(●_●)<私のお話、だよ。
(●_●)<見ていってね。
(◎n◎)<ある意味、彼女たちの話でもある。
□【シシカバネ】について
彼女は【■■】だった。
生まれた時からそうだった。
彼女は贄にされる存在として生を受けた。
しかし誰も彼女が【■■】であることを知らなかった。
彼女もそれを望んでいた。
月日が経過し、彼女は強くなっていった。
自然とそうなるのが【■■】だったからだ。
ある時、彼女のレベルが一定値を超えたことで、自身が【■■】であることが判明してしまった。
そこからは闘争の連続だった。
殺して殺して殺して殺した。
物を変え、者を変え、自身に従うものを増やした。
彼女は、自我が薄れていくのを感じていた。
自暴自棄となった彼女は、既に世界を■ぼすつもりだった。
しかし、それは叶わない。
彼女が抱いた唯一の願いすら無為となり、彼女は殺された。
彼女が【■■】だったから。
そこで彼女は終わり、意識も潰える。
……そのはずだった。
だが、彼女の変えた■■の中に【冥王】がいた。
【冥王】は彼女の魂を留めた。
そして彼女自身の死体に宿らせた。
そのあとのことは、彼女にもわからない。
ただ、あまりにも長い月日を経たのは間違いなく。
彼女の精神は摩耗していった。
既に【■■】ではなくなっていた彼女に、それに抗う術は持ち合わせておらず。
彼女はいつしか、考えることをやめた。
そうして無為に時間が過ぎていく中。
彼女は動けるようになった。
地中から這い出た。
武器を作った。
生き物を見た。
動きの鈍い身体で、憎悪のままに殺そうとした。
そして、首を落とされた。
首を落とした人を見た。
とても綺麗な太刀筋をしていた。
それが彼女の最後に見た光景で……彼女の人生の、本当の始まりだった。
☆☆☆☆☆☆☆
「装備を作ってほしい、ですか?」
ブックの言葉に頷く。
「少し待っていてくれますか?」
ブックが奥に引っ込み、「皆さーん、製作依頼ですよー!」と声が響いてきた。
すぐに足音が増えていく。
「製作依頼ですか! 久しぶりに腕が鳴りますね! あ、でもメインは私じゃないんですけど」
「……何作るの?」
「それは今から聞こうと思いまして。それで、どのような物をご所望ですか?」
ブックの言葉に、予め用意しておいた設計図を取り出す。
設計図、というよりは
そういった知識は持ち合わせていなかったから。
「へぇ、なるほど」
「どうですか?」
「問題ない。どんなのが欲しいのかは理解した。今からでも作れる。
「……ある」
「じゃあ早速始めよう」
「では中庭に出ましょうか。良ければご覧になられますか?」
見ていいそうだったから、頷いて彼女たちに着いていく。
四人が中庭に出て、ブックが前に出た。
紋章から出てきたのは、洒落た小屋。
【精造妖嬢 ブラウニー】の工房。
四人に続いて入っていき、中に人が待っていた。
人、というより人型。
<エンブリオ>が現れながらもメイデン体が同時に存在する稀有な例。
彼女、ブラウニーはメイド服を着込んだ妙齢の女だった。
「おかえりなさい、マスター」
「ただいま、ブラウニー。早速製作準備に入るから、
「わかりました。それでは」
ブラウニーが姿を消す。
多分、必殺スキルを発動するから<エンブリオ>体に完全に同期したんだと思う。
慣れた様子で他の三人も準備を進めている。
「どんなのにしますか!」
「まず染色。色を白くしたい。金属は在庫が少ないからなし。今回は自然素材だけでやる。その分のリソースは回して」
「……了解。《
Qの両手に、金色の手袋が装着される。
そして必殺スキルの宣言と共に、それぞれの手が素材に向かう。
右手がテーブルに置かれた金属に触れ、左手が布に触れる。
右手が触れた金属はリソースへと変換されていき、左手に触れた布へと注がれていく。
それをじっと見つめ、すぐに
次に小屋の中を見渡す。
外見と同じく洒落た内装。いわゆるふぁんしーとか、そういう感じのもの。
そうこうしている内に、準備が整った。
「……チャージが完了しました。いつでもいけます」
「シャワー、お願い」
「お任せあれ! 共有はいつも通りで良いですね!」
「……やる」
四人が同じテーブルにつき、囲む。
「じゃあ、始めるよ」
百々目が針を構える。
他の三人もまた同じように。
四人の装備も、生産用の物へと変更されている。
DEX、及び
そして。
その奥義、《至縫》。
裁縫行為時、自身のDEXの500%分だけAGIに加算する。
そして
裁縫行為時、AGIを六分の一にしてHPを秒間一%ずつ削る代わりに裁縫によって作られた制作物の性能を十倍に強化する。使用中はどのような回復も行えない。
前者は元から存在していた奥義。最終奥義は百々目が作成したスキル。
魔天シャワーの<エンブリオ>による共有も合わさり、六分の一となってなお全員が超音速で裁縫を行い、その性能も天井を知らないほどに上昇している。
特に《死縫》が
それによって創られた今代に贈られたドレスは、比類するモノが存在しないほどに。
「残り五〇秒切りました!」
「問題ない、間に合わせる」
「急ぎましょう」
「んい」
四人が真剣に縫ってていく。
形作られていく。
白い衣装。
着ることのできなかった憧れ。
残り秒数が10を切った時、四人の手が止まった。
「……できた」
「今回は早く終わりましたね! まぁ前回は死にながら作ってましたけど!」
「慣れもあるよ。あと、素材のレベルが前よりも低めだったのも理由」
「前よりは簡単だった、ということですね。それでも疲れますけど……ふぅ。さて、仕上げを行いますね」
四人がそれぞれ感想を言い、ブックが立ち上がる。
服を手に持ち、宣言する。
「《
ブラウニーの必殺スキル。生産物の強化。
チャージを必要とし、再使用に長い時間を必要とする。
それ故に得られる効力も相応に大きい。
仕上げを終えた服がテーブルに置かれ、手持ちのアイテムボックスに収納される。
「はい。こちらになります」
「試着していく?」
アイテムボックスを受け取り、百々目の言葉には首を振って返す。
最初に見せる相手は、もう決まっている。
四人に頭を下げ、工房を出て家を出る。
望んだ相手に見てもらうために。
☆☆☆☆☆☆☆
「いやぁ、特典武具で召喚されたモンスターが一人で出歩くこととかあるんですね!」
「……可愛いかった」
「被害を出すことはないようなので、私たちが気にすることでもありませんよ」
「もしもの時はオールドポンドがなんとかしてくれるでしょ」
「スポンサー、めっちゃ強いですもんね!」
「……そう言えば」
「どうしましたか?」
「……特典武具」
「特典武具?」
「……欲しいなら皆で狩りに行かないかって、スポンサーが」
「……そんなこと気軽に言えるのはスポンサーぐらいですよ」
「それはそう」
☆☆☆☆☆☆☆
『おぉ、おかえりガメー。何処行ってたガメ?』
歩いて探していたら、すぐに見つけられた。
カメの着ぐるみ。いつもの姿。
「服を、作ってもらってたの」
『服?』
「うん。あの四人に」
『あー……あとでお礼しに行かないといけないガメ』
頭を掻く。
それをじっと見つめて、手を掴んで誘導する。
「来て」
『どうしたガメー』
見せるなら二人きりが良い。
そう思って連れて行く。
人のいない場所。二人になれる場所に。
『ここガメ?』
「うん。少し、待っててね」
辿り着いて、陰に向かう。
着たことのない服だったから、慣れてなくて、時間が掛かって。
でも着替え終わって、姿を見せる。
「どう?」
『……こいつはまた。綺麗になったな、カバネ』
「ふふ」
ずっと着てみたかった。
白無垢。
何代も前の【猫神】が伝えた服、らしい。
勿論戦闘用に動きやすいようになってるけど。
何より褒められたことが、嬉しい。
「これからもよろしくね」
『ん……、あぁ。よろしくガメー』
……気付かれたかな?
でも、それも良い。
今代なんかには渡さない。
私が最初に、見つけたんだから。
私の、私だけの……愛しい人。
<【縫神】
(◎n◎)<裁縫屋系統
(◎n◎)<と見せかけて【神】シリーズ。
(◎n◎)<こっちのほうが百々目的には適性がある。
(◎n◎)<ちなみに一緒に作業してたけど
(◎n◎)<他三人はセンスと才能で劣っているので補助しかしてません。
(◎n◎)<それを踏まえても魔天シャワーと最終奥義の組み合わせがえげつない。
【MDQB・
シシカバネ専用装備。欲しい機能と見た目をざっくりとメモして百々目に渡したら完成度が高いのが返ってきた。むしろ百々目としてはある分だけイメージしやすかったらしい。
【
装備スキルは四つ。ストックとストックとストックとストック。そしてステータス補正が全て(LUK除く)高い。完全にシシカバネを補助するための装備となっている。
グラムの必殺スキル
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我が剣に曇りなし
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剣一つあれば良い
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神剣
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一剣万象
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剣の理
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全なる一刀
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そんなものはない