魔法少女、世間一般的に子供の時に夢中になり、大人になるに連れて"それ"は存在しないものと認識する。
近年、ニュースでは犯罪、戦争、紛争などの事がよく取り上げられている。人々は言うであろう。
「そんなのいつものことだ」と、
この世界は果たして、魔法少女という存在の救いなしで日々の生活を平和に過ごせるのか。
そもそも人間という生物は、何か希望や野望がなければすぐに死んでしまう。そのような研究結果がネズミで出ていたはずだ。気になるのであれば、是非調べてほしい。
日本では、犯罪者をこの世から消す魔法少女になりたい、という幻想を描く女子高生がいた。
駆乃は、日課であるテレビを眺めながら、学校の準備をしていた。彼女は、その短い黒色の髪を梳かしながら考えた。
どうしたら犯罪で亡くなる人を無くせるのか、どうしたらすべての人が笑顔でいれる世界を作れるのか。普通に考えたら無理なことは明白だ。
だが、少女は考えた。
それはとても真剣に。
とにかく、そのようなキリがないことを考えていたら学校に遅れてしまう。少女は、急いで駆けていった。
少女は、出会ってしまったのだ。本来、存在し得ない妖精というものに。いや、出会ったのではなく、彼女のような純粋無垢な信じる心が作り出してしまったのかもしれない。
いきなりそれは現れた。純白の羽根が生えている。人ではない輪郭があいまいだが、中心に大きな目がある。その生物は、自らを天使というのである。
彼女は思った。冗談甚だしい見た目をしていると。
それもそうだ。その生物は、天使と言うには、恐ろしく禍々しい見た目だ。ただ、彼女は勘違いをしていたのだ。天使は本来、恐ろしい見た目をしていて、悪魔を寄せ付けないようにしているのだと。逆に、悪魔は人間を誘惑するために美しい見た目をしていると言われている。
そのような普通に生きていて知り得ない知識を、一般的な純粋無垢な女子高生が知っているはずもない。
駆乃は言った。
「君はなぜそのような見た目をしているの?君はどうしてここにいるの?」と。
天使は言った。
「人々を悪から守るためだ。悪は人間自身が生み出している。自分で招いたことは自分で処理すべきだろう?そこでちょうどいい人間を探しているのだ。」と。
明らかに危ない勧誘だと気づく人は多いはずだ。
だが、彼女は違った。
契約をちぎってしまったのだ。
天使の名は、ייאוש אנוכיというらしい。彼女には理解ができないため、"ノッチ"と呼ぶことにした。
春の暖かい風が吹く。
彼女の透き通るような青い目が輝く。本当に悪人がいなくなるのか?という希望であふれた目が。