またしても何も知らない狩人さん〜異能バトルよりパンチラが危ない〜 作:概ね右翼
四話目にして遂にまともな異能バトルです。
私も我慢ができずにいきなり最強を出してしまいました。勿論、計画も何もないので、これから大丈夫でしょうか。
とりあえず楽観視。趣味の小説なんて書きたいものを書くのが一番ですからね。
あと、ルビの振り方を先ほど気付いたのですよ。
思いの外、こちらの小説サイト多機能で、慣れるまで時間がかかりそうです。
そう考えれば、今まで私が読んできた小説の作者様には頭が下がる思いです。
最後に、私の願望兼懇願なんですが。
どなたか評価か感想をください。承認欲求がプルスウルトラして涎が止まりません。
気が向いた方だけでいいので。
お礼に挿絵とか頑張って描きます。需要あるかは知りませんが。
ふぅ。言いたいこと言って満足しました。
長くなりましたが第四話をどうぞ。
貴方は白石に案内されながら、施設を歩いていた。
貴方にとって初めての異性(同性)とのデートである。
やはり、女性に歩かせるのは紳士としてダメなので、しっかりと俵担ぎにして白石をエスコートしていく。恋人でもない女性とここまで密着してしまうのは、不埒と思われるかもしれないが、貴方の対人関係は壊滅的なので、ついつい先走ってしまうのも仕方ない。
左肩で白石の腹部の柔らかさを堪能しながら、右手で貴方の主武器でもある“仕込み杖”を突きながら歩く。
かなり長いこと歩いているため、白石も疲れたのか、随分と前から「ぐるじぃ……」だの「じぬぅぅ…………」だの「いっだんおろじでぐれぇぇ……」といったよく分からないことを言っている。今はだいぶ静かになったが。
最近の若者はデートでこのようなことを囁き合うのだろうか。
貴方はそう解釈した。
貴方には疲労の概念は存在しないが、流石に気疲れがなくもない。
女性とのデートをしながら、訓練された警備兵を相手取るのは、少々堪える。
それに加え、貴方を制圧しようとする兵は様々な武装を繰り、殺傷性が高くなっている。流石に輸血液(貴方の回復アイテム)や弾薬といった消耗品が心許なく感じる。
貴方はとりあえず白石を下ろす。
「グエッ」
……妙だ。
先ほどまで、通路の向こうから絶え間なく聞こえていた足音が途切れている。
銃声も、警告音もない。
貴方は歩みを止め、杖を床に突いた。
兵士の投入が止まる理由は二つしかない。
撤退か配置換えか。
そう考えていると、強い殺気を感じた。
通路の奥から、ゆっくりと足音が響く。
こちらを挑発するように、絶対的な自信が滲み出るように、通路に足音が反響する。
貴方は奇襲を仕掛けようと、ダクトに視線を向ける。
──いや、しかし。
今、貴方は白石とのデート中だ。
ここはカッコつけるべきなのでは?
確かに、奇襲を仕掛ければどのような強者であれ優位に立つことができる。
貴方ほどの強者ともなれば、戦闘は一瞬にして終わるだろう。
それは同時に、白石にカッコつける時間が減ることと同義である。
貴方はカッコつけたい年齢なのだ。
ここは真正面からの迎撃を試みることを選んだ。
ちなみに、白石の安全性は一切考えていない。
間も無く辺りに響く。
「オイオイオイ。お前がXか。脱走するなんて、どんな化け物かと思いきや、ただのデカ女じゃねぇか。それも異能を持たない」
通路の奥から現れたのは、燻んだ銀のような髪色の少女だった。
いつぞやのポニーテール(鷹見)が着ていた制服を黒くして改造したような服に身を包んでいる。
そんな少女が、期待はずれといった顔をしている。
「おい…… ゼェ…… Xゥ……
そいつは……異能力者だ……最強のな……
ゼェ…… 諦めることを勧める……」
白石から、かすれた忠告が入る。
貴方も只者ではないと肌で感じる。
その証拠か、彼女の一部から視線が外せない。
──胸部。
なぜか急所のはずの場所を曝け出し、黒いサラシのようなものを巻いて一応、恥部は隠されている。
制服の至る所には金属の装飾があるというのに、なぜ、胸部の防御力だけが壊滅的なのか。
加えて、ミニスカート。
しかもタイト。
タイツは破れている。
【異能以前に、構造が危険である】
貴方は彼女から視線を外せずにいた。
「……! ハハ、良い目だ。
さっきはただの人間なんて言って悪かったなぁ」
少女は笑う。
「ただもんじゃねぇな、お前は……
オレは特影学園三年の
せいぜいオレを楽しませろよ!」
そう言って、彼女は異能を発動させようとする。
髪がふわりと浮き上がる。
スカートも、わずかに持ち上がる。
なんと凶悪な異能だ。
貴方がチラリズムを堪能していると、
彼女の手にバチバチと電気が走り出した。
「銃を持っているらしいと聞いて、少しは警戒していたが……油断したな!
とくと味わいやがれ!!」
彼女は腕を振り下ろし、床に手をつけた。
電気が地面に潜り込む。
次の瞬間、床が盛り上がった。
パイプ、鉄骨、コード。
ありとあらゆる金属製の物が、生き物のように地面から飛び出してくる。
「オレの異能は金属を強力な磁力で操る!
まともに死ねると思うなよ!!」
金属が、蠢いた。
床、壁、天井。
配管、梁、装甲板、破壊された破片。
ありとあらゆる金属が引き寄せられ、黒鉄の周りにいくつもの塊が形作る。
施設が、悲鳴をあげている。
「──っ、来るぞ!」
白石が叫ぶ。
「磁力の指向性を固定している! あれは避けろ! 直撃すれば──」
言葉の途中で、金属の奔流が解き放たれた。
「メタル・
弾丸どころか砲弾のように貴方目掛けて飛び寄せる鉄塊。
圧力。
衝撃。
貴方は、白石の襟首を掴み、そのまま技の範囲外まで投げた。
「きゃっ!?」
貴方の回避は間に合わない。
杖と銃で、防ぐしかない。
発砲。
同時に、杖で鉄塊の軌道を逸らす。それを何回か行う。
貴方の横を通り過ぎた鉄塊は壁にクレーターを作った。
まともに喰らえば痛そうだ。
「いいもん持ってんじゃねぇか!!」
「こいつはいただくぞ!」
強い力で引っ張られる。
──違う。
引かれているのは、貴方ではなく武器だ。
「X! 君の武器もやつの影響下だ! このままでは蜂の巣にされるぞ!」
白石が叫ぶ。
だが、タダで手放す気はない。
貴方は引かれる力を利用し、杖を槍のように全力で投擲した。
しかし、杖は
「チッ……危ねぇな!」
……なるほど。
鉄製のものは、引き寄せられ、止められ、弾かれる。
どうやら、それがこいつのやり方らしい。
ならば。
貴方は、ためらいなく引き金を引いた。
「!!!」
弾丸は、一切減速しない。
「いてぇ……クソ! なんで減速しねぇ……!」
貴方の弾丸は、水銀を貴方の血で固めた代物だ。
どうやら、磁力というやつは、そこまでは面倒を見てくれないらしい。
間髪入れず、再度発砲。
だが、鉄塊が盾のように展開され、黒鉄を守る。
それなら。
貴方は距離を詰めた。
鉄塊ごと、踏み潰すつもりで。
貴方は自分のことを技量型だと思っているが、
こういう時、やっていることはだいたい力押しだ。
人体の限界を軽く超えた速度で踏み込み、
距離が数メートルに縮まった瞬間。
貴方の身体が、撃ち抜かれた。
散弾のように。
細かな金属片が、まとめて。
「ハァ……ちと油断したが、のこのこと近づいてきたなぁ……」
「X!
まずは距離を取れ! そこはやつのエリアだ!!」
白石が叫ぶ。
数十メートル離れた場所から、必死に。
叫び慣れていないのか、途中で咽せた。なんだかかわいいね。
「正確には違うがな。
というか白石……さっきからうるせぇぞ」
「お前が重要人物じゃなけりゃ、今すぐ殺してる」
……どうでもいいが。
彼女は、喋るたびに攻撃の手を緩めている。
その間に、貴方の止血はだいたい終わってしまった。
手加減でもしているのだろうか。
──────
(イテェ……)
そのはずが、
鉛製の弾丸なら磁力に反応しない──そこまでは理解できる。
だが、この磁場の中で、銃口を一切ぶれさせずにこちらを正確に狙撃してくるなど、あり得ないことなのだ。
数百メートルほど距離を取れば磁力の影響はかなり弱まる。だが、そんな距離からでも、今まで自分に弾を当てられた銃使いは存在しなかった。
直感による擬似的な未来視を併用して狙い撃ちしてくる鷹見でさえ、自分には当てられない。
それほどまでに、
久しく忘れていた、痛み。
だが──
それどころか、火に油を注がれたかのように、かつてないほど激しく燃え上がっていた。
(イイ……最高だ……)
目の前の存在、X。
それは
(出し惜しみは、無しだな……)
もはや、手加減も、周囲への被害も、黒鉄の思考には存在しない。
──────
「X…………悪かったなぁ。
だが、ここからは手加減なしだ……」
なるほど。やっと喋らなくなるのか。
先ほどから戦闘中に喋っていて、舌を噛まないか少し心配だったのだ。
貴方は場違いなことを考える。
「知ってるか……Xゥ……
現代文明のほとんどは鉄でできてんだぜぇ……」
貴方は銃で撃とうか少し悩む。
会話が長くて、正直飽きてきたのだ。
「文明に殺されろ!!
──メタル・
世界が、裏返った。
音が、消えた。
いや、違う。
消えたのではない。
聞こえるはずの音が、追いついてきていない。
次の瞬間。
施設全体が、悲鳴をあげた。
床が隆起する。
壁が軋み、装甲板が引き剥がされる。
天井の梁が、重力を無視して湾曲し、貴方へと向きを変える。
施設が、貴方を“標的”に定めた。
環境そのものが、敵対している。
配管が弾け、内部の鉄骨が露出する。
剥き出しになったそれらは、槍のように、檻のように、波のように形を変え、貴方へ殺到する。
逃げ場はない。
防ぐ場所もない。
上下左右、そのすべてが──殺意だ。
「Xッ!!」
遠くから白石の声が聞こえる。
「それは……それは攻撃じゃない!!
黒鉄は今、この施設を──いや、この“文明”を使ってる!!
逃げろ!! 逃げないと、押し潰され──」
「テメェは黙っとけ! 一応守ってやんよ!!」
「な!? ……」
白石の周囲を鉄が覆い、即席の球体を形成する。
外から見れば、巨大な鉄球だ。
貴方の足元が、沈む。
床が柔らかい。
否、柔らかく“なろうとしている”。
鉄が、粘土のように蠢き、貴方を包囲し始めている。
「ハハ……!」
ただ立っているだけだ。
腕も組まない。
指先すら、動かしていない。
それでも、世界は彼女の意志に従っている。
「どうしたァ、X!!
逃げねぇのか!?
文明ってのはよ……人間の味方じゃねぇ!!
使えるやつだけを生かす仕組みなんだよ!!」
鉄の波が、貴方の全身を押し潰しにかかる。
数トン。
数十トン。
いや、もはや単位に意味はない。
都市が、施設の全てが、
貴方一人を消すためだけに圧し掛かってくる。
このままでは、貴方を中心とした巨大な鉄球が完成する。
貴方は、即座に
近づけば、精度と威力が上がる。
そんな理屈を考える暇はない。
「ハッ!! この状況で攻めてくるか!
お前ならそうしてくると思ったぜ!!」
音を置き去りにする速度で、
銃で仕留めるには十分な距離だ。
この異常な磁場の中でも、外すことはない。
──だが、貴方は欲張ってしまった。
それ以上に、近づくべきではなかった。
貴方の体内で異常が起こる。
「これで終いだ!!
──
次の瞬間。
貴方の身体から、血と鉄でできた“花”が咲いた。
衝撃と同時に、後悔が込み上げる。
──もう少しで、パンツが見えそうだったのに。
強力な磁場の影響で、
パンチラどころか、パンモロ寸前だったのだ。
キャラ紹介
黒鉄(くろがね)
異能:磁力。
磁場を自在に歪め、重ね、圧縮し、固定することで、
金属結晶の配列すら再構成させることが可能。
年齢:18歳(高校3年生)
身長:149cm(現実は非常なり)
体重:インゴット○個分
容姿:燻んだ銀髪の無造作ロングヘア
瞳は銀
小柄だが、しっかり筋肉はある。(別に腹筋は割れてない)
胸はなくは無い。
特影学園の制服(兄のお下がり)を自分仕様に改造したものを着用。
所々に散りばめられた金属の装飾には特に意味はない。
開放的な胸元も同様に意味はない。
異能力者は合理性より「好きな格好」をしている方が、
コンディションが良くなるらしい。
黒鉄がエッチな格好しているせいで、思春期狩人さんが真面目に戦えてないですね。
白石はだいぶ狩人さんに絆されました。元々の職場がブラックでやりがいのないクソ職場だったのが悪いのですよ。