またしても何も知らない狩人さん〜異能バトルよりパンチラが危ない〜   作:概ね右翼

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仕込み杖が……変形しねえ……!!

後書きに矢井とキョウの異能について詳しく書いときます。

分解される前の鷹見と、ガンギマリ矢井。

【挿絵表示】


裏設定:キョウの過去
・元超常現象捜査部部員
・特影61年度新入生として捜査部に矢井千尋と共に入部
・キョウには一つ上の兄がおり、同じく捜査部の部員であり、鷹見沙織の同期
・キョウは兄を信頼しており、好感度も高かったが、素直になれないお年頃であった。
・兄は鷹見沙織と仲が良く、それを嫉妬まじりに見ていたが、キョウもまた、鷹見沙織を信頼していた。
・キョウは矢井千尋と相棒兼ライバルとして、着実に実力を伸ばしていった。
・超常現象捜査部、61年度第三次遠征にて、キョウと矢井は成果を出す。しかし、兄に影化の兆候が見られた。
・特影はすぐに兄を始末する方針を発表
・キョウは大反対。矢井千尋は泣き叫ぶのみ。部長、黒金誠は静観。
・キョウが最後に頼ったのは、鷹見沙織であった。少し嫉妬をしていた時期はあったものの、キョウは鷹見沙織を兄に並ぶほど尊敬していた。
・鷹見沙織はキョウを拒絶。理由は述べない。
・キョウは納得がいかない。兄は鷹見沙織に恋慕に近い感情すら抱いていた、同期をそこまで冷酷に切り捨てられる鷹見の姿に、同じ人間に見えなくなってしまった。
・キョウは社会体制に不満を感じながら、渋々の納得。
・兄の葬儀を行ったが、火葬がなかった。
・兄は解体され、研究、兵器開発などの用途で無駄なく使用される
・あまりの非人道的な扱いに絶句。家畜の処理のように扱われる兄に特影の反感は最大限に高まった。
・数日後、鷹見沙織に支給された弾丸。それは兄の死骸から再利用されたものだった。


第十三話 狩人と戦う羽目になる奴が一番可哀想

 特影本部医療区画。

 

 そこは病室というより、臨床実験施設に近かった。壁面は白一色で統一され、薬品と消毒液の匂いだけが静かに漂っている。温度は一定に保たれ、人間が休息するためというより、精密機器を保存するための空間のようだった。

 

 白石はベッド脇へ立つと、眠ったままの黒鉄の肩を軽く叩いた。

 

「おい、黒鉄。手術は終わった。しばらく安静にしていろ」

 

「……んぁ……やっとか……」

 

 黒鉄は重たげに瞼を持ち上げる。意識が浮上するにつれて、身体の各所から鈍い痛みが主張を始めた。特に右腕は感覚そのものが濁っているようで、少し動かすだけでも骨の奥が軋む。

 

「つーか白石……なんで今さら手術なんだよ」

 

「今さら、ではない。お前の身体はとっくに限界を超えている」

 

 白石は手元の端末を確認しながら、事務的な口調で続けた。

 

「右腕は複雑骨折を放置したまま酷使。異能使用による負荷で組織は半ばケロイド化している。鼻骨骨折、頭蓋には亀裂。肋骨は五箇所に損傷。右大腿骨は開放骨折の痕跡あり。左腕は比較的軽傷だが、異能神経が部分断裂していた」

 

 そこまで読み上げたところで、白石はようやく顔を上げる。

 

「何か感想はあるか」

 

 黒鉄はしばらく天井を見つめた後、乾いた声で答えた。

 

「……まあ、名誉の負傷ってやつだろ」

 

「アホを言うな」

 

 一拍も置かない否定だった。

 

「お前の場合、負傷ではなく損耗だ。兵器ですら、もう少し丁寧に扱われる」

 

「ひでェ言い草だな」

 

「事実だ。むしろ感謝してほしいくらいだな。仮に手遅れになったとしても、お前はきちんと解体して有効活用してやる」

 

「ああ、あの素晴らしいリサイクル精神のクソみてェな研究か」

 

 黒鉄は鼻で笑う。

 

「アレのせいで、オレは後輩を二人失った。いつかマジで殺してやるから楽しみにしとけ」

 

「それは実に楽しみだ」

 

 白石は表情一つ変えなかった。

 

 黒鉄は露骨に舌打ちする。

 

 その反応を気にも留めず、白石はカルテを閉じた。

 

「話を戻すが、本来ならお前は即入院、集中治療コースだ。それを“治った”の一言で学園へ復帰し、そのまま暴れ回った。今日はその経過観察だったわけだ」

 

 黒鉄は再び舌打ちしかけ、喉の渇きに気づいて顔をしかめた。

 

「……で?」

 

「最近、倦怠感、頭痛、手の震えが出ているな」

 

「……ああ」

 

「検査結果が出た」

 

 白石は淡々と告げる。

 

「お前の体内から、水銀が検出された」

 

 数秒、沈黙が落ちた。

 

「……は?」

 

「水銀だ」

 

「いや聞き返したんじゃねェよ。なんでオレの身体に水銀入ってんだって話だ」

 

「それはこっちが聞きたい」

 

 白石はわずかに目を細めた。

 

「加えて、もう一つ問題がある」

 

 その言葉だけで、黒鉄は嫌な予感を覚える。

 

 白石はわずかに間を置いてから続けた。

 

「水銀とは別に、未知の物質が検出された」

 

「……未知?」

 

「構造不明。既存のデータベースに一致なし。異能反応も理論上の整合性が取れん」

 

 まるで天気予報でも読み上げるような口調だった。

 

「解明できれば、ノーベル賞級だな」

 

「よくねェよ!!」

 

 黒鉄は反射的に半身を起こし、その瞬間、右腕へ激痛が走った。

 

「ッッ……!!」

 

 骨の軋む感覚に顔を歪めながらも、黒鉄は白石を睨む。

 

「怖ェよ!! なんだよその未知の物質って!!」

 

「さあ」

 

「“さあ”で済ませんな!! お前研究者だろうが!!」

 

「一応な」

 

 白石は平然と頷いた。

 

「まあ、水銀も未知物質も除去は済ませてある。これに懲りたら、少しは安静を覚えろ」

 

 それだけ言い残し、白石は踵を返す。

 

 自動扉が静かに閉まり、病室には再び機械音だけが残った。

 

「はぁ……暇……」

 

 黒鉄は力なく天井を仰ぐ。

 

「せめて暇潰しくらい置いてけよ、白石ィ……」

 

 そこで、枕元に小さな金属製の輪が置かれていることに気づいた。

 

「……あ、知恵の輪」

 

 ———————————————

 

 白石は一人、地下通路を歩いていた。

 

 特影本部地下十六階層。地上の学園施設とは切り離された、記録上すら輪郭の曖昧な領域である。白色灯は無機質な光を一定間隔で廊下へ落とし、空調設備の低い駆動音だけが、深海じみた静寂の底で微かに脈打っていた。

 

 この階層の大半は、白石個人の研究区画だ。

 

 研究室、培養室、隔離実験棟、薬品保管庫。そして、正式な記録には決して残されない処置室。

 

 白石が若くして特影の重要研究者へ抜擢された理由は単純だった。成果である。それも、人道や倫理を踏み潰してなお余りあるほどの。

 

 人体改造。異能神経の移植。影化者組織の生体利用。人格維持実験。異能誘発手術。

 

 本来、それらは国家が許容してはならない領域だった。日本という国家は、少なくとも建前の上では、民主主義と法治を掲げた文明国なのである。しかし現実には、国家という機構は往々にして理念より実益を優先する。白石の研究は、あまりにも実用的だった。あまりにも効率的で、あまりにも国家利益へ直結していた。

 

 ゆえに国家は沈黙した。

 

 倫理とは、余裕のある国家だけが掲げられる装飾に過ぎない。

 

 その結果として白石へ与えられた肩書きが、《特別研究主任》である。公表されることのない地下深部で研究を続けながら、国家最有用戦力──黒鉄誠の消費期限を一日でも長く引き延ばす。それが白石に課せられた役割だった。

 

 その白石が、今では学園で教鞭まで執っているのだから、人生とは皮肉なものだ、と彼女は時折思う。

 

 研究室の扉が音もなく開く。

 

 室内中央、無菌机の上に置かれた透明なシャーレ。その内部で、“それ”は静かに脈動していた。

 

 黒鉄誠の体内から回収された未知の物質。

 

 白石は足を止め、しばらく無言のままそれを見下ろしていた。

 

 重層世紀*1六十一年。人類が異能を体系化して以降、この世界から“未知”は急速に駆逐されていった。

 

 かつて人類は、理解不能そのものに畏怖を抱いていた。

 

 時間とは何か。

 

 重力とは何か。

 

 生命とは。

 

 意識とは。

 

 空間とは。

 

 だが異能は、それらへ強引に手を突っ込んだ。時間操作系異能の解析は、時間を“流れ”ではなく高次情報の圧縮展開現象として定義し直し、重力操作系異能は、重力が質量ではなく次元間応力の偏位によって発生していることを証明した。超距離転移系異能は空間理論を書き換え、人類は世界を“理解する側”へ回ってしまったのである。

 

 研究者にとって、それはある種の終焉だった。

 

 未知は、解明されることで死ぬ。

 

 そして白石自身、その死体を解剖し続けてきた側の人間だった。

 

 彼女は再びシャーレへ視線を落とす。

 

 既存理論へ適合しない構造。観測できるにもかかわらず定義できない情報反応。異能的痕跡を持ちながら、異能理論そのものから逸脱している“何か”。

 

 久方ぶりだった。

 

 純粋な未知など。

 

 その事実だけで、胸の奥に沈殿していた研究者としての本能が熱を帯びる。乾いた喉が微かに鳴り、思考は自然と解析工程を組み始めていた。

 

 触れればいい。

 

 異能を使えば、一瞬で理解できる。

 

 白石の異能、《開示》。

 

 対象に内包された情報を強制的に暴き立てる能力。構造、履歴、原理、成分、因果、理論。“理解可能なものである限り”、暴けない情報は存在しない。

 

 ゆえに、この未知もまた、白石がその気になれば未知ではなくなる。

 

 その事実に気づいた瞬間、胸中に湧き上がっていた高揚が、すっと冷えていった。

 

 白石は、自嘲するように小さく笑う。

 

 結局、自分たち研究者はいつも同じなのだ。

 

 知りたいから調べた。

 

 出来るから試した。

 

 必要だったから進めた。

 

 そうして積み上げられた成果の上で、今、命を削っているのは誰だ。

 

 黒鉄誠の顔が脳裏を過ぎる。

 

 あれは失敗作ではない。むしろ成功例だ。白石たち大人が積み上げた理論と技術、その集大成に近い存在である。

 

 だからこそ、なおさら醜悪だった。

 

 大人が始めた研究の尻拭いを、若者が血を吐きながら続けている。

 

 世界を前進させるという大義名分のために、子供たちが消耗品のように扱われている。

 

 その現実を知ってなお、好奇心だけでこの未知へ手を伸ばす資格が、自分にあるのか。

 

 白石は長く沈黙した末、静かにシャーレへ蓋を被せた。

 

 続いて厳重封印用ケースを開き、慎重な手つきでそれを内部へ収める。電子ロックを起動し、隔離番号を入力。閲覧権限を最上位まで制限し、解析許可欄を空白のまま閉じた。

 

 研究者として見れば、愚行に等しい判断だった。

 

 未知を前にして、解明を拒む。

 

 それは探究者にとって、信仰を裏切るに等しい。

 

 それでも白石は、ケースから手を離した。

 

「……これ以上、大人の不始末を若い連中へ押し付ける気はない」

 

 誰へ向けた言葉でもない。

 

 ただ、静まり返った地下深部に、その低い独白だけが淡く沈んでいった。

 

 ——————————————

 

 特影学園三階渡り廊下

 

(か、狩人さん無事だったんですね……本当に心配しました……よかった………………いや、良くねえよ! この状況! ダブルテロリストに加えて激おこ千尋さん! それに私は絶賛人質中!!)

 

 異様な静寂の中で、雨宮の声だけが不自然に浮いた。

 

「狩人さん! 大丈夫です沙織先輩は生きています! だ、だから、逃げてください!!」

 

 切迫しているはずの言葉は、しかしどこか場違いで、状況の深刻さと噛み合っていない。誰かを救おうとしているのか、それともただ一人を選んでいるのか、その境界すら曖昧な響きだった。

 

 その声に反応したのは、狩人ではない。

 

 カイだった。

 

 わずかに目を細める。

 

(誰だ)

 

 視線は、まず外見をなぞる。所属を示す記号はない。規律も統一も感じられない。ただの異物──だが、その判断は即座に棄却される。

 

(……いや)

 

 思考は、すぐ次の段階へ移る。

 

(なぜ、この場に来れた)

 

 学園内部へ至る導線は、すでに潰してある。教員、生徒、外部勢力──いずれも介入できぬよう、影化者を配置した。最短経路でも二十体以上。足止めではない。“到達させない”ための配置。

 

 それを、抜けてきた。

 

 その事実だけで、評価は跳ね上がる。

 

 視線が、相手の手元へ落ちる。武器は左手に握られた、古めかしい銃のみ。

 

(……あり得ん)

 

 違和感が、静かに膨張していく。

 

(隠し持ちゆうか)

 

 コートの内側、胸部の不自然な膨らみ*2。武装か、それとも偽装か。どちらでもいい。問題は──

 

 一歩も引いていないこと。

 

 この状況、この密度、この死地において、“そこに立っている”という事実そのものが、前提を破壊している。

 

(情報が、なさすぎる)

 

 警戒が一段階引き上がる。

 

 その瞬間。

 

 狩人が動いた。

 

 無造作に、間合いを詰める。威圧でも牽制でもない。ただ距離を奪うためだけの踏み込み。それだけで、空気がわずかに歪む。

 

(おお! 狩人さん私のためにそんな……クソッこのままじゃ私のせいで無抵抗な狩人さんが赤髪テロリストにあんなことやこんなことがされちまう!!)

 

 場の緊張とは無関係に、雨宮の思考だけが暴走している。

 

(そうなるくらいなら!)

 

 だが、その暴走が、ほんの一瞬の隙を見逃さなかった。

 

 カイの意識は、完全に狩人へと向いている。

 

(今ッ!!)

 

 思考よりも先に、身体が動いた。

 

 踏み込むでもなく、構えるでもなく、ただ雑に──

 

 蹴る。

 

 素人の足払い。

 

 だが、完全な不意だった。

 

「──ッ!?」

 

 重心が浮く。体勢が崩れる。ほんのわずか、数センチの揺らぎ。

 

 それで十分だった。

 

(ありがとう弁慶! あなたの弱点のおかげで私、脱出できました! やっぱ先人の知恵は大事だね)

 

 雨宮は迷わず飛び込む。

 

 視界の端で避け続けていた“それ”へと。

 

 地面に散らばる断片。形を失った肉。温度を保ったままの残骸。

 

 ──鷹見沙織。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

 

 掻き集める。腕に絡みつく感触は、もはや肉とも骨ともつかない。重さだけが現実を主張する。形はない。まとまらない。それでも、手を止める理由にはならない。

 

 置いていっては駄目。

 

 それだけは、わかる。

 

 学校カバンを開ける。中身を無造作に捨てる。空いたカバンに押し込む。鷹見沙織を詰める。溢れる。零れた分は抱える。腕が塞がる。視界が狭まる。それでも止まらない。

 

 自力の人質からの脱出。加えて、他の人質の回収。

 この場でできる、最適解。

 

「待てや!」

 

 カイの手が伸びる。即座に体勢を立て直し、追撃へ移る判断の速さ。

 

 だが。

 

 その一瞬の隙を、狩人の前で晒した。

 

「ッ!!」

 

 バン!! 

 

 乾いた銃声。

 

 カイが咄嗟に回避した。狩人の狙いは正確。少しでも回避が遅れていれば、カイの頭が弾けていただろう。

 

 カイの中で、評価が跳ね上がる。

 

(躊躇もない。人質も見ていない。撃つ判断が早すぎる)

 

 警戒が、確信へ変わる。

 

「狩人さんありがとうございます! 赤髪女は触れたものを生きたままバラバラにする異能です! 気をつけて!!」

 

 情報を残し、雨宮は走り去る。カバンと腕に詰め込んだ“それ”を抱えたまま、足取りだけは異様に軽い。

 

 カイは動かない。

 

 追わない。

 

 分解した存在は、自分以外には戻せない。

 

 死体も同然。

 

 ならば。

 

 今ここで優先すべき対象ではない。

 

「……ええわ」

 

 吐き捨てるように呟く。

 

 視線が戻る。

 

 狩人。

 

 この場の均衡を崩した、唯一の要因。

 

(こいつは、骨が折れるぞ……)

 

 その確信が、静かに根を張る。

 

 次の瞬間、空気が張り詰めた。

 

 戦いの主軸が、完全に切り替わる

 

 ———————————

 

 一週間。

 

 それは、本来の貴方にとって、あまりにも長すぎる時間だった。

 

 半日すら連続して存在し得なかった貴方にとって、“朝を跨ぐ”という行為そのものが異常に近い。夜が来れば狩りへ向かい、夜が終われば、そこで途切れる。積み重なりという概念そのものが希薄だった。

 

 だが、不思議と苦ではなかった。

 

 むしろ、短いとすら感じた。

 

 なぜなのか、貴方にはわからない。

 

 日の出と共に、学園へ帰還する。

 

 朝の光は白く、眠たげで、狩りとも血とも無縁な色をしていた。その中を、貴方は杖を突きながら歩く。

 

 途中、何人もの生徒とすれ違った。

 

 視線は向けられる。だが、長くは続かない。

 

 警戒も、拒絶も、歓迎もない。

 

 よそ者であり、場にそぐわない存在であるはずの貴方を、この学園は奇妙なほど自然に放置していた。

 

 それが、少しだけ心地よかった。

 

 貴方は結局、何かを変えられる存在ではない。

 

 誰かを導くことも、救うことも、生み出すこともできない。ただ狩り、壊し、夜を越えるだけの獣だ。

 

 だからこそ。

 

 何も求められない場所が、心地よかったのかもしれない。

 

 ただ世界の隅で。

 

 自分を慕う少女たちに囲まれながら、無為に日々を浪費する。

 

 その程度の時間こそ、本当に欲しかったものだったのかもしれない。

 

 ──────────

 

 貴方は歩く。

 

 目の前の赤髪の女へ向かって。

 

 フードとマスクに覆われ、顔立ちは判別できない。だが、その鋭い目だけは隠しきれていなかった。どこか、懐かしさを覚える。

 

 狩人とは違う。

 

 近くには、もう一人。

 

 ひどく可愛らしい格好をした少女──キョウ。

 

 戦場にいるには場違いすぎる服装。フリルと装飾に塗れた姿は、血と崩壊の中では妙に浮いて見える。だが逆に、その非現実感が目に優しかった。

 

 もっとも。

 

 その女たちが、鷹見沙織をあの有様にしたのだろうということくらいは、流石に察しの悪い貴方でも理解できる。

 

 断面は奇妙なほど滑らかで、逆に生々しい。乱雑に裂かれたというより、生きたまま身体の構造だけを解体されたような有様だった。

 

 だが、雨宮曰く「生きている」らしい。

 

 実際、床へ転がった肉片のいくつかは、痙攣するように微かに脈打っていた。肺と繋がっていないはずの喉が空気を求めるように震え、切断された指先が意味もなく床を掻く。

 

 おそらく、本当に生きているのだろう。

 

 理解し難い光景だった。

 

 しかし、この世界では理解できないことの方が多い。

 

 今更ではある。

 

 貴方のポケットの中で、ピンク色の肉塊(アンナリーゼ様)も、どこか納得したようにうんうん頷いている*3

 

 一方、その頃。

 

 カイは内心で小さく舌打ちしていた。

 

 思考が乱れている。本来ならば、ここまで拮抗するはずのない襲撃だった。鷹見沙織は既に機能停止寸前まで追い込み、学園中枢も麻痺している。影化者の氾濫によって外部との連携は断たれ、矢井千尋はキョウが抑えている。未知数だった雨宮も、少なくとも戦力として計上する必要のない存在に見えていた。

 

 そこへ、この乱入者だ。

 

 情報がない。所属も不明。異能も不明。それなのに強い。

 

 その事実だけが、静かに、しかし確実にカイの思考へ圧力をかけていた。

 

 慎重になりすぎている。

 

 カイは自分へそう言い聞かせる。今回の目的は既に達成されている。鷹見沙織は潰した。学園の防衛網も死んでいる。ならば、今この場で優先すべきことは一つだけだった。

 

 ──キョウの戦闘へ、この男*4を介入させないこと。

 

 視線が、貴方の左手へ落ちる。

 

 握られているのは古めかしい短銃だった。骨董品じみた構造。十九世紀後半の様式に近い。現代戦で実用品として扱うにはあまりにも旧式で、装填速度も遅い。連射性能も低い。一発撃たせれば隙が生まれる。そこを潰せば終わる。

 

 そう判断した瞬間には、カイは既に床を蹴っていた。

 

 崩壊しかけた廊下を赤い影が一直線に駆け抜ける。分解の異能は触れれば終わる。筋肉も骨も神経も、生きたまま解けていく。だからこそ距離を詰めることに迷いはなかった。

 

 数歩。

 

 それだけで十分だった。

 

 カイの左手が、貴方の胸元へ伸びる。

 

 対して、貴方は特に迷うこともなく引き金を引いた*5

 

 銃声。

 

 火花。

 

 硝煙。

 

 だが、その瞬間には既にカイの頭は逸れていた。

 

 撃たれるより先に避けている。

 

 急接近によって射撃を誘発し、さらに姿勢を低く飛び込むことで、自然と照準を頭部へ誘導する。回避先すらあらかじめ決めた上での突撃だった。カイの戦闘経験と反応速度が成立させた読みであり、事実、その判断自体は正しかった。

 

 致命傷は避けている。

 

 だが、予想を超えていた。

 

 威力も。そして早撃ちも。

 

 炸裂した弾丸が左耳を掠め、そのまま耳殻を吹き飛ばす。肉が裂け、熱を帯びた鮮血が霧状に散った。

 

 視界が揺れる。

 

 鼓膜の奥で耳鳴りが暴れ回る。

 

 それでもカイは止まらない。既に間合いへ入っている。あと数センチ。触れれば終わる。そのはずだった。

 

 貴方は素直に感心していた。

 

 若い女が、これほど小さな動きだけで銃撃を躱すとは思っていなかったからだ。

 

 だから、親切*6に蹴り飛ばしてあげた。

 

 衝突音は、むしろ鈍かった。

 

 空気が一瞬で押し潰され、カイの身体がくの字に折れ曲がる。肺から空気が吐き出され、内臓が軋み、骨が嫌な音を立てた。蹴りというより、鉄塊による衝突に近い。

 

「ガッ──……!!」

 

 声にならない。

 

 カイの身体は数メートル後方まで吹き飛び、崩れた床を何度も跳ねながら転がった。

 

「カイちゃん!!」

 

 キョウの叫びが響く。だが駆け寄れない。矢井千尋がいる。廊下を埋め尽くす刃物の濁流が、二人の間を完全に分断していた。

 

 貴方は転がったカイを見下ろしていた。

 

 受け身自体は取れている。だが立ち上がれない。

 

「ヒュー……ッ、ヒュ──……」

 

 呼吸が潰れていた。肋骨か、肺か、あるいは内臓。どこか致命的に損傷しているのだろう。苦しそうだった。

 

 その様子を見ていると、少し庇護欲が湧いた。

 

 可哀想は可愛い。よく言ったものだ。*7

 

 貴方は無造作に歩み寄る。

 

 その瞬間、カイの瞳が揺れた。

 

 直後、腕が跳ね上がる。

 

「──ッ!」

 

 苦悶に歪んでいた動きが、一転して鋭さを帯びた。左手が一直線に貴方へ伸びる。演技だったのか、あるいは痛みを押し潰していたのか。どちらにせよ、触れた存在を分解する異能というのは少し興味深かった。

 

 だが、痛そうなのでやめておく。

 

「あ゛ァッ!!」

 

 仕込み杖が、カイの手の甲を貫いた。

 

 肉を裂き、骨を割り、そのまま床へ縫い止める。血が跳ねる。それでもカイは止まらない。今度は右手が杖へ伸びる。分解する気なのだろう。

 

 以前、黒鉄との戦闘で武器を奪われ、素手で殴り合う羽目になったことがある。あれは少し面倒だった。

 

 だから今回は、壊される前に壊すことにした。

 

「グッ──!!」

 

 貴方はそのまま右腕ごと、カイの顔面を蹴り飛ばした。

 

 カイの身体が横殴りに吹き飛び、壁へ叩きつけられる。鈍い破砕音が響いた。

 

 左手は縦に裂けていた。

 

 杖が刺さったまま蹴り飛ばしたせいだろう。

 

 実に痛そうだった。

 

 ———————————

 

「カイちゃん!」

 

 キョウの声が、崩壊しかけた渡り廊下へ鋭く響いた。

 

 だが、その焦りは長く続かない。

 

 視線を向けた、ほんの刹那。

 

 横合いから飛来した鉈が、空気を裂いてキョウの側頭部へ迫っていた。

 

 カン──!! 

 

 ネイルハンマーが咄嗟に振り上げられ、激しい火花が散る。弾かれた鉈はそのまま壁へ突き刺さり、コンクリートを深々と裂きながら停止した。

 

 重い。

 

 受けた瞬間、キョウの腕に鈍い痺れが走る。

 

 以前の千尋なら、こんな投げ方はしなかった。

 

 否──できなかった。

 

 そこまで思考が至るより早く、矢井千尋が踏み込んでくる。

 

 距離が近い。

 

 速い。

 

 そして、迷いがない。

 

 振り下ろされたのは、ノコギリ──そう認識しかけた直後、キョウは理解を修正する。

 

 違う。

 

 それは刃物ではない。

 

 刃物の“集合体”だった。

 

 刀身の途中から包丁が枝分かれし、峰へ鋸刃が癒着し、肉腫めいた刃群が無秩序に膨れ上がっている。生成途中の刃物同士を無理やり融合させた異形。

 

 武器という概念から逸脱している。

 

 矢井はもはや、刃物生成そのものを鈍器として叩きつけていた。

 

 ギィン──!! 

 

 ネイルハンマーが受け止める。

 

 その瞬間、キョウの膝が沈んだ。

 

「ッ……!」

 

 重い。

 

 衝撃が腕を貫通し、骨へ直接叩き込まれる。

 

 握力が軋む。

 

 肘が悲鳴を上げる。

 

 それでもキョウは笑った。

 

「千尋ちゃん、性格悪いねえ〜」

 

 軽い口調。

 

 だが、その声音から余裕は削れている。

 

「そんなんだから、新入りちゃん*8に見捨てられるのかな〜?」

 

 言葉と同時に、キョウの輪郭が揺らいだ。

 

 身体が、床へ散乱した刃の鏡面へ沈み込む。

 

 鏡像。

 

 反射。

 

 実像の転移。

 

 刃から刃へ。

 

 窓ガラスから鋼鉄へ。

 

 反射を経由しながら、キョウは空間そのものを滑走するように位置を書き換えていく。

 

 だが、矢井は追わなかった。

 

 追う必要がなかった。

 

 ギギギギギギ────

 

 耳障りな金属音が、空間そのものを震わせる。

 

 床を埋め尽くす刃物群が、一斉に軌道を変えた。

 

 殺到する。

 

 暴風じみた密度で。

 

 キョウが現れる先、その全てへ向かって。

 

「ッ……!」

 

 キョウは即座に次の反射面へ跳ぶ。

 

 包丁。

 

 割れた窓。

 

 転がるナイフ。

 

 次々と移動を繰り返しながら、濁流のような刃の群れを回避していく。

 

 その最中だった。

 

 キョウは、違和感に気づく。

 

 移動先が、減っている。

 

 否。

 

 “潰されている”。

 

 矢井は刃物を増やしているのではない。

 

 空間そのものを加工していた。

 

 鏡面を歪ませ。

 

 反射角を崩し。

 

 鏡像を乱し。

 

 キョウが利用できる経路そのものを、削り落としている。

 

「……ソラさんは、キョウとは違う……」

 

 低い声だった。

 

 感情を押し殺した声。

 

 だが、その奥底には煮えたぎる怒気が沈殿している。

 

「……キョウじゃない……!」

 

 次の瞬間。

 

 キョウが飛び込もうとした包丁の刀身が、不自然に膨れ上がった。

 

 刃の途中から、さらに刃が生える。

 

 歪む。

 

 増殖する。

 

 鏡面そのものが崩れる。

 

「──ッ!?」

 

 鏡像が乱れた。

 

 転移が、ほんの一瞬遅れる。

 

 その隙へ、矢井が踏み込む。

 

 振り下ろされる異形の刃塊。

 

 キョウはネイルハンマーを合わせるが、

 

「ぐッ……!」

 

 押し返せない。

 

 重い。

 

 以前とは比較にならない。

 

 刃と刃が擦れ合い、火花が爆ぜる。

 

 ギチギチと、耳障りな金属音が鼓膜を引っ掻いた。

 

 矢井の武器は、振るわれるたびに形を変えていく。

 

 刃が増え。

 

 癒着し。

 

 歪み。

 

 重心すら定まらない異形へ変貌していく。

 

 経験で覚えた防御感覚が、少しずつ狂わされていく。

 

 キョウは後方へ跳んだ。

 

 その瞬間。

 

「痛ッ……!」

 

 足裏へ激痛が突き刺さった。

 

 床。

 

 そこには、いつの間にか無数の彫刻刀と錐が上向きに生成されていた。

 

 ただ刺さっているだけではない。

 

 互いに擦れ合い、振動している。

 

 踏み抜いた瞬間、肉を裂きながら内部を抉る構造。

 

 血が散る。

 

 靴底が裂ける。

 

「……ッのォ……!」

 

 キョウの顔が歪む。

 

 矢井は止まらない。

 

 さらに刃が増える。

 

 壁を裂き。

 

 床を削り。

 

 天井を砕きながら、空間そのものを刃物へ変えていく。

 

 もはや戦闘ではない。

 

 災害だった。

 

 人間一人の怒りが、物理法則ごと空間を侵食している。

 

 キョウは理解する。

 

 千尋は数で押しているわけではない。

 

 この場全体を、自分専用の処刑場へ変えているのだ。

 

 だが同時に、キョウは知っていた。

 

 この出力は長く続かない。

 

 千尋は昔からそうだった。

 

 不器用なくせに、いつも限界以上をやる。

 

 だからこそ。

 

 キョウは血の滲む口元をゆっくり吊り上げる。

 

「……はは」

 

 掠れた笑いが漏れる。

 

「やっぱさぁ、千尋ちゃん。アタシと戦う時だけ、本気すぎない?」

 

 ———————————————

 

 カイは、朦朧とする意識の底で、どうにか思考を繋ぎ止めていた。

 

(……何が、起きたがや……?)

 

 理解が追いつかない。

 

 いや、考えようとするたびに、身体の損傷がそれを遮る。

 

 左耳は半ば吹き飛び、熱を持った血が首筋を伝っている。肋骨は軋むたび肺を刺すように痛み、右腕は力を入れるだけで骨同士が擦れた。裂けた左手など、もはや握るという機能すら失っている。

 

 ただ、それでも今はまだ動けていた。

 

 脳が痛覚を切っている。

 

 アドレナリンが、無理やり身体を誤魔化している。

 

 もしこれが切れれば、自分はきっと、その場で喚き散らしながら転げ回るのだろう。

 

 カイは震える左手を見下ろした。

 

 掌が、真ん中から裂けている。

 

 白い骨が見えていた。

 

 指を少し動かしただけで、裂け目の奥で赤黒い肉がぬるりと蠢く。

 

(……っ、うわ……)

 

 一瞬、本気で吐きそうになる。

 

 視界が滲んだ。

 

 こんな傷、見たことがないわけではない。自分は異能力者で、戦闘にも慣れている。死線だって潜ってきた。

 

 それなのに。

 

 いざ自分の身体が壊れると、こんなにも怖い。

 

(そうか……あいつ……)

 

 荒い呼吸の合間に、カイはどうにか思考を整理していく。

 

(銃だけやない……)

 

 古めかしい短銃。

 

 あれは視線を集めるための餌だ。

 

 意識をそちらへ向けさせ、本命を通す。

 

 杖。

 

 いや、杖に偽装した武器。

 

(最初から……あれが本命やったがか……)

 

 ふらつきながら、カイは立ち上がる。

 

 脚だけは、まだ無事だった。

 

 肩で息をする。

 

 酸素が足りない。

 

 脳が痺れる。

 

 肺がまともに膨らまない。

 

 呼吸をするたび、胸の奥で何かが嫌な音を立てていた。

 

(落ち着け……考えろ……)

 

 視界の先では、狩人がゆっくりと歩いてくる。

 

 急がない。

 

 焦らない。

 

 まるで、自分がもう反撃できないと知っているかのように。

 

 そのさらに奥では、キョウと矢井千尋の戦闘が続いていた。刃物の濁流が空間を削り、壁も床も、原型を留めていない。

 

 だが、見ればわかる。

 

 キョウが押されている。

 

(……負ける……?)

 

 その考えが浮かんだ瞬間、胃の奥が冷えた。

 

 頭ではなく、本能が理解する。

 

(ワシ……殺されるんがか……?)

 

 怖かった。

 

 信じられないくらい。

 

 心臓が嫌な速度で脈打っている。

 

 脂汗が止まらない。

 

 呼吸が浅い。

 

 指先が震える。

 

 立っているだけのはずなのに、膝が笑う。

 

(嫌や……)

 

 喉が引き攣る。

 

(死にたく、ない……)

 

 涙が滲んだ。

 

 情けない、とカイは思う。

 

 こんな状況で泣きそうになるなんて。

 

 ついさっきまで、自分は冷静に状況を分析していたはずだった。

 

 なのに今は、まるで普通の小娘みたいに怯えている。

 

 脚から力が抜けた。

 

 へたり込む。

 

 呼吸が乱れる。

 

 視界が揺れる。

 

「……カイ……ちゃん……」

 

 その時だった。

 

 微かな声が届く。

 

 左耳は半ば潰れている。

 

 それでも、確かに聞こえた。

 

「……カイちゃん!!」

 

 キョウだった。

 

 崩れゆく廊下の向こうで、血まみれになりながら、それでもカイの名を叫んでいる。

 

 あの頃と変わらない声だった。

 

 無茶苦茶で、軽薄で、うるさくて。

 

 でも、いつだって自分を呼ぶ声。

 

「……キョウ……」

 

 その瞬間、カイの頭へ再び熱が戻る。

 

 アドレナリン。

 

 恐怖を焼き潰すように、脳が無理やり身体を覚醒させる。

 

 痛みが消える。

 

 いや、消えてはいない。

 

 もう、感じる余裕がない。

 

(そうや……)

 

 カイは、ゆっくり顔を上げた。

 

(ワシが頑張らんで、どうする)

 

 カイとキョウは二人で一つだ。

 

 ずっとそうやって戦ってきた。

 

 なら。

 

 まだ終わっていない。

 

「キョウ!!」

 

 血の混じった声で叫ぶ。

 

「舌ァ噛むなよォ!!」

 

 次の瞬間。

 

 カイは、足元へ触れた。

 

 異能が発動する。

 

 すでに矢井千尋の刃によって半壊していた渡り廊下、その支柱、床、鉄筋、コンクリート──構造そのものが、一斉に分解されていく。

 

 一瞬だけ。

 

 世界が静止したような錯覚。

 

 そして。

 

 “崩壊“

*1
ガ○ダムの宇宙世紀みたいなやつ

*2
ただの乳房

*3
気がする

*4
一応女

*5
突進で銃パリィ狙いがち

*6
ヤーナム基準

*7
犬も銃で吹っ飛んだら可愛………やっぱ可愛くねえや

*8
雨宮




矢井千尋 ――『刃物生成』

使用者の表皮周囲10cmにのみ、“刃として成立する形状”を瞬時に生成する異能。
生成された刃は即座に消滅するため、材質は不明。

この10cmの領域は、矢井にとって“第二の皮膚”として機能している。
外部から衝撃を受けると、鳥肌のような反射反応で刃物を自動生成。さらに衝撃に応じて最適な形状へ精製されるため、極めて高精度なオート迎撃として作用する。

ただし、あくまで“刃”で迎撃する異能であるため、ガスや液体などの浸透型攻撃には弱い。

また、生成領域は“表皮基準”であるため、自身の皮膚を剥離・散布することで、一時的に生成範囲を拡張可能。
剥がれた皮膚に異能神経が生きている間のみ、その周囲10cmを新たな生成領域として扱える。

さらに矢井は、生成した刃の切先から次の刃を押し出すように連続生成し、不要部位を即消滅させることで、疑似的な長距離斬撃を実現している。


キョウ ――『鏡実像』

“鏡像を実像として扱う”異能。

反射体に映った対象へ干渉することで、その影響を実体側へ反映できる。
鏡像へ攻撃を加えれば本人にも同様の損傷が発生し、鏡越しの攻撃すら成立する。

また、自身が映った反射体へ触れることで、自らを“鏡像”として内部へ移行可能。

さらに、反射体に“別の反射体”が映っている場合、その像を経由して移動を連鎖することができ、
理論上、視認可能な反射の連続さえ存在すれば、移動距離に制限はない。

この性質を利用することで、キョウは瞬間移動にも等しい高速移動を実現している。
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