シカバネは明日を夢見るか 作:第四東高等学校デビルハンター部
盛大なクラッカーと音とともに、公安本部庁舎を訪れた。
「あれ?ここって公安本部庁舎で合ってますよね……?」
静まり返る一同。
「月宮先輩!ウケてないじゃないですか!」
「私の責任じゃあないだろ。元はと言えば水上だろ」
「違いますけど!?」
勝手に話を進める二人のデビルハンターを前に、宗魔はただ立ち尽くしていた。
◇ ◇ ◇
「私は水上聖波。契約悪魔は波の悪魔。君は?」
「呪鬼宗魔です。契約悪魔は……まだいません」
二人がいるのは公安本部庁舎特殊エレベーターホール。
ここから未来の悪魔などが収容されている地下施設へ向かうことができる。
「君も変わり者だね。なんで中卒でデビルハンターなんか」
「親が貧しくて。少しの間でもここで働いてその給料で恩返し出来たらなと思って」
「……んじゃぁ、すぐやめるんだね」
「はい、まぁそういう予定です」
エレベーターに乗り込む二人。
「取り敢えず、この公安にいる限りは悪魔と契約してもらわないといけません」
エレベーターが動き出す。
「代償が軽そうで、人間に友好的な奴を選んだので、安心してね」
エレベーターが止まる。扉が開く。
しばらく廊下を歩いて、S-12と書いてある大きな鉄の扉を聖波が開ける。
「死体の悪魔」
◇ ◇ ◇
死体の悪魔は、外見はパッと見人間だった。
だが、暗闇によく目を凝らすと、その肌にある無数の縫い痕、そして左足と右手に巻かれた包帯。
「わぁ!久しぶりに人間を見たよ」
聞こえた声は高く、子供の声だった。
「契約しにきたの?」
「はい……」
「凄い。今まで契約したデビルハンターは、皆に死相が見えたのに、君には見えないよ」
死体の悪魔は蒼魔の肩に手を置いた。
「じゃあ、右腕貰うね」
「は?」
◇ ◇ ◇
「代償軽いって聞いてたんですけど……」
公安の廊下を歩きながら、右腕を失ったショックを水上にぶつける蒼魔。
「軽いほうだよ、全然」
「どこがですか……」
「私なんて、体の全部だから」
「へ?」
水上は蒼真を追い越して、振り返る。
「じゃあね、新人くん」
◇ ◇ ◇
「あっという間に一日終わった……」
小さなアパートのベッドに倒れこむ蒼真。
冷蔵庫からなっちゃんオレンジを取り出し、ガラスのコップに注ぐ。
オレンジ色の水面が月の光を受けながら揺らめいていた。
「俺、悪魔を何体か倒して、まとまった収入を得たら、母ちゃんに全部あげるんだ」
ジュースをちびちび飲みながら、月を見て話す蒼真。
「……まずは、みんなと仲良くなるか」
第一話『邂逅』