カバネとの戦闘を終えた翌日。
<SUBM>となったカバネに勝利し、これで三つ目となる超級武具を入手。
だが初日から激しい戦いをしたにも関わらず、この戦争はまだ中盤の二日目でしかない。
そういうわけなので俺は歩いて皇国の<マスター>殺しに励んでいる。
ちなみに今のところ<超級>はおろか準<超級>とすら遭遇しておらず、こう言ってはなんだが雑魚狩りに専念することになっていた。
俺を相手にする場合、避けるか逃げるかしないと大抵斬れてしまうものだから、どれだけ防御に自信があろうと意味がないんだよな。
『私も出たい』
『カバネの出番はしばらくねーガメ』
『ぶー』
脳内に聞こえてくる
あぁ、一応説明しておくと……【零落破器 ロスト・システム】を討伐したことで得た超級武具、【零姫死屍 ロスト・システム】によるものだ。
よるもの、というより特典
基本的な部分は<エンブリオ>と変わりない。必要となる従属キャパシティは0だ。ただし一度倒されたら完全に
ただそれ以外は以前と変わりなくカバネを出せる。
むしろステータス的にもスキル的にもパワーアップしていると言えるだろう。
……ちなみに【MDQB・
おかげでアップグレードは困難になったようだ……っと、
『ほい』
「がぺっ?」
「えっ」
「は」
見つけた皇国所属<マスター>の首を斬る。
だいたい距離にして……300メートルほどか。
まぁ言うまでもないが、問題なく斬れる。
パッシブスキル《剣強化》EXで300%、グラムの素の攻撃力は三〇〇万。掛け算してざっくり一二〇〇万オーバーの攻撃力。それに加えて奥義《剣撃張離》で攻撃力一万で剣の射程が1メートル伸びる。なので常に射程が1200メートルオーバーとなる。
つまり大体の相手には届く。届かないならさらに攻撃力を加算すれば良い。*1
準<超級>にも達していないとは言え、もっとこう、強い相手でも欲しいところだと個人的には思う。
でもまぁ、俺の場合は剣を持ち替えるだけでその願いは満たされるのだろう。
俺の強さは、根幹を剣の性能に依存している部分がある。
逆に言えば剣が弱いと俺も相応に弱くなる。
つまり相手と対等程度に戦いたいのならグラムを使わずに戦ってしまえば済む話。
とはいえ今は戦争中なのだからそんな手加減をしようなどとは思わないが───
『ん』
進行方向。
見知らぬ人影がいた。
遠く、一二〇〇メートル以内にはいない。
しかしSPで視力を強化すれば視るのに支障はない。
ジョブのリソース、超級職と推測できる。
<エンブリオ>、上級第六形態。
保有する武器、特典武具と思わしき杖と外套。
フルフェイスヘルメットを被った<マスター>。
歩き方は不安定。歩くのにそこまで慣れていないのか。
そこまで考え、相手のフルフェイスヘルメット中央部のスリットが、開いた。
─────そのスリットが開き切る前に、既にグラムを振り抜いていた。
遠くで見える相手に動揺の色が見えた。
確かに俺は斬った。しかし肉体は斬れていない。
俺が斬ったのはスキルだ。見ることで発動するスキル。
だがまだある。
相手はグラムの範囲内にいない。
《剣撃張離》で長距離を斬れるようになっても、《剣強化》EXで攻撃力を強化しても、なお届いていない。
『《
だから届くように剣を振るう。
剣一つさえあれば、何の問題もない。
頭が、フルフェイスヘルメットごと目のあった場所からズレて、落ちていく。
視た感じ《ラスト・コマンド》が有りそうだが……じっくりと視てわかった。相手は目を媒介に戦うタイプの<マスター>だ。つまり目を潰してしまえば問題にはならない。
その予想通り、相手はそのまま頭ごと身体が崩れ落ち……一分も経たずにリソースとなって消え去った。
『……ふぅー』
重く息を吐く。
恐らく一分にも満たない行動だったが……随分と冷やりとさせられる相手だった。
手元を見ればグラムは《
それを踏まえて装備を変えて、と。
『緊張した?』
『めっちゃしたよ。なんだあいつ、俺も人のことは言えないけど殺意高すぎだろ』
『そんなに?』
『着ぐるみ着てなかったら腕の一本はイカれてた』
『わー』
先に視て把握したからそこまで焦らなかったが……普段から着ぐるみを着てなかったらどうなっていたことか。
一体、どんなパーソナルならあんな………………考えてみたら頭のおかしい<エンブリオ>は俺もだった。
スキルを一つに特化させた<エンブリオ>は確かにあるが、恐らくスキルを一つも有しておらず性能のみに特化させたのは俺くらいではなかろうか。
そう考えればむしろおかしいのは俺という結論になる。
これ以上考えるのはやめとくことにしよう。
『でも、良かったの? 今壊して』
『大丈夫。恐らく勝負を決めに来るのは三日目だからな。勿論王国も皇国も互いに本気でフラッグを潰しに来てるが……それでも三日目がある、って考えはあるだろ』
確かに《
わざわざ《
ただ、いくつか問題があった。
一つ、斬撃を飛ばすと、少し目標地点からズレる。目ごと頭を斬ろうとしたのに首が斬れた、とか。
もしそうなったら相手に反撃のチャンスを与えることになっただろう。
二つ、斬撃が届くまでにタイムラグがある。当然斬撃が
その点、《
『じゃあ、もし強そうな敵が来たら?』
『その時は───、あぁ噂をすれば』
風を切る音。
警戒のため聴覚を広げていたところに、耳に音が入ってきた。
上を見上げ─────振り注いだ弾丸を【クレーター・フォール】で弾いた。
見つめる先、飛んでいるモノがいた。
機械の竜と、それに乗る<マスター>。
リソースからして超級職と上級<エンブリオ>。
準<超級>で……それでいて手負い。
視た感じからして全力は出せなさそう、と。
『よくもまあ、その状態で手を出そうと思ったよな』
野良の<マスター>と思ったのか。
あるいは俺も全力を出せないと察して、潰そうと思ったのか。
どちらにしろどう対処しようか考え……そこまで悩む必要はなさそうだと考えた。
方法を思いつき、着替えていた装備……【
『《
HPを攻撃力に注ぎ込んでHP1とし、《
『《
そこから更に《
【クレーター・フォール】の素の攻撃力が五〇〇〇ほど。
まず《
そこに《
【シャツァン】は……要らなそうだ。
たった一回だが、これで一五〇メートルまで攻撃が届く。
まぁ実のところそこはどっちでも良くて。
要は武器の強化だ。
それには装備スキルも含まれる。
『じゃあな──《
刀を振り上げ、
それは空高くまで飛び上がり……【クレーター・フォール】を中心に超重力の黒球が発生。
こちらに飛び込もうとして、しかし危険に気付いて身を翻して逃げようとした相手を逃さず、重力で捕らえて……生々しい圧縮音を響かせて肉片へと変えた。
俺は投げたのと同時に即座に【グレイテスト・コア】に着替えて重力の影響を受けないように結界を張ったので問題ない。
何らかの復活手段や防御で生存していないのを確認したあと、また歩き出す。
『さーて、準<超級>クラスを二人倒したところで、別の相手を探しに行くガメー』
『次、私も出して。ストックを増やしたい』
『んー、次も超級職が出てきたらそうするガメ。それまで待つガメ』
<トライ・フラッグス>二日目。
その日は俺とカバネが放浪し、皇国所属の<マスター>や準<超級>を倒しながら移動し、残念ながら<超級>は見つからず。
そして最後には王都に戻ることで終結した。
次は三日目。
最終日。
その日を持って、戦争は終幕となる。
───どのような形であれ。
【竜征騎兵】、【魔眼王】
(◎n◎)<倒されました。
(◎n◎)<一人はグラムを、一人は特典武具を使わせましたが、原作とは違って二日目に脱落です。
【零姫死屍 ロスト・システム】
(◎n◎)<ステータス固定、スキル創造及びコピー可能、完全消滅アリという感じの超級従魔。
(◎n◎)<ちなみにシシカバネ時代と比べて強くなり、元は個人戦闘型と広域制圧型だったけど、広域殲滅型も追加されたハイブリッド。
【グラム】
(◎n◎)<もうお察しの方もいらっしゃるとは思いますけど
(◎n◎)<グラムは攻撃力、強度、その他の数値に見えない部分などの純粋な性能に特化してます。
(◎n◎)<壊れても修復が速いのはそのためで、《
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