時は1月5日。
あの四人組のスポンサーとなってから、テレジアのところに通いつつモンスターを狩り、レベルを上げながら素材を得るため活動していた。
本当ならすぐにでも内容を相談してテレジアの装備作成に移りたかったのだが、それをするには事情が重なり不可能だった。
まず魔天シャワーが引っ越しのための準備で忙しく。
百々目は受験勉強……をする妹の手伝い。
■■ことブックは来客への対応が連日続くためにログインはできず。
Q・デモンストランドムには予定がなかったが、他の三人も揃っていないと作れないそうなのでどちらにしろ不可能。
俺? 俺は予定ないよ。リアルも特にない。
親からは家から出たら良いと言われたが、出てもやることなんてないので断った。
精々、試しに
まぁ兎に角、そんなわけでスポンサーになったのにやることが何もなくモンスターを狩る日々が続いたわけだが……それも今日で終わった。
現在、俺は自分の家にいる。いや倉庫だけど、見た目は家なんだ。
そして、予定が合った四人が各々椅子に座ってアイテムボックスから素材を取り出しながら吟味していた。
「色々ありますね! あ、これは……天竜の【完全遺骸】ですか、なるほど!」
「……【シャイニングメタル】【ダークメタル】【ヴォルカニックメタル】【スピリットメタル】、……?【アム鉱石】?これ、 少ない」
「Q、そんなこと言ってはいけませんよ。しかし、装備品も多く詰め込まれていますね。わ、【救命のブローチ】がこんなに」
「兎に角手当たり次第に集めた感じ、かな」
百々目が呟いた言葉は正しい。
俺も何を集めれば良いのかわからなかったので、予め集められるものは集めるようにしていた。
おかげで満タンになったアイテムボックスの数は百を超える。装備には使えないだろうと判断したもの以外は全て倉庫の肥やしになっていた。
あぁそれと、家に着いた段階で四人からはどのように作っているのかは教えられた。
魔天シャワーのエンブリオ、【共遍結理 ヒヨクレンリ】。TYPE∶テリトリー。特性は共有。
ステータス、スキル、ジョブなど、パーティ内のメンバーと任意のものを共有することができるエンブリオ。
常時発動型必殺スキルを得てからは共有にプラスして加算もされるようになり、DEXなどのステータスは一万を超えているそうだ。
百々目のエンブリオ、【金喰糸吐 ハロモナス・ティタニカエ】。TYPE∶ガーディアン。特性は金属捕食と金属糸への変換。
針金人形のガーディアン、しかしステータスは亜竜級程度と低くスキル特化。しかし、それ故にどんな金属であろうと捕食して金属糸へと変換できる。
必殺スキルは最後に食べた金属でハロモナス・ティタニカエ自身の身体を構成する。
戦闘用に思えるが、ステータスとして上がるのはHPとENDだけ。本来の用途は、数が少ない金属であってもハロモナス・ティタニカエの身体になるので、身体を削ればいくらでも金属の糸として取り出せること。もちろんその分HPが減るが、それも金属を食べれば回復するらしい。
Q・デモンストランドムのエンブリオ、【還元昇華 ミダス】。TYPE∶アポストルwithアームズ。特性はリソース変換&還元。
手袋型のアームズ。俺もアポストルなんてTYPEは初めて知ったが、ステータス補正は俺と同じく0らしく、同時に人型でもあるそうだがミダスは滅多に人型になることはないらしい。
右手で触れたモノをリソースに変え、左手でリソースを別の物体に還元、注いだリソースが一定以上になれば物体をより上位の物へと昇華するスキルを持つ。
還元はすぐに終わるが、変換と進化は触れたモノの保有するリソースと、自身のDEXに依存して時間が掛かるそうだ。
スキルは必殺スキルの一つだけ。だからなのか還元効率は高く設定されているようだ。
最後に■■のエンブリオ、【精造妖嬢 ブラウニー】。TYPE∶メイデンwithキャッスル。特性は素材強化と生産物強化。
工房型のエンブリオ。さらにアポストルと同じく人型。こちらは女性のようだが、工房を出さないと出てこないらしい。
工房内限定で素材を強化し、さらに工房内で作り出された物を強化する。四人の作成においての要とも言えるエンブリオだった。
素材強化はパッシブだが、生産物強化は必殺スキルであるらしく使用時の倍率は凄いが再使用に非常に時間の掛かるタイプだった。
……ブックの場合、以前作成した『クールタイムを半減させる』アクセサリーで再使用までの時間を短縮していたが。
と、以上が四人のエンブリオだ。
流れとしてはシャワーがステータスやスキルを共有化、Qが使わない素材を使う素材に還元して強化、ブックが工房を出して素材強化と生産物強化を行う。
何を作るのかによって百々目が金属を糸にすることもあれば、しないこともある。
そして、四人の中で一番生産職として腕が高いのは百々目であるため、大抵は彼女をメインとして生産を行う。
俺が作ってもらいたい物を考えれば、実にピッタリな組み合わせと言える。ぶっちゃけテレジアに渡す装備に鎧はないなと思ってたので。
『とりあえず足りそうガメ?』
「はい。それについては問題なく」
「むしろこれだけ集めて何を作りたいの?」
「多分出来上がるのは最高傑作になりそうです! あの着ぐるみよりも性能は上だと思いますよ!」
「……規格外」
『問題ないならそれで良いガメ。本当ならアムニールの枝とか欲しかったんだが……』
呟くように不満が出たが、出来ることなら欲しいんだよなぁ。
「アムニールの枝って?」
「……国宝」
「レジェンダリアに生息するUBMから採れるアイテムで、確か最高級の木材らしいですよ」
「それが欲しかったって……何を作らせる気なんだろ」
『今のところドレスにしたいと思ってるガメ』
「「「「ドレス?」」」」
四人の声が重なった。そんなに不思議なことなのだろうか、とそこまで考え、これがプレゼントであることを伝え忘れていたことに気がついた。
『ああ、プレゼント用ガメ。出来る限り最高なの贈りたいガメ』
「どんなのが好み?」
『うーん……好みというか、あの子は静かなイメージだからな。控えめな色合い……夜とかそういうのをイメージしてほしいガメ』
「夜、ですか」
「言いたいことは分かりますけど! 出来ますかね、百々目ちゃん」
「素材次第、あとは私の腕前とジョブ……そろそろ条件満たしそうだし、何か作ってみる」
「……キャッキャ」
「ぶふぉ」
あ、ブックが噴いた。
Qが抑揚もなく、低い声音で呟かれた一言に腹筋をやられてしまったらしい。案外笑い上戸なのか。
今はふざけたQの顔のほっぺを両手で抓ってる。
「………あ」
黙々と糸を取り出し瞬く間に服を一着完成させた百々目が声を上げ、椅子から立ち上がった。
「どうしました?」
「就職条件満たしたから、行ってくる」
「え?」
「……
百々目はそのまま扉を出て走っていった。
就職条件を満たした、ということは……なるほど?
『超級職ってことガメ?』
「多分そうだと思います!」
シャワーに聞けば頷き返してくれた。
となれば裁縫屋系統超級職……ドレスの作成にはピッタリと言えた。
これは、俺も張り切らなくてはならないだろう。
『超級職に慣れるための時間も必要だと思うから、素材は好きに使ってほしいガメ。準備ができたら呼んでほしいガメ。あ、もちろん本命用に素材は残してほしいガメ』
「あ、はい。わかりました」
『俺は素材取りに行くから。じゃあ行ってくるガメー』
そう言って俺もまた、素材獲得のために飛び出していった。
そして、十分後。
「おかえりなさい! どうしましたか!」
『
「……え?」
「はい?」
「えぇ……?」
(◎n◎)<wiki見て知ったんですけど、超級金属もガチャで出てくることがあるそうです。それならと気付きました。
(◎n◎)<【アムニール】の枝もガチャで出てくるのでは?と。
<魔天シャワー
(◎n◎)<わかる人にはわかるキャラで例えると
(◎n◎)<橘シェリー(に似てる)。
<百々目
(◎n◎)<ハイエンド(裁縫限定)。あるいは裁縫のジャンル違い。
<Q・デモンストランドム
(◎n◎)<変則的アポストル。
(◎n◎)<デンドロが嫌なんじゃなくて、元の世界が嫌だからデンドロに来なくてはならない、という感じ。
<
(◎n◎)<メイデンのマスター。
(◎n◎)<実のところリアルは男にしようかと思ったけど、やめておいた。
(◎n◎)<自分の店を作りたいと思っていて、店の名前はアトリエールと名付ける予定。
(◎n◎)<由来は……内緒で。
(◎n◎)<クロスオーバーのタグを付けないといけなくなるかもしれないから。
グラムの必殺スキル
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我が剣に曇りなし
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剣一つあれば良い
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神剣
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一剣万象
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剣の理
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全なる一刀
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そんなものはない