最高傑作を退学に出来るわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)   作:三次創作()

6 / 10
5話:蔓延る策略

 

 

「─────来ましたか。真弓くん」

「─────あなたが呼んだんじゃないですか。…………月城理事長」

 

 

入学初日の放課後、俺は携帯で月城に呼び出され、理事長室まで出向いていた。呼ばれた理由は大体察しが付くが、なぜ俺だけなんだろうか。

 

 

「それで、要件は?」

「分かっているでしょう?まずは近日行われる特別試験の内容の確認。そして標的である綾小路清隆及び全学年全生徒のこれまでの行動や特色の確認です」

「…………早速始めてください」

 

 

やはりか。だが、ここで特別試験の内容を先に知れるのは有難い。事前に接触することは出来なくても、作戦を立てることは可能だからな。ラッキーだと思っておこう。

 

 

「まずは特別試験から。行われるものの名前は『1・2年合同ペア筆記試験』。内容は、一年生一人と二年生一人のペアを全員が作り、二人でそれぞれの筆記試験を受けるものです。試験内容は難しく設定されていて、またペア二人の合計点が500を下回ったらペナルティがあります」

 

 

その後月城から聞かされた特別試験の内容は以下の通りだ。

 

・一二年がペアを作り、二人で挑む試験

・ペアは近日公開される『OAA』という個人成績表示アプリを利用して決定され、一度決まったペアは特例でもない限り解除不可能

・ペアでの合計点が500以下の場合、二年生は退学し一年生は三か月間プライベートポイントの振込停止

 

 

「重要なのはこれだけです。つまり、あなた方三人の誰かが最高傑作とペアを組めれば、試験は無事クリアと言うわけです」

「俺たちは、そんなやり方はしない。誰一人退学せず、綾小路清隆だけを排除する。まず、退学者の救済に必要なプライベートポイントの額を教えてください」

「2000万ですよ。用意できるんですか?」

「…………生徒の説明を」

「分かりました」

 

 

綾小路清隆を退学させる方法は、思いついた。だが、これを実行するためには莫大な金が必要になる。それを個人で短期間で稼ぐのは実質不可能。金を持っていそうな生徒を当てにするしかないな。

 

 

「──────以上が綾小路清隆を含む全学年の生徒の説明です。覚えられましたか?」

「短期記憶はあそこで嫌って程叩き込まれたので。それじゃあ、今日はこれで失礼します」

「ええ。それでは、また会いましょう」

 

 

俺は軽く頷いてから、理事長室の扉を閉める。内心ではあんな怪しいクソジジイの顔なんて見たくないが、顔には出さない。アイツは、今回の作戦の貴重な協力者だからな。そして、アイツが『綾小路清隆退学特別試験』というイベントを少数相手に行うことを知れたのも大きい。

 

うちのクラスからは、宝泉と七瀬。一夏のクラスからは石上と高橋の名前が聞けた。一応、アイツらの動向も利用しながら進めていくとしよう。なるべく単細胞なヤツがなってくれた方が、色々と都合が良いからな。

 

 

 

 

 

『──────って感じだ。だから、二人は好きに動いてくれて構わない』

 

 

学生証端末に入っているチャットアプリで三人用に作成したチャットグループ。そこで、俺は今日得た知識を拓也と一夏にも共有していた。こっちは実力で引けを取る分、情報戦を制す必要があるからな。共有は必須だ。

 

 

『僕はクラスのリーダーとして動けそう。ただその分、綾小路清隆のいるクラスと接触するなら表立ってになるかな』

 

『あたしは好きに動けそう。ただ、接触するなら本人交えてが望ましいかな。クラスのリーダーは石上って子になりそう』

 

 

各々が、得た情報を出し合っていく。そんな中、俺は明日以降の動きを自分の中で考えていた。綾小路清隆退学を狙うため、宝泉と七瀬は必ず動く。だから、その裏で自分も動けばいい。まず接触すべきは──────

 

 

 

 

 

──────南雲雅、高円寺六助の二人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌週・月曜日。

 

 

今日は、午前中だけの時間割で更に授業もない。となると、公に特別試験の内容を公開するのが、今日ということだろう。俺たちは既に内容を知っているが、一応反応だけは注意しておこう。そう決め、俺は教室に足を踏み入れた。

 

 

 

「─────全員いるな。皆、宣告した特別試験の内容が気になっているだろうが、その前にやってもらいたいことがある。まず全員、学校のホームページを開け」

 

 

司馬の命令により、俺たち全員は各々スマホを取り出し、学校のホームページを開く。その後は、彼の指示に従いながら『OAA』という名のアプリをインストールすることになった。アプリの正式名称は『Over All Ability』であり、生徒個人の成績を示すものらしい。

 

 

「試しに開いてみるといい。自分のもので正確性が分かる筈だ。また、その数値は月初めに更新されるが、お前たちの分は入試の成績を基に定められている」

 

 

俺は言われた通り、OAAを開く。すると、確かに俺が入試で見せたものと同じような評価を受けていた。以下が、俺のOAA上での成績だ。

 

 

MY DATE

 

1-D 真弓 綾斗(まゆみ あやと)

 

学力   :A(91)

身体能力 :D(30)

機転思考力:C+(59)

社会貢献性:C(51)

総合   :C+(58)

 

 

身体能力を大きく下げて見せたためか、バランスは取れている。が、学力はAを獲っているので、今回の試験でペアを組むのには苦労しない筈だ。すべて見越していたわけではないけど、勘が当たったな。

 

ふと気になり、俺は宝泉や七瀬のOAAを確認することにした。もしかしたら俺たちと同様に何らかの理由で実力を偽っている可能性もあるが、OAAで数値を明らかにされた以上、その能力に則って動かざるを得ないからな。行動理念を絞れるだろう。

 

 

1-D 宝泉 和臣(ほうせん かずおみ)

 

学力   :B+(76)

身体能力 :B+(80)

機転思考力:D(32)

社会貢献性:E(12)

総合   :C(55)

 

 

この結果を見て、俺は内心驚いていた。あの見た目とあの言動で、まさか頭が良いとは思わないだろ。しかもB+ってかなり優秀だぞ、アイツがか?やはり、一致しない。人を見た目で判断するなと言う言葉が正しかったと、俺は今ここで認めよう。

 

次に、七瀬翼だ。いい子ちゃん、所謂優等生タイプな印象を与えるため、こっちは評価が高くても受け入れられる。とはいえ、宝泉にあの態度をとれるってことはOAAでは測れない実力を持っている可能性も否定は出来ないけど。

 

 

1-D 七瀬 翼(ななせ つばさ)

 

学力   :B(74)

身体能力 :B+(78)

機転思考力:B(71)

社会貢献性:C(59)

総合   :B(72)

 

 

これは納得だ。だけど、やっぱりこのデータからあの自信に繋がる根拠はない。もしかしたら行き当たりばったりのカマかけであの態度をとったのかも知れないけど、そんなことを言い出したら無限の可能性が生まれるので、ノーカンだ。兎に角、この二人の行動に注視しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

翌々日。

 

 

 

「──────新学期早々一年坊がこの俺に何の用だ?」

「──────お話ししましょうよ。…………南雲生徒会長(・・・・・・)?」

 

 

 




オリ主の作戦は、結構単純だったりします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。