Asyu-on Archive 作:非キヴォトス人のアコード
怒りと破壊のデュンクが途絶え、代わりに別のデュンクが聴こえる。
これは先刻余談的に伝えた、安寧と創造のデュンクだ。
かつての人々が応えた真のデュンクである。
応答の旋律アンを奏でるんだ、オマエタチの『透き通りし青い声』で。
1、2、3、4に対して1、3、2、4の返答が無意識に5人に浮かび上がる。そうして5人で奏でれば、デュンク・アンが成立だ。
それによって生み出されるBEACONの光はオマエタチの前途を指し示し、かつオマエタチ自身が光を生み出す。
このデュンク・アンの旋律が、BEACONとなって動き出すぞ。
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「この音は…!……今まで聴こえていたものよりも、心地良いですね」
「スバル先輩、この音は一体…!」
「えぇ、何がどうしてこうなったのかという納得はひとつもできないですが…この音は、これからアリウスが生まれ変わる証なんだと思いますよ」
事のあった場所から離れたところにいた2名も、安寧と創造のデュンクを聴いていた。
梯スバルももう少し時間をかける必要はありそうだが、物事を冷笑する思考癖を取り払う手筈が整いつつある。彼女も覚醒の途上の先導者になるのは目の前だろう。
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「なんだかとても…穏やかな気持ちだね」
「あぁ、だが私達は、ここからやらねばならないことがある」
「新しいアリウスをどうするか、でしょ」
「そうですよねぇ…でも私、今アズサちゃんと同じ気持ちですよぉ!」
「うん。立て直していかないといけないが、難しいからと言ってといってそれを諦める理由にはならない」
必要な艱難辛苦を見定め、その一点へ集中する力を得たようだ。
さて、それでは私はこれで【オォイ?(楽)まさか立ち去ろうとしちゃあいねぇだろうなぁ?(怒)ここんところの後始末を付けるには(喜)オマエも決断しなきゃならねぇことがあるだろう?(怒)】
…道化師に叱られてしまいました。はい、冗談でございます。
私にはやらなければならないことがあります。
「さて、これよりヒラサワはアリウス分校の『学長』となることを宣誓致します。といっても私はしがない奏でる用務員でしかありません、アリウスの生徒達に不要な口出しをしないことをお約束します…そしてアリウススクワッド、学長よりキミ達に所謂『生徒会』としての役割を授けます。アリウスを主だって導くのは、あなた達です」
「生徒会…!」
白洲アズサが目を輝かせる。
話し合いの中で、秤アツコが生徒会長の役割を果たしたいと申し出があった。その他アリウス生の意見も取り入れた上で、恐らくは既定路線となるだろうか。
「そしてトリニティの分校などという名ばかりの体裁は止めにしましょう。これよりアリウス分校は『アリウスユニオン』とします…只今アリウスの少女達は現トリニティ系の者を中心として、外部学校に端を発する生徒も少数派ながら入り乱れていることを確認しております…これはまさしく『混沌の連合体』と言うに相応しい。そしてキミ達はアリウスの少女達としてケイオスから立ち上がった。前指導者の残滓を打ち破るための校名を皆さんに授けます」
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「わ、わーお…」
物陰から驚嘆しながらアリウススクワッドを見ている1人の少女がいた。少女は白洲アズサと同じように白い羽の翼を有し、見目は可憐で清廉な様子をした桃色髪のヒトである。
少女は『聖園ミカ』というトリニティ総合学園の生徒であった。
どうにかこうにかカタコンベを力技で突っ切ってきたと見られる。
(ついにアリウスに来れたと思ったら、凄いところに出くわしちゃったみたいなんだけど…)
トリニティ総合学園において、アリウス分派についての文献は多くが秘匿されていた。
かつて袖を分つ最大の事案となった『第一回公会議』から、アリウスはトリニティを恨んでいるというのが、現在までのトリニティにおいて長く通説となっていた。
その中で聖園ミカは、今のアリウス分派との対話を試みて交流を深めたい、和解をしたいという、好奇心と打算混じりだが本気の意志を抱いたのである。
そうして来てみればこれだ…前指導者を追放し、新たな嚮導者と共に新たな学校の姿を目指すと決起している。驚かないわけがない。
「さて、そこの崩れかけの壁で見ているお客様はどなた?」
「!?」
なんて言っていたらステルス某学長は気付いている。ヤイヤイとミカを見ている。そろりそろりと姿を現す。
「え、えっとー…隠れて見ててごめんね…?」
「タービンが回っているから大丈夫だ!」
「……へ?」
((((どうして今タービン…))))
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「そういうことなら是非ともアリウスユニオンを整える協力体制、お願いしたいです」
聖園ミカもまた、トリニティの生徒会『ティーパーティー』の生徒会長にパテル派から擁立されるのが既定路線の1人。
それであればアリウスユニオンの暫定生徒会長の出番だ。
「その…トリニティのこと、恨んだりとかはしてないの…?」
「まずその点については、暫定生徒会であるアリウススクワッドは明確に『ない』、というよりも『なくなった』が正しいかな。だけど、他の子達の感情はこれから全容を掴まないといけない。たった今生徒会、生徒会長として擁立されたばかりだから」
「………そっ、か…」
面食らったと言わんばかりの反応。それも当然だろう、ここまで柔らかい態度とは予想できまい。
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「クククッ…!!この短期間で…ここまでヒトの在り方を変えることができるとは…」
「あの技法は私にも真似出来ん領域だ。まさしく『救済の技法』とでも言おうか」
「彼の使った
「そういうこった!!」
この件を観測していた3組もまた、驚嘆の限りであった模様。
最早ベアトリーチェなどお構いなしだ。
「しかし、ベアトリーチェはどこへ飛ばされたのか…」
「そうなのですよ、あの『pai duai』と唱えただけでどこかへ転送する力…クックックッ…私でも皆目見当が付きませんよ」
「ともかく…アレを私達も喰らわないようにしなければ」
「まあ、そういうこった…!」
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ステルスが介入したことで、既にこのキヴォトスは異常が生じているだろう。しかし何も心配することはない。
彼女が更なる学びを得たいという元とは違う形で、トリニティ総合学園へ転学するのは当然の帰結なのだ。
ここからようやく、おかしな
まだこれは序章です。
おかしくなった本編がここから始まります。