英雄の卵は怪物へとなりて 作:霧雨
多分超亀更新なので、気長に待ってください
オラリオのとある広場
この日は快晴であり、普段なら人が賑わう場所であったが、今この時は違かった。
広場には2人しかおらず、騎士の格好をした男とヒョロリとした白い髪をした少年であった。
騎士の格好をした男が少年に槍を構え、それに怯えて腰を抜かしている少年という構図である。
「アドメラクファミリアのベル・クラネルだな?
貴様が今までやってきた悪行を全て我々は調べ上げた。
罪としては強姦、殺人、窃盗、器物破損、賄賂など多岐にわたり、決して許されるものではない!」
騎士の格好をした男がベル・クラネルと呼ばれた少年に槍を突きつけながらそう言う。
「あ、あの!
僕まだ冒険者になったばかりですし、そんな事しません!」
ベル・クラネルの表情は本当に何も知らないようで怯えながら疑問しか浮かび上がらなかった。
(まだ冒険者になって1ヶ月で何でこんな事に!?
それに犯罪なんて恐ろしい事する訳ないのに)
しかし、騎士の男はそれを疑問に思わず、ベル・クラネルに恐ろしい事実を明かす。
「貴様がやったと貴様の主神たるアドメラク様が証言したのだ、それにもうギルドからも貴様を処理する手続きが終わっている」
「は?」
ベル・クラネルは彼の言った意味が理解できなかった。
1ヶ月前、色々なファミリアに門前払いされて落ち込んでいた僕に「お、坊主どうしたんだ?」と気安く声をかけてくれて事情を話したら、うちのファミリアに来るか?と誘ってくれた主神がそんな言葉を言うと思っていなかった。
「ま、待ってください、ヴェルバス団長達に確認を!
ヴェルバス団長達と一緒にずっと行動してました、だから団員の誰かに聞けばすぐわかります!」
ベル・クラネルは一週間ファミリアメンバー全員と共に行動していた。
彼らに聞けば無実が証明できるとベル・クラネルは必死だったが、騎士の男の次の言葉でベル・クラネルは絶望することとなる。
「何言ってやがる、団員や団長含め全員をお前が殺害したんだろうが、アドメラクファミリアはお前以外いないだろうが」
この言葉を聞いた後、ベル・クラネルは頭が真っ白になった。
全員殺害?僕以外誰もいない?
アマゾネスでスタイルが良く他の団員から姐さんと呼ばれていたミルラ副団長といつもイチャイチャして羨ましいなぁと思ってたヴェルバス団長達、夢である【ダンジョンに出会いを求めている】事を馬鹿にせず共感してくれたりしたパウルムの双子姉弟のガラさんとラコくん。
ケダモノと言いながらも戦闘技術やダンジョンの知識を教えてくれたエルフのニルさん、そしてそのニルさんとよく喧嘩しつつ僕に武器の手入れの仕方を教えてくれたドワーフのガベルさん…
その全員がーーーー死んだ?
騎士の言葉が遠くの方に聞こえ、視界がぼやける…
気がつけば僕は騎士を突き飛ばし、無夢中でホームへと向かった。