侵の障壁を発生させるものだ。…戦闘能力が皆無だって?それは当然のことだ、だからこそ私は守護騎士となったのだから!

ただし、特化した分その能力はきわめて強い。さすがにラインハルト卿の力で何度も切りつけられてしまうと…壊れてしまうが。攻撃は通るが燃焼はしないぞ!力の源は「主」であるからして、主が自らの力で滅するということは絶対にありえないことだからな。

 

とまあ、おおよそこのような形で―――そうだな、これは見習いではなく、正式な騎士となってしばらくしてからのことだが…大きな事件があったな。私が正式に騎士になって、2年後ほど*2か…。

私の所に、全身鎧を着た仲間が居るのは見たことがあるか?…その反応だと気づいたようだが、そうだ。彼がラインハルト卿だ。

実はな、卿は…かつてアンデットだったのだ。もちろん、最初からではない。アンデットに

「なってしまった」が正しい。

その大事件というのが、このことなのだが―――

*1
Hippos、要は馬的な生物。馬っぽいが毛ではなく、鉱石が馬の形をとったような中立性の魔物。ゴーレムに近い、無機的生物。

*2
グランツが洗礼を受け、騎士見習いになったのは14歳。卒業し、正式に騎士となったのが18歳。そして、この出来事の時には20歳である

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